○川端
委員 大臣、よろしく
お願いいたします。
いわゆる我が国の度量衡の
制度に関しては、非常に大きな歴史的な転換ということで、一般には昭和三十四年、土地建物について昭和四十一年にいわゆる尺貫法から
メートル法に転換をしたということがありました。
ちょうど今相撲をやっておりますが、きょうのある新聞の相撲欄に二百五十キロ対二百キロの対決と書いてありました。小錦と曙のことですね。恐らく尺貫法が廃止をされたときに、当時、六尺、四十貫のお相撲さんというのは我々子供心に利多分このぐらいのお相撲さんだ、そのときにいきなり身長百八十センチ、体重百五十キロと言われたときには、感じとしてはまさに外国人力士がやっているような戸惑いと
混乱が、別にお相撲だけではなくて、社会全体にあったというふうに思います。今、小錦が六十八貫目、曙が五十三貫目、合計百二十一貫の対決なんて言ってもだれもぴんとこないというぐらいに、この三十数年の中で随分戸惑いと
混乱を持ちながら、今日においてはもう本当に実感する、体感する部分においても物差しが変わった。これはそれまでの
混乱と戸惑い、不便を感じながらやらざるを得なかった。いわゆる
日本の経済を中心とした物差しを
世界の物差しに
統一しなければいけない、それが工業を中心とする
日本の発展に不可欠であるということでやられたことだというふうに私は理解をいたしております。そしてそれは、各級のいろいろな方の
努力の中で今日の経済の繁栄を見るに至ったその非常に大きな
一つの要因であった、
日本の
製品を尺貫法で売っていれば恐らくこんな経済はなかったということだというふうに私は思います。
そういう
意味では非常に大きな意義があったというふうに思いますが、さて今回
法案として出てくる部分におきましても、やはり
一つに
計量単位の
変更という、SI
単位にかえたいということでございますが、いま少しぴんとこないというのですかね、一般社会から見ますと、例えば一キログラムのものを持ち上げる力が一重量キログラム、一キログラムフォースであるというのはわかりやすいです。ところが、一キログラムのものを持ち上げる力が九・八ニュートンだと言われると、なぜ、何だそれはということに感じとしては今なります。同時に、例えば一グラムの水を一度C上げる熱量が一カロリーというふうに我々は習いました。いろいろ糖尿病等々でカロリー制限をしている方は、御飯一杯きょうは少し控えておこうか、何カロリーだからとやっておられる方が、一カロリーは四・ニジュールだからと言われるととんでもない
混乱を起こしてしまう。まあ今回は栄養に関しては据え置くということでありますが、熱量でいえばそういうことをやろう。一キロの重量のものが一平方センチに載っているのが一キログラム・パー・平方センチという圧力の
単位であるというのが、いやいやこれからはこれが九万八千六十六・五パスカルと言いなさいと言われると、もう
一つどうしてなのかなという思いを率直には受けると思いますし、新聞報道でもそういうふうな
観点で書いている部分がたくさんあります。
別の見方をしますと、現実には我々日常生活で例えば同じ圧力の
単位を実に使い分けをして、いわゆるこの普通の
状況の中での大気圧を一気圧、一アトムというと。今言いましたような一キログラム重量の一平方センチという圧力の
単位もある。高気圧、低気圧というのはそれを
基準に高いか低いかでいっている。ところが台風が来ると気圧でいうかというとそうではなくてミリバールでいう、九百五十ミリバールの台風、かなり大きい台風が来るなと言う。血圧をはかるときには百八十ミリ
メートル水銀柱という
単位を使っている。同じ圧力でもいろいろな
単位を使い分けしているというのも現実である。そういうときに、ただ単に科学
技術あるいは
計量を商売とするような部分、そして国際的な経済的な取引ということであっても、現実にはやはり我々の一般生活に今や尺貫法が全く実感として通じないと同じように、そういう変化をもたらすことは間違いのないことであります。そういうときに、このような今回の
改正というものが経済的な側面ということ以外で、
国民にも理解と協力を得なければいけないという部分でどのようなメリットというか必然性というのをお
考えになっているのか、簡単にいま一度お聞かせをいただきたいと思います。