○秋葉
委員 ありがとうございました。ぜひそういった
方向でのいろいろな検討をお願いしたいと思います。
実はそれに関連して、ついでと言ってはあれなんですけれども、話がそういう
方向に行きましたので、よりいい抜本的な
環境の問題のアプローチといいますか、そういう観点から幾つか
提案をしたいと思うのですけれども、実はNOxの問題。この
削減のための基本的な
考え方といいますか、そういうものをまず広くPRする必要があると思いますし、これまでどんなことを
環境庁としてやってきたのか。例えばこういった点についても十分な
国民的な理解ということは、いわば
環境庁側のPR不足かなというような気さえ私はいたします。
さらに、今度
環境の問題をより広く
国民的な問題として理解してもらうためには、実はこれまでの
考え方とは少し違ったアプローチも必要なのではないか。それが現実性がどのぐらいあるかどうかは別として、やはり
社会全体にかかわる問題ですので、
社会全体の、ある意味で根本的なところに立ち返った議論というものはどうしても必要じゃないかというふうに思います。例えば、
環境の中でも
公害問題を人間の病気というふうに例えて
考えると、現在ここに出されている
法案というのは、いわば病気が非常に悪くなったからカンフル剤を打ちましょうというような形での対処の仕方だと思います。それはそれで確かに大事なことだと思いますけれども、そのほかにも、病気を予防するということでは大事な視点が少なくとも二つあると思います。
一つは、どういう病気があるかということがある程度わかっている場合、予防注射をするといいますか、予防的な
措置をとって病気にかからないようにするというのが
一つのアプローチだと思います。ですから、
環境問題についても、あるいは
公害問題についても、当然そういうアプローチが可能だと思います。
そのあたりは大体、今のマスコミを通してのいろいろな議論などを見ていても確かにあるのですけれども、実はもう
一つ大事なことがある。それは、そもそも健康な体というのはどういうことなんだということをきちんと描いて、健康な体をつくるためのいろいろなことを
考えていくというアプローチもまた非常に大事だと思います。
例えば車という
技術一つをとってみると、車という
技術が、これは別にある時点で
国民投票を行って、車という
技術は役に立つから、つまり
社会の健康のためにいいからこれを
社会的に導入して、それをシステムとして定着させてみんなで使えるようにしましょうという決定を行ったわけではないのですね。発明が行われて何人かの人が使って、そのうちに気がついたらもう
社会全体の中に組み込まれていたという
技術です。しかしながら今の時点で、例えばNOx除去の問題
一つをとってみても、この問題が非常に難しい問題であるということは、実は、こういった車、ただ単にエンジンの
技術ではなくて、車という総体としての
技術が
社会の中に非常に複雑な形で入り込んでしまった、そのこと自体が根本的に絡んでいる。となると、例えば、ただ単にNOxだけではなくて、交通渋滞の問題、それから
都市の物流の問題等々すべて
考えて、本当に車の存在というものを
社会的に認めていいのか、とすれば一体どういうようなシステムを、仮に今全然草がない
社会に我々が住んでいるとして、じゃ一体、車という
一つのシステムを
社会の中に取り込むにはどういう条件が必要になってくるのかといった、いわばゼロから再出発するような形での再検討ということが必要になるのじゃないか、そういう気がいたします。
そういった点に立ち返って、例えばそれとNOxを結びつける、あるいはCO2のレベルを
考えるといったようなこと、あるいは交通システム全体としての、
社会的なコスト全部を
考える。例えば鉄道であれば線路が必要になる、
自動車であれば道路が必要になるといったところまで含めた、あるいは駐車場の問題等も含めた、そういう全体的な、ある意味でのシステムとしての再評価といいますか、さらには
自動卓の場合には構造的に、
日本の場合に一年間にどうしても交通事故で一万人の方が亡くなっているということがございます。そういったコストまで含めたある意味での再評価をすることが、視点を変えた、NOxの抜本的な
解決というようなところにつながるのじゃないかと思います。
そういったことを将来おやりになる、あるいは、できるだけ早い方がいいと思いますけれども、おやりになるようなことを
考えていただければ大変ありがたいと思いますけれども、いかがでしょうか。