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國松政府委員 御
指摘のとおり、一括して言うと
暴力団活動の国際化、そういうことになると思うのでありますが、そういうものにつきましては、私
どもといたしましても、これまでも関心を持ってやってまいりましたけれ
ども、今後はますますやっていかなければならぬであろうというような認識を持っております。
暴力団が海外に進出することはこれまでもございました。いろいろな目的で行くのだろうと思いますが、例えば、御
指摘もございましたけれ
ども、けん銃とか薬物を密輸入をするために出かけていくというのもございますし、あるいは、いろいろな海外からこちらに働きに来られる方の地元でのお話もございましたけれ
ども、いわゆるジャパゆきさんといわれるような外国人女性をリクルートに行くというような目的の場合もございました。あるいは、若干自分の趣味と実益を兼ねたような賭博ツアーといったようなもので行くこともあったのでありましょうけれ
ども、最近私
どもやはり一番注目いたしますのは、海外における不動産投資であるとかそういった資金獲得
活動と申しますか、彼らなりのいわゆる稼業といいますかしのぎをやるために海外に進出をしていく、そういう形で資金源
活動というものが多様化し国際化をするというところがあるのではないかというように
考えております。
確かに、このバブルの時代に彼らは相当の資金を獲得をしておるということはあるわけでございまして、そういった非常に潤沢な資金というものを海外に投資をしていくというような
動きが今後ますます出てくるのではないかというように
考えておるところでございまして、そういったようなものの
動きにつきましては、国内の関係機関、入国
管理局でありますとか税関でありますとか、そういったような関係機関はもちろん、外国の捜査機関等々との
連携を強化をいたしまして、まずその
実態の
把握に努めるということが第一でございますが、国内法の適用を最大限に行いまして、違法
行為の
取り締まりを徹底してまいりたいというように
考えております。
私
どもは、そういう目的もございまして、既に昭和六十二年には
警察庁の捜査二課の中に
暴力団海外
情報センターというものを
設置いたしまして、各国の捜査機関等との
情報交換を行ってきております。また、特に
暴力団の進出に大変重大な関心を持っているのはアメリカでございますのですが、そういったアメリカの捜査機関等とは、昭和五十五年以来七回にわたりまして日米
暴力団対策会議というものを相互に定期的に開きまして、いろいろな
情報交換をやっておるところでございます。この点につきましては、つい先般、三月の十一日から十三日までハワイにおきまして
会議を開きまして、かなりの成果といいますか、そういう
情報交換という面では進んでまいったという感じがいたしております。今後そういった努力をやはり我々はやっていかなければならぬというように
考えております。
なお、いろいろな御
指摘の中に、シベリアにやくざがおる、そのやくざというのは日本のやくざが行っておるという御趣旨でございますのか、それともあるいは、向こうに日本のやくざのような暴力
組織があるという
意味でございますのかあれでございますが、シベリアというのはかねてから流刑の地でございますので、そういうところに日本のやくざが行っておるというのはちょっと私
ども存じておりませんが、ただ最近は、先般のソ連邦の解体にも若干関連もあるのかもしれませんけれ
ども、ソ連あるいは特にロシアの国内におきまして、かなりいろいろな形で犯罪が多発をしておる、そういう過程で、いわゆるやくざとどの程度同じなのか私
どもつまびらかではございませんが、いわゆる
組織暴力と申しますか暴力
組織といいますか、そういう
組織化された暴力集団というものがだんだんできつつあるということは聞いておりまして、先般もヨーロッパのある国の治安機関のトップの方がこちらにお見えになりましたけれ
ども、その方もそういった旧ソ連邦内におきます
組織暴力の台頭と申しますか、その方はマフィアという言葉をたしか使っておりましたけれ
ども、ソ連流のマフィアというものが大変盛んになっておるというようなことについての危惧を表明をいたしておられました。
そういうものもあるのではないかと思いますが、まだ今のところ私
ども、具体的な形でソ連のマフィアと日本のやくざが何か
連携をとっているというような具体的な
状況というのを
把握しているわけではございませんが、ただ、今後はそういうものにつきましてもやはり十分関心を持ってやっていかなければならぬというのは御
指摘のとおりでございますので、そういった
暴力団の海外進出と申しますか、海外の
組織暴力との
連携といいますか、そういったものを封圧していくという観点からも、我々
暴力団対策部を
設置をしていただきましたならば、その
暴力団対策部を
中心にいたしまして、そういった
情報交換、必要な
取り締まりというものをやってまいりたいと
考えておるところでございます。
〔岡島
委員長代理退席、
委員長着席〕