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羽田国務大臣 ただいまの件につきましては、まず私
どもが
援助をいたしますときは、やはり考え方の基本に立ちますのは、
日本が今日ここまで来た、これは戦後いろいろな国の理解あるいは協力というものがあったのであろうということを私
どもはまず前提に考えなければいけない。そして、ここまで来た
日本というのは、
世界の中にそういった役割の分担というものも果たさなければならない時代が来ているのだろうというふうに思っております。特に私
どもが
援助をしなければならない場合に、
発展途上国の場合には、
発展途上国というのは健全に発展するということ、このことがまた
世界の発展につながっていくのだということを前提に私
たちは考えなければならぬということを考えましたときに、やはり基本的には人道的な配慮というものが大事であろうということ、そして特に民生の向上といいますか、こういったものに役立つもの、こういったものを念頭に置きながら対応をしていかなければいけないのじゃなかろうかと思っております。
そして、今
お話がありましたように、マーシャル・プランを除いて余り成果がないのじゃないかという御
指摘もあったわけでありますけれ
ども、確かに幾つかのものについてはいろいろな
指摘があることは、私
どもも今までの協力の中で承知をいたしております。ただ、私
どもも途上国等を旅をしながら、本当に
日本の協力に対して地域の住民
たちが喜んでおるというもの、こういうものがあるのじゃなかろうかと思っております。
そういうことで、今現在バイでやる場合なんかに特にあれしますことは、念頭に置かなければいけないことは、よく大統領ですとかあるいは強権を持った
皆さん方が、
一つの大きな記念塔といいますか、そういった思いなんかでつくりたいというような気持ちなんかもかってはあったようでありますね。ですから、そういうものでは、確かに大きなプロジェクトであってその国と
日本との間というのは非常に際立って見えるのですけれ
ども、さあそれが本当に民生のために役立っているのかということになると問題があるだろうということでございますから、向こうの国がどうしてもこういったことをやりたいということがあったときに、まず私
どもはそういったものをよく
調査しながら、本当にその国あるいはその地域にとって仮に立つものであるのかどうかというフィージビリティースタディーというものを徹底してやることが必要であろうということ。そして、あるときには助言をしながら、そんな大きなものよりは、例えば私がちょっと知ったあれでは、大きなダムをつくりたいという話があったのですけれ
ども、しかしよく調べてみますと、その地域はダムよりは小さな池といいますかそういったものをつくった万がプラスになるということで、それぞれの地域に小さなものを幾つかつくってあげる、それが非掃に効果をあらわしておったということであります。そういう
意味で、その効果の発揚というものについて一体どうであったのか、事後
調査というものもやりながら今後の協力に気をつけていく必要があろうというふうに思っております。
また、今
お話がございましたように、これから協力をしていく場合には、当然バイでやる場合もございましょうし、またマルチでやる場合もありましょうし、また
国際機関というものの
関係ということを、これは今まで
国際機関のあり方についてもいろいろな議論があったところでありますけれ
ども、しかし最近見ておりますと、そういう専門の
人たち、しかも中立公正な立場で物を見ることができるように、また機関もだんだんそう成長してきていると思うのですね。ですから、こういった機関が中に入りながら、これから被
援助国に対して一体?どいうプランで、どんなものを考えながら
経済の発展というものを目指しているのか、こういったものを互いに話し合ってもらう、そういうデータをもらいながら、また、そういう機関が、この国の場合にはこういうことをやっているよ、方向、プランニングもきちんといくよということを見きわめた、そしてそういった機関も少しでも協力しましょうというものに対して我々もお手伝いをしていくということなんかも効果があるのかなというふうに思いまして、私
どもこういった
国際機関というものも大事にしていかなげればいけないのじゃないのかな。それと、バイてやる場合と、あるいはマルチでやる場合も、あるいは多国間が一緒になってやっていく、例えば
一つの国なんかに、私
たちいろいろと話しておりますと、余りにも大きな、要するに大きくしなかったら話にならぬわけですね、例えば港湾をつくってほしい、しかし倉庫も必要である、いや、今度倉庫があったら、各地方の方に物を運ぶための道路が必要であると小うような非常に大きなインフラを整備しなきゃならぬということもあります。ということになりますと、
日本一国でやるよりは、あるいはそういったことについてそれぞれの国の強いノウハウを持ち寄るということも大事なことであろうというふうに思っておりますので、いろんなやり方を模索しながら、本当にその地域あるいはその国、これに役立つ
支援というものが必要なのかということを今改めて思っております。