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竹村泰子君 また、ここでもそのADI以内なので人体への影響はないと考えられると、こういうお話なんですね。ソバは今八九年の調査で年間約十万トンを輸入している、これは国内消費量の約七九%、トウモロコシは千四百四十万トン輸入している。そういうことで、トウモロコシやそれからキウイを毎日毎日食べ続ける人はいないかもしれないけれ
ども、おそばはこれは
日本人の大変な好物であり、おそばは毎日食べる人が、好きな人だったら朝昼晩食べるかもしれない、そういう食品ですよね。
それで、今いろいろ御
説明があって、植物防疫法との絡みがあるということはよくわかりますけれ
ども、有害な昆虫が入ってきたら困る、それはもう確かにそうだけれ
ども、しかし、そこのところはもうちょっと工夫があったんじゃないか。いきなり言われて三倍に緩和をしてしまうというふうな、こういう数値では、そしてこういうことが大きく報道されているような状態では、
国民が安心して食べ物を食べられないというのは当たり前のことではないでしょうかね。
ちょっと時間がなくなってしまいましたけれ
ども、私のちょっと調査をいたしましたところによりますと、三十四農薬のうち発がん性があるものが七つあるんですね。それから不妊、胎児への影響がおそれられるものが
一つあるんですね、クロルプロファムというのですけれ
ども。それから急性毒性が疑われるものが、アルジカルブというのですが、
一つないし二つあります。
それで、これは農水省の資料だと思うんですけれ
ども、私たちが一日にどのくらいの食べ物を食べるのだろうかということを調べてみますと、一日のすべての、もちろんたくさん食べる人もあるしちょっぴりしが食べない人もあるけれ
ども、平均するとおおよそれ百五十グラムぐらい食べるのではないか、総摂取量ですね。
この総摂取量に従って、FAO、WHOのADI値、それから
厚生省のADI値、ずっと計算した表を私ここにつくって持ってるんですけれ
ども、この中で、今ちょっと私が触れましたクロルプロファム、不妊、胎児への影響という、この農薬について申しますと、大体低い量で今回も抑えられているんですが、ジャガイモが突出しているんですね。五OPPMなんですね。これはもう明らかにポストハーベスト農薬なんですよね。こういう例があります。
それから、さっきから話に出ておりますフェニトロチオンな
ども、麦類では今度非常に緩和されてしまいました。それからマラチオンでいいますと、これも麦類では八PPMという数字が出ているんですけれ
ども、これはまさにポストハーベスト基準ですよね。そして、小麦粉になると一・二PPMというふうになるわけですから。全粒で、このごろは全粒パンなんていうのが非常に健康食として売られていて、私も大好きなんですけれ
ども、そういう、皮ごと全部を粉にしちゃうというときには八PPMの基準で許されちゃうんですね。小麦粉になると一・二PPM。
こういうふうな非常に不思議な数値がいろいろ出ておりまして、これを詳しく
一つ一つお聞きする時間がなくなってしまいました。ですから、さっきの米と麦の問題も、
日本人はお米をたくさん食べて麦は余り食べないからというふうな食生活の違いがありますとおっしゃいましたけれ
ども、あるデータによりますと、食品群別摂取量の年次推移というのを見ますと、
平成二年のデータで米類が百九十七・九グラム、一日ですね、これ多分。そして小麦類が八十四・八グラム。米の四〇%ぐらいは小麦を食べてるんですね。そういうデータもあります。
子供たちは、さっきも言いましたけれ
ども、とても麦でつくったもの、パンとかスパゲッティとか、お菓子とかケーキとか、そういったものが大好きです。
私は、そういうことを考えますと、これは余り国際基準に合わせよう合わせよう、平準化しようとして
日本の基準を緩めちゃうということは大変な問題であるというふうに思うんです。幾つもの食品を私たちは食しますね。そのことで相乗的な影響を考えなければならないのではないかという、衆議院の分科会の
質問も出ていて、それにも玉木さんは答えておられますけれ
ども、食べ物の問題といいますと、何か天下国家とは余り
関係がないような、そういうふうにこれまでの国会の論議では扱われてきたのではないかと私は思うんです。そんな食べ物の安全なんということを言っているよりも、いろんなもっと国際的に緊急の
課題がたくさんあるというふうに、これまではそうだったんじゃないかと思いますが、時代は変わったんですね。宮澤総理も所信表明演説で、たしか生活者中心の政治ということをおっしゃっていると思います。これはどこの党もみんなそのことの重大さにもう気がついております。
大臣、お金を出せば今はどこの国のものでもどんなものでも、スーパーへ行けば、デパートヘ行けば食べ物があふれております。そういった中で、大臣もお孫さんがおありになるかと思うんですけれ
ども、かわいいお孫さんたちに未来世代への影響という、残留農薬ですね、そういったことを考えていて、何でも食べなさい、
日本に売っているものは何でも安全だよ、私がちゃんと管理しているからというふうにおっしゃれますか。どうですか。