○筒井
委員 委員会で
出席者が非常に少ないとかいう話もたくさん出ておりましたが、なぜそうなってくるのか。
一つの
理由として私が思うには、まず
法案をつくるのが、もちろん
国会の前につくられるわけですが、自民党の各部会で官僚との間でも打ち合わせをして、
国会の以前にがちがちにコンクリートされてもうでき上がってしまう。
あと国会に出したら、与党としてはそれを一日でも早く
国会を通過させよう、
野党はそれを一日でも遅く通過させようとする。そういう点で
日程上の争い、手続上の争いだけになってしまっているから、
あとはもう一定の時間を消化して、なるべく短い時間で消化して採決をする。そこでは
委員会の
審議なんておもしみみも何もないし、
委員会の
審議の積み重ね、討論の積み重ねによっていろいろな
法案の修正とか何かが決まっていくということもなくなってしまうわけですから、当然おもしろみもなくなってくる、それが形骸化の中身だろうと思うのです。
たまに修正されるときがありますが、それは一日も早く通過させるために力
関係上修正するというふうなことがなされていて、
議論の積み重ねによって修正するわけではない。これを
改革しなければならないと思うわけですが、しかし非常に難しい。与党にがちがちにコンクリートする前に
国会に出せと言ったところで、なかなか難しいだろうと思うのです。
一つの案として、私たち一年生
議員同士超党派でいろいろ論議しているものとしては、例えば
法案が
作成される前に、
審議会に諮問されたりあるいは答申が出た段階とか、つまり
法案作成前の段階で、
委員会の
委員の三分の一以上の
要求があれば事前
討議をする、事前
審査をする。そして、それについてある程度
意見が一致したならば、
委員会としての
意見表明の決議を出す。それはもちろん、
政府に対して、
内閣に対して拘束力をつけなくてもよろしいですけれ
ども、最大限それを尊重しなければいかぬというふうな制度にする。そのことによって、
国会はがちがちにコンクリートされてからの
法案しか
審議しないという状態に少しでも風穴をあけるべきではないかというふうに思うわけでございまして、事前
審査制度あるいは
意見表明の制度、これをぜひ導入をしていただきたい。
それからもう
一つ。そういう形でがちがちにコンクリートされてきた
法案が
審議されるわけですが、その
法案審議の場合に、
審議の積み重ねによって修正とか何かして調整をして、そして全
政党が
合意するのが一番理想的ですけれ
ども、そうでない場合でも、ではどういうのが
国会の役割が、
委員会の役割がということを考えた場合に、
国民に対して争点を明確にするのが
国会の役割だと思うのです。どの点とどの点が対立しているんだ、自民党と
社会党はこういう点の
意見の対立があるんだということを
国民に明確に示すことがやはり
国会の役割だろうと思うのです。
だからそのためには、今
社会党は、
先ほどから小岩井さんも言っておられますように対案をいっぱい出しているわけですけれ
ども、この対案を
政府法案と、
内閣法案と同等に取り扱ってほしい。これを明確に確立をしてほしい。実際、数で決まりますから、
野党の
法案は、それが通過する可能性は余りないということでやや軽視されている。実際考えると、軽視されるのもやむを得ないのかもしれませんけれ
ども、そういう争点を明確に
国民に示すという
国会の役割からいえば、やはり同等に扱う、並行して
審議する、採決しないなんというのは慣例にしないで、たとえ
野党の方は負けたとしても、採決してはっきりこれは
国会を通りませんでしたということを
国民に示すという手続をやっていただきたい。それと、最後ですが、
野党がそういう十分な対案を出すためには、与党の方は官僚との密接な連携がありますから非常に有利だと思うのです。
野党の方はその点がない。その点をつくることによって、その点でも対等な力を与えることによって、対案を出すことを逆に強制してほしい。
先ほどから出ておりますけれ
ども、立法
事務費の増額等の話がありますが、立法
事務費は、これはある意味で増額というよりも
野党により割り増しで渡す。例えばイギリスのシャドーキャビネットの場合、
野党に対してだけそういう金を渡していますし、ヨーロッパの場合には二割五分くらいですか、割り増しの支給をされているようなんで、やはり
野党に対して、そういう対案を出したりなんかするための割り増し支給もぜひ考えてほしい。
そして、立法調査等の
国政調査権ですが、今事実上は、
委員会全体の決議がなければまあ発動されない。
議員個人の
国政調査権といったところで、なかなか官僚の
皆さんはちゃんとしたものを出してくれない。これを会派としての
国政調査権を認める。例えば
委員会で三分の一以上の
要求があった場合に、一定の
国政調査権の発動の具体的な事例を決める。証人喚問とか何かの場合には、確かに過半数の
賛成がなければいかぬかもしれませんけれ
ども、三分の一以上の
要求があった場合に、
常任委員会の
委員長が
調査室に対して、例えば
阿部さんのところに行って調書をつくってこいというそういう命令をして、調書を
調査室がつくって、それを
委員会に報告する。だから、三分の一の少数会派の
国政調査権の場合には、直接的なものではなくて、例えば
調査室を通じた間接的な
国政調査権を認めるとか、それが対案をより出しやすくする
一つの
方法だろう。
そういう意味では、あらゆる意味で
野党に対しても、金の点でも、それから制度の点でも、
政府法案と同等の中身のものをつくれるようなそういう制度をつくることによって、より対案を出すことを強制して争点を明確に
国民に示す、そういう役割を果たすべきだというふうに思います。