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川端委員 横ばいという御表現でしたが、アオコの発生はごく最近であります。大体、閉鎖系の水域でアオコが発生するというのは、かなり汚れてきている
一つの象徴であるという説もございます。現に、今お述べになりました
湖沼法に基づいてのいわゆる県の
水質保全計画においても、目標の達成ということではなくてむしろ悪化の方向に数値が移行しているというのが現状であろうかというふうに思います。こういう閉鎖系の水域でございますので、いわゆる汚染の原因というのは、今人口増という部分での汚濁源の増加というふうにおっしゃいましたけれ
ども、一概に人口増ということだけでもないのだと思います。いわゆる流入水の汚染というその原因が、工場等々のいわゆる工業
排水、それから農業における
排水、それから家庭の雑
排水、そういうものが汚染の原因として大きく挙げられるのではないかな。同時に、いわゆる
自然環境というものの天候とかが不順であるとか、降水量が多いとか少ないとかということと同時に、むしろ自然の持つ浄化力というものの
程度にもやはり
水質は影響されるというふうに考えます。
今日までの
琵琶湖総合開発特別措置法及び
湖沼法も含めてでございますが、とりわけただいま
議題になっておりますこの特別措置法において、国としては
公共下水道それから農業
集落排水等に対する浄化機能の向上というものに特段の御配慮をいただき、これからの方向もそこに重点を置いた
計画をお立ていただいていることは高く評価をさせていただきたいというふうに思いますが、私は、
滋賀県民そして
滋賀県及び
滋賀県の地方自治体は、この
琵琶湖を通じて
環境問題に対する日常生活の
意識というのは、日本の中で誇るべき位置にいるというふうに思っております。
富栄養化防止条例という、いわゆる石けん条例というものも今施行されておりまして、家庭で洗濯するのに、一般的には合成洗剤より粉石けんの方がやや使いにくいとか、
あといろいろ手間がかかるとかいうことがあっても、やはりそういう石けんを使っていこう。あるいは、流しにおけるストレーナーも地方自治体が援助しまして、流しにある一定より大きなごみが流れないようにしようとか、油物のお皿があったとき、ただ単にそれを流しで洗うのではなくて、水に流さずに紙でふき取って燃やす方に回そうとか、実に細々としたことも含めて県民の一人一人が
琵琶湖を守っていこうということを今やっているわけです。県においてもそういう
富栄養化防止条例、俗に言われる石けん条例、あるいは通常の二倍ないし十倍厳しい
排水基準の設定等々をやっているわけですし、現在は県議会でヨシ保護条例、今まで申しましたのは
琵琶湖に入ってくる水を汚さないということでありますが、汚さないだけではどうやら二十年以上、あるいは数十年しないと
琵琶湖の水がサイクルしないという中では、今ある水をきれいにするということも考えなければいけない。そのときに、
琵琶湖のヨシあるいはその
周辺の水生植物というものがいわゆる自然の浄化力というものを大変持っている。要するに、水中にある栄養分を吸い取って植物として固定化するという機能、あるいはその
周辺に魚の産卵あるいは稚魚の生育という魚のすめるような、あるいは生えているということで浮遊物をそこに引っかけてとるという、いろいろな機能を自然は持っているわけです。そういうものがいろいろな開発ということの結果として随分失われてきている。これ以上失われないために保護していこう、いろいろな角度からいろいろなことを努力してやっておられます。国においても大変な御努力をいただいている。
そういう意味で、この五
年間での
総合開発の
事業計画を完遂すると同時に、さらに付加して、特に
水質というものを真っ正面に据えた国としての施策を考えるべき時期に来ているのではないか。現在ある
湖沼法あるいは現在の
琵琶総もそうでありますが、それらも踏まえながら、そういう観点でこれからもぜひともに取り組んでいっていただきたい。御要望と同時に、この
琵琶湖の
水質保全というものに対する国のこれからの取り組みに対して御見解を賜りたいと思いますし、
環境庁、
建設省、そしてせっかくでございますので
長官に締めくくりをお願いを申し上げて、
質問を終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。