○菅野久光君 それでは質問に入る前に、本日の
委員会でありますけれども、私は非常に不愉快な思いをいたしました、外務省について。ちょっと申し上げますので、次官、来た早々嫌なことを聞いて不愉快かと思いますけれども、私の方がとっても不愉快なものですから聞いてください。四月三日、金曜日のことですが、私が質問をするということで外務省にということを言っておいたものですから、
政府委員室から、
大臣はいろいろあるので出席ができないということを秘書に電話をよごしました。秘書は、
大臣の日程など具体的に
説明しなければ議員は納得しないよ、だからなぜ出れないのかということをよく
説明したらいいじゃないですかということを言ったそうです。私は、質問の通告がありましたもので翌日の土曜日、四月四日の十一時半にレクチャーをいたしました。そのときに、
大臣でなければだめですかと聞いたので
大臣を要求するということを私は言いました。ところが、その後何の接触もないわけですよ。けさ九時二十五分になってから渋谷総括
審議官から電話で、きょうは
大臣がいろいろあるので出れませんのでと、こういう電話ですよ。そんなことから理事会でも随分時間をとりましてこの
委員会の開会がおくれました。
きょうは
予算の委嘱審査なのですよ。
予算の場合は、
予算の場合でなくてもそうなのですが、
委員会で要求をしたときには国会法の七十一条で、「
委員会は、議長を経由して
国務大臣及び
政府委員の出席を求めることができる」と、ちゃんとこれは国会法で決められているのですよ。にもかかわらずこのような対応。一体私の質問に対してだれが対応するのかということも言わずに、
大臣が出れないということしか言ってこない。こんな失礼なことがあるか。私はふだん余り怒らないのですけれども、本当に何ということだ、一体。
そんな調子でまさか外交をなさっているとは私は思いませんけれども、私も、
大臣の日程で国益にかかわるような日程があってどうしても
委員会に出席できないというときにはよく事情がわかりますから、じゃ
大臣にかわるべき方として政務次官をということは当然のことですね。ところが、そういう
説明が何らなしに電話一本で
大臣が出れませんからと、こんな対応がどこにあるのか。私は、本当に外務省のそういうような態度について何と言っていいかわからない憤りを感じているわけであります。
しかも、今この
沖縄北方の
委員会では
北方問題が非常に重要な問題だ。
北方問題というのは外交の問題を抜きにして考えられないわけでしょう。にもかかわらず、今回の
委員会の私の質問通告に対してそのような態度をとったということについては極めて遺憾だということをまずもって申し上げておきたいというふうに思います。
時間が短いので早速質問に入りますが、
北方領土返還の実現の問題、これはまさに国民的な悲願であることはもう申し上げるまでもありません。そこで、
北方領土の早期
返還についてでありますけれども、今いろいろな
情報が錯綜して大変複雑な
状況にあります。これまでの主な動きを振り返ってみますと、ことし一月に宮澤総理
大臣は、国連安保理サミットの際にエリツィン大統領と会談した後、手ごたえをつかんだ、こういうことは一つの潮どきというものがあると発言されました。また、渡辺外務
大臣は二月九日、私の在任中に決着をつけたいと意欲的な発言をされ、その真意について
見通しを的確に持っているわけではないが、そういう情熱を持って解決をしたいと
説明されたようであります。
一方、エリツィン政権になってから法と正義に基づく解決が言われ、
日本政府もこれを歓迎しているわけでありますが、コズイレフ外相来日の際には、雰囲気は好転したと言われたものの、ロシア側から領土
返還への具体的な言及はなかったと言われております。
また、三月三十一日に正式調印されたロシア連邦条約には、連邦を構成する共和国の領土は共和国自体の合意なしては変更できないと規定され、ロシア新憲法草案の第七十九条二項では、領土の割譲は国民投票による意思の確認なしにはできないと明記されているというふうに伝えられております。
さらに、チジョフ駐日大使は最近の講演で、
北方領土問題では最も合理的な解決
方法を見出すことが肝心だと。特に、ロシアがこの問題の検討に当たり直面している国内的な難題を考慮に入れなければならないと述べ、ロシアで領土
返還に反対する世論が根強い現状を考慮するよう求めたと伝えられております。
このように、今までのように政府間交渉で決まるというようなことにはならないわけでありますね。
三月二十六日の本院外務
委員会では、渡辺外相は、エリツィン大統領が九月に
日本に来て三日も四日も激論して決まるわけではない、私が五月ごろロシアヘ行き、必要があればコズイレフ外相に
日本へ来てもらうなどきちっとした方向が出せるスケジュールで動きたいと述べて相互訪問などによる決着方針を示し、また
返還については
日本は柔軟に対処する、魚心あれば水心とも言うが、拡大均衡に基づき対日支援はそれなりにやっていきたいとも述べられたようであります。
このように
状況は十分に読み切れませんが、今後政府はどのような外交交渉を
展開されていくつもりか、まずお聞きをしたいと思います。