○井上(普)
委員 国連の見直しと申しますかやり直しというのは、私は緊急の課題だろうと思うのです。幸いにして
日本も安保
理事国に入っておるようでございますから、ここらあたりはひとつ発言してほしいと思うのです。この点ひとつ強く要求いたしておきます。
そこで、ともかく
日本とアメリカとの間がぎくしゃくぎくしゃくする、これは何だ。この間も自
動車の連中を連れてきて、ブッシュさんは
選挙運動に
日本に来られたんじゃないかと言う人もおる。また私は、
宮澤さんと一対一でお目にかかったときの話は、世界情勢なりあるいはまた平和の問題等々につきまして、これは十分お話しになったんじゃなかろうかと思います。あれは新聞、マスコミに伝わっておりませんが、恐らく、一国の代表同士が話し合ったところではそういう話が十分に行われたんだろうと私は想像いたしておるのでありますが、紙面には余り出てきてない。しかし、東京声明の中には、共同声明の中にはその片りんがうかがわれるようなところがございます。それはそれといたしまして、
日本とアメリカとの間はやはり私は仲よくしなきゃ困る。なぜ困るかといえば、世界の基軸通貨であるドルがひっくり返ったらこれこそ大変なことになるから、私は大事にせにゃいかぬなと、こう思っておるのであります。
そこで、いろいろアメリカと
日本との間に今まで、四十四年でしたか繊維交渉、
宮澤さんには苦い交渉と言われていますけれ
ども、この繊維交渉から始まって、あるいはその次は鉄鋼でございましたか家電でございましたか、あるいはまたその次にはICでございましたか、次から次へとともかく経済摩擦というものが起こってきている。しかし、経済摩擦をそのたびそのたびに管理貿易的な手法においてともかく処理してまいりました。結果、アメリカが保護してまいったそれらの業界というのは一体どうなったか。これはまさに今凋落して、自動車は別にいたしましても、ちょっと息を吹き返してきたのが鉄鋼
関係じゃないかと思いますが、そういうような状況になってきておる。こういう実態をアメリカの諸君に十分忠告する必要があるのじゃないのだろうかと私は思うのであります。
今度の自動車も、
政府が関与しない、業界の自主規制だ、自主的な要求だと言いますけれ
ども、まあそれはそれでございましょう、これはもうはっきり申して、
政府が強く要求して、そしてそれに管理貿易的な姿を見せないためだけにあんなことを言っておる。まあ通産大臣もさっき言いよりましたが、これは
政府が管理したら、また
日本は管理貿易だなんて言ってたたかれるのは嫌だからこれは言わぬだけの話であって、完全に管理貿易ですよ。こういうようなことを片方ではやりながら、
日本とアメリカとのほころびを少しずつ繕い繕いしながら今日まで来たのじゃないかと私は思います。また、それが今までの
日本の
政治には必要であったかもしれません。
しかし、それを相手方にやはりわからす時期が、これが大切な時期が来たんじゃないだろうか。例えて言いますならば、今度の大統領
選挙についても大分
日本たたきが少なくなってきた。アメリカの産業政策を、これを直さにゃいかぬのじゃないかというような
論議が大分出てきたと承っておりますけれ
ども、いい傾向だな、本当のことがわかってくれるんだなという気が私にはしてならないのであります。
だがそこで、
日本とアメリカとの間に日米構造協議というものをやってきた。私は、この日米構造協議というのは海部内閣で始めたのだが、これが内政干渉の最たるものだと私は思っておる。しかし、あのときの雰囲気として
自民党政府は、この日米構造協議というものをやって、そして、何ですか、一番よく言われるのでございますけれ
ども、公共事業を四百三十兆円、十年間に実施する、それでひとつという約束といったら約束ですか、これは対米公約じゃろか、対米約束になるのかどうか、私は約束じゃないと思っておるのですけれ
ども、やっておる。
で、このときに非常に不合理なものが出てきたのですね。
日本はアメリカに対してそういうようなことは約束するが、それじゃアメリカ側は一体何を約束したのだと言ってこの前も中山外務大臣、当時でございましたが、お伺いいたしましたら、いやそれは双子の赤字を減す努力をいたしておるのでございます、具体的に言えば、メートル法をひとつ実施する。アメリカがメートル法をやる。日米構造協議でメートル法が出てきたんかいなと思って感心したのですよ。これはアメリカの対外貿易、輸出のためにはメートル法がいいというのでメートル法を
日本側が強く要求したのでしょう、メートル法が採用されたという話を聞いたのですが、それがそのときには、まあ鬼の首をとったと言ったら語弊がありますが、さも麗々しく当時の、おととしてございますか、私
ども国会には御
報告になりました。
そこで、私もきのう、いや、きのうというよりこの間うちからこの日米構造協議というフォローアップ
委員会がつくった案を見てみたのでございますけれ
ども、これを見てみると、ぞれはなんですな、メートル法も余り進捗してないのですな。あれだけ麗々しく当時外務大臣は言いましたけれ
ども、ここに
報告がございます、メートル法についての。あんまり成果を上げてないのですね、これは。ただ、
日本側はアメリカに対しまして言いわけを盛んにやっている。
そこで、
一つ。お伺いしたいのだが、「一九九一年度の公的総固定資本形成」、すなわち公共事業は「総計約二十八・九兆円に上るものと見込まれる。」こう去年の五月に、すなわち今年度ですね、には書いてあるのです。今度の予算でこれに相応するのは一体どれくらいになるのですか、お伺いしたいのですが。