○会田長栄君 それでは、次に移らせていただきます。
今度は、いわゆる岩手県盛岡市の通称岡部山事件で非常に長い間争われている問題について、法務大臣並びに
関係局長、関連をして農水大臣、
林野庁長官にお尋ねをしてまいりたいと思います。
この問題は、参議院の
決算委員会において過去再三取り上げられている問題であることを私は申し添えます。しかし、なかなか決着がついていないという長期にわたっての係争でありますし、これは非常。に大事なことでありますから、二、三点お伺いしたいと思います。
一つは、
昭和三十六年三月二十八日の農林省訓令第二章第三条に基づき、
昭和三十六年四月、青森営林署長が雫石営林署長に赴任して、
昭和三十六年十月九日の検測作業の内容証明書、及びその翌日から十四日間の境界の管理の必要が生じたとして検測作業を行って、ここから争いになった問題であります。
この山林の土地所有権の争いは、
昭和三十七年八月十四日、盛団地裁に対し所有者が山林所有権確認の訴えから今日まで続いている問題であります。大変長い期間苦労されている問題であります。この方が言わんとするのは、日本は少なくとも法治国家でしょう、法治国家ならすべての国民に平等であるはずであります、公正でなければならないということを再三私も聞かされています。そこで、私はこの話を聞いていまして、本当にこれは私から見れば不思議でならないのでお尋ねするわけであります。
一つは、この物件は、明治四十二年、大正二年、大正六年、大正八年と非常に古い話で、元酒造業の大久保千代松さんという、これは貴族院議員だったそうでありますが、抵当権がこの物件に対して
設定されている。この抵当権が
設定されたときに、ときというのは大正九年九月二十九日、当時としては莫大な金の二万六千四百円で
設定されている。当時の所有者の土地代金というのは三十七円六十六銭、要するに七百倍の抵当権を
設定されていた物件であります。同時に、株式会社盛岡銀行が、現在の岩手銀行です、この所有権に対し三万四千円にて肩がわりを行った事実で、肩がわりしたわけでありますから、当然銀行で金だけ出して何にもないというのでは困りますから、銀行に保管しであったこの所有者の実測図というのも当然あります。そういうふうに聞きました。この実測図の山林の面積というのは四千三百九十六町歩だそうであります。
そして、準公共団体とも言うべき雫石森林組合も、
昭和四十一年八月、実測面積三千六十四町歩と認めているそうであります。
昭和十年六月ごろ、雫石営林署の森林主事もこれまた大久保さんの所有であるということを認めていたそうであります。これは林野庁の管理
部長である田中啓一氏も所有権を認めていたということが、今日はっきりしてきていると聞かされています。
そこで、この争いは
昭和十三年十月十五日付の書留にていわゆる所有者から山林境界立ち会い及び確認願が
提出されていたんです。ところが、
提出されていましたが、
昭和十三年十月から
昭和三十六年まで、何らその確認願の届け出もこれに基づく対応も営林署はしなかったと聞きます。
この問題に関連をして、
昭和四十五年十月九日の参議院
決算委員会において
質問されて、林野庁の
政府委員は、この確認願が
提出されていません、受理されたことはありませんということを
国会の中で答弁しているとい、つこともわかりました。ところが、これが争いの途中で本当は受理されていたということがはっきりしました。要するに、
昭和十三年十月から三十六年までこの件は、受理していたにもかかわらず受理しない、対応しないというままほうっておかれました。このことがこの争いの発端だと私は感じます。
そこで一つお聞きしたいのは、
林野庁長官、
国会で答弁したことがうそであったということは事実ですか、どうですか。