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渡辺(美)
国務大臣 私は確かに
自民党の役づけ上は
幹部ではありませんが、
幹部に近いのかな、近くはないのか、ある程度
政治的影響力はあるかもしれません。
上田委員も同様だろうと思いますので、それぞれの党の
担当者に対して
抜本改革案をもっと進めるように、私も言いますが、あなたの方もおっしゃっていただきたい。
私は今
議論されてないことについてついでだから申し上げたいのですが、どんな
制度をこしらえても守る気持ちがなければ何にもならぬじゃないか、常々私の持論なんです、実際は。したがって、まず
現行法が完全に守られるということなら大変な
政治改革であって、
現行法というのはかなり厳しくできているわけですから、したがって、それがどこまで守られているのかというところに問題があるでしょう。守らない
法律を次から次からつくってもそれは
余り意味がないんじゃないか、やはり
法律は守られるということが一番大事なことじゃないか、それには
一大国民運動を起こすべきだということを私は言っているのです。
だから、
選挙に金がかかる金がかかると言うけれども、かかる人もあればかからない人もあるわけだから、かかる方が悪いのか、かける方が悪いのか。やはり
選挙区の事情、
個人差、これは物すごくあるんです、実際。我々の
選挙区の中でも私は比較的かからない方だろうと思っておるのですが、それが地域によって違うんです。多少違うということを聞いておる。何でこんなに金がかかるようになったのか、いろいろありますが、余り言うと脱線になるから申しませんが、いずれにせよ、
政治倫理というのはそういうような
選挙に金を使わないという、要するに
有権者と一緒になってやらなければだめであって、もともと
町会議員の
選挙などというのは無報酬なんです。
ボランティアでやったものですが、最近は金がかかるといってなかなか立候補しない。私の町を例にとって言っては失礼だが、一番
有権者の多い四割近いところからは
立候補者はいない、それで
農村部でみんな立候補して、おかげさまで無
競争になったのはいいけれども
共産党が三人も当選してしまった。こんなばかなことがあるかと私が言った。これを落とすためにはどうしても
立候補者を出せと言って随分勧めたけれども、ついに立候補する人がなくて無
競争で
共産党が三名私の町からは当選してしまったんです。そういう事実があるんです、ことしの
選挙で。
いい悪いは別ですよ。いい悪いは別ですが、なぜかと聞いてみると金がかかる、金がかかるからばかばかしくて
町会議員になれない。可部というのは商人とかなんか多いですから、商店が。だから金を出してまで
町会議員なんかやるのは嫌だ。こういう風潮をなくすことが大事であって、
選挙粛正とか
行政改革というものは古くて新しい話であって、また新しくて古い話なんですよ。
だから、そういう点でモラルの問題、
国民運動の問題で、時間
励行運動と同じだ。時間
励行というものは
罰則規定がないんだが、二十年前は本当に守られない。
国会は守られたかどうか知りませんよ。しかし
集落等での集まりなどというのは一時間おくれ、三十分おくれというのはざらだった。
鳩山内閣以来、新
生活運動をやって
農村部でも時間が
励行されるようになったんです。これはやはり
国民運動なんですよ。
献酬廃止とか香典、引き出物を出さないとか、かなり守られるようになったんですね。それと同じことではないか。だからそういう
運動を徹底させることが先ですよ。仮に
交通規則で
幾ら罰則を規定しても、これは教え込まなければ何にもならないのであって、子供のときから
交通安全運動をやったりいろいろやっているから、
暴力団だって
左側通行というところを右側通行したり、それから出口から入っていく
暴力団というのは余り見たことない。これはだれが見てなくても習慣づけられちゃっている。同じようなことが
選挙というようなもので行われるようにするためには、
社会運動、
学校運動、
学校教育、
社会教育、そういうものを通じてやりさえすれば
選挙に金はかからなくなるし、そんなばかな派手なことをやった人はあれは
金権候補というレッテルのもとで得票は得られない、金は使ったが票は入らない、そうなるんです。私のところでも、
名前を言っては何だけれども、
金権候補というのがおって三回立候補したけれども、三倍ぐらい金を使ってとうとう一回も当選しなかったですね。あきらめてしまった。
そういうことがありますから、私は、それは
法律の問題も
制度の問題も大事だろうけれども、その前に
法律は守られるということを、そして
政治はみんなの
ボランティアでやらせる、そのかわり
政治家の非行その他については厳しくこれを監視する、そしてちゃんと票でそれが出てくるというように持っていくのが一番いいんだろうということを言っているんです。だから別に
政治改革に
反対じゃないんですよ。
反対じゃないが、その前にやるべきことをやらずして
制度だけ直したからといってうまくいくかどうかは疑問だねということを言って
物議を醸したことがあります。今は申しませんよ、今は。過去にありましたというのを参考までに申し上げた次第であります。