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佐藤(恒)委員 いずれにしましても、素人といいますか庶民から考えれば、ああ非課税になるのか、それじゃ三%下がるのか、これが庶民の一般的な理解だろうと思います。しかし、そうならないのが消費税の仕組みでございますから、そこにもともと問題があるということでございますが、先ほど同僚議員からもありましたように、この税の問題につきましては、例えば
使途不明金の問題が先ほどございました。あるいは五千数百億円という最悪の申告漏れが国税調査によってわかったとか、さまざまな税に対する問題が連日新聞等で報道されているというような
状況がございます。
そこで、さらにことしの秋には何か納税者番号制の採用の問題についても検討しなければいかぬというような
方向性の話が出ているわけでありますが、いずれにしましても、納税者が国に対して、あるいは
地方に対して安心して税金を納めて、それが国民の福祉のために十分に役立っているという
状況があれば、国民の皆さんは苦しくとも税を納めるということだろうと思いますが、さまざまな徴税過程で問題があるということであります。
そこで、
大蔵省の協力団体であります例えば日本税理士会におきまして、新年度の
予算編成に当たって、国税通則法関係の
改正について、一般行政手続法制定の動きと並行して税務行政の執行に関する手続規定を整備されたいということで、我が国では統一性を欠いて法令に明定されていない、国民の適正な権利を擁護するためにも欧米並みのことをやりなさい、やってほしい、こういう要望が出されております。
それで、例えば国税通則法とか不服審査の関係の法律とか徴収法とか、こういうものを拝見をいたしましても、あるいはまた消費税を導入されるときの
税制改革法の法の趣旨あるいは
目的という規定を拝見いたしましても、納税者の権利を守るなどという言葉は
一つも出てこないのですね。つまり、税務債権をどう確保するかということだけがこの法の
目的の中に出てくる。こういうような状態が我が国の状態だろうというふうに思います。
とりわけ、サラリーマンといいますか勤労者で、その働いているところ以外には
収入がないという方は、通常もう源泉徴収で税を取られて十二月に精算されておりますからわからないのでありますが、何かちょっと事ありますと、税務署から申告の用紙が送られてきて、その中にどういうふうに書いてあるか、申告をやらなければならない人という書き方をしているわけですね。これは、私は非常に納税者をばかにした話じゃないかと思うのです。確定申告をしなければならない人は次の一、二、三にある人、こういう書き方です。だから、サラリーマンは、給与所得者は確定申告をやらなくてもいい人というか、そういう案内はないですね。通常、職場に入れば税は、給与係か人事係か知りませんけれ
ども、そこで差し引いて十二月に精算してくれるから、ああ税というのは特別徴収義務者が差し引いて納めるものである、したがって私はただその書類を受け取ればいい、源泉徴収票を受け取ればいいということに頭の中ででき上がってしまっていますね。そういうのが実際の税に対する国民の一般的な認識だろう、こう思います。
ところで、この所得税法二百四十二条、これは
大臣の
見解を私はお伺いしたいと思うのですが、その中に職員の質問検査権みたいなものがありまして、それに対しては検査を拒んだり妨げたりしてはならない、こういうことがあったり、あるいは偽りの記載をした帳簿書類を提示した者、偽りのものは
一つの犯罪みたいなものでありますから問題でありますが、なぜ私のところにその調査に来たのですか、何でそんなこと聞くのですか、今のところ答えられませんと、仮に押し問答になった場合には、一年以下の懲役または二十万円以下の罰金に処す、こういうふうになっているわけであります。
先ほど申し上げましたように、税関係の法律を見ても、国民あるいは納税者の権利をどう保護していくか、利益を守っていくかなどということはどこにも書いていない。しかし、取る方の法律には、ちょっとトラブルがあれば罰しますよ、こういうような規定になっているわけですね。
いろいろ伺いたいと思いますが、まず所得税法のこの規定というのはどんなふうな感想をお持ちか、
大臣に
お尋ねをしたいと思います。