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田名部国務大臣 松くい
虫被害対策特別措置法の一部を改正する
法律案及び
森林組合合併助成法の一部を改正する
法律案の二法案につきまして、その提案の理由及び主要な
内容を御説明申し上げます。
まず、松くい
虫被害対策特別措置法の一部を改正する
法律案につきまして御説明申し上げます。
松くい
虫被害対策特別措置法は、松くい虫による異常な被害の終息を図るため、昭和五十二年に五年間の限時法として制定されたものであります。
その後、昭和五十七年及び昭和六十二年にその有効
期限を五年間ずつ延長し、今日に至っております。
この間、
政府といたしましては、鋭意松くい虫の防除に努めてきたところであり、この結果、昭和五十四
年度には二百四十三万立方メートルにまで達した被害量は、平成二
年度には九十五万立方メートルにまで減少し、全体としては、松くい虫の被害の鎮静化に相当の成果を上げてきたところであります。
しかしながら、被害量が依然として百万立方メートルに近い水準にあるほか、
地域によっては一部に激害地が存在し、また保全すべき松林及びその周囲に感染源が残存するなど、遺憾ながら異常な被害が終息する
状況には至っておりません。
このため、本法が本年三月三十一日に失効するに当たり、被害の実態に即し、被害
対策を推進する松林をより重点化しつつより徹底的かつ効果的に
対策を実施するため、所要の改正を行うこととして、この
法律案を
提出した次第であります。
次に、この
法律案の主要な
内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、松くい
虫被害対策特別措置法を平成九年三月三十一日まで五年間延長することとしております。
第二に、防除を
必要性の高い
地域において重点的に実施するため、
都道府県知事等が積極的に被害
対策を推進する松林の範囲を限定するとともに、特別防除、すなわち航空機による薬剤防除を直接実施することのできる松林群の範囲を限定することとしております。
また、その一環として、
都道府県知事及び
市町村が定める実施計画において、
対象松林の区域を明確化することとしております。
第三に、保全すべき松林及びその周囲における松くい虫被害の感染源の除去をより徹底的かつ効果的に行うための
措置の拡充であります。
現行の被害木の伐倒等の駆除命令とあわせて、被圧等による枯死木についても伐倒及び薬剤による防除を行う補完伐倒駆除の命令をすることができることとするほか、樹種転換を一層促進するため、
都道府県知事が森林組合等に対し必要な助言等を行うことができることとしております。
以上がこの
法律案の提案の理由及び主要な
内容であります。
続きまして、
森林組合合併助成法の一部を改正する
法律案につきまして御説明申し上げます。
近年の森林・林業の
状況を見ると、林業の採算性の低下、林業従事者の減少、高齢化の進行、森林
整備、林業
生産の停滞等まことに厳しいものがあります。
このような
状況のもとで、流域を
基本的単位として森林
整備、林業
生産等を総合的に推進するためには、森林所有者の協同組織であり、
地域の林業労働力を組織化している森林組合がその中核的役割を担う必要がありますが、組織、経営基盤が脆弱なものが依然として多い
状況にあります。
政府といたしましては、このような
状況を踏まえ、森林組合の合併を引き続き促進してその体質を強化し、森林所有者の協同組織の健全な発展に資するために所要の改正を行うこととし、この
法律案を
提出した次第であります。
次に、この
法律案の主な
内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、合併及び
事業経営計画の
都道府県知事への
提出期限を五年間延長して、平成九年三月三十一日までとすることとしております。
第二に、合併及び
事業経営計画の計画
事項として森林施業の共同化等を
内容とする森林施業の合理化に関する計画を追加するとともに、合併後の組合の
事業経営に関する計画が
地域森林計画及び
市町村森林
整備計画と調和したものであることを認定
要件に追加することといたしております。
第三に、合併及び
事業経営計画の
提出期限の延長に伴い、
都道府県知事の認定を受けた森林組合の合併について、税法上の特例
措置を設けることとしております。
以上が、この
法律案の提案の理由及び主要な
内容であります。何とぞ、これら二つの
法律案につき、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますように
お願い申し上げます。