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政府委員(藤井
治芳君) お答えいたします。
先生御
指摘のように、
地域の
活性化を図って
四全総でも提唱されておりますいわゆる多
極分散型の
国土を
形成する、こういう表現がいいかどうかわかりませんが戦後四十年の間に結果として強い
東京が生まれてきた、これを、これから強い
地方をつくるというためには交流ネットワーク社会を完全にきちっとした形でつくらなければそのベースはでき上がらないだろう、こういうふうな認識を持っております。
そこで、例えば
東京の都心三区を見ますと、九十数%が地下鉄あるいは鉄道で人を運んでおります。しかし、
地方におきましては公共
交通機関が希薄でございますから、格段に自動車に依存しております。そういうことが自動車保有率等々にも如実にあらわれております。
特に、女性が社会へ進出する傾向を見ますと、この十五年間の間に外に出る率、これを例えば
昭和四十六年と六十年を比べてみますと、全体でその間に二・六倍ふえておりますが、家事、買い物、こういったものが四・二倍というようなことで、非常に大きく生活そのものに根差した動きが顕著になっております。そのことが女性が非常に社会に進出する基盤
整備になっているかと思います。
また
東京圏の例をとらせていただきますと、高齢者がだんだんふえてくる中で、全体の動きは
昭和五十三年から
昭和六十三年の十年間を見ましても一一%ぐらいしかふえておりませんが、高齢者が外へ出る率は一・六倍、言ってみれば出やすい社会、参画しやすい社会になってきております。こういうことは、言ってみれば車を
中心とした交流社会が
一つ一つ大きく根づいているものと思っております。
そういう
意味で、
全国的な高速
交通サービスを充実するとともに
大都市と
地方との交流条件の格差を是正する、こういう視点で、一般国道、これは
昭和四十年に一級、二級と二つの分け方をしていたものを一般国道というふうに
一つにいたしまして、そして以後、国道の再編成をやってきたわけでございますが、去る四月三日に政令によって百二路線六千六十一キロの国道網の追加
指定をさせていただきました。これは高規格幹線道路網と表裏一体をなすものでございまして、こういう基盤がまずベースになければ
地域の
活性化は果たせません。
国道と高速自動車国道、高規格幹線道路、これは先生方御承知のように、
昭和六十二年の六月の道路審議会の答申を受けまして一万四千キロという
全国一時間以内のネットワーク社会のベースのフレームをつくったわけでございますが、しかし、これだけではやはり足りないわけでございます。こういう国道網あるいは高規格幹線道路網、さらにそういう中で質の高いネットワークをつくらなければ、大きな形で
一極集中する形でしか
地域の集積圏が
形成できないと思っております。そこで、それぞれが
集中するのではなく、そのままのある状態で大きな集積
効果を上げるためにも質の高いネットワークをつくっていかなきゃいけない、このような視点から
地域高規格幹線道路網の
考え方を生み出してきております。
こういう
意味で、それぞれのネットワークを私
どもは新しい十一次五カ年計画の中で何とか実現、実行といいますか、具体化したい、かように考えております。
順番に申し上げますと、高規格幹線道路は
平成四年度今年度中に六千キロ、
平成十二年今世紀中には九千キロになることが大体今のところで予想がついております。
これとあわせまして、
地域高規格幹線道路網を
先ほど都市局長からも
お話がありましたような
地域、
地方拠点都市、こういったものを支えるための大きなフレームとしてつくり上げる。あるいは
全国的な高規格幹線道路網の足らざるところ、あるいはそれらとの中間として
地域のいろいろな
活性化のために必要な
地域、こういうものを結ぶものとして
地域高規格幹線道路網をつくりたいということで、この計画を
平成四年度にまとめようと思っております。そして十一次にはこれを大きな私
どもの
課題として取り組みたい。こういうものを全部組み合わせながらやっていくわけでございます。
例を四国でとらえますと、四国は
平成十年にはいよいよ本州と三つのルートでつながります。九州経済圏と四国経済圏、中国経済圏と四国経済圏、近畿圏と四国圏、これが一体となるわけでございますから、大きな
意味での
国土全体としての集積圏がここでも構築できるわけでございますから、そのときに四国の中における集積
効果を上げるネットワークができてなければならないだろうということで、今、
関係県と御相談しながらその内容の詰めをやらせていただいている最中でございます。
こういうことで、
一つ一つ地域の声をいただきながら、新しい十一次五カ年計画におきましては、県版といいますか
地域版の五カ年計画もつくり、
地域版の五カ年計画と国全体としての五カ年計画の二つが表裏一体をなした形で新しい道路
整備に取り組みたいと思っております。