○
山中(末)委員 何らかの形のある
状況でひとつ
お願いを申し上げたいと御
要望申し上げておきます。
実は、今度の
大臣の所信表明を聞かせていただきました。その中で観光が果たす
役割というものを非常に字数を加えて言っておられます。特に、九〇年代観光振興行動
計画というものを一九八八年の四月に発表されておるわけであります。それからしばらく時期がたつわけでございますが、この
機会に、観光、レジャー、レクリエーション等の問題についてひとつ基本的な
考え方を
お話し申し上げて、そして行政実務を進めていただきたい、こういうように思いますので、その一点に絞って
質問を申し上げたいと思います。
観光とかレジャーとかいろいろな余暇活動とかいうことを言われていますけれ
ども、西欧諸国、先進国等の
状況を見たり、あるいはまたフランス、イタリー、ドイツ等の憲法等を教えてもらったりしますと、やはりそういうものに関して一定の規定があるわけですね。働くということと休養するということ、この規定がある。
日本の憲法でもそういうことが二条にわたってうたわれていると思いますので遜色はないと思いますけれ
ども、実際のそういうレジャーを活用するという面になってきますと西欧諸国の方がはるかに進んでいるのじゃないか、言葉を変えますと、人間性というものを尊重して働くということと、それからいわゆるバカンスということとうまく割り振りしているのじゃないかな、そういう奨励もしているし、そういう施設等、あるいはまたそういう
考え方もずっと根づいてきているのじゃないかというふうに思いまして、憲法では規定をされておりましても、まだ
日本の場合はそこまで徹底していないなというふうに感ずるわけであります。
私は、バカンスということにつきましては、人が自分または自分たちの意思で自由にその過ごし方を設計し実行できる時間のことだというふうに考えておるわけでございます。それは、一日の中の何時間とか一週間の中の一日とか二日とかそういうような休みではなくて、一定の長さを持った期間であり、その使い方にほかからの強制を受けることがない、まさに人間が主体的に生きようとすることのできる時間帯だ、こういうふうに実は考えておるわけです。
こういう
観点からこの九〇年代観光振興行動
計画を読みますと、実に興味の深い内容で、そこまでよく
検討されたなということに思い当たることが出てきます。ただし、残念なことには、まだ数年しかたっていませんから、実行が緒についたばかりだろうなというふうに思いますけれ
ども、そういう
機会であるからこそ、余暇とかレジャーとか何とかかんとかというより、やはりこの際、西欧ではるか昔からやっていますように、バカンスという概念、これをひとつ徹底して普及していき、
国民各位に対してもそういう面での啓蒙、これをしていくべきじゃなかろうかなというふうに思っているわけです。
私も観光振興等については非常に強い関心を持っていますけれ
ども、えてして、国あるいはまた地方公共団体も含めて、入れ物をどうつくるかとか施設面の充実が非常に先行しまして、そういうところを利用するバックグラウンドにある
国民に対しての余暇のつくり方、バカンスのつくり方等はまだまだ徹底が不十分じゃなかろうかなというふうに実は感じておるわけであります。
入れ物をつくるのもこれは
一つの方法でありますけれ
ども、そういう
考え方でいきましても、通産省の推計によりますと、余暇関連消費、これは一九八六年で五十四兆四千億という数字が出ています。これは通産省がお調べになった上での推計でありますが これは実に
国民総生産の一六・四%を占めるという大きさでございます。また、将来的には経済成長率を上回る八%ぐらいが見込まれていくんじゃないかなということも書かれています。一九九五年にはこの全余暇関連消費は実に百十兆円に達する、二〇〇〇年には百六十三兆円の市場規模に達する、こういうことが言われています。
こういう大きな余暇関連市場、これは私たちが想像する以上の巨大な市場というものを
形成しておるわけでございまして、これはなおざりにすることができないなというふうに思っていましたら、この今回の
大臣の所信表明の中にも、その趣旨を生かして、「
地域の特性を生かした観光
施策を総合的・
計画的に
推進すること」と書かれていますから、この
機会に本当にこの観光、レジャー、余暇活動というもののバックボーンをひとつ入れていただきたいなというふうに感ずるわけであります。
私は、今言うことがありませんので、この内容を見て、余暇とかレジャーとか観光とか言っていますけれ
ども、それはそれでいいのですが、それを含んだ利用する側の
促進といいますか、休養期間といいますか、これがございます。この九〇年代観光振興行動
計画によりますと、一例ですが、いわゆる利用の時間帯、休暇の平準化といいますか、年間平均してお客があるようにとか、そういうことがうたわれていますけれ
ども、本当にバカンスというものをこれからは、国際的な紛争、貿易紛争もあって、
日本人は働き過ぎじゃないか、仕事ばかりやっておるということ、これが貿易摩擦の原因にもなっている。それともう
一つは、
日本人とつき合いしても、
日本人というのはとにかく物も言えば仕事の話ばかりしよる、そんなものはちょっと信用できへんでというふうなことで、
日本人自身が疎外をされてきている、こういう現象なきにしもあらず。これは過去、今まではよかったのかもわかりませんけれ
ども、これからはちょっとそれだけではぐあい悪いなというふうに思いますので、このバカンスということを使わせてもらって、そしてこれについての
考え方をお聞きしたい、こういうふうに思って来たのです。それで、このバカンスに対する意識の指導、
国民に対する意識もしくは指導の強化、これを大いに深めるべきだというふうに考えますが、
大臣、そのあたりはどういうお考えでございましょうか、お聞きをいたしたいと思うのです。