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小林正君 文部大臣にお伺いをしたいというふうに思いますが、八〇年当初、国家
予算に占めます教育費の割合というのが一〇・二%ということで、今
総理もおっしゃいましたけれ
ども、いわゆるシーリングの問題が出てまいりまして年々低下の一途をたどって、九二年度、ことしの概算要求も七%を割って六・九五%というところまで低下しているわけでございます。今の
総理のお言葉のとおりだというふうに思いますけれ
ども、教育という分野が概算要求というようなもので最も影響を受けたということは、結果として、本来教育
予算は概算要求基準になじまない、まさに例外的な扱いとすべき部分ではなかったのか、そのように考えるわけでございます。
大蔵省が聖域を設けずに一律カット方式でやって十年間、この影響というのは今教育に非常にさまざまな影響を及ぼしてきているわけでございます。すぐにはあらわれないけれ
ども、年を追うごとにだんだんその影響が出てくるというような性質のものでありまして、そのことがわかってからすぐ解消ができるかというと大変時間がかかるわけです。そういう意味で、教育というのは、即効性を期待することもできないし、同時に即効的に回復を図ることも困難な性格を持っている、そのことについて十分御理解を賜りたいというふうに思うわけです。
実は、十月の初めに大阪大学基礎工学部で爆発
事故がありまして、若い研究者が二人亡くなって、多くの方が傷を負われた。十月の半ばに私も
現場に行ってまいりました。まだ薬のにおいが生々しく立ち込めて、
警察の
現場検証というような
関係の中でそのままの状態で残っていたわけですけれ
ども、極めて狭い部屋で、ベニヤで仕切るような研究体制というものの中で先端技術の開発、研究が進んでいる、こういう
状況を目の当たりにしてまいりました。
それで、安全管理の問題についても、シランガスというような非常に危険なガスについての扱いが通産省の指導等の範疇でしかそれが扱われない、ほとんどが業者任せというような実態の中で、指導教官も不足をしているということで起きた
事故であります。先端技術の非常に危険な分野で一生懸命やっている皆さん方が、この
事故を契機にして、安全でないならやらなきゃいいわけですから、そういう消極的な対応になったときに、国公立大学で進めているそうした分野での研究が民間段階での開発、研究との比較の中で言うともはやおくれをとってきているというような実態もありますし、施設設備が悪くて、待遇が悪くて、そして民間の方はそれよりいい、諸外国の方が研究の機会があるというようなことになれば頭脳の流出の
問題等も出てまいります。
それ以降、引き続いて文教
委員会でその他の大学等の視察も行ったんですけれ
ども、やはり大変手狭な中で研究が行われています。どこでその
事故が起こってもおかしくないというような
状況が今日の国公立大学の研究体制の実態ではないか、こういうふうに思ったわけで、これは長年にわたるシーリングの一つの結末として出てきた
事故だと言っても過言ではないというふうに思うわけです。そういう面で、今後、教育
予算を概算要求基準という方式の中で聖域を設けずに引き続きやっていこうとしているのかどうなのか、その辺について大蔵大臣、文部大臣の御見解を承りたいと思います。