○佐々木
委員 時間の制限もございますので、
質問を
予定しておりましたうちで、例えば本
農業改良資金制度の果たしてきた
役割やこれまでの
運用の実情、あるいは
資金ごとの問題点などについては先ほど
金子委員からもお尋ねがありましたので、この辺は少しはしょっておきたいと思います。
それから、今度の
改正の一番の眼目とされておりますのは、多様な担い手をどうやってふやし、
確保していくかということでありますけれ
ども、この担い手が少なくなっているということについてのやりとりも今志賀
委員の方からございましたのでこれも少しくはしょりたいのですが、しかし、これはやはり触れておかないわけにはいかないと思っております。
全国的な担い手不足については、先ほど来数字でも出ているわけですが、例えば私の出身であります北海道、御案内のように
我が国で最大の
農業基地、
食糧基地、こういうことになっているわけですけれ
ども、これでも御多分に漏れず
農家戸数も減っております。
昭和三十五年には
農家戸数は二十三万三千六百三十四戸あったのですけれ
ども、これが
昭和五十年には十三万四千二百六十三戸に減る。そして
平成二年には九万五千四百三十七戸というので、
昭和三十五年に比べますと実に四一%、大変な激減であります。一方、
農家子弟の新規の就農者ですけれ
ども、さっき全国で千八百人しかいないという
お話がありましたが、これもまた北海道も大変なものでありまして、
昭和四十年当時には八千四百人だったのが、
平成二年ではたったの四百人しかいないのですね。これは大変なものです。そして、
農業後継者の充足率からいきますと、北海道では、
昭和五十年当時には六二%であったのが、
平成二年には実に一六%、これは大変低い数字になってしまっております。
ただ、この
農家の人口あるいは
農業生産者の数、それから
後継者あるいは新規参入、学卒の新規就農者あるいは新規就農者を含めて、この労働
生産人口というのがどのくらい必要かということは、一概には言えないだろうと思うのですね。つまり、我が日本
国民の生命を維持するためにどれだけの
食糧が必要なのか、
農産物はどのくらい必要なのか、随分外国からの輸入物が多くなっているわけですけれ
ども、この輸入に頼るものとそれから自給をするものと、この割合をどういうようにしていくのか。そしてどういうようにその
目標を
設定していくのか。だとすると、自給の分について、その
目標を達成するための
農業労働人口というのはどの程度必要なのかというふうにはかられるのではなかろうかと思っているわけです。ところが、どうも先般発表されました
農業白書、あるいはまた今般出されることになりましたいわゆる新
農業政策の中でも、その辺の
目標というのが果たして出ているんだろうかということになると、どうもはっきりしないのではないでしょうか。
もう申し上げるまでもなく、
我が国は、先進諸国の中ではこれは異常だと言われるくらい自給率が低下をしている。カロリーベースでは、
昭和三十五年当時は七九%であった自給率が現在四七%、それから穀物ベースだと三〇%、これは先進諸国と比較して考えられない。ECの諸国では、現在は八〇%から九〇%自給率を
確保していて、
食糧安全保障の
確保にも心配がないと言われておりますけれ
ども、日本の場合は果たしてどうなるんだろうかということが私は大変問題なのではないかと思っております。現在
我が国の耕地
面積、これは
平成三年度、田畑合計いたしまして五百二十万四千ヘクタールということが言われています。それで、田の
面積はそのうち二百八十二万へタタールですけれ
ども、稲の作付
面積ということになると二百四万九千ヘクタールにとどまっている、こういうことになるわけですね。こういう点で、
食糧安保の点からいっても大変心配なのではないか、危機的な
状況にあるととらえざるを得ないのではないかと思うわけです。
我が党は、かねて新
農業プラン、これを出しまして、こういうような自給率の
状況ではいかぬ、自給率を六〇%まで高めなければならない、そのかわり、これはもう短
期間にできることではないので二十年がかりで、しかし、取り組むべきことだ、こういう
提案をいたしました。これに対しては、与党からも、絵にかいたもちじゃないかというような御批判もあったようですけれ
ども、しかし、やらなければならないことはやはりやらなければならないし、またできることだと思うのです。
最近は随分田畑が荒れているわけですけれ
ども、これを利用する、そしてまた、それを利用する人があれば、それに対する国の本当のやる気のある助成があって、金もつぎ込まれればできない相談ではないわけですけれ
ども、今のままだと、だんだんだんだん自給率は恐らくじり貧になってしまうのではなかろうか。そして言われるわけですけれ
ども、今の耕地
面積が仮に五百万ヘクタールを切るということになれば、特に土地利用型の
農業の
農地が減るということになれば、一般に言われている
国民一人当たりの摂取熱量は一日二千キロカロリー必要だと言われているのですけれ
ども、これの
確保すらおぼつかないのではなかろうかと言われている。足りなくなった分は、それでは輸入のものに頼ればいいのかというと、そんなことはなかろうと私は思うのですね。
そこで、例えば今のこの規模を少なくとも、現在カロリーの自給率で四七ですけれ
ども、せめて五〇%ぐらいを堅持するということをミニマムの
目標にするということについてのお考え、そしてまた、仮にこの辺の
目標の
設定に誤りがないとすれば、それとの関連で
農業人口は今のままでいいのか、そしてまた新規就農者を含む新たな担い手というのは、今足りない足りないと
指摘があるわけだけれ
ども、先ほどのお尋ねの答弁で、仮にこの
改正が行われてもどれだけの効果があるか、どれだけの新たな担い手が得られるかということについて予測するのは難しいという
お話があったわけですけれ
ども、しかし、少なくともこのぐらいの担い手は欲しいんだ、学卒者、それから
新規参入者を含めて、この五〇%という自給率を維持していくためには、どれくらいの新たな担い手が必要なんだという少なくとも希望的な数字ぐらいは挙げられるのではないかと思うのですけれ
ども、今申し上げましたような
目標と、この要員の数ですね、これとの関連などについてお示しをいただきたいと思います。