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鳩山国務大臣 まず
スポーツの
資金に関してでございますが、
スポーツ大国を目指していくためには、いわゆる競技
スポーツと言われる分野においても、あるいは生涯
スポーツと言われる分野においても、お金が当然かかるわけで、
施設設備の
整備にもお金がかかる、選手の
育成強化にもお金がかかる、そういうお金を国が相当程度用意することができれば、それが一番いいわけであります。今まで体協あるいは
JOCに対していろいろ予算を組んでまいりましたけれ
ども、これではとてもというような金額であったことは否めない事実だろうと思うわけでありますが、そういう中で
スポーツ振興基金というものを設けて二百五十億、民間から今一応四十三億ぐらいが集まったとしても、まだ二百九十億台で三百億には到達をしない。私も
幾つかの
企業には実は
お願いをして歩いているわけでございますが、飛躍的に今それが拡大するという空気には残念ながらないと思います。これは地道に
努力をしていくべきでありまして、本来国が、予算が潤沢でどこへっけたらいいかわからないようにお金が余っているという高度経済成長時代の大蔵官僚のような心境の方がいる、そんな時代であれば
スポーツには合うんとお金を出せるのでしょう。それが一番いいと思います。しかし、とても今
日本の我が国の
財政状況は、そういう条件のもとにありませんので、
スポーツ振興基金ということを考えて、民間の
資金の導入の仕方としては、これが巨額のものに育つとするならば一番いい形であるということは、私は沢藤
先生と考え方は全く同じでございます。冠
大会もいいと思います。しかし、その冠
大会というのはあくまでも
企業というものがもっと生々しい形で登場するわけでございますから、一番いいのは
スポーツ振興基金であることは間違いないというふうに考えております。
それから、先ほどから
先生がきょうのテーマとしておっしゃっておられる、いわばステートアマ的なものとコマーシャリズムとの、何というか
一つの時代の変遷で、ステートアマが滅んでコマーシャリズムの台頭というような
先生の
一つの
スポーツに関する歴史観のようなものはよく勉強させていただいたわけですが、私が
東京オリンピックの開会式に券をもらって行きまして、国立競技場というところに生まれて初めて入った昭和三十九年、そのときに電光掲示板に「ザ モスト インポータント シング イン ジ
オリンピック ゲームス イズ ノット ツー ウイン バット ツーテーク パート」というクーベルタン男爵の余りにも有名を言葉が出て、高校一年でしたけれ
ども、ああこの英語はわかるなと思ってじんと感動をした。先ほど
先生がおっしゃったブランデージさんに対する尊敬の
気持ち、私はサマランチさんという方も立派に大変な
仕事をしておられる方と御尊敬申し上げておりますが、正直言って
先生と同じようにブランデージさんという方は偉かったんだなという思いを
アマチュアリズムという観点で私が抱いていることも事実でございます。
このメダルをとるということは至上主義であってはならないのはよくわかるのですが、ただ余りに弱くてメダルに何にも手が届かないような
状況ですと、
スポーツ大国化という
意味で国民の
スポーツヘの関心というものがわかない。先般のアルベールビル・
オリンピックで、今までのトータルと同じ七個、金一個、銀二個、銅四個という七個のメダルをとったことが国民のウインター
スポーツに対する興味の
増大あるいは
参加の
増大ということには必ず役に立つというふうに考えまして、目的はあくまでも国民全体が体を動かして
スポーツを楽しんで健康になっていくことだろうと思いますが、そのためには、やはり国際的な競技力も高くて、話題性があって、みんなが興味を持つような
競技水準にトップの方にはあっていただきたい、そんなふうに思います。
答弁が長くなって申しわけありませんが、最後に、先ほどから
先生は私に答弁を求められませんでしたので、
体育局長を指名されたのに私が出ていくのはなんだと思って控えておりましたが、私の考え方は、またよく勉強しなければいけません、きょうの
先生のいろいろなお話を糧として勉強していきたいと思いますが、やはりアマチュアというものと
プロというものは、
オリンピックの今
一つの流れについては、これを見守っていき、また我が国の
IOCに
参加される方々が
日本の
意見をもっと積極的におっしゃればいいと思いますが、少なくとも、その国内において、この人はこの
大会においてはアマチュアだけれ
ども、こっちでは
プロ的だといってはじかれるというようなことは絶対にあってはならない。やはりアマチュアというものと
プロというものはどこかできちんと区別されませんと、それは青少年、
スポーツを楽しみ、これから
スポーツを大いにやっていこうと意欲を燃やしている青少年に対しても決していい影響はないと思うわけでございます。その辺はこれからよく勉強してきたいと思いますが、あくまでもどこかではきちんとアマチュアと
プロというものが区別されなくてはいけないので、グレーゾーンが非常に広がるようなことがあれば、私は教育上よくないと思います。