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鈴木(久)委員 私は、
法案の具体的な質問に入る前に、
一極集中と
国土開発全般について伺いたいと存じます。
その理由は、この
法案提出の背景には、
地方の
人口の
減少、
首都圏への
集中という流れがとまらず、極めて深刻な
一極集中があり、これを是正をして
地方の振興を図ろうという、そういう差し迫った状況になっているからだ。私自身も、実は
東京から二百キロ圏内に選挙区がございます。福島でございますけれども。これまでは、私は
地方議員として
地方から中央をずっと十数年見てまいりました。今度は、国会へ来ましてから二年ちょっとでございますけれども、この論議を通じて中央から
地方のことを考える、こういう双方の立場に立っておるわけでございますけれども、わずか二年ちょっとの関
東京へ来でみて改めて感じたことは、率直に申し上げまして、
一極集中の矛盾と弊害というのが極めて深刻であるということを痛感をいたしております。
人間がつくった
都市文化、これが大きくなって膨れ上がって超
都市文化になる。同時に、大
都市は大きくなればなるほど、そこに住む人間を
排除して表へ出す。そして、人間疎外のような状況がどんどん進んでいる。
都市の
中心はまさに巨大なオフィス街になって、土地は高騰する、人は住めなくなる。長距離通勤通学、これは大変厳しい状態になっておりますし、
交通渋滞も慢性的である。もう
一つ、
都市問題ではごみ処理を含めて今極めて重大な危機になっている。電気も水もこれまた、電気などはピーク時はどうなるか知らぬというくらい厳しい状況だろうと思うのです。もう
一つは、
東京周辺はいつ大地震が来るかわからないという、災害を含めた不安な状況がある、こういうふうに私は認識をいたしております。
一方、この中央の繁栄といいますか
集中を裏で支えてきたような格好になったのが
地方であろうと思うのです。人をどんどん送りました。食糧も送りました。電気もそういう意味では送ったと言っていいでしょう。そして、その結果が過疎を生んで集落が崩壊をする、
高齢化も人一倍速く進行する、こういう状況であろうと思うのです。
現在は、私どものような二百キロ圏内にあっても、今度はこの
一極集中のもう
一つのツケ回しか起こっている。それはどういうことかというと、
一つはごみですね。ごみの不法投棄がどんどんある。
首都圏のごみがどんどん北上する。ごみ捨て場になりそうだという、
地方から中央を見ている人々は、そういう中央に対する怒りみたいなものさえ持っています。
それだけではないのです。この間のバブル
経済の象徴と言われたいわゆるリゾート、ゴルフ場の開発というのが我々の
周辺で特に起こりました。私の住んでいるいわき市というのは、ちょうど香川県ぐらいの面積があるのですけれども、ゴルフ場だけで約三十ぐらいの
計画がここに殺到した。開発可能な土地はほとんどゴルフ場になりかねなかったというのが正直言って状況でございまして、どうして
東京の遊び場を提供しなければならないんだろうかみたいな、そういう現実があるわけでございまして、その意味では
地方は中央に対するそういう物の見方、怒りみたいなものさえ一部で感じている。ですから、
地方の振興に対する期待というものは物すごく大きいです。私はその双方の立場を現実に見てまいりましたので、ここで
一極集中を是正をして
地方の振興を図るという意味では、今極めて重大な時期に差しかかっている、こういう認識をいたしておるところでございます。
国土庁長官にまずお伺いをしますけれども、このように極めて中央と
地方、
一極集中と
地方の状況というのが厳しくなってしまった、この
一極集中をもたらした原因というのは
一体何だったんですか、こういうことを改めて今私は問い返したいと思います。ぜひ明確な御答弁をいただきたい。