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説明員(
荒井治君)
長良川河口ぜきに関しまして、一昨年の
環境庁長官の
見解を踏まえまして、特に三項目の
追加調査を一年間にわたって精力的に
実施いたしました。
その三項目につきましては、まず第一に、
河口ぜきの設置によって
水質に変化がないかどうかということを
水質の数値シミュレーションによって計算しなさいということでございました。これにつきましてはいろいろ検討いたしまして、基本的にBOD及び表層のDO、溶存酸素でございますが、については
環境基準を満足するということがわかっているところでございます。それからまた、
渇水面で一番厳しい年について適用いたしますと、底の方の溶存酸素、DOについて、ほとんど満足するわけですが、八月に若干
環境基準の五ppmを下回るときがあるというような予測結果が出ておるわけでございます。
二点目の
カジカ類。これは
カジカ類についていろいろ
調査をいたしなさいということでございますが、せきの設置によって、遊泳力の弱い
カジカという底をはう魚が果たしてせきを上れるのかどうかというようなことでございます。
カジカと似たようなのでハゼというのがございますけれども、ハゼは吸盤があるために非常に上る力があるわけでして、それよりももっと弱い
カジカはどうかというようなことでございました。この点につきましてもいろいろ
現地の採捕実験等も精力的に行い、かつ室内実験でのいろいろな水路実験等も行いました。その結果、後ほど述べますような
影響軽減
対策を若干追加する必要があるだろうというようなことになっております。
また、三点目につきましては、高水敷の動植物の中に貴重種はいるのか、それについてどのような保全
対策がというようなことでございました。
現地調査をした結果、植物ではタコノアシという貴重種がいるということがわかりました。あと鳥類では、カワウ、カワセミ、タゲリという三種類の鳥類がいるということがわかりましたけれども、まずタコノアシにつきましては、
木曽川、揖斐川、
長良川一帯に非常に多く生息分布していること、また既に改変された高水敷にも既にタコノアシというものが生息していること、そういうようなことである程度水際に生える植物でございますが、これらについては
環境に十分配慮した形で対応できるんではないかというように考えております。
また、鳥類につきましては、カワウ等はそこにねぐらがあるわけではございませんで、鉄塔の上にねぐらがあって、水面に来て魚等を食しているわけでございますが、そういうことでカワウ、カワセミ、タゲリ等につきましては基本的には大きな
影響はないだろうというように考えております。
それで、先ほどの
魚類等につきまして
影響軽減
対策というものを
実施いたしたいということで、参考人の
意見聴取の中でも早瀬式魚道ということがたしか水野先生からもお話がありましたけれども、まず呼び水式魚道につきまして若干改良を加えたいということで、現在呼び水式魚道というのは左右岸に二本すっ四本ついているわけでございますが、その一門にデニール式魚道というものを設置しようと。これは欧米等で行われているわりかし遊泳力の弱い魚も上がれるというようなものでございます。
また、玉石を敷き詰めるような玉石急遽に四門のうちの一門を行う。また、上流に行ってからの川岸に浅瀬が必要であると。これは小さい魚が大きい魚に食われてしまう、そのときどうしても逃げ込むような場所が欲しいというようなことがございますので、
魚類の生息
環境のために岸辺に浅瀬を設けるような多自然型の岸辺づくりをする。要するに、捨て石によって浅瀬を設けるようなことをして、やはりアシ、ヨシを復元させるというようなことも行うというようなことであります。
それから、せき完成後におきましては、これらについて効果を判定するためのモニタリングを
実施するというような
影響軽減
対策を考えております。
そういうことで、この結果等につきまして、
建設大臣におかれましても、
環境面について大きな問題はなく、考えられる
影響についてもさらに一層適切な保全
対策を講じ極力軽減するよう
努力することとしており、これらの措置を十分講じることにより
関係自治体や治川住民の要請に十分こたえられるものと確信しているというような御
見解を付されております。また、これらにつきましては、
水質関係、
魚類関係、植物、昆虫、鳥類等の十五名にわたります
学識経験者に御
指導いただいて、これらにつきましても
環境庁当局との
調整をさせていただいてやったわけでございます。
なお、これらの結果につきましては、治川市町村当局及び住民に順次
説明してまいるというようなことを考えております。よろしくお願いいたします。