○和田(静)
委員 政治不信、政治腐敗が続いて、日本の政治は破滅的なまでの病気に陥っていると
国民は感じていると思います。この事態をどうするのか、政策論議の前に、この
予算委員会において、日本のリーダーたる宮澤
総理に明確な方針と決意を伺わなければなりません。具体的なこの問題意識と課題との取り組み方を示していただくという意味で、以下、順次伺います。
一月二十四日の宮澤
総理の施政方針演説をじっくり聞かせていただきました。さまざまな批評、批判が加えられていますが、私は与野党の
立場を離れて考えても、あるいは
国民のためにも
総理自身のためにも残念だと思うのは、この施政方針が明確性に欠けているということであります。かつ、保守政権ならば一度は宮澤さんにという、そういう期待が政界を問わずたくさんあったと思うんですが、どうもその宮澤さんという人が見えてこないのが私にとっても非常に残念なことでありました。
そこで伺いたいのは、今日における政治の使命ということであります。
総理は、昭和六十一年に
宏池会から出されました「再び旗を掲げよう」の中で、じっくり読ませていただきましたけれ
ども、第一に、
国民に対して向かうべき目標と政策手段を明示すること、第二に、政治の指導性を回復すること、第三に、政治に対する
国民の信頼性を構築するように努めることと述べられました。首相になる前だからこういういいことが言えて、首相になられたから言えなくなったのはなぜかというのが非常に私にとっては不思議であります。いずれもこの宮澤
総理の言動と施政方針演説から私はどうも欠けていると思われて仕方がない。非常に残念であります。
あなたは昭和五十一年にイギリスのキャラハン
総理と話をされましたね。あなたはキャラハン
総理に向かって、イギリスでも党首選挙のときに候補者はいろいろの選挙運動をするのかと尋ねられた。すると、日本はどうなのかという形で返ってきた。で、宮澤さんは、
派閥がホテルに陣取ってあの手この手の多数派工作をする自由民主党総裁公選のあり方を
説明をされたようであり、以下お二人の応答です。
「英国ではそんなことは全然やらない」とキャラハンさんは述べる。「じゃ、候補者は一体何をするんですか」とあなたは言う。「じっとしているんです」とキャラハンさんは言う。「でも、電話ぐらいはかけられるでしょう」とあなたは言う。「いや、そんなことをしたらみんなにばかにされてしまう」こうキャラハンさんは述べられる。
このキャラハン
総理から得られたあなたの政治的経験というのが十五年後のあなたの著述になってあらわれるのでありますけれ
ども、キャラハン
総理のまねをあなたがされなかったということが私にとっては大変不満であります。それどころか、電話をあなたはかけまくられた。議員を個別訪問された。小沢前幹事長の口頭試問を受けて、まあマスコミでは韓信のまたくぐりなどという批評を受けられた。こうした政治行動が
国民の政治に対する信頼性を失わしていると私は思うのであります。キャラハン
総理が言ったように、自由民主党内はいざ知らず、マスコミを通じてみんなにばかにされてしまうことをあなたはなぜおやりになるのだろう。あなたなるがゆえにこんなことをやらない、そのことが私は必要だったんだと思うのであります。
また、当選年次別
派閥順送り
大臣就任ということをあなたは改められるかと思ったら、相変わらずであった。これも
国民の
政治不信の一つになっているのでありますが、これらの点についてどうお思いになっていますか。