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鈴木(喜)
委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
それで、次に、先般ずっと
審議をしてきました外登法の問題等につきましても、外国人の方が日本に戦後おられて、そこでのいろいろな外国人の問題、人権の問題をさまざまな形から外登法の
改正について私
たち議論をしてきたわけでございますけれ
ども、今回、それのまたもとになるような外国人の人権にもかかわる問題として
一つ問題が生じて、新聞等にも大きく取り上げられました問題を
質問していきたいと思います。
昨年の八月の末に、東京都の新宿区の戸山町、現在そこは厚生省の予防衛生研究所というのが建設予定で、相当に建ち上がっているところの
土地ですが、昔、旧陸軍の軍医学校のあった跡のところの工事現場から三年ほど前に、そのころは三十五体ぐらいの人骨が掘り出されたという
事件がございました。そして、それをさっき申しました去年の八月の三十一日になりましてから新宿区がこの骨についての鑑定を依頼しました結果がことしの三月の末に出て、その公表が今月の二十二日になされたわけでございます。
前々からこの骨が一体どのような経過でここに埋められたのかということについてさまざまな憶測それから推理、推測がなされてきたわけでございますけれ
ども、日本人がそこでもしかしたら戦災で焼けて倒れて、それが全部そこに埋められていたのかもしれない。その場所が軍医学校の研究所であり、しかもそこは七三一部隊という名称で知られる給水それから防疫の研究をするという名目の研究所のあったところ、
石井さんという方のおられた場所であるというようなことがあって、さまざまな憶測が、新宿区ばかりではなく全国的になされていたわけです。これについて私は、二年前に衆議院に入って以来さまざまな形で
委員会等において
質問をしてきたわけでございますけれ
ども、基本的には、この骨がどこの国においてきちんと眠ることができるか、その骨をその場所できちんと眠らせてさしあげることがまず第一に必要なことじゃないか。日本だったら日本、そのほかだったらそのほかの国で、しかもそのほかの国で眠らせるということ自身の調査の中で、一体どのような経緯でこういった人骨がここにこういうふうにたくさん埋められていたのかということについてやはり調査していかなければならないのじゃないか、こういった立場から
質問をしてきたわけです。
新宿区は早くから区議会で全会一致で鑑定を決め、鑑定を依頼しようとしたのですけれ
ども、なぜかどこに行っても、最初は受けても、断られるという形で、二年近くがそのままいたずらに過ぎてしまって、葬儀屋さんの倉庫の段ボールの中にむなしくその骨が眠っていたのですけれ
ども、幸いにして昨年受けていただいた大学の先生のところで出た結果ということになりましたらば、この結果を鑑定書が出てきて見てみますと、人体は三十五どころではなくて、頭の骨だけでもそれぞれの方のが五十個ぐらい、全体の骨から見ますと、約百
余りの遺体の骨であるということがわかった。しかも、非常に多くの頭蓋骨の
部分がありまして、この骨の
部分には、弾が撃ち込まれてできた穴があいているというのが
一つ、それからドリル様の物で頭に穴をあけるというような、脳外科的な形での頭に穴をあけるというようなこととか、中耳炎の治療のように耳の下のところを穴をあけるというような、人為的な工作を加えられたものがまたたくさん出てきた。そのほかに、首の骨のところは鋭利な刃物で切り断たれている、そういった、どう
考えても自然に亡くなられた方または焼け死んだ方の骨というような可能性のない、首だけ切って、そしてそれが頭蓋骨になってというような形のものが多いというような結果が非常にたくさん出てまいりました。
年齢も壮年の方が多く、しかも女性がその中に約四分の一含まれている、男性が四分の三、そして少年と思われる十五歳ぐらいの骨も
一つ含まれている、こういった結果が出てきたわけでございます。そして、人種についてはモンゴリアン、モンゴル系のというところまでぐらいしか判明はしないのだけれ
ども、しかしその中には、例えば日本人というような
一つの民族ではない、その骨の中に、日本人もあるかもしれないけれ
ども、しかし日本人だけでない、日本人を含むかもしれないけれ
ども、そうでない
人たちもある骨であるということが今回の鑑定の結果わかったわけでございます。厚生省の方にもその当日既に鑑定書は送付されていると思うのですが、非常に重要な事態になってきたと思うのです。
二十二日の当日に新宿区の方が発表したコメントの中に「人骨の身元調査に対して国(厚生省)からは拒否されているという従来からの経緯もございますが、この鑑定を国(厚生省)に送付し、今後さらに協議を行います。」というふうに書かれております。そして、区としては、これを引き取り手のない、引き取り手のわからないそうした方の遺骨というふうにして、そういうものについては墓地、埋葬等のそういう
方々の
法律ということで、区長として、焼いて葬りたい、こういうふうに一応言っているわけですが、ここまでいろいろなことが明らかになってきた現在、そこに研究所を建てておられ、しかもその前に軍医学校の用地であったその
土地を今管理しておられる厚生省としてはどのように
考えられますでしょうか。