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松本(邦)
政府委員 若年の
技能労働者を
中心にいたしまして、
技能労働者が我が国の経済社会に果してきた役割は非常に大きなものがあると思っておりますし、最近のサービス経済化とか
技術革新の進展、そういう変化の中で若者の
技能離れという傾向が見られるということは大変残念でございまして、今後とも若年
技能労働者の
養成、確保というのは非常に重要な課題であると思っております。
そういう若年
技能労働者の育成の面で
公共職業訓練施設の果たす役割も大きいと思っておりますが、我々としては、できるだけ
訓練校の魅力を高めるためにいろいろな面でのイメージアップを図っているわけでございます。
一つは、施設設備の改善
整備、これによってやはり入校者がぐんとふえるというケースは大変ございます。それからもう
一つは、
訓練受講を終わった時点で、就職に際して有利な条件で採用されるというためには、いろいろな資格が取得できるかどうかということがやはり重要でございまして、この点でも、クレーンの運転士であるとかボイラー技士であるとか自動車
整備士であるとか、そういった資格が取得できるような
訓練内容にするということでの魅力づけもやっております。
それから、特に今回の
改正の中では、先ほど申し上げましたように、
訓練体系を一新いたしまして、多様で柔軟な
訓練ができるようにしようということを考えておりまして、そういう中で特に高度な
訓練というものもより一層推進をしたいということも考えているわけでございます。やはり
内容の
高度化ということも若者には大変魅力があるわけでございますので、そういう形でいろいろな手だてを講じながら、何とか若者に魅力のある
訓練校にしていきたいというふうに思っております。
認定訓練校でも、新しい
訓練体系のもとでは各校の特色を出していただける余地が非常にふえるというふうに御
理解いただいていいと思いますので、そういう形で各校の特色を大いに発揮する
訓練というものをやっていただければ、若者にとってもより魅力があるようになるのではなかろうかというふうに思います。
先生御指摘の
訓練卒業生であることを隠しているという話は、私も寡聞にして存じませんけれども、一般的に
訓練校の人材を送り出している立場から申し上げますと、例えば平成二年の
訓練終了時における
養成訓練の就職率は九三・八%にも達しているわけでございまして、聞くところによりますと大学の就職率が八〇%というようなことのようでございますから、それから見ても大変高い
評価を受けているというふうには考えております。これは即戦力としてすぐ使えるというようなこともございまして、高い
評価を得ているというふうには思っております。
ただ、それが経済的に十分
評価をされているかということになりますと、我々も残念ながら必ずしも十分ではないという
感じも持っておりまして、
訓練終了後における就職に当たって
企業がもっと適正な
評価をしていただけるように、
企業に対するいろいろな働きかけといったものを進めてまいりたいというふうに思っておりますし、全般的には
技能というものを社会的にもっと
評価をしていただく、そういう機運づくりといいますかそういったものもぜひ必要だというふうに考えておりまして、
技能尊重機運を社会全体としても盛り上げるということでありますとか、あるいは
技能がきちっと社会的にも会社の中でも
評価される、こういうような仕組みをつくりたいというふうに思っているわけでございます。
実は我々も、例えば
技能検定でございますとか
技能五輪とかやってまいりましたけれども、実際、検定に合格した人あるいは
技能五輪で優勝した人が、具体的に
企業の中でどういうふうにそれが
評価をされたかされなかったかというようなことについては、残念ながら調査もやっていなかったものでございますので、今年度そういった調査もやって、その上でまた
企業に対していろいろな働きかけをしたいということを考えておるところでございます。