○米沢
委員 この問題、うるさい問題でございますから、そうしつこくやろうとは思いませんが、少なくとも例えば
都道府県知事の定める
都市計画等については、これは
都道府県知事に
権限があって計画が決められるのではなくて、機関委任事務として知事が代行するというものにすぎないという点もありますよね。あるいはまた、法令等では
人口十万以上の
都市については大半が
大臣認可の対象になっておるというのも、やはり中央集権的だなあという感じがします。あるいはまた、法令や通達や事前
協議によってでき上がるまでにかなりコントロールがあるというのも事実ですよね。あるいはまた、
建設大臣の指示や代行権の
規定が二十四条にありますが、こういうものも、一般の機関委任事務以上に強力な
規定があるというふうに思っでいいのではないか。
それで、できたものは大体全国で一律に適用されるということでございますから、まあ国が全然手を引いた場合一体どうなるかという問題は、また新たな問題としてありますけれども、少なくとも
地方自治の段階でみずからが決めるということを
一つの前提にしながら、国の関与と逆の方に位置づけるという方向性みたいなものは模索されて一しかるべきではないか、そう思っておることをつけ加えておきたいと思います。
それから、
我が国の
市街地における
建築物の
用途規制などのいわゆる
土地利用規制にかかわる
制度というものは、基本的な枠組みはもう御案内のとおり三つで大体枠組みができておると思っています。
一つは、先ほどから議論になっておりますような
マスタープランとしての
整備、開発または保全の
方針というのが
一つある。そしてその下にゾーニングといいましょうか、
地域性としての
用途地域と
特別用途地区の活用という問題がある。その下に詳細計画としての
地区計画制度がある。三つの
制度の枠組みによって構成されていると言っても過言ではないと思います。したがって、この三つの
制度がそれぞれの役割を分担するなり、あるいは一体となって運用されるなり、あるいは相互に補完し合って運用されるところに、
都市計画の実が上がると言っても過言ではないと思います。
しかし、今日までの運用
状況を見ますときに、いろいろな問題点が
指摘されておることも事実でございます。
まず第一に、これも先ほどから議論を聞いておりましたが、
マスタープランについてであります。まず、
都市の
マスタープランの位置づけ、それから内容の
充実策というものは、それぞれ
審議会等も
提案を、
提案といいましょうか、建議を行っているところでございますが、例えば
都市計画中央
審議会等の中間報告等を読ませていただきますと、
都市の
マスタープランの位置づけというのは、
都市全体の将来像を見据えた上で、
人口の配置、
住宅地、商業地、工業地や
都市施設の配置や規模等についての長期的な見通しを明らかにし、
土地利用の
規制、
都市施設の
整備及び
市街地開発事業の展開を有機的、総合的に進める上でのよりどころとなるべき基本的
方針としての役割を有しておる、こういうふうに言われて、四つの
機能があるべきだ、こうおっしゃっています。
一つは、
住民の
都市計画に対する理解と策定への参加を容易にするために、個別計画の背後にある
都市の将来像を明示する
機能を持つべきであろう。第二に、
都市の将来像を見据えた長期的な基本
方針として個別具体の
都市計画を導く
機能であって、これによって
マスタープランと
住民に対して拘束力を有する個別具体の
都市計画との二層性の計画体系を構成することになるであろう。第三の
機能として、
土地利用、
都市施設、
市街地開発事業といった部門ごとの計画から成る
都市計画について、相互の整合性を
確保する
機能というものが求められていくであろう。第四に、計画の
実現の見通しとして
市街地整備の手法や時期を明らかにする
機能が求められている。
この四つの
機能にプラスして、もっと例えば開発等でもめたときに、この
マスタープランを見る限り判断の根拠が大体指導されるような形になっておるという
機能があれば、とれは万全だ、こう思うわけでございます。
ところが、今日のこの
マスタープランの現実は一体どうか。それぞれいろいろと述べてあるわけでございますが、
現行の「
整備、開発又は保全の
方針」というものは、
都市計画における
マスタープランとされてはいますものの、
現行の
都市計画法上いわゆる線引きを行う
都市計画区域においてのみ定められておるという中途半端な問題でもある。また、その内容についても、先ほど申しました四つの
機能を持つべきとの
観点からいえば、
マスタープランとしての役割は余りにも不十分だ、こう言わねばならぬと思います。
その上、
制度的にも「
整備、開発又は保全の
方針」と
用途地域、
特別用途地区または
地区計画などの個別の
都市計画、
建築規制制度の
関係が
規定されていない。参考として見るだけで、実際は具体的な
都市計画の実施については余り連関性は求められていない。そういうものが非常に大きな問題ではないかという
指摘がされているんじゃないかと私は思います。私もそう思うし、現にそういう方向に
充実されていかなければ、一体とした
地方の開発みたいなものは、あるいは
地方の
整備というものは行われていかないのではないか。概念としてはそういう感じがするわけでございます。
そういう
意味で、このような問題
指摘に対して、どう当局としては答えようとなさっておられるのか。あるいは、
用途地域、
地区計画の適切な活用の指針となるような
土地利用にかかわる
マスタープランをつくっていくべきであろうというそういう声に対して、どういう対応をなされようとされておるのか。できれば今回の
改正で、この
土地の
マスタープランの
充実という面で何か
改正が行われているのかいないのか、そういう点について総合的に、一回
答弁を欲しいと思います。