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政府委員(丹波實君) 五分で御
説明できるかどうか自信ありませんけれ
ども、努めたいと思います。
まず第一番目の気候変動枠組み
条約につきましては、
先生御
承知のとおり、五月の九日に一年半の、一年半足らずの交渉と申しますか、この種の非常に大きなたくさんの問題を抱えた
条約交渉としては非常に速い速さで採択に至ったわけでございます。
大きな問題は三つか四つあるわけですが、
一つは何と申しましても温室効果ガスの排出抑制の問題をどう処理するかということ、それから二つ目はこの資金協力のメカニズムをどう処理するかという、一番大きな問題はこの二つだったと思いますけれ
ども、前者につきましては先進国の間でもいろいろな対立があり南北間でもいろいろな意見があったわけですが、結局のところ温室効果ガスの排出抑制について先進国等のとる政策及び措置は、二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出量を一九九〇年代の終わりまでに従前の
レベルまで回帰させることが長期の排出傾向を修正することに寄与するものであるという認識を表明するということが
一つ。それからこのような措置をとる先進国等は、そのとることになる政策あるいは措置に関します詳細な報告を締約国
会議に情報として提
出し、締約国
会議はこの情報を定期的に審査する、こういうパッケージでそこが合意されたということでございます。
それから資金協力の問題に関しましては南北間で、
先生御
承知と思いますけれ
ども、新しいメカニズムをつくるのか既存のメカニズムを改善して運営するのかという点について大きな意見の対立がありましたけれ
ども、とりあえず暫定的な措置として地球環境基金でございますね、これはまさに既存の基金でございますけれ
ども、とりあえず暫定的措置としてこの地球環境基金を改善したものを利用するということで決着がついたということでございます。
内容的にはもちろん交渉事でございますので一〇〇%の目標を必ずしも達成したとは評価できない面はあるいはあるかもしれませんけれ
ども、百四十数カ国の国がコンセンサスで合意したと、今の機会を逃せばUNCEDの
会議そのものが失敗に終わると評価されるといったようなこと、いろいろなことを考えますとまずまずの成果を得たのではないか、これが第一番目の
条約についての問題でございます。
第二番目の生物多様性保存
条約の問題でございますけれ
ども、昨日十一日から第七回目の交渉がナイロビで開始されておりまして、これもUNCEDに向けて最後の
条約交渉の機会になろうかと思いますが、生物多様性と申しますのは動植物の種類の多さでありますところの種の多様性、それから同じ種の中でも個性の多様性を示す遺伝子の多様性、それから生息地のタイプの多さを示す生態系の多様性、この三つぐらいの多様性というものをいかに保存していくかという
条約でございます。
これも実は幾つかの大きな問題をめぐって各国間に対立があります。
一つはバイオテクノロジーの移転の問題、それからこの種の種の存在というのはとかく発展途上国にありましてその保存が問題になるわけですが、それとの絡みでやはり先進国の発展途上国に対する資金的な援助のメカニズムをどうするかということで、第七回目の交渉が昨日始まったばかりでございますから
見通しをこの時点で申し上げるのはなんでございますけれ
ども、少なくとも例えば資金メカニズムの問題について見ますれば、気候変動枠組み
条約の資金メカニズム問題が今御
説明したような形で一応決着したということは、このナイロビ交渉にもそれなりに前向き、前向きと申しますか積極的な影響を与えるのではないかということで、私
たちは交渉の成り行きを単に見守るのみならず、
日本としても積極的にこの交渉に参画してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
最後のバーゼル
条約の問題でございますけれ
ども、これは一昨々年に採択された
条約でございまして、趣旨は基本的にはリサイクルその他廃棄物もございますけれ
ども、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分というものを
関係国間で規制しようという、そういう
条約でございます。もしそういう規制がなければ、とかくそういう廃棄物が先進諸国から開発途上国に流れてそれが公害その他の問題に発展する、そういうことが生じないように規制をしましょうという
条約でございます。
この
条約はことしの五月五日に発効することになっておりまして、
日本としても、
外務省といたしましても、当然のことながらこの
条約には早期に加入したいと思っております。しかし、加入するためには例えば有害廃棄物の輸出入についての許可の問題その他
関係の
国内法の改正を必要とするということで、現在
関係各省庁でこの
関係国内法の作成に当たっておりまして、基本的には最終的な段階に入っていると
承知いたしておりますが、ややもうしばらくのお時間をいただきまして、もし今国会中にもそういう準備が整うのであるならば今国会中にもあるいは御審議をお願い申し上げることになろうかと思います。そのときにはまたよろしくお願い申し上げたいということでございます。
以上でございます。