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征矢政府委員 最初の三点についてお答えを申し上げます。
まず第一点目の嘱託の問題でございますが、
障害者につきましては、これはその
職業生活における自立を図るために、
障害者が常用
雇用によりまして
雇用される必要があるという認識をいたしております。したがいまして、こういう
障害者雇用促進法の
雇用率制度も常用
雇用を前提として、これを
雇用率にカウントするという考え方でございます。したがいまして、正社員とかあるいは嘱託等という身分を問わず、常用
雇用されているか否かで判断をいたしておりますので、嘱託だけについての
実態という点につきましては把握することが不可能でございます。
具体的には、これは労働
政策の整合性という観点もございまして、
雇用保険
制度におきます一般被保険者、これが常用
雇用が前提の適用
対象になっております。この一般
雇用という形で
雇用保険に適用されております常用
雇用、これを
障害者雇用促進法の
雇用率でカウントするという考え方をとっておるところでございます。
次に、
精神薄弱者の
方々についての適用でございますが、今回の
法律改正におきまして
精神薄弱者の
雇用につきましては、これまたなかなか
重度の方の
雇用が難しいというような問題等もございます。そういう観点から、
身体障害者と同様、
精神薄弱者の方につきましても
重度の方を区分いたしまして、そういう方については
雇用率算定に当たってのタブルカウントをするというような考え方、あるいは、今回新たに
身体障害者で
重度の方については特に短時間勤務という形で考えた方が
雇用が進むという面がございますので、そういう形のものをこの
雇用率にカウントをする考え方をとっておりますが、
重度の
精神薄弱者の方についても同じような考え方をとるというような
法律改正の内容を盛り込んでいるところでございまして、
精神薄弱者の方については
身体障害者とほぼ同様の取り扱いを考えているところでございます。
ただ、
精神薄弱者の方につきましては
身体障害者の方と異なりまして、具体的に
仕事につく場合に非常に難しい職種が多いこと等もございまして、今回におきましてはなお
雇用義務化は
精神薄弱者の方については行わないという考え方をとっているところでございます。
三点目につきまして、保護
雇用の問題でございまして、
先生御
指摘のような考え方があるわけでございますが、現在私
どもは、保護
雇用という場合に、これは人件費等も公的にすべて助成いたしまして、いわば丸抱えで
雇用を維持するという考え方でございまして、ヨーロッパで一部
実施しているところがあるのは事実でございますが、これはなかなかコストがかかる問題、あるいは滞留するというような問題点等もございまして、私
どもといたしましては、この保護
雇用という考え方はとらないという考え方でございます。
むしろ経済性ということ、経済的な観点を入れまして、民間の活力とセットで
雇用を進めるという観点から、例えば、民間企業と
地方公共団体の共同出資によりますいわゆる第三
セクター方式による
重度障害者多数
雇用企業の育成、あるいは
重度障害者を多数
雇用する場合の企業に対する納付金
制度等に基づきます助成の強化、あるいは
職業リハビリテーションの強化等の
対策により
障害者の
雇用の
促進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。