○上原
委員 わずかな時間しかありませんので、きょうは
伊江長官、優しくいきましょうか。実はもう少し
基地問題あるいはこの振計の関連二法の全般について
議論をし、ただしていかなければいかないわけですが、なかなかそういう時間的余裕がないのを大変遺憾に思います。
そこで、おととい私がいろいろ
指摘をしたこと、あるいは相当きついことも申し上げましたが、それは
沖縄を思うがゆえに、またせっかく
沖縄から初の大臣が誕生した、
復帰二十年という歴史の
節目にこういう重職にあられるわけですから、それは期待が大きければ大きいほど注目もされるしいろいろあるんですよ。だから政治家というのは与党にしても野党にしても、何を言うのか、ただリップサービスとかそういうものでなくして結果が物を言う、
長官。
私がもう一遍あなたに特に注文をつけておきたいことは、失礼かもしれませんが、あなたは確かに少しは戦前の
沖縄は知っていらっしゃる。だが、戦中戦後の本当の
沖縄の苦悩、苦しみ、歴史というものについてどれだけ
認識をしておられるか私は大変疑問を持っている。それ抜きにしては
沖縄の
基地問題とか
沖縄振計というものは語れない、そういうことをもっとしっかり踏まえて、国務大臣の権限というのはそう軽いものではないと私は見ている。やろうと思えばできるはずなんです。だから、私は国際平和協力法案を審議した昨年の十一月二十日にも、宮澤総理とあなたと外務大臣と
防衛庁長官、四名にあの第一
委員室の中でわざわざいろいろ注文をつけた。本当に
沖縄の
基地問題とか振興
開発というものを政治レベルで
解決するというならば、あなたの御意見が閣内において入れられなければ職を賭してでも頑張ってもらいたいという要望を私はしたはずなんです。これは
会議録にちゃんと載っている。それと、三日の本
会議における
質問についてもいろいろけちをつける人々がいるのだが、ああいう機会がないとあなたの出番もないし、
沖縄問題の何たるかを知らない国
会議員も多い。そのことをぜひ踏まえていただきたい。今複数の閣僚の皆さんからも私の方に、
基地問題にしても年金問題にしても
マラリア補償にしても、あるいは農業、水、そういうことについては我々ももっと真剣に考えなければいかぬな、上原君、一緒に協力するよというむしろ激励を受けていることを私は力強く思っている、このことを申し上げておきたい。
そこで、十分しかありませんから、私は
伊江長官に期待を込めて五つのことを提言しておきます。
まず、
米軍基地の大幅な
整理縮小。
佐藤さん、さっきあなたは
米軍基地の整理統合なんと言うけれ
ども、統合というのはこれは役人がつくり出した
言葉なんだ。
佐藤総理は初め
整理縮小だったんだ。いつの間にか役人が統合、統合と言って
基地を強化しておりますよ。
米軍基地の大幅
整理縮小を具体的にどう進めていくかということ。それと、跡利用については安保とかいろいろかかわりがあるでしょう。野党案が気に食わなければ皆さんの案を出してください。
県民合意形成をどうするか、
沖縄開発を進める上においてあなたの責任なんだ。この
基地問題の
解決に本気に取り組んでいただきたいということ。
二点目は、後ほどの附帯決議にもありますし、いろいろございましたが、
平成六年以降も
沖縄の振興
開発、
格差是正、自立的
経済基盤、あるいは新しい富を生むためには
高率補助はどうしても必要なので、この維持継続は本当に今から宮澤内閣において十分その確証を得るように
努力をしていただきたい。
三つ目は、この振計問題とも大変重要なかかわりを持ってあなたも強調しておられますが、
沖縄の自由貿易地域は今のような状態ではいかない。これはどうするか。私もこれに注文をつけた以上は、これからいろいろ勉強してやっていきたいと思う。これは法的、制度的な整備が必要なんです。この間引用しましたね。県工業連合会の意見書あるいは宮城弘岩さんがお書きになっている本に出ている。こういう問題をぜひ
解決してもらいたい。
四点目、厚生年金の
格差是正。これは理屈、理論、制度の問題じゃない。さっき
前島先生もおっしゃったように、
沖縄が戦後二十七年間
アメリカの占領支配下に置かれたがゆえに格差が生じたんですよ。まさに政治決断が必要なんだ。あなたが厚生大臣に話したり、あなたが総理大臣やろうやということをやらないから私はこういうきついことを申し上げているのです。やがてもう数カ月たっているのでしょう。なぜそういうことを行動に移さぬのですか。
八重山の
戦争マラリア補償問題を含めてこの五点は、あなたが少なくとも国務大臣として
沖縄開発庁長官という地位にある以上は
解決できない問題じゃない。私の今の五点の提言についてこれからどうこたえていかれようとするのか、またさっき注文をつけたことについても改めて御所見、決意を聞いておきたいと思います。