○
渡部国務大臣 今
先生の御
質問、大変難しい問題でございますと同時に、また私
どもが今当面しておる最大重要、緊急なこれは
課題であります。
先ほ
ども若干申し上げたのですけれ
ども、昨年の十一月、十二月という時期には若干実体としての
産業界を預かっている私
どもと、
数字や
統計で
産業界を見る人たちの間にこれは
認識の違いがあったことは否定できません。そういう中で、ことしの二月、ようやく
月例経済閣僚会議で
政府部内の
認識が統一をいたしました。その
認識の上に立って三月三十一日の
景気対策が決定し、呼応して
日本銀行も思い切って〇・七五%、四%を割るという
金利で下げどまりということがほぼ明確になってまいったわけであります。その直後に株が下がってしまったので、普通ならこれは
景気対策、
公定歩合の引き下げというのは株を押し上げる
要因でありますから、その中でいろいろな発言や
心配があったわけでありますけれ
ども、今株というのはある面でもう動物的な感覚で動いている面がありますから、日銀の
公定歩合の引き下げとか
政府の
景気対策というものはずうっと
早目に
織り込み済みですから、私はあれによって
株価がそこですぐ上がるなどということは考えておりませんでした。
一番問題なのは、残念ながら昨年の
金融不祥事、それから証券不祥事、このために
日本の
経済というものの一番大事なことが何か離れた考えになってしまった。やはり
株式市場に国民大衆の
皆さんが健全な
投資をしてくださったことが、また
銀行というものはやはり
企業の将来のために思い切って金を貸すところに社会的な使命があるわけですけれ
ども、何となしに何か株を買うことが悪いことで、
銀行が金を貸すことが悪いような風潮が漂っておった。その中で、残念ながらこれは率直に申し上げて昨年の暮れから一月にかけては政局が極めて不安定であって、二月のころは今私がこうやって
通産大臣としておるかおられないかわからないぐらいの不安定な状態もあった。こういうものが総合した中で消費マインドを冷やしてしまい、また
産業のマインドを冷やしてしまい今日のような残念な状態に移ってきたわけでありますけれ
ども、幸いにして政局も安定してまいりました。岡田
先生の前でこれは言いにくいことですけれ
ども、群馬県の選挙も、また茨城県の選挙もああいうことになりまして、宮澤さんの顔も何か最近非常に意欲的、元気になって、まず当分政局は安定していくだろうという前提が出てまいりました。やはりこれは政経不可分でありますから、政治、政局の安定なくして
経済の安定はありません。
そういう政局の安定の中であの三月三十一日の
対策が、これからいよいよ私
ども通産省の分野でも
金融環境の
整備とかあるいは
中小企業の
省力化、
設備投資の拡大とか、あるいは一極集中を排除して地方分散とか、
産業界の
皆さん方には、ビジネス・グローバルパートナーシップとともに、やはり
日本の
産業というものは毎日毎日技術革新と
設備更新の
努力をすることによってあすがあるのだから、今私はこういうことを申し上げておるのでありますけれ
ども、ようやく政治の方も底からはい上がり、そしてこれに引き続いて
経済の方も今はい上ろうという明るい兆しか見えてまいりました。
一
国経済であれば今大変な
人手不足、しかも国民所得もかなり向上しておるわけでありますから、哲学論としては縮小
経済論というのもあるかもしれませんが、しかし今の
日本の置かれた国際的な
責任、
立場ということを考えれば、
日本の
経済に対する開発途上国を初めとする世界の国々の大きな期待ということを考えれば、
日本の
経済は世界のために役立っていかなければならない。それには三・五%の成長が、今学者や
評論家や政治家の
皆さんで可能か不可能かとかいろいろなことが言われておりますが、私には可能か不可能かというような考えは全くありません。
通産大臣として三・五%の成長を必ず実現させる、これが
日本の
経済を担当する
大臣の
責任であり、また世界に対する我が
日本の
責任である。そのためには今後あらゆる政策を次から次に機動的に進めてまいって、御
心配のないように三・五%の成長、つまり
内需主導によるところの
景気、
経済、そして国際社会の期待にこたえてまいりたいと思っております。