○小西博行君 確かに
科学技術白書なんか見ますとかなりいろいろ
基礎研究という
分野三言われておるわけです。今
長官が言われたように、論文というのは非常にあいまいな部分が私はあるだろうと思います。点数だけで何件出ているからということになりにくい
分野だと思うんです。
第一、科学と
技術というのは定義を与えますとまたこれ非常に、何が科学で何が科学でないかという
分野、あるいは
技術というのは、
日本が非常に得意なのは応用
技術だろうと、私はそういうふうに思うんです。
やっぱり先端
技術ということになりますと、例えば材料の先端
技術というのは新しい素材を
開発するという非常に大きな命題があるのではないか。これは私の持論なんですが、
日本は将来を考えますときに、製品輸出をして大国になってきた今までのやり方というものをどうしても抜本的に変えなきゃいけない時代が来るんじゃないか。つまり、製品を出しますとその国のその製品をつくっている産業というのは大変大きな壊滅的な
状況になってしまう。
日本は大量生産型というんですか、品質が非常にいいというようなことから、どうしても海外にあるそれぞれの
企業というのが競争しますと
日本にはなかなか勝てない、こういう
状況が今後も続いていくんだろう。その結果が米の問題とかいろんな問題にしわ寄せになってくるというような感じがいたしまして、私は何としてもそういう先端
技術というこの領域を何とかして頑張らなきゃいけない。
日本の今の産業の中で、例えば自動車であるとかあるいは電気製品とかいうようなものが、コンピューターもそうでありますが、非常に
発展しているわけであります。これは一番基本ということになりますと、ICとかLSIというようなこういう本当にすばらしい基礎の成果を
アメリカからいただくことによって今日のように大きな
発展をしている。そういう
分野を何かこれからやっていかなきゃいけないんじゃないか。
例えば放射光という非常に大きな研究が
日本はどうもトップらしい、それから原子顕微鏡というのは
世界のトップクラスじゃないか、超電導もまあいい線行っている、こういうふうにずっと言われております。一時はこの
委員会でも超電導の
委員会みたいな感じが実はあったわけですが、最近は
割合静かになっておりまして、最近またちょこちょこ論文が出て非常にいい
状況だ。そういういろんな
分野が言われておるんですが、今
長官が言われたように、
日本はもうすばらしい、
アメリカの方がむしろ悪いんだ、そういうことには実はならぬのではないか、そういう最先端という
分野で考えますと。その点が私は一番気になるところでありまして、いろんな
予算のことも時間があればじっくりやりたいんですけれ
ども、
予算も非常に少ないと思います。
それから、特に今も言われましたように、国の
予算、国の研究機関でやらなきゃいけないのが私は
基礎研究だろう、そう思います。というのは、
企業は、産業はいろんな研究をやりたいんですが、やっぱりリスクを伴うようなことはできるだけ避けたい、利益団体といいますか、そういうのが基本にありますから。どうしても国の方が
中心になってやらなきゃいけない。そういう
意味では、各行政機関で徹底的にそういう研究体制というものを組んでやらなきゃいけない。行政の中では、縦割りとかいろんな問題がありましてなかなか研究が進まない、やりにくい、
一つのいい設備が入っても共同でなかなか利用できない、こういう
分野が私はあるという気がいたします。なぜそういう行政
関係では今のような目標を明確にした研究がお互いの
協力関係でスムーズに進まないんだろう。十年前から比べると大分いい
状況だろうとは思いますが、その点の実情についてお
伺いしたいと思います。