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政府委員(
古市圭治君)
紹介率につきましては、
全国一律の
一つの数字ということはないと申し上げました。しかし、今回の
特定機能病院に期待されているところというものが、
外来においても
地域の中で高度
医療を提供する
機関としてふさわしい
外来のあり方と
考えたときには、
一定割合の
紹介制というものにこたえていくという
機能が期待されるわけでございまして、そこで、
地域の
状況というものによりましょうが、現在過去の成績で何%の
紹介であったかというのは、当然
申請していただくときに書いていただくことになるんではなかろうか。
その
紹介率がその
地域から見てどの程度あるのが望ましいのかというのは、
病院自身も
考えられましょうし、
地域全体からも期待されるところがあろうかと思います。それがまた都会の真ん中にある
病院と、それからまた地方の単科の医科大学のように離れたところにある大学では
紹介も全然違います。
もっと具体的にイメージとして申し上げますと、同じ
東京の私立医科大学にいたしましても、慈恵医科大学と慶応の医学部とでは全然違う。慈恵医大の場合には、住民がほとんど昼間人口は多いけれ
ども夜はいないということから、あそこはもう開業医さんもいなくなった。そうすると、あそこでは
地域医療を担わざるを得ないという慈恵医大の
役割がございます。一方、慶応医大の方は、いわゆる中央線、総武線の沿線にあるというところで、かなり広範囲の
医療というものを請け負っていくということになろうかと思います。
そういうことがいろいろございますので一律に決めませんが、
審議会の中で、この
病院はこの程度である、将来に向かってはこの程度ふやしていきたい、こういうようなことで御
審議をいただくということから、
一つの、これは具体的にはわかりませんが、グループ分けをして、ここはこの程度までいくんじゃないか、こんな御
審議になるんではなかろうかとも思うわけでございます。
それからそこで、
紹介率に関しましては、非常に
外来患者が少なくなるとか不利になるとか、いろんな私
どもから申しますと誤解と申しましょうか、我々の
説明する時間が短かったということもございますが、
大学病院側それからまた
特定機能病院に該当すると思われる
病院側の不安、それからまた疑念がございました。
そこで、その
紹介率というのは、初診の
外来患者さんを分母といたしまして、その分子に
紹介した
患者さん、また救急の
患者さん、こう入るというのが
一般でございますが、それだけでなくて、
大学病院の
外来にずっと再診で通っておられる方で、もう
大学病院でなくてもいいという人を
地域医療機関に戻したと、これを
先生御
指摘の逆
紹介と申しますが、その数を分子に入れます。そうすると、かなり
大学病院の中でも
紹介率というものを高めることが可能なわけでございます。
大学側の
説明は、
外来に通った
患者さんが、風邪だ、腹痛だと結果的にはなるとしても、最初は非常に大きな悪い病気じゃないかと思って見える人を、
紹介状を持ってこないとだめだというのは大体酷であるよと、こういう話もございますが、逆
紹介というのは大学側で幾らでも
外来患者をもう一遍整理することが可能である、そういう
意味から逆
紹介を入れたということでございます。
さらに、このような
制度を誘導していくためにはどのような方策があるかということでございますが、これは私
どもは、この特定
医療機関というのはこういう
病院であるということで、そのことをとることによって
病院機能が本来こうありたいと思っておったところに近づけるということが
一つございましょうし、それからまた名称というものは独占的な名称になりますから、
地域に向かっては
病院の
機能が明らかになってくる。
さらには、これは
保険局長の分野でございますが、
診療報酬によってそういう
病院の採算がさらに悪くなるということを避けて、それに集中すれば、それなりの
機能に適合した
報酬ができてくる、そういうような
制度とそれから
報酬とが結びつく
一つの端緒にもなるんではなかろうか、このように思っておる次第でございます。