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金子(満)
分科員 JRが検討するということでありますから、その検討の際には、
地元関係団体、
自治体の要求をひとつ考慮して入れるようにしてほしい、こういうように思います。
上野始発の問題については、当時からいろいろありました。私も当初から
関係しているのですが、東京駅へ集中するということは
都市防災上もよくないのです。世界の
都市でも、大
都市で
交通機関を一カ所に集中するのはないので、分散するのが当然なんですね。ですから、そういう立場で、一極集中がこれほどごりごり言われている中ですから、今、検討するということですから、それはぜひやってほしいと思うのです。
それから、駅ビルの問題ですね。現在公にされている上野駅ビルは、皆さんの方にも行っていると思いますが、この青写真が台東区にも出されています。地上六十七階、地下五階、こういう中で、上の部分の十五階以上がホテルで九百七十六室。下の方が百貨店ですが、六万六千四百平米で、上野の松坂屋の売り場面積の一・五倍ということですよ。こういうような駅ビルの建設がどん・どん進められている。
こういう中で、まず
最初の
一つは、
運輸大臣あてに八八年の十一月に、「JR上野駅ホテル建設
計画反対の陳情書」というのが、
地元台東区及び文京区の旅館組合、それから東京都の旅館
環境衛生同業組合から出されております。
長い具体的なことがいっぱいその陳情書の中には出ているわけですが、いずれにしても、ここで指摘されている
一つは、東日本のJRが、上野旅館組合の総客室数二千三百室に対し、実に一挙五割に及ぶ大塔室となる、これはつくるわけですからね。「加えて駅からゼロ分というホテル立地としては超一等地にあり、この
計画の
実現が周辺五十八軒」、当時は五十八ですが、現在五十町に減ってもう廃業したところも出ています。「の組合員の死活にかかわるほどの巨大な圧迫になることは必至であります。」という切々とした
状況を正面に出している。
さらに、この旅館
関係でいいますと、「旧国鉄が、戦後の混乱した
旅客輸送を正常化するため、安心して泊まれる旅館を選定して、これを国鉄推薦旅館として指定したのが日観連の始まりであります。以来「
輸送と宿泊は車の両輪」を合言葉に、互にそれぞれの職分を守りながら
協力しつつ今日に至っております。」こういうときにJRが、かつては指定旅館だったのを今全部のみ込んで、おれが全部やる、駅からゼロ分につくる、これはいかに考えても乱暴至極だと思うのですよ。先ほど大臣が当然と言われた第十条なんかはみんな聞かぬ存ぜぬという形がここに出ているのですね。
このポスターは、国会にも請願に来まして私の部屋にも持ってこられたやつですけれ
ども、これはドリルでJRが旅館をぶっつぶしているあれですよ。これは出しているのが東京都旅館
環境衛生同業組合のものです。それで「“ああ、上野駅” 六十階建ののっぽホテル 巨人・JRに挑む台東区旅館組合連合 “国鉄の大赤字は何処へ” 上野駅ホテルは“天下分け目の関ケ原”」こうなっているのですから、この点についても再検一計をするようにしなければならぬ。この点で随分今までも
関係団体が請願、陳情したわけですが、JRからは具体的な問題の提起がないのですね。このことはもう時間がありませんから……。
その百貨店、俗称上野JRデパートですよ、松坂屋の一・五倍という、その中でどういうことになるか。御徒町はどんどん通過ですよ。御徒町を通過すると、あそこには先ほど申し上げた千三百の商店があるのです。そして松坂屋もあるのです。今度は上野へみんな来る。上野でこれだけの大きなデパートができるのです。いや応なしに猛烈な企業競争になることはわかり切っているのです。それで二つのでっかいデパートでいい品を安くどんどん競争をやられたら、ビル
公害じゃなくてそれこそデパート
公害で、風圧で吹っ飛んじゃうんですよ。この心配はどこでも出ているのですね。したがって、あらゆる商店街から反対の声が出ているのです。
こういう中で、
地元の上野駅周辺全地区
整備推進協議会、これはあらゆる団体が入っておる協議会ですが、この全整協のことしの機関紙でも、これは上野駅前商店街の会長さんでありこの全整協の
交通網整備委員長の方ですけれ
ども、次のように述べていますね。JRからは「いまだに返答もなく具体的な主張も出てこない。
地元との共存共栄や利害
関係者との話合いとか、街の再
開発と、交通
整備問題とか、何
一つ地元に発表されず、JRの一方的な素案が示されるだけで、この十
年間に何の要領も得ないのが実情である。」ここまで極言されているのです。こういう中でぜひ指導監督を強力にやってほしい。
行政指導の問題ですが、御徒町通過の問題でも
新幹線の問題でも、今の駅ビルの問題でも、JRは、聞くけれ
ども答えたことがないのです。全然違うことをやってもう傍若無人だ。だから業界でも、野っ原にトラを放したようなものだということが言われるわけです。確かに私はそうだと思うのですね。そして今
地元の
人たちが共通に望んでいることは、とにかくJRは
地元の
自治体、そして
関係諸団体と話し合って、この
計画に秘密を持たないでくれ、全部出してくれ。そういう点で、いろいろ異なった
議論、それからまた批判、これをJRは聞く心の広さを持ってほしいと思うのですよ。
それで、大臣もおっしゃるとおり、確かに利潤を追求するということだけに走らないように、ぜひここのところは考えてほしい。JRがあるから町があるのじゃないので、町があるから
輸送機関があるので、この点は本当に大事ですから、ホテルの部分の客室の問題、それからデパート、売り場面積の問題、こういう点でもぜひ
運輸省として積極的な指導をしてもらいたいということで、次の点を最後に私は申し上げたいのですが、大臣の考えを聞きたいわけです。
交通機関というのは、おっしゃるとおり公共性と安全性というのが一番大事だ、これはもう当然だと思うのです。それからもう
一つは、そのことは
地域に密着してこそ守られるんだということになると思うのです。ですから、そういう意味で、
関係諸団体との話し合いを積極的に行う、そして合意を得た上で事を進めるというのが当然だと思いますが、大臣、この点どうでしょう。