○菅
委員 いいですか、大臣。どうも話をみんなはぐらかすのですよね。つまり、なぜ自治体はいろいろな制度があるのに使わないか。これは、私がいろいろと自治体の長などと話をしてみるとよくわかるのです。つまり、今は都市
計画がない方が地権者にとっては自由なわけですよ。規制は緩いわけですよ。さっきの例でも何にも条例がない、何にもなければ自由に、自由といってももちろんある程度の高さ制限がある地域はありますけれ
ども、それまでぎりぎりできるわけです。
ですから、例えばある市長さんが、自分の町は、この地域は緑を残しましょう、緑と何とかの町づくりと例えば市長選で出します。そして、それを地区
計画で市議会に出したとしたら、その緑の地域にされた人は、あれ、おれのところはマンション建てようと思ったけれ
ども、じゃ建てられないのか、そんな地区
計画なんというのは決められちゃ困るから待ってくれ市長さん、いや、そんな一方的に何かの
計画を立てては困るから待ってくれ。つまりは、自治体は
計画がなくても建てられるところに
計画を持ってきて、例えば建てられなくする、あるいは緑にする、あるいは他の
条件をつけるということは実際上政治プロセスとしてできてないのです。できないのです。
つまり、このメモにも書きましたけれ
ども、基本的に日本の都市
計画制度は開発が自由なんです。例外的にいろいろな規制を置いているだけなんです、例外的に。ですから、先ほどの建築確認でもそうですけれ
ども、一軒一軒の建物については確認行政になっていて許可行政になってない。既存の法律体系の中だけクリアできれば、二十何日間の間には許可をしなければいけないのですね。あるいは都市
計画法の中には開発許可という言葉があります。しかし、それも千平米以下はいいとか、千平米以下は要らないとか、全部外して。あって、例えばこの東京で地上げが起きました。なぜああいう地上げ行為が起きるか。つまりは、ある面積までなればこのぐらいの高さが建つ。前の道が二四六のように広ければ高さ制限がかなり緩やかになる。そうすると、一部だけ土地が残ったよりも、それを買ってしまえば全体の高さ制限とかいろいろなものがたくさん使えますから、その二部だけ何とか無理して買おう、だから地上げ行為になるわけです。
それで、日本の場合は
計画がなくても開発が基本的に自由。多少の規制はありますけれ
ども、例外禁止です。原則自由です。それに対してヨーロッパの都市
計画というのは、
計画がないところは開発は許さない、そういう原則になっているわけです。そうするとどうなるか。例えば私が住んでいる武蔵野市で、
計画がないと開発は絶対許しません。自分の庭に何か建てよう、あるいはちょっと農地をかえて転用して建てようと思っても許しません。そうすると、どこで
計画をつくるのか。自治体の議会で地域の全体
計画をつくる、あるいはそれぞれの地区ごとに、街区ごとに今の地区
計画のようにつくって議会で最終的に議決をする。それがない限りは何もできませんよ、都市
計画がきちんと議会で決定してない限りは何もできませんよというふうにすれば、今度は逆に市長さんのところに、いや、うちの周りもちょっと土地を使いたいからぜひ
計画をつくってくれ、何とかいい
計画をつくって、ある程度道路の広いのは認めるから
計画をつくってくれ、あるところは公園を認めるから
計画をつくってくれ、そういうふうになってくるはずなんですね。
ですから、今回の都市
計画法の大
改正をやろうとされている最も重要な問題は、
計画がなければ開発を許さないという制度にするのか、原則的に
計画はなくても開発は許す、ただ高さ制限、何とか制限を、それも国が、さつきのように条例じゃなくて国がある程度法律をかぶせて、その中で決めていく。そうすると自治体の議会は関与しない。確かに知事は関与しています、機関委任事務としてですね。議会は関与できないのです。都市
計画審議会に県
会議員の人が何人か入っている。それは確かに入っています。しかし、それは議会の決定ではないのです。あくまでそれは何人かが入ってくるだけなんですね。この根本的な都市
計画の
考え方の
変更が私は今の時代に最も必要ではないか、これはぜひ大臣から答弁をいただきたいと思います。