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鉢呂委員 その条件不利地帯なり中山間
地域の現状認識はここにも書いてあります。
大臣も言われたとおりです。しかし、これをどのように保持していくのかということについては、この
農業白書でも明確にしておりません。言われておることは、そこでの農村
生活環境の
整備の必要性や就業機会の創出、抽象的に述べています。しかし、肝心のこの
農業生産、その
地域での
農業生産をどう具体的にしていくのかということについては、
農業白書は大変抽象的であります。私は答弁を求めようと思いません、これは必要でありませんから。したがって、
農水省の今やっておられることは条件の有利地帯、有利
地域あるいは条件の有利な作物、あるいは
経営的に非常にすぐれた生産者、これは非常に
経営感覚というのはあるようでこの条件に左右されるのでありますけれ
ども、そういう
農業地帯なり
農業者しか残っていかないのではないだろうか、このまま続けていけば、私はそういうふうに思います。
それとの関連で、先般の農水
委員会では
大臣がおりませんでしたから、乳価決定のときにおりませんでしたから、少し蒸し返しになりますけれ
ども、
酪農畜産政策においても、あの
農水省の調査によっても、中間調査とはいいながら、半数以上の方がこれから
酪農を、これは
酪農だけでありますけれ
ども、
酪農を続けていくかどうかわからない、五年以内に一五%の方がやめたいと思っておると。まさに
酪農は一人二人残ってやれるというものではありません。毎日、一日置きに集乳、生乳を集荷に来るという
仕事が伴うわけでありますから、効率性からいっても集落に
一つだけ残ってやれるというようなものではありません。しかも、
酪農、
畜産は比較的辺境なといいますか、いわゆる条件不利地帯に
経営を構えておるのでありますから、私はそういった
酪農、
畜産に対する視点がどうしても必要になるのではないか。そのことから見ますと、今度の例えば乳価の据え置きという決定は、私はその後から
酪農集会にも行きました。十五人ぐらい集まっている
酪農地帯の集会にも夜の八時半から行ってきました。しかし、今度の決定には多くの
酪農家の皆さんは本当に希望を失った、本当に我々に対しては必ず文句というか、非常な文句を言ってくるのですけれ
ども、もう文句を言うすべもなくしたというような感じが非常に強い、そんな印象を受けた次第でございます。
私は、そういった意味では、この
酪農の現状、毎年五%ずつ減っておる。
農水省は、
規模拡大しておるからいいんだ、そのように言っていますけれ
ども、私は早晩
酪農、
畜産は崩壊する羽目になるというふうに認識をせざるを得ないのでありますけれ
ども、先ほど
大臣から御答弁がありました。再生産を
確保することを旨として決定をしたと。
規模拡大やあるいはまた生産資材等の価格の引き下げに照らして据え置きをしたということを言われましたけれ
ども、酪
農業の実態とはかけ離れた決定であるというふうに私は考える次第でございます。
そこで、御
質問に移りますけれ
ども、先般の私のこの
委員会での
質問の際に、三月二十四日の農水
委員会でありますけれ
ども、
政府委員の御答弁として、
畜産審議会に諮問をされる
政府価格の算定に当たっては、過去の算定の中では
需給事情がいろいろ変わって、例えば過剰基調なり
不足事情なり、利子のとり方とかが変わるとか、その他の経済事情といいますか周辺の経済事情、それらを十分に勘案して判断するというふうになっております、そのように答弁をされております。いわゆる算定説明資料の中で算定要素をとりますときに、過去におきましても、その他の経済事情を参酌しながら算定を考えていく、このように御答弁をされておるのでありますけれ
ども、そのとおりでいいのか、再確認をいたしたいと思います。