○大木
委員 社長、私が一番心配いたしますことは、さっきウルグアイ・ラウンド問題で
大臣に御答弁いただいたんですが、対
日本、日米
関係という問題の中で、個別に今度入っていきますと、割合に
NTTよりは
KDDの方が完全
自由化がしやすいという問題がどうも出てくる心配が、感じなんですけれどもそういう感じを持っておりますので、ぜひ
郵政省の方と、そういったウルグアイ・ラウンドに行かれる方々がいられますので、連絡を十分とられて、
動向等については御注意願っておきたいということが私のお願いでございます。
あと、非常にデリケートなことをこれから申し上げますので、答弁の方は余りはっきりしたことはもちろんちょうだいできないということで……。
最初に共有財産と個人株主問題について、どなたかさっきもお話があったんですが、そういうことはとっくに、もう七、八年前からやっていまして、ある意味では全電通の機関紙なんかが共有財産という言葉を初めて使ったんじゃないですか。それで、この前
NTTという
会社をつくったときに、共有財産がずっと国会のあの
委員会では皆さんが言うようになったんですね。そのことはわかり切ったことなんですが、共有財産とおっしゃるけれども、じゃ一億二千万の方々は
NTTに対してどれだけの権利があるかという問題は数字的には余りはっきりいたしませんし、数字的に極めてはっきりしていることは、百六十五万人の個人株主の方々、法人等を含めるともっと多いわけですが、この方々が目に見えて相当多額な損害を受けている、百二十万ぐらい損害を受けているわけですから、そこのところに視点を置きながら、私自身が考えました
幾つかの
株式対策的なことを、他の方の
意見も相当に入っていますが申し上げてみたいと思いますので、ちょっと時間をいただきたい。
一つは、大蔵省の松野証券局長がおっしゃった中で、要するに株の額面を小さくしていけばという話がございます。これは、私から言わしめれば、
現状からすれば風通しといいますか流れはよくなるかもしれませんけれども、株価対策にはやはり非常に地味なものであって、全然効果がないとは申し上げませんけれども、余り効果はない、こう考えています。
それから、盛んに自社株保有問題が業界等でも議論されているようでありますけれども、
NTT株との
関係を余り考えない立場でもって商法上のことを考えていきますと、やはりこれは少しく緊急避難的なものに過ぎまして、また
株式市場というものに対してまずい問題を起こしてもいけない、こういう感じがいたしますので、これには余り賛成ではありません。
それから、
渡辺外務
大臣がおっしゃった額面一万円株のお話も、松野さんと大体同じような
趣旨でございますから、これも株価には余り
影響ないだろう、こう考えています。
それから、さつき申し上げたデータ
通信の株は二十万株しかないんですね、
社長。そうしますと、百六十五万人の方々で分ける方法はありませんから、これもだめであって、対策にはならない。それから同時に、こういったことをやっていきますと、ある意味では損失補てんという面で、例えば残っています五百万株の大蔵省保有株、残存株の中から百六十五万株を額面でもって分けていくなんて暴論もたしかどこかの新聞に出ていましたけれども、これは明らかに損失補てん型でございまして、違法的な行為がつきまといますからなかなかできない。
公的支援による、これは
郵政省の方々、特に貯金
関係の方々に申しわけないのですが、集めた貯金の八割以上は言えば大蔵省の方にいくわけでございますから、大蔵省の方から出していますいろいろな
政府関係金融機関の方に株を何株か持ってもらうとか、そういった方法も考えられないではありませんが、しかしリスクが伴う問題でございますから、最近、ここ四、五年間の
株式市況の
状況等からしましてそう簡単に
政府関係金融機関といえども引き受けてはくれないだろう。
そういったこと等をずっと点検してまいりますと、総理が、宮澤さんが自民党の森政調会長に指示されました分貴方式ですね、減資方式ですか、額面株でもって、二千五百億円で
NTTに引き受けていただいて、そして売却したときには売却益は国に納付することになるでしょうけれども、そういった方法をとりまして、
大臣、こうじゃないですかね。結局、
NTTが発足しました六十年前後は、ある意味では港区でビルが建ったり土地が上がったり、株もつられてどんどん上がっていきましたね。ああいったときにスタートしてますから、やはり資本金そのものが、ちょっと
NTTの
関係者から聞いたんですけれども、何かしっかりした財務諸表から割り出した資本金高になってい
ない、七千八百億円となってますけれども、そういうことがわかったのです。そうしますと、言えば株価から逆算したかもしれない、こういう感じもするのですね。一千五百六十万株掛ける五万ですからちょうど七千八百億円になるわけですね。
そういった面で考えていきますと、問題は、
政府が残存して持っちゃっている五百万株です。あるいは三年間ずっと塩づけでもって、五十万株売ろうとしても売れないわけですよ、大蔵
大臣が一生懸命苦労しましても市況が悪いですから、売れば売るほどまた
NTTの株は下がるという問題が出てきますから。そういった面で考えていきますと、民活最盛期、バブルの発生期等との
関係からしますと、資本金の減資ということの方が今日段階ではとらるべき
方向だろうと思うし、
外国の方に言わせますと、
NTTは民間
会社とはいうものの、特殊
会社という言葉もつきますけれども、やはり大変な行政監督を受けているし、同時に大蔵省に株の足元、根っこを抑えられておりますから、そういった問題なり、あるいは言えば影のごとくつきまとってます分割問題、これが消えない限りはなかなか株は正当な
市場流通機能を持たないだろう、これが大体証券界の大御所連中の言う話なんですね。
ですから、そこまできょう話はできませんが、とりあえずの問題としましては、やはり保有株、大蔵省の残存株ですけれども、残存株五百万株をとりあえず形をつけてあげれば、
エクイティーファイナンス問題についてもめどが立つというような感じもいたしますので、これは
大臣、答弁要りません。とにかく私どもなりそういったいろいろな方々の
意見を聞いた中での最大公約数といいましょうか、そういった感じでもって問題をとらえておりますので、ぜひこれから慎重な御検討を
郵政省といたしましてもあるいは
政府といたしましても、本当に
大臣が宮澤さんの
意見に対しまして慎重で臨んでいるのは知ってますから、そういったことはよくわかりますし、そういう点を含めて——ただ、私ここでもってはっきりしておきたいことは、
国民共有の資産だという言い方でもってばっさり切られますと、百六十五万人だけじゃないのですよ。
NTT株に対する
政府の信頼を失ったら、この問題は、
渡辺さんもさっきおっしゃられましたけれども、とにかく
NTT、
郵政省を含めて国の信頼が、百六十五万人を頂点としまして証券業界全体に広がっている、こういうふうに見なきゃいけないでしょうね。そうすると、やはりこの問題については、せっかくの
エクイティーと同時に、
NTTが国際的任務、責務を果たすためにも、何らかの解決策を
政府なり与党なり、野党も時には知恵に乗りますから、そういった中で考えていただくことが今日的に極めて大事な問題と考えておりますので、ぜひ
参考に聞いておいていただきたい、こう考えております。大蔵省、何か
所見がありますか。