○野沢太三君 この四月一日をもちまして、国鉄改革が満五年を経過いたしたところでございます。
この改革につきましては、たび重なる国鉄自身の再建
計画の挫折に対しまして、土光さんをトップにいたしました第二次臨時行政調査会で御
審議をいただいて、抜本的な対策として全国一本の国鉄を分割いたしまして民営に転換するという
基本方針がスタートになったものでございます。この方針に基づきまして国鉄の再建監理
委員会が設置されて、亀井正夫氏を
中心に具体的な方策が
検討され、最終的に「国鉄改革に関する意見」、これは「
鉄道の未来を拓くために」という副題がついておるわけでございますが、この答申をいただいたところでございます。
この骨子は、御承知のとおり、旅客が
地域別に本州三社と三島で六会社、
貨物は機能別に全国一社として再
編成をするということでございました。
当初、この考え方につきまして多くの意見や批判がありましたが、その主なものを振り返ってみると、民営は確かに必要だが分割はいかがなものかという分割の反対論とか、あるいはその結果利用者に不便をかけることにはならないかというダイヤ
編成やらあるいは接続の問題等を心配する御意見、また、そろばんの会社になったとして果たして採算に乗らない
地方交通線を維持できるのかどうか、こういう課題もございました。そしてまた、事故防止、安全の問題に関して果たして大丈夫なのか、これも相当な方から意見が寄せられたものでございます。そしてこの結果、運賃等についても毎年上げていかなきゃいかぬじゃないかと。
計画自体もそういうことになっておりましたが、その辺の見通しを心配する
お話があったわけでございます。
今ここで、改革五年を経過した今日振り返ってみますると、これらの問題がすべて克服をされまして文字どおり
鉄道の未来が開けてきたということは、私自身改革の渦中にありました一人として感慨無量のものがあるわけでございます。
改革の成功のかぎといいましょうか一番のポイントは、やはり痛みも涙もございましたが、
一つには分割・民営という仕組みが非常に適時適切に行われてきたということ、特に
地域に則した意思決定が即決即断できるということは、大変今回のこの制度、仕組みがよかったということではないかと思います。そして、民営化の
効果というものが非常に機能いたしまして、いわば民間の活力を生かして分かれて栄える、私は分割・民営というのは民活・分栄ではないか、かように今思い返しておるところでございます。そして職員の皆様がみんなで力を合わせるんだと、労使協調という労使
関係を確立していただいて頑張っていただいた、これが大きいことではないかと思います。そして、何よりもこういった改革を国民の皆様が評価していただいて、サービスがよくなる、そしてお客様がふえる、鶏と卵のように客貨とも
どもの輸送量の増加が見られだということが大きいと思います。
たまたま景気の高揚期に当たりしまして、大変その
意味での追い風もあったということでございますが、今や創業期五年を脱しまして、いよいよこれからが真価を問われるときではないかと思うわけでございます。
関係の皆々様のこれまでの御
努力に敬意と感謝を申し上げ、今後とも温かい御指導、御鞭撻を引き続きいただきますよう、よろしくお願い申し上げる次第でございます。
そこで、しかし民営化をいたしましたJRあるいは問題の残された
清算事業団、さらに将来に向かって
発展を約束されております建設公団の
仕事等、たくさんの課題があり、問題はまだ依然として残っておりまして、再建は道半ばではないか、これからが一層重要な時代に直面をしていると思うわけでございます。
そこでお
伺いをいたしたいわけでございますが、まず
最初に、東海道新幹線の品川新駅設置問題につきまして、四月二日にJRの東、東海のトップ会談が持たれたと伺っておるわけでございます。この問題につきましては、同僚の職員からも
質問がございましたが、東海道新幹線の輸送力の行き詰まりを打開するために不可欠な
仕事と承っておるわけでございますが、これにつきまして
大臣が格別なお心配りをしていただいたことが今回の合意のきっかけになったと、これを第一にお礼を申し上げるわけでございます。
私は、この
お話を
伺いますと、お客様がまず第一に大事だと思うわけでございますし、それからJRグループにいたしましても、輸送力増強問題を解決し、さらに一層の営業活動が可能になるということ、増発のまた余地もできるということでの大きなメリットもあり、また地元である港区あるいは品川区にとりましても、新幹線の駅ができるということは都市の
発展のためにも大変いいことだと、いわば三方一両得のプロジェクトではないかとかねがね思ってきたわけでございますが、今回の合意ができましたことがその実現の第一歩ということになれば大変ありがたいと思います。
そこで、ひとつ合意
内容を簡潔に教えていただき、それに対します
大臣の所見とお考えを聞かせていただきたいと思います。