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1991-12-17 第122回国会 参議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年十二月十七日(火曜日)    午前九時三十分開会     —————————————   委員異動  十二月十六日     辞任         補欠選任      尾辻 秀久君     鈴木 省吾君  十二月十七日     辞任         補欠選任      後藤 正夫君     藤田 雄山君      鈴木 省吾君     真島 一男君      土屋 義彦君     関根 則之君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山口 哲夫君     理 事                 須藤良太郎君                 松浦  功君                 野別 隆俊君                 諫山  博君     委 員                 後藤 正夫君                 重富吉之助君                 下条進一郎君                 関根 則之君                 藤田 雄山君                 真島 一男君                 吉川  博君                 吉川 芳男君                 岩本 久人君                 上野 雄文君                 篠崎 年子君                 野田  哲君                 常松 克安君                 星川 保松君     国務大臣         自 治 大 臣         国 務 大 臣 塩川正十郎君         (国家公安委員         会委員長)     政府委員         警察庁長官   鈴木 良一君         警察庁長官官房 井上 幸彦君         長         警察庁交通局長 関根 謙一君         警察庁警備局長 吉野  準君         自治政務次官  穂積 良行君         自治大臣官房長 森  繁一君         自治省行政局長 紀内 隆宏君         自治省行政局公 秋本 敏文君         務員部長         自治省行政局選 吉田 弘正君         挙部長         自治省財政局長 湯浅 利夫君         消防庁長官   浅野大三郎君     事務局側         常任委員会専門 竹村  晟君         員     説明員         人事院事務総局 福島  登君         職員局審議官         国土庁防災局防 仲津 真治君         災企画課長         大蔵大臣官房秘 武藤 敏郎君         書課長         厚生省児童家庭 冨岡  悟君         局母子福祉課長         林野庁指導部長 岡本 敬三君         労働省婦人局婦 藤井 龍子君         人福祉課長     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方公務員育児休業等に関する法律案(内閣  提出衆議院送付) ○重度身体障害者が所有し居住する家屋などの風  定資産税の減免に関する請願(第六八号外一件  ) ○地方交付税率引下げを行わないことに関する請  願(第五六八号) ○地方交付税安定確保に関する請願(第一〇五  八号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     —————————————
  2. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十六日、尾辻秀久君が委員辞任され、その補欠として鈴木省吾君が選任されました。     —————————————
  3. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 地方公務員育児休業等に関する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川自治大臣
  4. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) ただいま議題となりました地方公務員育児休業等に関する法律案提案理由内容概要について御説明申し上げます。  本年四月一日に行われた一般職国家公務員育児休業等に関する法律の制定についての人事院意見の申し出を踏まえ国家公務員育児休業等に関する法律案提出されることとなりましたので、地方公務員についても、育児休業制度及び一日の勤務時間の一部について勤務しないことを内容とする部分休業制度を設けるため、本法律案提出することとした次第であります。  以下、この法律案概要について御説明申し上げます。  第一は、この法律目的であります。  この法律は、育児休業等に関する制度を設けて子を養育する職員の継続的な勤務を促進し、もって職員福祉を増進するとともに、地方公共団体行政の円滑な運営に資することを目的とするものであります。  第二は、育児休業承認に関する事項であります。  職員は、任命権者承認を受けて、その一歳に満たない子を養育するため、子が一歳に達する日まで、育児休業をすることができることとしております。この場合において、育児休業承認を受けようとする職員は、育児休業をしようとする期間を明らかにして、その承認請求するものとし、任命権者は、当該職員業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難な場合を除き、育児休業承認しなければならないこととしております。  第三は、育児休業の効果であります。  育児休業をしている職員は、職を保有するが、職務に従事しないこととし、また、育児休業をしている期間については、給与支給しないこととしております。  第四は、育児休業に伴う臨時的任用であります。  任命権者は、育児休業承認請求に係る期間について職員の配置がえその他の方法によって当該請求をした職員業務を処理することが困難であると認めるときは、臨時的任用を行うものとしております。  第五は、職務復帰後における給与等取り扱いであります。  育児休業をした職員については、育児休業をした国家公務員給与及び退職手当取り扱いに関する事項基準として、職務に復帰した場合の給与及び退職した場合の退職手当取り扱いに関する措置を講じなければならないこととしております。  第六は、部分休業についてであります。  任命権者は、職員請求した場合において、公務運営に支障がないと認めるときは、条例の定めるところにより、当該職員がその一歳に満たない子を養育するため一日の勤務時間の一部について勤務しないことを承認することができることとしております。この場合には、国家公務員給与支給に関する事項基準として定める条例の定めるところにより、減額して給与支給するものとしております。  第七に、職員は、育児休業または部分休業理由として不利益な取り扱いを受けないこととしております。  第八に、当分の間、女子教育職員等に対しては、国家公務員育児休業給支給に関する事項基準として定める条例の定めるところにより、育児休業をしている期間について、育児休業給支給するものとしております。  最後に、この法律は、平成四年四月一日から施行することとしております。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 篠崎年子

    篠崎年子君 社会党の篠崎でございます。よろしくお願いいたします。  まず大臣お尋ねいたしたいと思います。  働く女性が長い間の念願としておりました育児休業法民間先行の形で、また男女労働者対象として百二十通常国会で成立をいたしまして、平成四年、来年の四月一日から施行ということになりました。このことにつきましては大変喜ばしいことで、関係者皆さん方一同に深い敬意を表したいと思っているところでございます。  しかし、公務員関係につきましては百二十国会提出されませんで、私たち大変心配をしておりました。さらに、八月五日召集の第百二十一臨時国会にもまだ提出をされませんでした。さらに、十一月五日召集の第百二十二臨時国会にもなかなか提出をされないで、会期末は迫っているのにと、みんなをやきもきさせたわけでありますけれども、十二月の九日、ようやく提出の運びとなり、本日ここに議案が説明をされたわけでございます。  こういったように非常に長い期間にわたって延ばされてきた、こういうことの経緯につきまして、また官民合同ということ、また男女格差の是正ということ等からも考えまして、この点につきましての大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
  7. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 法案提出がおくれましたことにつきまして、私もできれば早くという希望を持っておったことは事実でありますが、いろんな諸般の事情で、これはいわば国会対策上の問題もいろいろ考慮されて決定されたのであろうと思いますけれども、政府としてはできるだけ早く法案提出の準備をしたいと思っておりましたが、要するに民間との兼ね合い、あるいは国家公務員との兼ね合いということがございまして、その間のいろんないきさつ等ございまして若干おくれましたこと、私も残念に思っておりまして、できるだけ早く提出すべきであったなと思ってはおります。  ただ一つ、ここで、先ほど来二年越してやっと提案されたということのお話でございますが、実は民間の方もことしの四月に決定したわけでございますが、それに至るまでにはいろんな問題があったと思うのでございます。というのは、育児という問題は、ただ休暇だけの問題で片づくものではなくして、社会全体がこれに取り組まなければならぬということから、非常に大きい幅広い問題が育児業務の中にはあったと思うのでございます。そういうようなものが民間の方でも話し合いがきちっと整理されてまいりまして積極的に取り組まれてきた。ついては、国家地方、これがそれと同じように歩調を合わせてやっていこうということになってきた次第だと思いまして、官と民との間のまあいわば時節を符合してやったということについては、それなりに私は正当ではないか、こう思っております。
  8. 篠崎年子

    篠崎年子君 次に、人事院お尋ねをいたしたいと思いますが、さき通常国会で成立いたしました民間育児休業法では、育児期間中の取り扱いについて基本的には協約事項になっておりまして、しかし無給とも有給とも書いておりません、給与につきまして。これは有給のこともあり得る、あるいは民間等で行いました組合とか職員団体との間の協約によって有給になったり無給になったり、力関係もあるかと思うんですけれども、このことにつきましては有給もあり得るということの前提に立ってこういう法案になった、そういうふうに受けとめてよろしいでしょうか。
  9. 福島登

    説明員福島登君) 今の先生の御質問でございますけれども、民間においては確かに御指摘がございましたように基本的な事項について法律で定めでおります。かつまた、その育児休業給給付につきましては法律では何ら規定されているところはございませんで、言ってみれば各企業ごと、または会社ごと団体交渉組合との団体交渉等に任されているものと当方は見ております。  現在、当方といたしましては、せんだって衆議院の方を通過いたしました法案等をごらんいただければおわかりいただけると思いますけれども、現在、教員または看護婦等については、その職務特殊性等からいたしまして、一部育児休業給支給はいたしております。しかしながら、今回新たに設けることといたしております全職員対象とするところの育児休業につきましては、民間においても何ら規定されているものはございませんので、とりあえずは無給ということで措置する方向でおります。  ただ、それでは有給も含めるかということでございますけれども、公務における勤務条件一般につきましては、民間準拠ということでやってまいっておりますので、民間準拠を基本にいたしますと、現在、民間における法律その他でもって育児休業給支給に関する規定がございません以上は、当方としてもそこのところの実態をもうちょっと細かに把握した上で判断いたしていきたいというふうに考えております。
  10. 篠崎年子

    篠崎年子君 次に、労働省お尋ねをいたします。  ただいま人事院の方からの御答弁でも、民間準拠をするということでございましたけれども、来年の四月一日からの育児休業法の実施ですから、このことについて無給有給ということはこの法律に沿ってはありませんけれども、実際には民間ではもう先行して育児休業をし、そしてそれに給与を、いろんな形があると思いますけれども、ある程度支払っているところがあるかと思うわけでございますが、このことについて労働省の方で実態をお調べになっておりましたらその実態を御説明いただきたいと思います。
  11. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) お答えいたします。  最近の数字がございませんので申しわけございませんが、昭和六十三年度時点で三十人以上の事業所の一九・二%で育児休業制度が導入されていたわけでございますが、そのうち、いわゆる社会保険料労働者負担分全額事業主負担するとしていたところが二三・〇%、一部を事業主負担するとしていた企業が一八・六%ということで、約四割が何らかの給付を行っているという状況でございます。
  12. 篠崎年子

    篠崎年子君 いろいろ調査をされるときには膨大な資料が必要でございますので、なかなか早い調査ができにくいかと思いまして、ただいまの資料も三年前ぐらいの資料だと思いますので、その後こういったように情勢が変わってまいりましたら、それももっと伸びているんじゃないかと思いますが、ただいま御答弁の中の数字は一応それで受けとめておきたいと思います。この場合、育児休業をとった数の中で、今事業主全額負担、それから一部負担というふうに分かれておりましたね。そうすると、全額負担をしているところと全然無給のところとやはり育児休業のとり方が違ってくるんじゃないかと思いますけれども、その辺で御調査になっている資料はございませんか。
  13. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) やはりちょっと古い数字で申しわけございませんが、これは昭和六十二年度のものでございます。  育児休業を取得する割合といいますか、在職して出産した女子労働者のうちどれぐらいが育児休業をとるかというと、平均値は四三・二%ということになっております。社会保険料事業主負担している場合はどれぐらいの取得率がというと五六%ぐらいですから、確かに四三・二%は上回っているんですが、ただ一部負担しているという企業におきましては三七・四%ということでこれを下回っている。それからそのほか、立てかえ払いというような制度もございますのですが、これは立てかえ払い育児休業中はやっておきまして後で労働者から徴収するという形ですから、無給みたいなものになるかと思いますが、この場合は四七・八%ということで、これは平均を上回っている。負担によって取得率が若干高まるのか低まるのかというのは、ちょっと私ども明確にお答えできないような実態でございます。
  14. 篠崎年子

    篠崎年子君 さらにお尋ねいたしたいと思いますが、この法律案では第四条二項で「育児休業をしている期間については、給与支給しない。」、こうはっきり明記してあるわけですね。そうしますと、育児休業をとる年齢層というのはもちろん若い方々の方が多いわけですけれども、その方々はまだ蓄えも少ないということになると思うわけです。そうしますと、その場合に、公務員の場合、社会保険料本人負担とか、あるいは地方公務員について言えば共済組合長期短期掛金を持ち出していかなければならないということになるわけですけれども、大体どのくらいの持ち出しになるというふうに計算していらっしゃいますでしょうか。
  15. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 地方公務員の例で申し上げますと、今お話がございましたように、出産をして育児をされる、そういったような年齢の方で掛金負担は、概算をいたしますと約二万六千円程度長期短期福祉を含めまして約二万六千円程度ではないかと思います。
  16. 篠崎年子

    篠崎年子君 月に二万六千円といえば大したことないじゃないかと思う人もあるでしょうし、二万六千円も出すならばどうしようかなと迷うところもあるというようなことから考えますと、私どもの庶民的感覚からいたしますと、やはり無給の上にさらに二万何千円を自分で負担していかなければならない、子供の養育にもいろいろ費用がかかるということになりますと、やはり無給ということは育児休業法を実効的に実施していく上にも非常に大きな悪影響になってきているのではないだろうか。民間との兼ね合いもあるとは思いますけれども、今後このことにつきましてはさらに検討を加えていただきたいと思うのですが、お考えはいかがでしょうか。
  17. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業制度地方公務員に導入するに当たりまして、育児休業期間中の給与をどうするかということは非常に大事な問題でございましたが、先ほど人事院からも御答弁ございましたように、民間状況等を勘案して、今年の四月に行われました人事院からの意見によりますと、育児休業期間無給とする、こういう御意見でございました。それに基づいて国家公務員育児休業制度も立案をされるということになっておりますので、それと同様の規定地方公務員育児休業制度においても設けるということにいたした次第でございます。
  18. 篠崎年子

    篠崎年子君 次に、人事院の方にお尋ねいたしますが、本法の附則第五条で「女子教育職員等に対する給付の特例」という項目の第二項に、「その職務特殊性等にかんがみ、」「育児休業をしている期間について、育児休業給支給するものとする。」というふうになっております。この「職務特殊性」というのはどういうことを意味しているのでしょうか。
  19. 福島登

    説明員福島登君) 法律附則第五条二項に、おっしゃるように「職務特殊性等にかんがみ、」という文言がございます。現行制度の第一条でございますけれども、これは目的規定している第一条の中におきましても、「職務特殊性等にかんがみ」というふうに規定されております。  その「職務特殊性等」ということにつきましては、まず一つとしましては、教員看護婦等職種については女子の占める割合というのが極めて高く、かつまた重要な役割を果たしている。二点目としましては、教員看護婦等勤務形態交代制等勤務が入ってきますので特殊性を有している。それから三点目といたしましては、教員看護婦等につきましては一定の資格免許を必要としております。かつまた、国民の教育医療等を取り扱うことになるわけでございますから高い熟練度が必要とされること。そして四点目としましては、以上のような事情に基づきまして、かかる職種につきましては人材確保必要性は、当然のことながら、また極めて困難な面もあるというふうな事柄等が考慮された結果として、そういう文言になっているのではないかと承知しております。  したがいまして、現在もこれらの状況は引き続いているものと考えておりまして、同様な表現でもって規定させていただいたということでございます。
  20. 篠崎年子

    篠崎年子君 ただいまの御説明の中で、女子職場に占める割合が高いということ、それから重要な役割を担っているということがございますが、そこのところは今、男女雇用機会均等法が出まして女性職場進出が非常に大きくなってきておりますから、こういうことはこれから先はだんだん特殊性ではなくなっていくんではないだろうかと思うわけですね。ただ資格とか免許とか、この点になりますとどうしても問題点があるかと思いますけれども、さらに今後はこの職務特殊性ということについてはかの職場の方にまで広げていって、最後には特殊性ということはもう抜きにして、そしてほかのところも同じように休業給支給する、そういう形に持っていくべきではないだろうかと思うのですけれども、お考えはいかがでしょうか。
  21. 福島登

    説明員福島登君) 今おっしゃられましたことは、今後の検討課題として当方としても取り組んでいるところでございますけれども、その職務特殊性、すなわち現在育児休業給支給されている特定職種、特に教員看護婦でございますけれども、そういう方々については人材確保という観点等も踏まえまして政策的に判断した結果として、これは五十一年だと思いますけれども、その際に法制化されているところでございまして、今後は、有給その他につきましては先ほども申し上げましたように、民間実態等を踏まえながら検計してまいりたいというふうに考えております。
  22. 篠崎年子

    篠崎年子君 それでは次にお尋ねしたいと思いますが、ILO条約がたくさんございますね。その中で発効はしているけれども我が国はまだ批准していない、こういう条約がたくさんございます。その中の一つに、第百五十六号の男女労働者特に家族的責任を有する労働者機会均等及び均等待遇に関する条約、普通、家族的責任を有する労働者条約と言われておりますけれども、そういう条約がございます。この精神は、男女を問わず子や近親者の世話のために経済活動への参加が制限されている労働者に対して機会均等及び待遇均等を図るための措置をとること、またそれについて公衆の理解が得られるように世論の醸成を行うというのがその眼目でございます。  この条約は一九八一年六月二十三日に採択されまして、八三年の八月三十一日に発効しているわけですけれども、我が国はまだ批准をしておりません。その批准をしていないのはなぜかということでさき国会質問があったと思いますけれども、そのときに、男女を問わすという重要な要件を満たしていないというのがネックになっている、こういう御答弁があったと記録に残っております。  そこで、男女雇用機会均等法精神から考えますと、附則第五条二項の「その職務特殊性等にかんがみ」ということで、女子教職員限定をしてあるわけですね。そうしますと、これはやはりこれから先のことを考えますと、またこういうILO条約精神にもかんがみ、そして我が国男女雇用機会均等法精神にもかんがみということから考えてまいりますと、女子ということに限定をしているのはちょっと問題ではないだろうかということで、将来早急にできないかもしれませんけれども、私たちはできるだけ早く女子教職員というところを男女というふうに男子も入れるべきではないだろうかと思うのですけれども、お考えをいただきたい。
  23. 福島登

    説明員福島登君) これは、女子教育職員等に関する育児休業ということで、五十一年だと思いますけれども、設けられた法律趣旨に従ってこれまで運用してきているところでございまして、おっしゃるように、女子教育職員ということではなしに、男女含めたところの教育職員というふうな持っていき方につきましては今後の検討課題としてとらえていきたいというふうに考えております。  と申し上げますのは、今回導入を図りたいと思っております育児休業は全職員対象としているところでございまして、それらの勤務条件、特に休業中の給付につきましては民間との整合性も図っていかなければならない、民間実態を踏まえながら対処していかなければならないというふうに考えておりますので、そういう観点から検討していきたいというふうに考えております。
  24. 篠崎年子

    篠崎年子君 できるだけ男女平等ということがこういうところにも生かされていきますようにということを要望いたしておきます。  次に、ちょっと後先になりまして申しわけないんですけれども、第四条二項の無給ということについてもう少しお尋ねをしたいと思いますけれども、この根拠が、先ほども御説明がありましたように、民間準拠であるということであるとすれば、育児休業給支給実態が進んでいけば公務員についても見直されていくのが当然だと思いますけれども、いかがでしょうか。これはやっぱり人事院に。
  25. 福島登

    説明員福島登君) 先生恐れ入りますが、もう一度。
  26. 篠崎年子

    篠崎年子君 民間準拠ということが先ほどの御説明の中にありましたね。そうしますと、民間が進んでいくとすれはこういったような無給ということも見直すということをお考えになっていらっしゃるでしょうかということです。
  27. 福島登

    説明員福島登君) 大変恐れ入りました。  今、御指摘のとおりでございまして、公務員におきましては、勤務条件全般につきまして民間準拠という原則をこれまで堅持してまいっております。これまでも民間勤務条件につきましては、その都度、毎年毎年調査を行いまして、その実態の把握に努めてきているところでございまして、これから後もその姿勢を崩すつもりはございません。  したがいまして、毎年毎年の調査の結果としまして、民間実態を踏まえて、民間が、おっしゃるように有給になる、または掛金分相当、保険料相当分の支払いがなされているというふうな実態等の把握ができますれば、そういうものに基づく対処は当然のことながらしてまいりたいというふうに考えております。
  28. 篠崎年子

    篠崎年子君 さきに出されておりました女子教職員育児休業、この実施率を見ておりますと、該当者のうちの九〇%が育児休業をとっているわけですね。ということは、やはりそれぞれの県、地域によって違うと思いますけれども、ある程度負担ができているということだと思いますけれども、今後、今もお話がありましたように、考えていくということでございますから、このことについてはぜひとも民間状況を見ながら、また全体の状況を見ながら、できるだけ早い機会に勧告なり意見なりを出していただきたいと思うわけです。  この点につきましては、参議院の社会労働委員会のことしの四月二十五日でしたか、そこの中で、我が党の対馬議員の確認質問の中で労働大臣が、「育児休業制度の実施状況休業期間中の待遇状況などを見ながら、暫定措置がとれて全面的に適用される時期をも念頭に置きながら、総合的に見直しを行う所存でございます。」というふうに答弁をされているわけですね。  行政の継続性あるいは一貫性ということから考えますと、このことにつきましてはぜひとも早目に状況を把握されて、勧告なり意見なりを出されますように要望いたしておきたいと思います。  次に、労働省お尋ねをいたします。  これはやはり先ほどの問題にも絡んでくるわけでございますけれども、民間法では第九条で、育児休業後の職場復帰のために業務に関する情報の提供、能力の維持回復のため、あるいは労働者の職業能力の開発及び向上等に関して、事業主は必要な措置を講ずるように努力しなければならないとされておりまして、十三条では、「九条に定める措置を講ずる事業主」等に対して、国は「必要な援助を行うように努めるものとする。」と定められております。  この制度が設けられました経緯及び現在の準備の状況についてお尋ねしたいと思います。
  29. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) 先生の御質問にございましたとおり、第九条には雇用管理また能力開発等についての事業主の努力義務というのを定めてございます。  これは育児休業労働者がとる場合に、やはり自分が休業した間の仕事をどういうふうに穴埋めされるのか、あるいは自分が復帰したときどういう職場に戻ることができるのか、あるいは能力が低下すると復帰が容易でなくなる場合もあるといったような心配が大変大きいであろうということにかんがみまして、こういう努力義務を事業主に課したというものでございます。  事業主にそういう努力義務を課してございますので、国としてはその事業主が努力義務を果たすために必要な援助を行うべきであろうと考えておりまして、十三条を規定しているわけでございます。でございますので、さまざまな情報の収集提供や資料の提供など、できる限りの援助を私どもはやる所存でございます。  具体的には、これらの規定趣旨に基づきまして、現在来年度の予算要求ということで盛り込んでおりますのが、育児休業中の労働者に情報を定期的に提供する、あるいは必要な講習等を実施するという事業主に対しまして、その経費の一部を援助する制度育児休業職場復帰プログラム実施奨励金と呼んでおりますが、これを考えているところでございます。  また、代替要員、休業者のかわりの方という意味でございますが、代替要員確保のために必要な援助ということで、主要な職業安定所に代替要員を紹介する特別のコーナーを設けるといったようなこともあわせて要求をしているところでございます。
  30. 篠崎年子

    篠崎年子君 今、概算要求していらっしゃるところだと思いますけれども、大体どのくらいの概算要求なんでしょうか。
  31. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) 今、要求中で大蔵財政当局と折衝中でございますので、金額については申しわけございませんが、決まりましてからまたお答えさせていただきたいと思います。
  32. 篠崎年子

    篠崎年子君 そういったように民間に対しましては職場復帰の研修が認められており、条例にも書かれているわけですね。ところが、公務員にはこの点が全然触れられていませんけれども、その場合にこの点はどのようになっているんでしょうか。
  33. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 地方公務員育児休業制度を実際運用していく上に当たりましては、今御指摘ございましたように、職場への復帰をやりやすくするように必要な情報提供などは行っていかなければならないだろうと思います。法律には特にそのことを書いておりませんけれども、この運用に当たりまして適切な情報提供を行うように私どもとしても地方公共団体に対して指導、助言してまいりたいと存じております。
  34. 篠崎年子

    篠崎年子君 そのことについては十分配慮されているというふうに認めてよろしいんですね。  次に、またちょっと前に戻りますけれども、第二条三項に、「任命権者、」「当該請求をした職員業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、これを承認しなければならない。」というふうに書かれているわけですね。この「著しく困難」というのはどのようなことを指しているのかということと、それから、このことで考えてみますと、民間では育児休業は権利として保障されておりまして、労働者が申し出れば育児休業はすぐできるということになりますけれども、公務員の場合は承認ということになっているわけですね。そしておまけにここに「著しく困難である場合を除き、」ということになってまいりますと、ちょっと私たちは心配になるところがあるわけでございますけれども、この点については、その著しく困難というのはどういうふうな場合を想定しているのか。  それから、公務員の場合には、承認を求めれば一〇〇%とれるのかということについてお尋ねいたします。
  35. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 公務員育児休業制度につきましては、今御指摘ございましたように、承認という制度をとっております。  公務という仕事の性格上、住民の皆さんに安定したサービスを提供するという役割、責任がございますし、また、育児休業という制度の適用を受けるということになりますと、長期間にわたってその職場を離れるということになりますので、職員の一方的な意思のみによって職場を離れるということはどうかということで、国家公務員と同様に、この育児休業制度をとることについては任命権者承認を得るということにいたしておるわけでございます。  この具体的に請求があったときでございますけれども、「業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、これを承認しなければならない。」、こういうふうに書いてありますが、請求がございました場合に、任命権者においては、その請求をした職員にかわってその業務を処理するための業務分担の見直しでありますとか、あるいは配置がえといったようなこと、さらにはその仕事を外部の人に頼むことができるかどうか、あるいは外部からの臨時的任用ということでやれるかどうかなど、いろんな措置考えてみて、そしてその上でなお難しい場合、こういうことになろうかと思いますけれども、通常考えますと、このようにしていろんな措置考えていきました場合、ただいまの時点で私ども考えますと、こうしてもなおかつ難しいという場合は恐らく極めてまれではないだろうかというふうに考えております。こうした判断、それぞれのケースに応じて判断をされることになるものであろうと思います。
  36. 篠崎年子

    篠崎年子君 今、極めてまれであるというふうなお言葉がございました。極めてまれであれば極めてまれの中の一部分がないこともないと思うんですけれども、やはりこれはせっかくこういう法律ができたわけですから、極めてまれということが抜けていきますように、今後十分な御配慮をしていただきたいと思うわけでございます。  そこで、今お話しの中にありましたように、人員の配置上難しいとか、代替はできにくいとか、そういったようないろいろなお話があっておりましたけれども、今行革がずっと続いておりまして、各自治体では人員削減というふうなことが非常に大きく行われているわけでございますけれども、こういったように今育児休業法が通るということになって人員確保が難しいというようなことが出てまいりますと、やはり今までのように人員削減だけでは済まされないんではないだろうか。こういうことを頭に置いて自治省は今までモデル定員というのを定めて自治体の部門別定員の削減率を示していらっしゃるようですけれども、これは見直すべき段階に来ているのではないだろうか。今後こういったような育児休業等考えながらモデル定員等を考えていっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  37. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 大変厳しい環境の中で、地方自治行政、円滑に住民の皆さんに対してサービスを提供していくということのためには、定員、組織を含めましてできる限り簡素、効率化を図っていくという努力もまた必要だろうと思います。そういう中で、定員モデルというものをお示ししているわけでございますけれども、今回の育児休業法の施行に関連して申し上げますと、育児休業中の職員は定数職員としての取り扱いでございますが、この業務を処理していくに当たりましては、先ほど申し上げましたように、内部の配置がえでございますとか、あるいは定数にカウントされない臨時的任用を行うとか、そういったような方法によってひとつできるだけ努力をしていこうということにいたしておりますので、育児休業制度を導入することによって直ちに定員に影響し、そして定員モデルの見直しをしなければならない、そういうことにはならないものだろうと考えております。
  38. 篠崎年子

    篠崎年子君 次に、厚生省にお尋ねをいたします。  育児休業法が実施されるようになりまして、一歳までの子供は自宅で養育をすることができるということになりますけれども、仕事を続けていくからには、その後その子供を今度は保育所に預けるという段階になるかと思うわけです。このことにつきましては、保育所のあり方からしまして一番心配されますのは、途中入所ということが認められにくい状況にあったときにどうしたらいいだろうかということです。保育所の入所につきましては、大体一月ぐらいから入所希望を募りまして、それぞれの保育所の定員がどうなっていくかというこどが計画されていくわけでございます。そうしますと、出産というものは時期を選びませんから、ちょうど子供が三月になって一歳になって四月から保育所に入る、そういったようにうまいぐあいにいくとは限りませんで、十月ごろになったり、あるいは九月ごろになったり、あるいは一月になったりとか、いろいろあるわけです。そういったような場合に、保育所の途中入所ということが十分に確保されていなければ安心できないだろうというふうに思うわけですけれども、そういったような途中入所ということについて厚生省としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。
  39. 冨岡悟

    説明員(冨岡悟君) 御説明申し上げます。  育児休業制度の普及定着を図っていくためには、御指摘のように、育児休業後の職場復帰の際に保育所への入所を円滑に進めることが極めて重要であるものと考えております。この場合、かなりのケースにつきまして保育所への入所が年度途中になることが見込まれるわけでございます。そのため、厚生省といたしましては、定員の一〇%までは保育所の定員を超えまして年度途中に児童の受け入れを可能にするような措置検討しているところでございます。  それからもう一つ、年度途中の入所が保育所運営にとりましてなかなか難しい点は、年度途中に子供がふえますと、それに応じまして保母さんを新たにふやす必要が出てまいるという点でございます。御承知のように、昨今の人手不足の中で、年度途中で保母さんを採用することが大変難しい状況にございます。このため、年度途中入所を円滑にするために必要な予算措置を現在検討しているところでございます。このようなことによりまして、保育所への年度途中入所が円滑に進むよう努力してまいる考えでございます。  以上でございます。
  40. 篠崎年子

    篠崎年子君 さらに、保育所の問題ではもう一つ問題があるわけです。それは、例えば子供を預けていた人が第二子なりあるいは第三子なりを出産するということになりますと、父親なり母親なりが家庭にいることになりますから、その家庭は保育に欠けるという状況から外れるわけです。そうしますと、保育所からは、おたくは保育に欠けるという条項から外れましたから、もう子供を保育所でお預かりできませんということになって家庭へ戻される、こういうケースが出てくるのではないかということを心配しているわけです。子供たちは、やはり非常に感覚的に鋭いものがあるし、また感受性が強いし、あるいは小さな環境の変化にも大きく影響されるということがあります。そうしますと、今保育所でみんなと、仲間と遊んでいた、家庭に帰された、そして一年間母親なり父親なりの育児休業が終わればまた元へ戻されるということになってくると、しばらくの間に行ったり来たりということがある。また、先ほどお話がありましたように、部分休業というようなことも制度として位置づけられているとすれば、半年ぐらいでそれに戻るという人がいるかもしれない。  こう考えますときに、この途中入所の問題と、それから長子なり第二子なりという上の子供が保育所から出されるというようなことが出てきたときには大変困ったことになるんじゃないかと思いますけれども、この点については何らかの措置をお考えになっていらっしゃるでしょうか。
  41. 冨岡悟

    説明員(冨岡悟君) 保育所は、御両親がともに働いているなどの理由によりまして、実際に家庭で育児ができない乳幼児を保育するというのが制度の基本でございます。一方、育児休業制度は、育児のために仕事を休むということがその趣旨であるものと承知いたしております。そういうことから、休業中の方の上の子につきましては、一般的に申し上げますと、原則的には保育所の入所の対象とはならないものと考えられます。しかしながら、育児休業中といいましても一律に保育所に入所できないといったわけではございませんで、例えば母親の健康状態、その他いろんな御家庭の状況によりましては入所の対象となる場合もございます。このようなことを総合的に勘案いたした上で入所の判定をするようにというふうに都道府県を通じまして市町村を指導しているところでございます。  さらに、ただいまお話がございました、休業前に保育所に入所していた児童でこの要件に該当しなくなったお子様につきましてでございますが、施設の定員に余裕があります場合には、措置児童としてではございませんが、いわゆる私的契約という形で引き続き当該保育所に適所することを認めておるところでございます。  今後とも、子供の状況や定員の状況等を勘案いたしまして、育児休業実態に即しまして配慮するよう、都道府県を通じまして市町村を指導してまいることとしております。  以上でございます。
  42. 篠崎年子

    篠崎年子君 都道府県を通じて市町村を指導してまいるという今お話がございましたけれども、これは通知として、あるいは指導要綱として各都道府県にもお出しになっていらっしゃるんでしょうか。
  43. 冨岡悟

    説明員(冨岡悟君) 五十一年に教職員等の育児休業が実施されました際、それから五十七年にいわゆるベビーホテル問題でいろいろ問題が出ました際、その二回に年度途中の受け入れといった点について通知を出しておるところでございます。今回、来年の四月からの育児休業制度の実施につきましては、私ども必要がございますればまた通知を出すべく現在鋭意検討中でございます。
  44. 篠崎年子

    篠崎年子君 再び通知を出すように鋭意検討中でございますという御答弁でございますけれども、検討だけしていないでそれを実行に移していただきたいと要望いたしておきます。  最後になりましたけれども、大臣にお伺いをいたしたいと思います。それは今まで質問いたしておりましたように、いろいろな問題点もございますけれども、とにかく来年の四月一日から官民一緒に育児休業法が施行されることになったということは大変喜ばしいことでございますけれども、ちょっと考えてみますと、今国会法律ができますと、今度は各都道府県が条例をつくらなければなりません。市町村も条例をつくらなければなりません。ところが、市町村では既にもう十二月の議会は終わりかけておりますので、次の三月の議会にこの条例がかかっていくかと思うわけですね。市町村によりましては、三月の二十八日とか二十九日とかその辺まで三月の議会があるというところもかなりあると思うわけです。そういうところにつきましては、条例ができてから措置をしていたのでは間に合わないわけでございますので、こういうことにつきましては、十分に措置ができて、四月一日から円満にこの法律が施行できるように努力をしていかなければならないと思うわけですね。  このことにつきましては、それぞれの都道府県あるいは市町村でも努力をいたしますけれども、やはり国の政策としてこういうことになったんだから、皆さんに不便をかけないように、今の保育所の問題とか、あるいは有給無給の問題とか、あるいはいろいろな措置とか、そういうことについて各都道府県に、指導というのはおかしいと思いますけれども、いろいろな措置を行うようにということの配慮をしていただきたいものだと思いますが、この点について大臣の御答弁をお願い申し上げます。
  45. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) この件につきましては、昨日衆議院の方でも御質問がございました。同じように御心配しておちれると思うんです。そのときにも私は答えておいたのでございますが、そういう事態が起こり得ることも予測されておるのでございますから、できるだけいわば一時的に急激に混乱を起こさないように、この法案を成立させていただいたら、きょう参議院でひとつよろしゅうお願いいたします、直ちにその準備をするように、公務員部長等も各団体に対して指導をしていくと言っておりますので、極力そういうことのないように努めていきたいと思っております。
  46. 篠崎年子

    篠崎年子君 一言だけ。大臣の御答弁で、各地方自治体もそれぞれの対策を講じることかと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  どうもありがとうございました。
  47. 野別隆俊

    野別隆俊君 まず、自治大臣にお伺いをいたしたいと思います。  育児休業法は、国民の要求が始まりまして十年がかりで、今年の三月五日に政府に答申をいたしまして、百二十回国会で成立を見たわけであります。これは民間の先行型で成立をいたしておりまして、それと同時に、今国会では既に十二月十六日に衆議院公務員育児休業法が成立を見る、こういう状態で今参議院で審議をしているわけでありますが、私どもも長年社会党を初め各野党の協力を得て取り組んでまいりましただけに、本当に感無量なるものがございます。  しかし、そういう面での大きな成果はございましたけれども、今まである法律等から見まして少し後退したような状態ではないかという気もいたすわけであります。そういう面で、今衆議院でも附帯決議もつけられているわけでありまして、中身についていろいろ問題があるのではないか、今後改善をすべきことが多いのではないかというような一定度の指摘がされているわけでありますが、大臣のこの問題に対する率直な見解と申しますか、今後を含めましてお考えをお聞きいたしたいと思います。
  48. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) まず最初に、この法案提出されまして御審議いただき、全党一致で決議していただいたということは、私たちにとりまして非常にうれしいことでございます。ここに至るまでにいろいろな紆余曲折がございましたけれども、しかし、確かに社会には大きい前進であったと私は評価しております。  それと同時に、私が期待いたしますのは、最近子供の出生が非常に少なくなってまいりまして私たちは心配しておるのでございますが、そういう心配が杞憂であるようにお願いしたいということが一つと、それからもう一つは、子供に対する愛情というのが、最近は以前と大分変わってきているように私は思うんです。現在は、動物的な愛情というものは非常に熱心になってきておりますけれども、要するに子供を育てるということについての、子は宝というふうな、そういう気持ちが何か世間から薄れているような感じがしてならぬのでありまして、この際に子は宝なんだという、そういう気持ちも育児休業を通じて十分に親子の間に意思疎通してもらえば私はいいなと思っております。  そして、おくれておるといいますのは、要するに育児休業中のいわゆる経済的な保障が問題なんだろうと私は思うんです。これは確かにもう少し十分なことをすべきだろうと思いますけれども、しかし一方においては、自営業とかあるいは自由業だとかいって自分の責任で生活しておる方がたくさんございますが、そういう方との兼ね合いということも考えていかなきゃなりませんし、民間との関係ということも考えていかなきゃならぬと思っております。  先ほどお話の中にもございました民間主導でできたということ、時期的に見ましたら確かに民間主導のようにも見えますけれども、実は私はこの問題に、育児休業に関しましては、国家公務員なり地方公務員、こういう公の方がむしろリードしてきたんじゃないか。それで民間も踏み切ってきたんで、それじゃその後追いをしてというか、ここが官の難しいところでございまして、官が先走ってしまうよりも民間にやらせるということで同時決着のような形になってきたと思っておりますが、その間における官の努力というものは相当この問題をリードしてきた、それがやっぱり一つの進歩だった、私はそう思っております。
  49. 野別隆俊

    野別隆俊君 次に、育児休業の権利の性格と民間との比較についてでありますが、同僚委員篠崎先生からも質問がありましたから簡単に申し上げます。  今回のこの休業法の休業の取得についてでありますけれども、第二条第二項で、任命権者に対しその承認請求することとし、これを受けて任命権者承認することとなっておりますが、これは民間育児休業法では、労働者育児休業の申請を行えば事業主は当該育児休業を拒むことはできない、こういうことになっております。民間の場合はもう一定度の権利のような状態になっておりますが、ところが、地方公務員の場合は非常に権利としては弱いものになっているんじゃないか。これは、育児休業をとるに当たって承認をとらなきゃならぬというようなことでありまして、この点について、請求をしなければとれぬのだ、もう出せばとれるというものにはなっていないというようなことで、許可が出なければできないということでございますが、その辺の差がついている理由をちょっとお尋ねいたします。
  50. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 御指摘のように、民間の場合と規定の仕方が異なっている面がございますけれども、先ほど申し上げましたように、地方公共団体行政の執行につきましては、公務という事柄の性格上、住民の皆さん方に対して安定したサービスを提供するという役割、責任がございます。また、職員の方が育児休業適用を受けるということになりますと、かなりの期間にわたって職場を離れるというか、仕事を休むということになりますので、その業務の執行体制にもいろんな影響が出てくるだろう。そういうことがございますので、職員の方の一方的な意思表示だけで職場を離れるというようなことではなくて、やはり地方自治行政としての安定した公務の執行という観点からも、任命権者において判断するというような意味合いで承認制をとっているわけでございます。国家公務員も同様の制度ということになっております。  この請求がありましたときに承認という仕組みをとるわけでございますが、これも先ほど申し上げましたように、請求がありました場合に、その職場においてほかの職員でかわってやれることができるかどうかとか、あるいはその仕事を外に頼むことができるかどうかとか、あるいはまた部外の方を臨時的な任用をして執行体制を整えることはどうかとか、そういういろいろな工夫、検討をしてまいりますので、私どもは今この時点で考えますと、通常、該当する方であれば承認がされないというのは恐らく極めてまれであろうというように考えておるところでございます。
  51. 野別隆俊

    野別隆俊君 この表現は、公務員というような立場はわかります。しかし、そのために感情的なものなどが出て、任命権者がやらぬと言った場合にはどうなるんです、この点は。いろいろな面で、忙しいからできないんだよ、それは許可できないなどということを言うような人がいた場合、これはなかなかとれなくなるんじゃないですか。その点はどうですか。
  52. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 今申しましたように、請求がありました場合に、どういう形で業務執行できるかということを具体的にそれぞれの職場で十分検討していただくということになると思います。その上で、承認承認ということになるわけでございますけれども、私どもは、今申しましたようにいろいろ検討していきますと、該当する人であれば、まず、通常の場合、承認されないということは極めてまれであろうというふうに考えております。  今後法律が成立をいたしますと、先ほど大臣からも御答弁ございましたように、この運用について地方公共団体に対していろいろな指導、助言等を行っていかなければならないと思っておりますが、先ほども御指摘ございましたように、今後の条例制定も円滑に行っていく、そうしたことを踏まえながら、明年四月からこの育児休業制度が円滑に運営されますように私どもとしても努力をしていかなければならないと思います。そういういろんな指導、助言の中で私どもとしても配慮してまいりたいと考えております。
  53. 野別隆俊

    野別隆俊君 この点は、民間におきましてもかわりを雇う場合は同じような条件だと思いますよ、なかなか厳しいわけですから。そしてまた、民間ほど合理化をやっていて十分休めないような状態でも請求すればとれる、こうなるわけです。公務員の場合に、なかなかそういう許可が出ない、請求してもとれないということであってはやっぱり差がつくことになりますから、私はこれは民間とも変わらぬような一〇〇%に近い承認がされるものというふうに理解してよろしゅうございますか。
  54. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 民間の場合も、確かに承認という仕組みにはなっておりませんけれども、たしか労働省令などで具体的に書いておりますけれども、いろんな方法のいずれかをとればよいという仕組みで、事業主には判断の幅を残しておったと思います。ただ、御指摘のように規定の仕方に違いがあるわけでございます。そのことを踏まえながらも、しかしこの育児休業制度というのが、たびたび御論議ございますように、これから重要な制度として位置づけられて今スタートするわけでございますので、私どもとしても、適切な運営がされますように今後指導、助言、配慮してまいりたいと考えております。
  55. 野別隆俊

    野別隆俊君 この問題については、民間であろうと公務員であろうと権利は一緒だという立場に立って、そういう理解をされるような運用をしてほしい、これを要請いたしておきます。  次は、育児休業期間中の所得保障の問題、これもちょっと出ましたが、所得保障がわずかでありますけれども現実にはあるわけでございますね。公務員の中でも看護とか教育職員福祉職員などはそういう該当者になっているわけでありますが、そのためにこの利用が非常に高い。今までの実例でいきますと、該当者が請求した場合、八二%ぐらい休んでいるわけですね。ところが、今度の法律を適用した場合は無給でございますからね。やっぱり二人で働いて家を借りているというような生活者の場合は、所得がなくなるわけですからなかなか休めない。一年間の子供を育てるための苦労というのは大変な状況になっていくので、どうでしょう、これは利用率がかなり下がっていくのじゃないかという気がしてならないんですが、そういう面でこれは大臣、一定度の、さっきもちょっと答弁があっておりましたが、最低の共済的なものを考える必要があるのではないかという気がしてならないのでございますが、この辺どうでございましょうか。
  56. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業期間中の給与の問題、この制度考えるに当たりまして大事な点でございますが、先ほど申し上げましたように、地方公務員育児休業制度につきましては、人事院意見を踏まえました国家公務員制度、これに準ずることが適当であろうという考え方から無給ということにいたしております。ただ、無給ではございますけれども、この育児休業制度の適用を受けますと、職を保有したまま、つまり身分等を失うことなく育児を行うことができる、そして、安定的な身分関係に置かれるといったようなことからしますと、またそれはそれなりにこの制度は意義のあるものであろうというふうに考えております。  今後どうするかということにつきましても、先ほどからいろいろ御論議がございましたように、人事院におかれましては、民間状況を把握して、今後の対応については必要があれば検討されるということのようでございますので、そういうことになりますと国家公務員についてもそれに沿った検討がされるであろうと思われます。そういうことになりますと、地方公務員につきましても、それに準じた扱いをどうするかということで必要な検討をしていくということになろうかと考えております。
  57. 野別隆俊

    野別隆俊君 この問題は、既に今支給されている現行法律の状態の中と今度の適用を受ける人たちは差別を受けることになるわけでございまして、前のやつは仏をつくって魂が入っておる、かえって、今度の法律は仏をつくったけれども魂が抜けているんじゃないかというような気がするんですが、大臣、この辺についてひとつぜひ前向きに検討をしていただいて、今後の対応をしていただきたいと思います。
  58. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) これは、先ほども申しましたように、衆議院の附帯決議の中にもこのことが将来検討項目として指摘されております。私たちも、この問題はやはり検討項目であろうとは思いますけれども、先ほども申しましたように、民間との関係というものはやっぱり官である以上は絶えず配慮しなきゃならぬと思っております。民間の中でもいろんな企業がございまして、自由業というものもございますし、いろんな種類がございますので、民間の動向をまず見定め、そちらの方に誘導しながら、官はそれについていく。そういうことで、推進の方向には違いございませんが、今すぐにということはなかなか難しいだろう。衆議院の中で、この暫定的というのはどういう意味だとかいっていろいろ質問がございましたけれども、私は、しばらくの間は現行のままで、とにかくスタートだけさせてほしいということをお願いしたような次第です。
  59. 野別隆俊

    野別隆俊君 次にお尋ねいたしますが、今回の育児休業を取得することに伴って、ほとんど交代勤務になるかと思いますけれども、現状ではどうしてもそればかりではできない、臨時職員を任用しなければできないと思うのであります。そうなるとこの任用基準が、今まで二十二条職員というのは一年以上勤務することはできないことになっている。ところが、今度の法律で二項から五項までこれを外されて、いわゆる一年間でも勤務ができるという制度にされたわけでございますね。そうなると、今後一番心配されるのは、これを地方でこれに準拠したような形でやられて、正規職員を採用しなくても臨時任用というのがふえるような心配が起こってくるんでありますが、これ以外にはもう全然適用しないということをここではっきりできますか。
  60. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業に伴う臨時的任用につきましては、職員育児休業をとりやすい状況確保していくという観点から、育児休業職員業務を処理することが困難と認められる場合には任命権者臨時的任用を行うものとする必要があること、そしてまた、この場合には臨時的任用の事由が限定されまして、任用期間育児休業期間を限度として最長一年であることが法定をされているということ、そういったことから地方公務員法第二十二条の規定の適用を除外いたしたものでございます。  この法律案第六条は、育児休業職員業務を処理することが困難であると認められる場合の代替職員の任用についてのみ適用されるものでございまして、それ以外の場合の臨時的任用については、当然でございますけれども、地方公務員法第二十二条の規定が適用されるものでございます。
  61. 野別隆俊

    野別隆俊君 この場合、一年臨時的に任用した後ほかの省庁に行く場合は許されるのか、それともこの適用を受けた公務員制度の中ではそういうことが許されないのか、そしてまた、ここで一年でやめた人が、これは人がたくさんいれば別ですよ、この人がまた何カ月後かに入られるようなことができるのか、この辺についてお伺いいたします。
  62. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 元来、臨時的任用ということにつきましては慎重にやっていかなきゃならぬということがもともと基本としてございまして、地方公務員法上、任用期間が一年を超えるような臨時的任用ということは予定をされていない、こういう趣旨がございます。したがいまして、そういったような趣旨は当然踏まえていかなければならないだろうと思いますし、またそういう中ではございますけれども、育児休業制度を円滑に運営していくためにはそういったことだけでは代替職員確保ということが現実問題として困難な場合がありますので、そういったような特例的な考え方からこの二十二条の関係規定、適用を除外するというようにしているわけでございます。  全く別の団体に雇用されるということになりますと、これはまた別物でございますけれども、基本的にはただいま申しましたような考え方で対処してまいりたいと思います。
  63. 野別隆俊

    野別隆俊君 これは、一般試験を受けて通っている公務員の場合は恒常業務をしているわけですね。臨時的任用職員が一年間勤務するわけですが、恒常業務をこれにやらせるのでありますか、その点はどうなんですか。
  64. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 恒常業務という御趣旨がどういうことなのかでございますけれども、考え方は、育児休業をする職員、その業務をかわってどなたかほかの職員がやるということ、そういったこともできないというときに、それにかわる臨時的な職員の任用を行う、こういうことで考えているわけでございます。
  65. 野別隆俊

    野別隆俊君 ただいまの法律、現状の法律の中では、例えば看護婦さんというのは資格を持っている、教職員の場合も資格を持っている人を臨時的任用されるわけですね。ですから、これは余り問題ないと思うんですが、一般職の場合に、ただ一般から採用するのに、公務員でなければできない仕事を今やっているわけでしょう。例えば、税金の賦課を臨時職員ができることにならないでしょう。そういうことはできないはずなんだから。できないような業務には、内部操作でそこに人を配置がえするとか、そういうことはできると思いますが、そういう面での恒常業務というのは常に臨時的な仕事ではない仕事を言っているわけですから、臨時任用の人がそういう仕事もやるのかどうか、一般公務員として、そこら辺をお伺いします。
  66. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業を行いました場合に必要な臨時的任用を行うというときに、その育児休業をした職員そのものずばりの臨時任用である場合ということも当然ありますでしょうし、またしかし、そのものずばりということが適当でないという場合もあり得ることであろうと思います。ただ、そのことのゆえをもって臨時的任用というのが安易に広がるというようなことがあってはならないということであろうと思いますので、そういった点につきましては、十分配慮しながら適切な運用をしていく必要があろうと思っております。
  67. 野別隆俊

    野別隆俊君 この問題については、特に臨時職員を任用するに当たっては、いわゆる待遇等についても十分配慮されるように要望をいたしておきます。  次に、林野庁にお尋ねをいたします。  日本の森林が大変危機に来ているわけでありますが、森林は、御案内のとおり、大変大きな公益的な責務を果たしている。国土の保全、水資源の涵養、緑環境保全、土砂流出の防止、土砂崩壊防止、保健休養機能、野生鳥獣類の保護機能、その他たくさんな機能を発揮しているわけでありますが、その発揮している山が大変危機にあります。この辺について、林野庁はどのような林業政策を現在進めているのか、山が実際守られていくのかどうかについて聞きたいんでありますが、特に現状がどうなっているか、そして今、現状にどのような対応をしているのか、この点をまずお伺いいたします。
  68. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 森林につきましては、先生先ほど御指摘がございましたけれども、木材の生産あるいは国土の保全、水資源の涵養、生活環境の保全、形成というような重要な役割を果たしているわけでございます。  しかしながら、近年の森林・林業をめぐる情勢というものは非常に厳しいものがございまして、例えば間伐につきましては非常におくれているというようなことでございまして、森林の整備が必ずしも十分な進展を見ていない状況にあると私ども認識をいたしております。このため、さき通常国会におきましては森林法を改正していただきまして、森林計画制度の改善あるいは造林、林道といいますような森林の基幹となります施設につきましての投資計画でございます森林整備事業計画の創設などの措置を講じているところでございます。  今後、これらの措置と相まちまして、特に担い手対策を初めといたします各般の施策の展開を図りまして、森林の整備に一層努めてまいりたい、このように考えております。
  69. 野別隆俊

    野別隆俊君 山が持つ公益的機能、役割は金額にあらわしてどのくらいか、これは直ちにただいまのやつを出せといってもできないでしょうが、調査をされた経緯があれはこれを発表してもらいたい。総額で結構です、もう時間がありませんから。
  70. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 森林の機能といいますものを金額に換算いたしますことは非常に難しい面がございますけれども、幾つかの仮定に基づきまして試算をいたしましたところ、約二十六兆円というような機能があるというような試算もいたしたところでございます。
  71. 野別隆俊

    野別隆俊君 それはいつの時点がわかりませんが、私は昭和六十年を基点にしたやつを数字を申し上げます。これは林野庁の報告でございますよ。  国土保全、水資源の涵養の費用が、年間二千三百万トンの水資源の涵養を図っている、三兆六千八百億。それから土砂の流出防止、五十七億立方メーター、六兆八千八百億円。土砂の崩壊防止、これが一・三億立方メートルです。これで一千五百億円。保健休養機能、これは山が国民に利用されている、これが四兆六千八百億円。金額に見積もりますとこういうふうになる。野生鳥獣の保護機能、八千三百万羽、これは島とかウサギとかシカとかイノシシとかいるわけですが、これが七千三百億円。それから人間が生きるための酸素の供給機能、これが約七千九百万トン、十五兆四千七百億円。  これ以外にたくさんの機能をまだ持っているわけです。これは災害の、台風の防止であるとか、いわゆる水害を防ぐために山が蓄えるという力を持っているわけですが、こういうものを見なくても三十二兆五千九百億というのが発表されているんですよ、そうじゃないですか。これだけの機能、これは生産材は一銭一厘も入れていないんですね。これほどうなんですか。
  72. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 森林の公益機能につきましては、林野庁といたしまして随分昔からいろんな試算をいたしております。  先生から先ほど御指摘のございました三十一兆といいますのは、四十七年段階で一定の前提に基づきます試算をいたしまして、御指摘のとおり三十一兆円余になるという試算をいたしたものでございます。
  73. 野別隆俊

    野別隆俊君 それだけの公益的機能を持ち、また多くの山林労働者を養っているわけです、山は。そういった販売の受益などは入れておりません。山があるために、水が長い期間どうとうと流れるために川が利用されているんですよ。こういった公益は入れていませんが、どうですか、そういう山が今日危機に来ている。  私はお尋ねしますが、昭和四十年と五十年、それから平成二年で結構ですが、山で働いている人たちがどれだけどうなっているか、これをちょっとお知らせ願いたい。それから、年齢がどうなっているか。
  74. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 我が国におきます林業就業者の数でございますけれども、林業の生産活動の停滞でございますとか山村の過疎化の進行というようなことによりまして、昭和五十五年十九万人おりましたものが、現在、平成二年には十一万人と大幅な減少をいたしております。  また、就業者の年齢構成でございますけれども、五十歳以上の割合が四七%から同じく六九%に達するというようなことで、非常に高齢化が進んでいるという現状でございます。
  75. 野別隆俊

    野別隆俊君 三十七万が十一万になっているのですよ、ここ二十二、三年間で。そういう実態にあって、十年後、平成十二年には国勢調査の公報分析によりますと六万人になるだろうと。もう山の造林から除伐、間伐はやれなくなるんじゃないですか、このままいけば。そういう気がいたしますが、この担い手づくりにどういう対策を持っておられるか、その点をお尋ねいたします。
  76. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 林業におきます担い手の育成確保ということにつきましては、林野庁といたしましても極めて重要な課題であるという認識をいたしております。そのための対策といたしましては、一つには森林組合につきまして合併化を促進いたしまして、協業化あるいは事業の多角化によります林業事業体の事業量の安定的な確保を図ることが必要であろうかというふうに思っております。  もう一つは、広域就労の促進でございますとか、あるいは雨降り時の就労施設の整備などによりまして、現在の雇用の現況からより長期化、安定化をするというような観点で、月給制、休日制の導入指導をいたしております。また、各種社会保険への加入の促進についても指導に努めているところでございますし、特に技能向上のための研修といったものも極めて重要であるという認識をしております。  さらに、従事者の生活の基盤でございます山村におきます道路でございますとか用排水施設でございますとか、そういった生活環境の整備といったものにつきましても推進をしてきているところでございます。
  77. 野別隆俊

    野別隆俊君 林野庁の予算が昨年はどうでことしはどうか、ちょっとお聞かせください。
  78. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 林野庁の予算につきましては、公共事業、非公共事業ございますけれども、一般会計総計といたしまして三年度予算では四千二百六十一億余ということでございます。
  79. 野別隆俊

    野別隆俊君 大変少ない予算で仕事をやらなきゃならぬので大変であります。  そこで、私は、このままでは山は守れないと思いますよ。林野庁でさえ二兆二千五百億円の赤字をつくって、これを今後十年間で、ついに政府がこれに一般会計から金を半分ぐらい出そう、そして国有林を守ろうということになるわけでありますが、ここで自治大臣お尋ねをしたいのです。  私は、このままでは山はもうとても守れぬ。なぜ守れぬかといえば、人がいなければ山の仕事はできないわけでしょう、担い手が。この前、大分のあの災害に自衛隊を応援にやりましたが、行ってみて、できない、断られたんです。山の技術者というのは、それは何十年もこれ一筋で生活をしてきておる技術者ですよ、単なる労働者じゃない。木の倒し方から全然違うわけでございますからね。我々がぽんと切って倒すようなものじゃないわけです。仕事の段取りを考えて、どういうふうな倒し方をしたらどうなるという計算をして山はやられているわけです。そういう山、しかも緑と水が危険になっている、世界的には空気まで危ないという状態に今来ているわけで、しかもその山の町村は、私の調べた中では全国の七割近く、千七百町村ぐらいが山にかかわりを持っているわけです。この地帯というのは、自主財源が国の平均の半分もございませんよ。高いところで二五、六%が自主財源、平均したら一五、六%ですよ。もうびっくりいたしました。こういう状態で市町村に山を守れと言っても容易じゃない。  私は、幾つかの例を申し上げますが、私の宮崎県の諸塚というところは、もうどうにもならぬということで、役場が役場職員並みにして、いわゆる賃金も保障する。十年後に伐期になるのに、素人がそのときにぼんと行ったってできないわけです。また、十年後に労働者が山に入るような状態もなくなる。しかし、それでは困る。一二%ぐらいの自主財源、税金を納める率は一〇〇%です、この村は。一〇〇%をずっと続けている。税金を一〇〇%取れているところは、全国でもほとんどないんじゃないですか。そういうことをやって、第一回で七人、公務員並み、いわゆる市が町が村が採用して、公務員と同様の第三セクター式に採用して入れる。そして、できるだけ安く村民の山を間伐から除伐、保育をしていく、こういうことで出発を去年からしているわけです。大変財政は厳しい。熊本県の小国町は二十七名入れている。それから、愛媛県の久万町、高知県の嶺北、こういうところ。私はまだこれ以外にかなりあると思いますが、こうして必死になって山を守っている町村、財源がないのですよ。  そこで、これは林野庁のこういう予算で後継者をつくるなどということはとてもできる仕組みじゃありません、今の林野庁の行政の中では。もう国有林を守るのが関の出なんですよ、実際は。この点について、何とか山に一定度の財源をかける、国民の命を守っているわけですから。自治省として、例えばこういうことを積極的にやるところに対しては交付税で一定度の裏づけをしてやるとか、山の面積に応じて、これは、品種もずっと検討して、種類によっても違いますから、効果の上がるものもありましょうし、上がらないものもあります。落葉樹などは、半年は葉が落ちておりますから、しかし落葉樹でもクヌギなどは今度はシイタケには使えるわけでございますね。そういうものも含めて、公益的機能もこれだけ果たしているし、これを下げちゃいかぬ、こうなれば、私は自治省がここでやっぱり前面に出て対応をすべきじゃないか。ほかのところでやる方法はないんですよ。建設省だって農林省だって、それはなかなか簡単にいきません。自治省として検討して、前向きに何か後継者対策をやれないのか。緑の基金とかいろいろ県によってはやっているところもありますが、これとてまだわずかなものであります。  そういうものを積極的にやってもらうことが必要でございますが、国としての対応、この点についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  80. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 後で具体的な措置等について財政局長からも答えると思いますが、確かに山が荒れておりますことを私たちも憂慮しております。特に北海道、東北、そして九州の一部、ここらは非常に国有林が荒れております。その責任を地方自治体にということで、これからも、我々も努力はしていきますけれども、しかし戦後ずっと山林行政を見ておりましたら、いろんな障害が大変難しゅうございまして、私はこの際、国の貴重な財産としての森林を守れというならばみんなが協力すべきだと思うんです。  今までやっぱり山の問題となりましたら林野庁、そしてまた、労働組合がかたくなに自分の権限ということでやっておりまして、市町村がなかなか介入しにくいような状態がございました。したがって、行政は全く別々なテリトリーとして扱われてきておったということ、これは私いかぬと思うんです。やはりこの際各省庁、それと組合も一緒になって、自治体も一緒になって山を守る。そのためには、私は、やっぱり国としてもそういう市町村に資金を何らかの方法で出すべきだと思っております。  その後のことは財政局長から話があると思いますが、同時に、人手不足というものが非常に深刻ですから、私はこの対策に、ただ労働力をかき集めるだけじゃなくして、例えば今、ある会社でロボットを研究しておりまして、それで間伐をする、枝を打つ、すそ払いをするとかいうことをやってきておる、そういうこともやっぱり措置をしていかなきゃいかぬ。それを勝手にもう林野庁でやれと言ったって、これはなかなかできるものじゃないと思います。そういうようなことに総合的に取り組んでいきたいと思いますが、おっしゃるように、交付税で措置するかどうするかということは、これは財政局で一回よく相談いたしますが、まあ財政局の意見も聞いていただいたらと思います。
  81. 湯浅利夫

    政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁に補足させていただきますが、森林の機能につきましては、私どももその公益的機能を十分認識しているわけでございますけれども、これを保全し、かつその地域の山村をいかに振興していくかということは、これは総合的にやはり検討していかなきゃならない問題だと思っております。現段階でも、普通交付税の基準財政需要額におきまして林業従事者を指標にいたしまして基準財政需要額を算定いたしまして、交付税の交付が重点的に参りますような措置も講じておりますし、また過疎債、辺地債というようなものを通じまして、公共的な施設の整備のための財源措置も講じてきているところでございます。  しかし、こういう措置だけで十分なのかどうかという点につきましてはいろいろとまだ議論があるところでございますので、そういう点を関係省庁とも十分御協議しながら総合的に検討を進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
  82. 野別隆俊

    野別隆俊君 今、自治省で山林労働者の数によっていわゆる交付税を算定している。これほどんどん減っているわけですね。三分の一になっているんですよ、二十年前よりも、こういう状態。それから、高齢化しているものですから、もう既に私の田舎なんかでは平均年齢が六十五、六歳なんです、山は。今、さっき発表になったのも五十歳以上が七〇%ですね、六九%ですから。そういうふうに高年齢になっていく。だから、七十歳ぐらいで働いているんです、働かぬと山は守れないですから、後継ぎが来ないわけですから、年金もないというようなことです。私は、大臣、ここはひとつ考えてやっていただきたい。  今、私は、全林野労働組合なんというのは立派なものだと思いますよ。林業振興、山の再建を一番積極的にやっているじゃないですか。かつてはけんかをしていましたよ。七、八年前から全林野の組合と営林署とは一体じゃないですか。しかも、あれだけの、一千万人署名運動を起こしたり、そして市町村からたくさんの市町村長が大蔵省陳情やら、林野庁陳情をやっているんです。全林野も、組合員の費用でございますよ、あれ。そこまでやって山を守らなきゃならぬということを労働者考えている。しかも、四万人近くいた労働者を二万人にすることものんだんですよ、二万人体制を。ところが、もう既に九州、四国は二万人体制を現実に割っているんですよ。北海道と九州が一番山の収益が上がるところです。これに林野庁の労働力も既に足らなくなった。それで、一般が足らないわけですから、これはもう何としても国が、時の自治大臣塩川自治大臣のときに目覚めた、こういうことをつくり出していただきたいんです。これはやっぱりだれかがやらなきゃならぬ。塩川大臣にこれはぜひひとつ軌道に乗せていただきたい。  公務員並みにしたらずっと安いんでございますよ。今一日一万円以下では山には来ません。田舎でも一万円以上かかります。一万円で二十五日働いたら月に二十五万ですよ。ところが、公務員で入れますと十二万ぐらいなんですよ、たった十二万。これは十年すると伐期に入るから、そのころには収入も上がってくるんです。ですから、何としてもこれは国として一定度の交付税と、それからそういう労働者を雇用したところについては裏づけをするということを考えていただきたいと思いますが、もう一回ひとつ決意をお願いします。
  83. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 非常に熱心におっしゃいます。私も、そのとおりだと思います。つきましては、山が大変なことになったということに気がつきましたのは十年ほど前、確かに様子は変わってまいりました。  そこで、私は特に、先ほども申しておりますように、もう林野庁も組合も自治体も一体となった山を守る運動をしていただかなきゃならぬときだと思うんです。そしてできれば、公務員の問題が出ましたけれども、そうなると、私は森林組合等が中心となって山の復興をどうするかということをやっていただいて、そして機械化もどんどん入れていくべきだと思うんですよ。そういうふうな山を生き返らすための計画というものをしっかりとひとつつくっていただいて、自治省の方も今までの、人数に対して幾らだとか、そんなかたくななことを言わないで、その計画が出てきて、その計画に応じて考えていくという多様な計画をしていただきたい。土地土地によって違うと思うんですね。そういうふうな弾力性を持ってこれからも対処すべきではないか。  私も、財政局の当局ともよく相談いたしますが、まずともあれ地元がどういうことをやろうということを、これをやっぱり時代に即したものにさしていただきたい、こういうことを強く私は希望したいわけです。
  84. 野別隆俊

    野別隆俊君 じゃ、時間がありませんから、次に移ります。  私は、これから消防問題を実は四、五十分ぐらいやりたいと思っていたんですが、もう時間がわずかになりました。そこで、これは大変な問題でございまして、国民、住民の生活の不安を除き、生命、財産を守るというのがやはり消防の使命でございます。ところが、その消防力が、私は消防力基準等からいって十分ではないと思いますけれども、今自治省消防のやっていることで事足りるとは言いませんが、これはかなり努力をしていただいております。  ところが、予算をとったものが地方に行ったら全然その半分も消防に使われていないという現実があるわけです。そこをひとつこれから質問したいわけでありますが、前国会で私は委員会でやっぱり消防問題について質問をしているわけです。指導するとおっしゃったんですが、どういう指導をしたんですか、これをまず伺いたい。
  85. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) お尋ねの点につきましては、私どもといたしましても、消防というのは住民の生命、身体、財産を守るという非常に基本的な大事な仕事でございますから、特にその重要性、それから一方で消防力の基準というようなものも示しております。それから財源措置としては、直接的に私どもがやりますのは国庫補助金がありますが、大部分はこれは市町村の消防ということでございますから、地方交付税基準財政需要額に算入して、全体として財源確保をしていただいておるわけでございます。そういうような状況を十分御理解いただくように、こういうふうになっている、基準はこうだ、交付税にこういうふうに算入されているというようなことについて十分理解を求めるように指導をしてまいったわけでございます。
  86. 野別隆俊

    野別隆俊君 答弁を簡単にしていただきたいと思うんですが、現在消防力の基準というのはどういうことを基本にしてこの基準が定められているのか私にはわからないんですが、基準から見たら、まあ七〇%いっているところは非常にいい方で、五〇%前後のところが相当あるものですから、この基準はどういうことを中心に決められたのか、これが一つ。それからついでに、消防力の基準どおりに行うとすれば何人ぐらい全国で必要なのか。これをまずお聞かせ願いたい。
  87. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) まず基準の性格でございますが、私どもといたしましては、これは火災の予防、警戒、その他いろいろな業務がございますが、そういう消防の業務を行うために必要な最小限度の施設及び人員について定めたものである、こういうふうに位置づけております。  それから、一体、基準どおりやるとすれば全国で何人ぐらい要るのかということなんでございますが、これは今おります消防職員が十三万三千六百十五人でございまして、これで大体充足率七一%ぐらいだというふうにはじいております。したがいまして、十三万三千六百十五人を一応七分の十すれば全体の数になるかと思いますが、そういたしますと十八万人強ぐらいではなかろうかというふうに思います、ちょっと計算は今正確にいたしますが。
  88. 野別隆俊

    野別隆俊君 私は、夢のような話をするわけではありません。夢ではありませんけれども、これだけ必要だと思いますが、現在の交付税基準、あなた方は交付税を配分するに当たっての基準人員というのを出しておられるんです。これは何人分ぐらい出しておられるんですか。
  89. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) これは、一応私どもは平成二年度の分は承知しておりますが、これで計算いたしますと、十四万八百四十四人というふうに承知いたしております。
  90. 野別隆俊

    野別隆俊君 この人員をひとつ確保することに努力してください。この人員は、八〇%になるのか知りませんが、現在十三万三千六百十五名だから、金は十四万何人分配分をしておるわけです。出した金分の人員をできるだけ配置させるような努力をまずしてもらうことが必要だと思いますが、そういう努力を今後されるかどうか、お聞かせ願いたい。
  91. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) 私どもは、消防という行政について責任を持っておる立場でございますから、とにかく消防力の充実ということを最大限の目標として努力をしたいと思います。ただ、これは委員もよく御承知の上でおっしゃっていただいていると思いますけれども、一方、県で実際財政の担当なんかをやった経験もございますが、交付税の性格ということもございますものですから、私としては、そういう交付税の性格ということも踏まえつつ、十分消防の重要性を御理解いただくように努力をいたしたいと思っております。
  92. 野別隆俊

    野別隆俊君 現在、全国の消防の中で一番進んだところとおくれているところをちょっとお聞かせ願いたい、県別。
  93. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) 一番進んだところ、おくれたところ、ちょっと私も手元に正確な資料を持っておりませんが、恐らく一番進んでいるのは東京消防庁、つまり東京都ではなかろうかというふうに思っております。それから県単位で見まして、これにつきましてはたしか昨日ちょっと調べさせていただいたのでございますが、率にいたしまして五割をちょっと切るぐらいのところが人員で見まして充足率の一番低いところではないかというふうに承知しております。
  94. 野別隆俊

    野別隆俊君 それはどこの県ですか。
  95. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) その一番低いところは沖縄県であるというふうに承知いたしております。
  96. 野別隆俊

    野別隆俊君 そういうことはないんじゃないですか。沖縄ですか。もう一回お答え願います。
  97. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) 都道府県単位で見まして、消防職員基準に対する充足率ということで見ました場合には、きのう調べさせていただいたところでは沖縄県が最も低いということであったということでございます。
  98. 野別隆俊

    野別隆俊君 沖縄県は消防署員一人当たりの人口は何名でございますか。
  99. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) 署員一名当たりの人口につきましては、これは一千四十三人ということのようです。
  100. 野別隆俊

    野別隆俊君 宮崎県は何人になっておりますか。
  101. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) 宮崎県は一千二百八十七人というふうに承知しております。
  102. 野別隆俊

    野別隆俊君 そこが一番負担率の高いところじゃないんですか。
  103. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) これは計算の仕方かと思います。私どもはいわゆる充足率ということでとらえましたものですから、基準に対する職員の充足率ということではじきました場合にそうなるわけです。と申しますのは、基準数というものは必ずしも人口と完全に比例するということでもございませんものですから、そういう点では私どもがちょっと御質問趣旨を取り違えて計算したのかと思いますが、充足率ということでやりましたものでございます。
  104. 野別隆俊

    野別隆俊君 そこで、東京都は六百五十二名に一人、いわゆる一人当たりの負担でいきますと、九州の宮崎県が一番悪い。これは二つの市が悪いんでございますよ、宮崎市と都城。宮崎市は大体千五百九十何名ですか、一人の消防署員が賄うのはですね。東京の二・五分の一なんです。それで、さっき交付税は目的税ではない、それはわかっていますよ。  しかし、ここでちょっとお尋ねしますが、交付税を出している基準人員、大分市は交付税が三十三億六千九百四十二万一千円。私は宮崎と全く似通った九州の大分と四国の高知を例をとって申し上げますが、もう時間がありませんから、宮崎の場合が三十四億六千八百九十七万二千円、四百十八名署員を置くための金が来ているわけです。ところが、二百五十一名しか置いておらぬ。百六十七名不足をしているわけです。人口は、六十年の人口調査ですが、今は三十九万ですが、三十七万七千九百三十五名。大分が三十三億六千九百四十二万一千円もらっている。これは三百五十九名の人員に対して三百二十四名置いているんです。九〇%達成しているんです、財政基準の。そして人口は三十九万。一万ちょっと多いんです。  ところが、高知市は二十七億二千九百九十七万二千円交付税が行っている。三百四名の今の交付税基準の交付をしているわけです。これで二百八十二名入れているんです。二十二名しか不足していないんです。これは三十一万五千四百二十一名の広域圏の消防なんです。全く宮崎と同じようなところですが、人口は少ないんです。金額も十億少ないんですからね、これ。こけだけでも九〇%達成しているんですよ。ところが宮崎は六〇%台である。こういう状態。もう時間がないので引き続きやりますが、あと二十間ばかり残りましたけれども。  そこでちょっと聞きたいんですが、宮崎市の広域消防の中で三つの出張所があります。六つあるわけですが、広域関係だけで三つあるんです。その西部出張所は、国からの交付税は六十七名分出ているんですが、たった十六名しか置いておらぬじゃないか。こんなばかなことがありますかね、金出して。それから南部出張所は四十五名に対して十五名、西部出張所は四十三名に対して十五名。だから、市民からいったら大変な状態になっているわけです。これを二交代勤務にしていますし、休日がございます。これは週休二日でもやることになったら大変なことになるんですよ。今五名、四名の勤務なんですよ。消防と救急車が一時に発生した場合にどっちに対応することになるんですかで大変なことですが、こういう状態をこのままに放置していいのかどうかお尋ねいたします。
  105. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) まず、宮崎市につきまして先ほど御指摘をいただきましたが、私どももそのように承知いたしております。  それかも、交付税の性格との関係は先ほども申し上げたとおりでございますが、私どもとしてはやはり消防力の充実ということは極めて重要な基本的な課題だと思っております。交付税の算入の額もさることながら、ともかく消防力の基準というものを私どもも示させていただいておるわけでございますが、何とかこの重要性をより一層深く理解していただくべく私どもとしても努力をいたしたいと思っております。
  106. 野別隆俊

    野別隆俊君 この問題は非常に重大な問題です。しかも、普通は六割から七割、広域圏域の組合から負担金を取っていますよ。五一%しか取っていないんですよ。消防団費というのは、どこだって、常備消防と非常備消防の場合は常備が八割いるんですよ。二割が消防団なんですよ。それを常備消防に五一%しか取っていないという数字が出てきているわけですよね。しかも五一%を取った中で、その金が何と特別積立金に六億七千万も今残っているんですよ。どこにこういう特別積立金などをやっているところがございますか。そういう必要がございますか、こんな七億も八億も。  こういう状態であれば、交付税に対する考え方をぴしゃっとしないと、あなたは交付税は自由に使われるように言いますけれども、それなら福祉で来た交付税はどうなるんですか。今、消防予算だって消防団の団長手当とか消防団のいろいろな出動手当、こういうものは施行と同時にぴしゃっとやっているんですよ。こういうものをせっかく基準を決めても、十万人の基準をつくっているでしょう、何にもならないことになる。四分の一しか置いていないような状態ができたり三分の一しか置いていないというところは、直ちにこれは指導すべきじゃありませんか。それでなければ、消防予算をはっきりほかの方からとったらどうですか、こんな使い方をするなら。はっきり九〇%使っているところもあれば、半分しか使わないというような、これは現実の姿があるわけです。これは住民運動が起こりますよ、危険だから。これを我々が皆さんに知ってもらったら大変なことになるんでございます。  この点については自治大臣の見解を、どういう指導をこれからされるのか、私は数字的なものをすべて持っておりますから、この次にまた一時間ばかりやりますけれども、ぜひこれをはっきりしていただきたいと思います。
  107. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) なかなか根拠をちゃんと示しての御説明でございますから、とりあえず消防長官に実態を早急に調べさせます。そうして、もしそういういびつな行政が行われておるというようなことであればそれを指導していくようにいたしたい。  しかし、おっしゃるようなことが市議会なりあるいは市の監査委員なんかでどのように判定しているのかと、私もお聞きしながら不思議に思っておったものですから、よく実態調査させます。
  108. 野別隆俊

    野別隆俊君 議会が監査権がないんですよ、広域消防は。宮崎市の消防は、宮崎市の市議会があります。広域消防については、広域組合の議会がないんです。議会代表も何人か出ておりますが、ほかの市長やら職員やらを含めた人たちがやっているわけですから、こういうところにも問題があるんです。しかし、今宮崎市議会ではこれは大きな問題になっております。だから、これが余り大きな問題にならぬうちに、四人の人が消防の質問をもうこの前もやっておりますから、ぜひひとつその対応を。  それから、三十六人と四十六時間で人員をふやしたでしょう。どこか完全にやっていますか、こんなの。四十六時間に宮崎の場合は十一名か二名ふえておる、第一回。平成三年度でまた十一名か二名ふえなきゃならぬ。これはそのために、時間を軽減するためにとった予算。一人も入れておらぬじゃないですか、この三年間。予算だけは出しておりながら一人も入れていない。こういう状態では、自治省がどれだけ骨を折っても下の方は底抜けの状態ですから、ぜひひとつその点を強く指導してください。数字は私の方で全部握っておりますから、市の方の数字も。
  109. 浅野大三郎

    政府委員(浅野大三郎君) 先ほど大臣から御指示もいただきましたように、よく実態を調べ、私の方で適切に指導、理解を深めるよう努力をいたしてまいります。
  110. 常松克安

    ○常松克安君 秋本部長さんにありましては、岐阜県におきまして副知事就任後、こちらへ赴任されました。岐阜県におきましては、問題山積をらつ腕を振るわれて見事に解決された行政マンである。そういうふうに伺っております。  この育休法もなかなか大変なことであります。そこで、二段構えてお伺いいたしたいと思います。  まず第一は、今まで教員の方、あるいは医療関係の方、福祉関係の方の問題。それから民間の方、これは小さく産んで大きく育てたい、こういうふうに労働大臣民間の育休法については確かにおっしゃいました。またこれは、公務員にとっても大変な大きな課題だと思います。  例えて言いますと、警察官、各地方では県警本部の職員年齢が一番若い、これは当然です。そんなもの、あなた、高齢者の人ばかり年々ふえておったら警察の役に立ちません。今、御指摘ありましたところの消防並びに特に救急車の人が育休に入った場合、一番現業の最先端で困りますのは、死体処理場、火葬場です。これは、簡単に素人が、どうおっしゃるか知りませんけれども、ただスイッチを入れてバーナーが噴き出したらいいというものじゃないそうです。この役目は非常に重厚な経験が必要だ。あるいはごみ処理はどうなるか。こういうふうなところで交代要員と言われましても、警官がすぐ交代というわけにはまいらぬわけです。そう考えていきますと、まずそういうことの一つの大きな認識が大事です。  第二番目に申し上げます。こちらへいただいておりますけれども、学校の先生、あるいは医療関係、社会福祉関係、中でも看護婦さんの問題を私は重点に取り上げてみたい。  今まである法の中で、教育関係では九〇%交代要員が可能のようにデータで出ております。あるいは、社会福祉の方では七八・九%です。ところが、医療関係の看護婦さんとなってくると、これはまだ六〇%です。この数値に出ていないところをお伺いしたい。十万、十五万人口の場合はまだやりくりがつくんです、ベースが大きいですから。ところが、この中で町村の病院関係のデータはそちらにあるはずなんです。これは一体どうなっておりますでしょうか、お知らせ願いたい。
  111. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 現行の育児休業制度をどの程度利用しておられるかという数字でございますけれども、医療施設という分類ですが、全体としては約六〇%、そのうち団体区分別に申しますと、町村につきましては三二・七%という数字になっております。
  112. 常松克安

    ○常松克安君 部長さん、済みません、ちょっと声が小さ過ぎて、こっちだけが一人で怒って大きな声を出しているように感じますから、大臣さんぐらいとは言いませんけれども、もう少しボルテージを上げていただけませんか。何かぼそぽそと言いながらごまかそうごまかそうとしているようになっちゃ失礼でございますので、きちっとはっきりとおっしゃっていただきたい。  今御答弁ありましたけれども、もう一つ教えていただきたいんです。  しからば、こういう人たちの中で職業約三K、六Kでやめていく人、ここが一番多いんですよ。子供さんができた。この保障で休まれる。しかし、余りにも職域指定、一週間その職場を離れますと、ナースの皆さんは日進月歩の医療の治療に合わなくなってくる、そういうふうな厳しい職場なんです。そこにおきまして、そのうち休業をとったのが六〇%というデータが出ておりますが、そこから退職した人は何%になりますか、もうやめちゃったという人は。
  113. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) これは国の数字でございますけれども、出産をしました女子職員の方の離職率、全体でいいますと一六・一%ということになっているようでございます。また、育児休業制度の適用を受けた方につきましては、そのうちの九割が職務に復帰をしておられるという数字と伺っております。
  114. 常松克安

    ○常松克安君 委員長、済みません、定足大丈夫でしょうね。発言しておっても大丈夫ですね。
  115. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) いいです。
  116. 常松克安

    ○常松克安君 いいですね。  じゃ問題を変えてまいりますけれども、この医療関係の特に看護婦さんにつきましては、問題は、市もさることながら、町村にあるわけなんでございます。町村となってきますと、その地域がお互いに心温かいふるさとというところもありますし、あるいは特に無理して子供さんを連れて病院まで来て、休みたいけれども人が足りないからと。言うならば、どちらかといいますとメンタル的な教育を受けた看護婦さんがそうした職場の穴をふさいでいる、こういうふうなお勤めのお話をるる伺うわけでございます。  そうしたときに、この人たちが、この法がきちっとできる、そして万が一お休みになったときに、大事なところで一番ひっかかりますのは、看護婦という免許、これをやはり病院としては提示をして人事課は補助要員を決めていかれる。しかし、それはなかなか普通一般ですら僕は無理だと思う。こういうときの処置は現場としてどういう扱いになっているか、その御認識をお伺いします。
  117. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 特に看護婦の問題について御指摘がございましたが、私どもも地方勤務した経験がございますけれども、近年における看護婦さんの確保については特にそれぞれの団体で苦労しているわけでございます。御指摘ございましたように、特に小規模な町村においてはその苦労はとりわけひとしおであろうというふうに存じます。  そういう中で看護婦さんの確保という、これはもう単に育児休業制度の問題というだけではなくて、看護婦さんの確保を全体としてどうするかということになってまいりますので、例えばそれぞれの地方団体におきまして看護婦さんが子供さんを預けて勤務をすみことができるようにするとか、あるいは一たん看護婦の職を離れた方につきましても、もう一度現場に復帰していただくことができますように登録制度を設けるとか、あるいはまた研修の機会を用意するとか、そういう各般の施策を講じながら看護婦さんの確保対策に努力をいたしているところでございます。  これからの育児休業制度につきましても、円滑な運用がなされるように私どもとしての立場でできる配慮はしていかなきゃならぬと思いますが、看護婦さんの確保というそのこと自体について申しますと、やはり全体としてはそのことを所管しておられる厚生省さんの御協力をいただきながら、私どもの方も立場でできることはやっていく、そういうことで対処していく必要があろうかと思っております。
  118. 常松克安

    ○常松克安君 ごもっともでございます。名答弁でございました。  ただ納得でき得ないのは、今補充する場合、看護婦免許を持っている人を探してもない、下の方の准看護婦さんもない。そうしたとき、一般的にもう少し補助としての職務にたえられる人を一名欠けたら二名補充して対応する、こういうふうな流れになっていくわけでありますが、そうなった場合、たまさか厚生省の医療関係の方の割合でございましょうけれども、自治省としてはそれはやむを得ないという見解でいかれますか、どうでしょうか。
  119. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 補充をするときの補充の仕方というのが医療法との関係でどうかという点、私どもは医療法を所管しておりませんのでそれについての判断を申し上げることはできないわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、看護婦等確保ということについてはいろんな面から努力をしてきているわけでございまして、厚生省の方でも御尽力いただいているというふうに承知いたしておりますが、御協力いただきながら私どもも連携をとって、本当に私どもの方でできることがありましたならば御協力をするということでやってまいりたいと思います。
  120. 常松克安

    ○常松克安君 来年度、厚生省は、看護婦さんの不足に関して、マンパワーをきちっとしなきゃいかぬ、給料、点数も改正する、そういうことで、何とかして三K、六Kといわれるような職域の皆さんの働いた分におこたえしなきゃならぬと、改正案を出しております。あるいはまた、地方におきましても、諸条件の中でいろいろ補助機関的なものをつくり上げていこうとしていらっしゃいます。そういうことで、一番最先端の町村の医療関係の数字で出てきた六〇%というものが、そのことによって、育休をとるというふうな流れになるか、むしろ逆にこれが下がってくるか、今どういうふうにお感じになられますか。
  121. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) これからどうなるかという予測をすることはなかなか難しいわけでございますけれども、やはり、たびたび繰り返して恐縮でございますけれども、根っこの問題としては看護婦さんをどうして確保するかということであろうと思います。厚生省におかれましても、従来から看護婦養成施設の運営費の助成などをなさっておられますけれども、そういったものについてのさらに努力もしておられるというふうに伺っておりますが、そういった施策、あるいはさらにそれぞれの地域の実情に応じた看護婦さんの確保対策、そういったことについての努力を引き続き関係者一丸となってやっていく必要があるんではないかと存じます。
  122. 常松克安

    ○常松克安君 これは、ちょっとお尋ねしておかなきゃならぬのですが、今ぼちぼちと男性の看護士さんという方も医療関係には従事しているんですが、これは今ある法律の建前からいくと、やはり女性でなきゃいかぬのですか。免許という立場からいくと、男性でもこの範囲に入るんでしょうか。その見解はどうなんでしょうか。
  123. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業制度対象としては男女を問わないということでございますので対象にはなるわけでございますが、育児休業給支給ということにつきましては、「当分の間」ということで附則規定を置いておりますけれども、女子に限るということでございます。
  124. 常松克安

    ○常松克安君 それが今度は男性にということも、物のベースの考え方からすれば平等な扱いになるんですけれども、それはどういうふうに今後検討なされる御予定でしょうか。
  125. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業給支給につきましては、ただいま申しましたように、附則に「当分の間」ということで定めているわけでございますけれども、そもそもの沿革、もう既に先生御承知のとおりでございますけれども、今回育児休業制度を設けるに当たりまして、人事院からの意見の申し出があり、それに基づいて国家公務員制度が立案され、それに準じて地方公務員制度を今御審議いただいているわけでございます。そういう意味では、育児休業期間中は無給とするという人事院からの御意見に従ってやっているわけでございます。  ただし、たびたび御指摘がございましたようないわゆる特定三職種女子職員の方については、その職務特殊性などということから従来育児休業給支給されている、そのことについては当分の間存続させていこう、これも人事院の御意見でございまして、それに従って立案をしているわけでございます。
  126. 常松克安

    ○常松克安君 今度は方向を変えまして、この法案が通ったとしまして、各地方において似通ったような制度があったとします。そうしますと、これは国の法律に包含されていくんでしょうか。あるいは、これはあくまで歴史的な過去の措置として、これこれは大事だ、これこれは特に残るんだと、二つに分けての制度のあり方はいらわずに存続されていくんでしょうか。これほどうでしょうか。
  127. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 側審議をいただいております地方公務員育児休業法が成立をいたしますと、この法律によって地方公務員育児休業制度が運用されていくということになってまいりますので、例えば給与の問題などにつきましても、この法律に定めるところによって運用されるべきものというふうに存じます。
  128. 常松克安

    ○常松克安君 今こうして三つの部門を専門的に聞きましたけれども、立場を変えまして、一番最初に申し上げました、これは担当していただく部長さんはなかなか、——これから各地方においていろいろの問題が現実に起こってきます。ある首長さんの考えとこっちの考えと、これはこのまま守っていこうという場合と、こっちの首長さんの場合はこれで人件費の抑制ができるなんという、そういうふうなふらちなお考えを持っていらっしゃる方もこれあり、何が先に起こってくるかわかりませんが、ひとつ先々よりよく法の目的といたしたことを十二分に生かしていく。ノーワーク・ノーペイじゃなく、そのペイは必ず二十一世紀に向けては労働条件の改善の上からいってもこれは必要だという方向で、ひとつ国の力でリードをしていただきたい、かように思いますから、その点をあわせて御要望を申し上げておきます。  次は、国土庁に参ります。  雲仙の方もなかなかおさまってまいりません。よって、報道関係の発表をちらりと見ますと、国土庁としてはこれから災害にあっては個人共済制度というものがあってしかるべきではなかろうかという検討に入るかのように承りましたが、そのお考え目的、どういうふうな手順でやっていかれるか、お伺いいたします。
  129. 仲津真治

    説明員仲津真治君) 個人が自然災害で被害を受けたという場合には、これは私有財産に係る被害でございますから、公的に人々から強制的に集めました税金で補償することはできない。しかしながら支援はできる、しなければならないということで、これまでさまざまな支援の制度がございます。災害救助法による炊き出し、避難所の確保、仮設住宅の建設、あるいは亡くなった場合には弔慰金等を支給する、あるいは重度の障害の場合には見舞い金を支給する、あるいはさまざまな融資制度がございますけれども、そういう制度でいろんな経緯がありながら発展してきたわけでございます。ただ、果たしてそれだけで十分かという点についてはかなり議論がございまして、共済制度でこれを解決しようという考え方もございました。  しかしながら、これについてはどういう給付ないし目的を持ったことを人々にしたらいいのかと。例えば生計費を支給すべきなのか、あるいは葬祭料を賄うべきなのか、あるいは見舞い金でいいのかといったあたりについての議論がなかなかまとまらない。それから、共済制度というからには大勢の人が参加しないと成り立たないということで、当然一人一人の方に実質的に強制的に参加していただくということになりますけれども、そこまで強制できるほどの公益性があるのかといった議論がございまして、結局個人が参加する共済制度というのは実現性は困難であるということがございまして、災害弔慰金の制度ができて今日に及んでいるというような経緯がございます。  そこで私どもといたしましては、時代が変化してまいりましたので、従来のような考え方だけでは足らないのではないかという視点も含めまして、新たな共済制度、あるいはその他のアプローチについて研究してまいりたいと考えております。しかしながら、これは基本的にはやっぱり自助努力を支援するということでございますし、しかも災害が起こる確率、それから災害の種類、態様は各地ごとでさまざまに違っておりますので、一律の制度というのはなかなか難しい点がございます。  そこで、非常に研究すべき、検討すべき課題が多いんではないかということで、まずは現行における救済の状況、それに伴う課題、それから地方公共団体等の意向等踏まえながら研究を行ってまいりたい、かような考えでおるところでございます。
  130. 常松克安

    ○常松克安君 これは、今申し述べられましたが、亡き佐藤総理の時代に、衆議院本会議におきましても、当院におきましても、余りにも災害が激しい、救済せにゃいかぬ。しかし、国の建前は、個人の災害は国がそれを補助するということはいかがなものか、この論議なんです。そうした中において、当時立案されていこうとしたのが共済制度、難しいと今御指摘になりました。それは、そのときの生活内容というものはどうしたらいいんだろう、あるいはまた特にひっかかりましたのは、損保会社、一般保険会社の圧迫をしないだろうか、いろいろ論議がありました。それでねじ曲がってできましたのが弔慰金制度でございます。  この弔慰金制度は、十九号台風で死んだ人には五百万出す、大月で七人死んだが、その人々にはびた一文も出さぬ。法律によって死に方も難しい、これからもらえるように死なにゃいかぬのか、人の命すら法律は差別をしてしまう、これもなかなか難しい。そうして、あの雲仙みたいに長期災害となってくると、国が次から次と現行法を拡大解釈していつだって、全然ありがたがらない、国民の立場からすれば。そうして出てきたのがこの共済制度というものです。  例えてみれば、一日一円、年間三百六十五円、五千万人が入ったとすれば百八十二億五千万。一年間三百六十五円で三千万人は大体いくだろうとした場合は百九億五千万。しかし、これは生活保護の人は気の毒でそんなことはいかぬ。そうしたら国家がそれを代替すると約百八十七万人、約七億、こういう考え方に合わせたものとして、各都道府県は今日持っておる交通共済制度を設立し運用しているわけであります。  そういうふうなことを考えていきますと、やる気さえあればどのような問題でもこれはできていくわけであります。そうでなくとも、世界で八百も火山があって、そのうちの八十三まで日本は抱えておる。特に東京なんか、ちまたに地震がどどどどっと起きる。こういう中において、やはりこれはそちらが自力でやれというんですから、それなら自力でやることで、みんな力を合わしてやることで問題点も皆クリアできるじゃないですか。自力でやれ、災害は個人の力で、それを補完的にとおっしゃる。しかし、その補完も十分じゃないから検討を始めたのがニュースペーパーになったんじゃございませんか。としたならば、これは共済制度も無理からぬ、新しい時代の対応というものができる。  共済制度ですから、わしゃそんなもの、風水害でわしの家は高台でつかることないから入らないと。自由です、これ、結構です。いや、うちの方は川沿いだからきついぞと、入る。やはり一つの安心感を今度は国民お互いの力に持っていくことが、政府がお考えになっている自力でやれと。自力でやろうという声が人としたならば、それすら閉ざすということはこれはいかがなものでしょうか。
  131. 仲津真治

    説明員仲津真治君) 災害が起きた場合に、非常に気の毒な状態にあるのに自力でやれというのは非常に冷たい印象を与えるという論議があると思うんですけれども、これは基本的には、個人が損失をこうむったといっても私有財産に係ることでございますので、これを人々から強制的に集めた税金で補償するわけにいかないと。したがって、不時の出費というのはだれでも予想されるわけでございますから、御自身で備えていただく、あるいは保険等で対応いただくということになろうかと思われます。しかしながら、そういう原理原則だけで貫いた場合に生ずるさまざまな問題がございますので、これまで、今先生が御指摘ございましたように、いろんな検討が行われ、制度化が図られてきているところでございます。  特にここで、個人が参加する共済制度について考えてみますと、確かにだれでも参加していける仕組みにすれば非常によろしいわけですが、災害の起こる可能性の非常に高い地域については、当然これは危ないと思われるから参加されるでしょうし、そうでないところではまあいいだろうという感じ。そこで、やっぱり共済制度としてみんなからお金を集めて、たまたま災害が起こった気の毒な人にはみんなから集めたお金でこれを助けるということにする場合には、やっぱり大勢の人が参加していないといかぬ。ところが、今のような任意参加ということにいたしますと、その点どうしても難しさが残る。そこで、強制的にできるかというと、強制できるほどの、例えば自動車賠償責任保険なんかについては強制保険がありますけれども、やはりそれほどの公益性は認められないということでこの制度は実現しておらないわけでございます。  今回私どもは、そういう過去の経緯はありながらも、しかしながら、また別途の手当て、例えば公共団体自身が参加していくような仕組みとか、ほかの仕組みも考えられないかということで勉強していかなければいかぬという問題意識を持ってこの研究をスタートさせようとしているところでございます。
  132. 常松克安

    ○常松克安君 では、それをよくよくまた検討した中を精査して御教授願いたいと存じます。  次は、警察庁に参ります。簡潔に申し上げます。  今、警察庁発表交通事故死は、二十四時間以内死亡の件数でございます。ところが、外国へ行きますと、アメリカ、イギリス、フランスというようなところは三十日、たしかそうですね。それから、イタリアは七日ですね。フランスは六日。  そうした上で、目的といたしましては、いかに交通事故死というものが国家的損失を与えるか、国民に警鐘を乱打するためにおいても、それを知らしむるというふうな目的もこれあり、たしか昭和二十三年でございましたか、警察庁といたしましては古い歴年の統計によってずっと今日まで続いてきておるわけです。しかし、交通事故者一人の死亡は、加害者も被害者も不幸であります。その上、賠償、医療、いろいろ合算しますと最低約一億円というものが流れるとしますと、一万人の交通事故というと、国家的に考えますと一兆円の経済損失になってくるわけであります。そうして、だれも喜んでくれないわけです。待っているのは、悲劇とあとは交通刑務所でございます。  こういうふうな実態実態といたしまして、やはりこれから救急という問題の上がちいっても、この二十四時間を、あちらさんがそうしているからといって準ずることはできませんが、少なくともやはりこれが二日なり三日という統計を、そして国民共通の車社会の危険性を考える、こういうふうにとっていかなければいけないのではないだろうかと、ある学者の評論家あるいは医療関係のドクターなんかが指摘いたします。厚生省のとっていらっしゃるのは一年間でございますね。警察の方は二十四時間。大体それで大きな狂いはないな。掛けてみれば一・三、大体一・三と置いておいたら死亡は間違いない。こういうふうな、人の命の計算の仕方を考える厚生省の基準の中においては、この一年間が、あるお医者さんは交通事故で死ぬのを一年間待たなければ判断できないようなのは、それは合併症の場合の死亡の診断書やと。少なくとも交通事故の起因したものが裁判で争われて、どうのこうの言うのは大体六十日間を限度とするのが常識だという学者の指摘、これがございます。  さようにいろいろございまして、きょうのところは局長と深い論議をかますことはできませんが、二十四時間というものが車社会のこれからの五年、十年、二十年を考えてまいりますと、ただ単純に道交法で取り締まるという立場の即決、即断、あるいは速報性、これをもう少し大きく広げて、人の命を何とか救うべく考える概念からいくと、長いとり方もこれは必要じゃないか、非常にまとめた問い方でいたしましたが、こう考えております。  結論、二十四時間を四十八時間あるいはそれ以上にふやすことも庁内での検討事項に相ならぬか、提言いたしたいと思います。
  133. 関根謙一

    政府委員関根謙一君) 先生御指摘のとおり、私ども現在交通事故を原因とする死亡事故の統計につきましては、その事故が発生してから二十四時間以内に亡くなった方を交通事故死者というふうに処理をしているところでございます。これはいろいろな経緯もございますが、基本的には、死亡事故あるいは重傷事故があった場合に、その事故を今後防止することができるようにということで、その場所における交通安全施設の整備の仕方でありますとか、規制のあり方等を検討し、あわせて交通安全の施策に資する、こういう目的のために作成しているものでございます。  しかしながら、この交通事故を原因とする死者数を二十四時間を基準として計算するという方法は、御指摘のとおり正確とは申せないと考えます。厚生省の統計もございますが、やはり一年待たなければならないということで問題もございます。  そこで、私どもも、現在の二十四時間を基準とする統計処理の仕方、これは速報性ということで私どもの目的にかなった資料でございます。それにあわせて、年間に交通事故でどのくらいの方々が亡くなっているかということを広く一般国民の方々に御理解をいただくために、参考資料として少し長期に見て資料を作成することを検討したいと考えます。その長期期間と申しますのは、一週間がいいのか三十日がいいのか、ここら辺は内部で検討したいと存じますが、世の中、国際的な趨勢等にも適合するように、そういう方向で検討をさせていただきたいと思います。
  134. 常松克安

    ○常松克安君 結構です。  二十三年度は、それは警察庁生言えばもうことごとく法律なんです。政令なんです。しかし、不思議にこの一カ所だけは、二十四時間でこう決めるぞというのは政令にないんです。でありますから、検討は、この次は政令として責任のある立場でお出し願いたい。  以上、終わり。
  135. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後零時五十一分開会
  136. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方公務員育児休業等に関する法律案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  137. 諫山博

    ○諫山博君 地方公務員育児休業制度が導入されることに私は大賛成です。ただ、法案の第一条の目的を見ると、まことにそっけない簡単な目的になっております。職員の継続的な勤務を促進する、職員福祉を増進する、行政の円滑な運営を図る、これが法律規定された目的です。これに間違いはありませんけれども、例えば人事院総裁の意見の申し出というのを見るともっと格調が高いですね。  例えば、「近年の女性の著しい社会進出、家族形態の変化、出生率の低下等に伴い、育児と仕事の両立を図る」、これが大原則にされております。この言葉は、新しい法案目的の中には書かれていませんけれども、将来この法案を運用する場合の基本的な精神でなければならないと思います。  この立場でこの法律というのは運用されていかなければならないと私は理解しますけれども、自治大臣、いかがでしょうか。
  138. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) おっしゃるように、それは社会的なコンセンサスになっておるだろうと思います。
  139. 諫山博

    ○諫山博君 私は、今度つくられる新しい育児休業制度に血を通わせるという観点から、幾つか具体的な質問を行います。  第一に、育児休業というのは労働者請求をする、地方公務員の場合は職員請求をする、任命権者承認を与える。この承認というのは、第二条では「承認しなければならない。」、こういう書き方です。つまり、育児休業というのは、例えば労働者の年次有給休暇のように請求すれば当然権利が発生するのではなくて、任命権者承認が必要だ。しかし、この承認というのは、承認しなければならないわけですから、いわば第一義的には義務的なものだ。ただ、著しくそれが困難である場合に、極めて例外的な場合に限って承認しないことがある、こういう規定になっていると思います。  つまり、承認しなければならない、これが大原則であって、承認しないというのはよほどまれな場合でなければならないと思いますけれども、どうでしょう。
  140. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 地方公務員育児休業法におきましては、ただいま御指摘のございましたように、国家公務員制度と同様に承認制度というのをとっております。民間制度の組み立て方は若干違っておりますけれども、やはり公務であるという性格、そしてまた、かなりな期間にわたって休業する、いわば職場業務執行体制にも影響があるということ、そういうことからやはり任命権者の方において判断をするという仕組みをとっておる。一方的な職員の意思表示のみで職場を離れるということではなくて、そういう意味での承認制をとっておるということでございます。  その場合に、二条三項でございますけれども、「請求をした職員業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、これを承認しなければならない。」という表現をいたしておりますが、請求を受けましたならば、その職場においでだれかかわりの者が仕事をやることがでさるかどうか、あるいはまた外部の人に頼むとか、あるいは外部の人を臨時的に任用するとかいろいろな手だてを講ずることを考えまして、それがどうしても著しく困難である、こういうような場合には別として、承認しなければならない、こういうことにいたしております。通常の場合でございますと、私どもは今、承認をしないというのは恐らく極めてまれではないかというふうに考えております。
  141. 諫山博

    ○諫山博君 承認しないのは極めてまれであるだろうと言われましたけれども、私はその答弁を聞きたかったんです。承認するのが原則だ、承認しないことがあるけれども、それは極めてまれな場合でなければならない。例えば、今かわりの職員が見当たらないから、あなたは育児休業はしばらく見合わせなさいというようなことでは困るということを要望として申し上げておきます。  次の問題です。  育児休業期間中は給与支給しないという問題があります。これは極めて不当だと思います。育児休業中であっても生活費はかかります。お子さんが新たに生まれたわけですから、通常よりか生活費は高くなります。さらに、共済掛金育児休業中であっても払わなければならない。ローンでマイホームを買っていたら支払いが大変だ。借家の場合もやはり同じことです。つまり、育児休業中であっても月々の支払いはいささかも減らない、かえってふえる傾向にある、このことを前提にしながら、私は労働省質問します。  育児休業中の労働者社会保険料労働者負担部分を事業主負担しているかどうか、この問題について労働省の婦人局の統計資料があります。これに基づいて質問します。  民間の場合ですけれども、全額事業主負担しているものが二三%、一部事業主負担しているものが一八・六%、事業主立てかえ払いをして、復職後労働者から徴収しているものが二九・六%、事業主が全く負担していないものが二八・八%。つまり、民間では七割以上の企業で何らかの形で事業主社会保険料労働者負担分を払っている、こういう数字が出ていると思いますけれども、間違いありませんか。
  142. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) 先生御指摘いただきましたように、私どもが昭和六十二年度に実施いたしました結果でございますが、その時点で規模三十人以上の企業育児休業制度が導入されているのは一九・二%ということで、二割を切っているという状況でございます。その導入されている企業実態調査いたしましたわけでございますが、労働者負担分全額事業主負担しているというのが二三%、それから一部事業主負担というのが一八・六%、おっしゃるとおりでございます。私どもとしては、一応この二つを事業主が何らかの形で負担をしているというふうに考えております。まあ四割ということになるかと思います。  それからその次に、二九・六%立てかえ払いというのがございますが、これは復職後労働者から徴収するという形になりますので、結局は労働者負担するということになっているかと思っております。
  143. 諫山博

    ○諫山博君 事業主労働者立てかえて社会保険料を支払う、職場復帰した後でこれを徴収するという例も割合多いようですけれども、そういうことが一切行われていないのは三割未満だということは今の御説明でわかりました。  そこでもう一つは、社会保険料事業主負担しているかしていないか、これによって育児休業取得率が相当違っています。例えば、社会保険料事業主全額負担している企業では、育児休業取得率は五六・五%だ。一部負担している企業では三七%だ。事業主が全額立てかえ払いをして後で労働者から徴収している企業では四八%。ところが、事業主が全く負担していない企業では育児休業取得率はわずかに三〇%。こういう数字労働省から発表されていると思いますけれども、どうですか。
  144. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) 同じく昭和六十二年度に実施いたしました調査結果でございます。  先生おっしゃいましたように、事業主全額負担しているのは五六%ということでございますが、事業主が一部負担しているのが三七・四%ということで、この調査結果の取得率平均というのが四三・二%でございます。一部負担している事業所では、この四三・二%という平均取得率を下回っているという結果が出ております。  そんなことから考えまして、私どもとしましては、この結果だけでは、事業主が何らかの形で負担しているがゆえに取得率が高くなるという因果関係は明確に断定することはできないのではないかと考えているところでございます。
  145. 諫山博

    ○諫山博君 この数字の価値判断は我々がします。あなたに希望したいのは、数字を教えてもらいたいことです。  いずれにしても、事業主負担しているところは、因果関係がどうか知りませんけれども、育児休業の消化率は高い。負担していないところは消化率は低い。この数字には間違いないでしょう。  価値判断は我々がします。
  146. 藤井龍子

    説明員藤井龍子君) 繰り返して申し上げます。  事業主全額負担しているところは五六・〇%、事業主が一部負担しているところは三七・四%、休業中は立てかえるが彼ほど徴収するという労働者負担というところが四七・八%、事業主負担していないというのが三〇・一%ということでございます。
  147. 諫山博

    ○諫山博君 私の最初に指摘した数字に誤りはなかったわけです。  そこで、自治省にお聞きしますけれども、なぜこんな質問をしたかというと、育児休業制度はつくられても、労働者育児休業がとれるような環境になければ実際は育児休業はとっていない、このことを指摘したかったわけです。とにかく育児休業制度はつくられた、しかし事業主負担はない、こういうところではせっかく制度があるのにこれを利用しているのは三〇%だというのが労働省資料にあらわれております。  この有給というのは、おそらく自治省でも苦労された問題だろうと思います。しかし、民間企業の多くではもう育児休業制度が導入され、有給扱いにされております。本来なら、国家公務員もこれに倣って、全く無給というんじゃなくて、もっと違った扱いをしなければならなかったんだと思います。自治省にしますと、国家公務員に右へ倣えというようなことを言われますから、なかなか立法では私は苦労されたところだと思います。  ただ、国家公務員地方公務員と違うのは、自治体でさまざまな条件の違いがある、自治体はさまざまな工夫を凝らしている、当然そういうことが起こり得ますけれども、そういう問題を封殺するような立法の仕方というのはどうも問題ではないのか。国家公務員だったら自治体固有の問題というのは出てきませんけれども、地方公務員法がこの面で国家公務員法に右へ倣えというのでは余りに芸がないなどいう感じを持ちます。しかし、これは今法律がつくられようとしているばかりですから、自治省としてはなかなか説明しにくい問題だと思います。  ただ、有給扱いにする場合と無給扱いにする場合と育児休業の利用率が違う、この問題は民間であろうと地方公務員であろうと同じではなかろうかと思いますけれども、どう思いますか。
  148. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 育児休業給支給される場合されない場合、それはどうなるかということは、地方公務員につきましては、仮定の話でございますけれども、ただ、今回こうして御審議をいただきます育児休業法が成立をいたしますと、一般の地方公務員についても安定した育児休業というのができるようになるわけでございまして、育児休業をしながら職を保有することができる、こういうことになりますので、その意義は大変大きなものがあるのでないかと存じます。  その間の育児休業給といったような給与をどうするかという問題は、この制度を組み立てる場合の重要な論点の一つであろうと存じます。これもたびたび申し上げておりますので繰り返しは省きますけれども、民間状況、これは今具体的な数字について御指摘もございましたが、私ども伺っておりますのでは、労働省調査では、育児休業という制度を設けているのが二割弱、その中で何割がといった企業育児休業について給与支給等を行っている、こういうことでございます。やはりそういったことを踏まえてだと思いますけれども、人事院におかれては、民間状況等を勘案して、育児休業期間給与支給しない、こういうことを御意見として出された。それを踏まえまして、国家公務員地方公務員制度ができているわけでございます。  これからどういうふうになってくるか。きょう午前中の御審議の中でも人事院からたびたび御答弁がございましたが、民間における状況等を把握しながら人事院としての適切な判断もされるという、そういうことも将来にわたってはあり得るのではないかと存じます。
  149. 諫山博

    ○諫山博君 地方公務員であっても、学校の女子の先生、それから病院の看護婦さんあるいは福祉施設の保母さん、こういう人には今育児休業制度があるはずです。そして、何らかの給与が払われていると思います。この払われている率は職種ごとに掌握されていますか。
  150. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 現在の制度では、いわゆる特定三職種女子職員につきまして、育児休業をやった場合に共済掛金相当額を育児休業給として支給しているわけでございますので、払われている率というのは、言いかえますと育児休業制度の適用を受けている人の数、こういうことになるのではないかと思います。このような意味合いで申しますと、特定三職種合わせまして、全体としては約八割の職員育児休業の適用を受けております。
  151. 諫山博

    ○諫山博君 私の調査によれば、平成三年度の取得率教員で八三・八%、保母さんで七八・九%、看護婦さんで六〇・八% そうなっているんじゃないですか。
  152. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 平成元年度の資料を私どもは手元に持っておりますけれども、それで申し上げますと、全体としては私は先ほどおおよそ八割と申しましたが、細かく申し上げますと、全体として育児休業の適用を受けている人の割合が八三・八、そして義務教育諸学校等におきましてはそのうち九〇・〇、医療施設におきましては六〇・八、社会福祉施設等におきましては七八・九というようになっております。
  153. 諫山博

    ○諫山博君 簡単に言うと、三職種の中で取得率が一番高いのは学校の先生、その次が保母さん、一番低いのは看護婦さん、こうなりますね。なぜこうなっているかということを自治省は検討しておりますか。  この人たちにはささやかながら何らかの給与が払われるわけです、社会保険の掛金は使用者が負担する。ところが、せっかく権利があってもこの権利が行使されていない。看護婦さんの場合にはわずか六〇%しかこの権利を行使していない。この事態を深刻に考えて打開しようとしなければ、せっかく育児休業制度がつくられても、仏つくって魂入れずという言葉が午前中出ましたけれども、まさにそういうことになるわけです。  私は、一つはかわりの人がなか店か獲得しにくいという問題と関係があると思います。看護婦さんの大変な不足の状態というのは、もう社会問題です。看護婦の不足を反映して、看護婦さんの育児休業取得率というのはわずかに六〇%、こういう状況になっているとは思いませんか。
  154. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 看護婦さんということになろうと思いますけれども、医療施設における育児休業の適用を受けている方の割合というのは確かに三つの中では最も低くなっております。それが看護婦さんの不足ということでストレートにこの数字になっているのかどうなのかということは、若干のさらにケース・バイ・ケースということもあるかもしれませんが、しかしともかくきょう午前中の御質疑の中でもございましたように、看護婦さんの不足という問題は育児休業にとっても大きな関係のある問題であろうと思います。  また同時に、看護婦さんの問題というのは育児休業のためだけじゃなくて、それ自体としての大きな問題でもあろうと思います。これについては所管をしておられます厚生省においても前々から努力をしておられるというふうに伺っておりますけれども、私どももその重ねての御努力をお願いしながら、私どもの立場でどういうことができるのか、もしできることがあるんでしたら、我々としてもできる限りの配慮をしていかなきゃならぬだろう、こういうふうに思っております。
  155. 諫山博

    ○諫山博君 自治大臣に今の問題を私からもう一遍質問します。  とにかく自治省所管の三職種については、現在有給による育児休業制度があるんですよ。ところが、その消化率は全体として八割程度看護婦さんに至っては四割の人がこの制度を利用していない。この問題を本気で解決しようとしない限り、無給扱いの地方公務員育児休業がどの程度活用されるかというのは大いに疑問じゃないでしょうか。  私は、全体として看護婦さん不足で、これを埋めるのは大変だということはわかります。ただ、この法案を読んで私が一番感じるのは、育児休業をとる場合には、職場の中でやりくりをしなさい、職場の中でやりくりをすることが困難である場合に育児休業は与えないことがあり得るという仕組みになっているんですね。やはり、育児休業制度が導入されれば、それだけ職員の数をふやさなければだめですよ。職員の数をふやそうとせずに職場内でやりくりをする、あるいは臨時職員で一時的な穴埋めをする、これではせっかくの制度が生かされてこないのではないかということを私は憂慮しております。  大臣、どうお考えですか。
  156. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 特定三業種の職務方々と今度の一般職公務員との扱いにつきまして、法が制定されました趣旨は、その当時を振り返ってみますと、若干違うと思うんです。というのは、特定三職種方々は、要するに人材確保ということに重点を置いて育児休業制をとにかく導入をさそう、こういうことで発足したと思うんです。今回のこの育児休業の方は、継続した勤務が可能になるようにしようということが大きいねらいであった。  私は、今回の法案によって社会全体が大きくやっぱり前進したと思いますよ。育児ということについてはみんな社会の責任だということ、前進だと思います。  今、諌山さんの質問を聞いていましたら、何か権利としてとったんだからこれを使いやすくどうするんだこうするんだという話ですが、それはそうでしょう。私は、一方から見たらそういうことも言えると思うんです。しかしながら、世の中には公務員だけが国民ではありませんよ。だって、国民というのはいろいろあるんですよ。そういう人たちは保障も何にもなしで自分の責任で育児をしていかなきゃならぬ人もあるんですよ。そういうことで均衡を考えてみますと、やっぱり民間と官とは相協力してやっていかなきゃならぬ、私はそう思います。  ですから、民間の方でもだんだんとそういうふうになっていくと私は思うんですよ。それにはやっぱり時間をかけていかなきゃならぬ。それを早く誘導していくというのが我々の仕事だと思いますよ。だけれども、一遍にそこまでも何もかも全部満点でスタートしろと言ったってなかなかできにくいから、とりあえずこうして一応育児休業制というものを発足させて、そしてだんだんとそういう保障も考えていかなきゃならぬ。衆議院の附帯決議でも出ておるのは、各政党が協議された趣旨はそこにあったと私は思っておりますので、発足はさせてください、そして、だんだんとそういうものを充実するように努力していきますから。
  157. 諫山博

    ○諫山博君 初めに申し上げましたように、私はこの制度が導入されることには大賛成です。ただ、せっかく導入されるのであれば、みんなが喜んで活用するような制度にしてもらいたいというのが私の願いなんです。現に三業種についてこういう制度がつくられている。しかも、これは一般の公務員と違って、ささやかではあっても有給扱いにされている。それでも消化率は低いという問題を自治省は考えていただきたい。一般公務員の場合は無給扱いですから、消化率はもっと低くなるのではなかろうか。そうなったらせっかくの制度が生かされないのではないかということを申し上げたわけです。  次に、この法案をめぐって私のところにさまざまな要請が来ます。電報も参ります。その中で、職場の中に差別を持ち込まないようにしてほしい、こういう声があるんですよ。  具体的には、学校の職場で教師は有給扱いにされるのに事務職員無給、病院では看護婦有給なのに事務職員無給福祉施設では保母さんは有給なのにその他の職員無給、これでは職場に差別を持ち込むことになるではないかという声がたくさん私のところに寄せられております。  大臣も言われましたように、これは長い歴史的な経過があります。そのことは私も承知しております。ただ、人材確保というようなことで言われますと、この三業種以外の職の人は、おれたちは余り必要のない人材なのかということにもなりかねませんよ。  ですから、私は、こういう差別を職場に持ち込まないでほしいというのは、現時点では非常に合理性のある要求だと思いますから、ぜひ自治省で御検討いただきたいということを要望いたします。どうでしょう。
  158. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) それは、私も先ほど答弁の中で、諌山さん、そう教条的に物を考えたらいかぬと思いますよ。だって、この三職種、発足しました当時を見ていただいたら、あなたも委員で出ておられたと思うのでよくわかっておると思うんですよね。ですから、私たちは何も区別、差別する、そんなつもりはありません。けれども、その三職種の人力の持っておられる既存の権利というものはやっぱり保障してあげなきゃいかぬでしょう。これをあしたからかみそりで切ったように、もうだめなんだというわけにいかない。だから、保障はしましょう。しかし、その保障を一つの目標にして今後我々もそれに続こう。それで、そういうふうになるように努力をしようということを言っているんです。  ですから、とりあえず、三職種の人でも暫定的にと書いてあると思うんですが、暫定的に現在のような状態でいこうということなんですね。ですから、そこにできるだけ早くみんなが到達するように努力しようということ、そこはひとつ善意に解釈して見ていただくどいうことだと思います。
  159. 諫山博

    ○諫山博君 私が三職種の問題を取り上げたのは、有給扱いにしている人を無給にしてバランスをとれというようなことは、私は口が裂けても言えません。そうじゃなくて、やはり現に有給の人がいるわけだから、その点は十分考慮した上でそれ以外の人の問題を考えていただきたいということであって、これが教条的だと言われると、大体教条主義というのは何だろうかという議論に入らざるを得ません。  最後に一問だけ。この法律の第四条は、職場復帰の原則を規定しております。これは現行三職種育児休業法第六条の休業期間中は「その身分を保有するが、職務に従事しない。」、この言葉と同じ意味だと理解したいんですけれども、それでいいでしょうか。違った意味でしょうか。
  160. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 地方公務員育児休業法におきましては、国家公務員育児休業法と今御指摘のありました「職を保有する」、「身分を保有する」、こういうところで表現の違いがございます。ただ、これは実質的な内容というのは相違はないものと私ども考えております。  そういう違いをすることにいたしましたのは、これは実はこれまでの立法例にもございまして、いわゆる派遣法といったような法律がございますけれども、その中にも地方公務員につきましては職を保有し云々というように表現しております。もともと地方公務員法上は、ある人を職に充てる、そういう形をとることによって地方公務員として任用する、そういったような考え方をとられておりますので、そういう表現を地方公務員につきましてはとっておりますけれども、実質的な内容におきましては国家公務員と相違はないというように考えております。
  161. 諫山博

    ○諫山博君 次に、別な問題です。行政局長は来ておられますか。  全日本教職員組合協議会、全教という労働組合があります。ことしの七月二十三日から二十五日まで三鷹市の公会堂ホールで第二回定期大会を開きました。六月一日に三鷹市は使用承認をしました。七月九日に使用承認を取り消しました。そこで、全教は使用承認取り消しは違法だということで東京地方裁判所に違法な行政処分の執行停止の申し立てを行いました。七月十五日に執行停止の決定が出ています。そういう事件がありましたか。あったかどうかだけでいいです。
  162. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) そのようなことを承知しております。
  163. 諫山博

    ○諫山博君 昨年、京都教職員組合が京都府勤労会館で全国教研集会を行いました。平成元年十二月八日に使用承認が行われております。翌年二月二日に使用承認の取り消しかありました。そこで、京都教職員組合は、この取り消しは違法だというので裁判の申し立てをして、昨年二月二十日、使用承認取り消しの効力を停止するという決定が出されました。京都地方裁判所です。そういう事件があったことは間違いありませんか。
  164. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) そういう事例があったことは承知しております。
  165. 諫山博

    ○諫山博君 同じような問題で、昨年二月十九日、岡山地方裁判所で執行停止の決定がありました。御存じですか。
  166. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 昨年二月十九日の岡山地裁の件も承知しております。
  167. 諫山博

    ○諫山博君 昨年七月十七日に大阪の岸和田市民会館で全教の第二回大会が行われました。七月二日に使用許可が出ています。七月六日に使用料を納付しました。七月七日にその使用許可が取り消されました。これも大阪の地方裁判所で取り消し処分は違法という決定が出されましたけれども、御存じですか。
  168. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) お示しのうちの日付の細かい点は承知しておりませんけれども、概要承知しております。
  169. 諫山博

    ○諫山博君 地方公共団体が所有、管理している公共物については、地方自治法に使用許可の根拠が規定されております。正当な理由がなければ使用を拒んではならない。使用を許可する場合に差別的な扱いをしてはならない、これは地方自治法の規定です。ところが、私が読み上げたようにごく短期間に次々に地方自治体の決定が違法だとして裁判所で執行停止になっている。極めて重大です。この種の決定というのは、恐らく日本全体で数十に余るだろうと思います。  私自身も、議員になる前に、福団地方裁判所で同じような裁判を担当したことがあります。今井正のつくった「橋のない川」の映画を上映しようとしたところが、部落解放同盟が差別映画だというので妨害いたしました。福岡市は、会場使用の許可を取り消しました。ところが、裁判所はその取り消し処分は違法だという決定をしています。もうこの決定は日本じゅうの裁判所で定着したと思います。  全国何十というところで今私が指摘したような事例が起きていることを自治省は知っていますか。
  170. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 私どもは、公の施設の利用の決定なりその許可なり、その取り消しなりのすべてを承知しているわけではございません。これをめぐる裁判例についてもすべてを承知しているわけではございません。  今お示しになりました事例は、あるいは取り消し処分を取り消すべきとしたもの、あるいはその執行の停止であるとか、効力の停止とかという事案でございますけれども、数はいろいろございますけれども、その地方公共団体が行った使用許可の取り消し処分を違法としたものもございますし、反対に取り消し処分を適法としたものもございます。また、その使用許可の取り消し処分の効力停止を認めたもの、これを認めなかったもの、いろいろございまして、いずれにしても、それぞれ個々具体の事情を勘案して判断が下されたものと承知しております。
  171. 諫山博

    ○諫山博君 今のは公平な答弁ではありませんよ。会場問題では、例えば極左暴力集団が争っているような事件もあります。あるいは同じ会場で対立するグループが一緒に許可申請をしているというような事例もあります。しかし、私が述べたような典型的な事例では、すべての裁判所が使用取り消しは違法だという決定をしています。  そこで、警察庁長官にお聞きします。  三鷹市の公会堂で三鷹市がなぜ一たん使用を認めていたのを取り消したかといいますと、全教に対して右翼は反対をしている。さまざまな妨害行動を行う。右翼の妨害行動によって市民の平穏な生活が妨害されるおそれがある、交通が阻害されるおそれがある、公会堂の管理上支障がある、この三つが原因で取り消しました。裁判所は、そんなことは取り消しの理由にはならないと言っているわけですけれども、本来、こういう問題を取り締まるのは警察の仕事ではなかろうか、日本の警察はあの暴れ回っている右翼を取り締まることができないほど無力なのだろうかということを長官にお聞きします。
  172. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 私どもは、どんな場合でありましても違法状態があるものは看過しないで厳正な取り締まりを行うというのが基本方針であります。  今お話しの右翼の問題でございますけれども、御存じのとおり、右翼の騒音に対する法的規制というのは残念ながら不十分であります。しかし、与えられた条件のもとで我々は今日まで全力を尽くしてきたつもりでございますし、今後とも厳正に対処していきたい、かように考えております。
  173. 諫山博

    ○諫山博君 さっき私が挙げた岸和田市民会館の会場使用問題で、大阪地方裁判所は次のように言っています。妨害行為が予想される場合に、「妨害行為に対しては、警察当局の適切な警備が行わるべき」である。これは当たり前だと思いますけれども、妨害行為が予想されるその場合には妨害行為を未然に排除する、まさにこれは警察の仕事だと。  警察の職務の中には、犯人を捕まえることだけではなくて、犯罪の予防、鎮圧があるはずですから、この大阪地裁の決定をどう読まれますか。
  174. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 妨害行為があれはこれを排除するというのは、当然のことだと思います。ただ、先ほども申しましたように、妨害にもいろいろあるわけでございまして、妨害のやり方が例えば騒音であるということになりますとなかなかこれに対処する法律がないという悩みがあるわけでございます。しかし与えられた条件のもとで我々は全力を尽くしていくということをやっておるわけでございます。
  175. 諫山博

    ○諫山博君 与えられた条件のもとでということを長官は言われました。私は、これは非常に大事なことだと思います。法律をつくるのは立法機関の仕事ですよ。警察の任務は与えられた法律のもとで治安を維持する、これが任務です。ですから、与えられた条件のもとで予想される犯罪は鎮圧するというのが警察の立場じゃなければならないし、恐らくそういう立場で今日までこられたと思います。  そこで、三鷹市の会場使用の問題ですけれども、この問題では全教あるいは全教の弁護団と警察との間でしばしば話し合い、協議が行われているはずですけれども、その経過と協議の結果はどうなったのか、御説明ください。
  176. 吉野準

    政府委員(吉野準君) 三鷹市のいわゆる全教の定期大会につきましては、本年七月に行われたわけでございますが、お話のように、右翼による街頭宣伝活動等の反対活動が予想されたことから、警視庁では施設管理者である三鷹市とそれから三鷹市公会堂、これに対しまして、過去いろいろ例がございますので右翼の活動の概要を御説明するとともに、警察としても警備上最大の努力をいたしますが、施設の管理者側としてもいろいろやっていただきたいことがございますということでたびたびお話し合いをいたしておるところでございます。
  177. 諫山博

    ○諫山博君 そうすると、予想されるような妨害行為は警察力で排除できるという結論になりましたか。
  178. 吉野準

    政府委員(吉野準君) それは事案にもよると思います。典型的なものは、街頭宣伝車で遠くから音を立ててやってきまして会場の近くに停滞をいたします。こういうものは早く発見できますので、遠くで規制をするということは可能でございます。  ただ、過去の例を見てわかるんでございますが、いわばゲリラ的に一般市民を装って近づいてまいりまして、石を投げたり、あるいは会場に突入したり、甚だしいのはけん銃を持って乱入するというような者もございます。こういうのは、最大限の努力はいたしますけれども、必ずしも警察だけでは万全を期するわけにまいりませんので、どうしても主催者側なり施設の管理者側なりの協力が必要だということでございます。     —————————————
  179. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、土屋義彦君が委員辞任され、その補欠として関根則之君が選任されました。     —————————————
  180. 諫山博

    ○諫山博君 自治省にもう一遍聞きます。  広島地方裁判所が広島市公会堂の使用について次のような判断を示しました、「行政行為の撤回には重大な制限がある」。私はこの点を調べておいてくれと要求しておりましたけれども、広島地裁がそういう決定をしたことは間違いありませんか。
  181. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 昭和四十四年九月の件でございましょうか。
  182. 諫山博

    ○諫山博君 はい。今の指摘の言葉があるかどうかだけで結構です。もう一遍言いますと、「行政行為の撤回には重大な制限がある」。
  183. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 私の手元にある資料にはそのくだりがたまたま載っておりません。
  184. 諫山博

    ○諫山博君 後でよく見てください。当たり前のことですけれども、一たん会場の使用を認めたら勝手にその使用を取り消してはなりませんという言葉です。  さっき私が挙げた平成二年二月二十日の京都地裁の決定は、次のように言っております。「反対勢力ないし団体の妨害行為を規制することの困難や、そのための出費を理由として使用承認を取消してはならない」、「右翼などの妨害行為を理由に、集会の制限をすることは許されない」、こういう説明があるのは御存じですか。
  185. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 京都地裁の効力停止の決定の際の表現にはこのようにございます。「国又は地方公共団体は、反対勢力による違法な実力行使を規制し、治安を維持して、集会、言論が平穏裡に行われるようにすることが、その責務であり、被告の主張する事由は地方自治法第二百四十四条の「正当な理由」に当たらない。」としております。
  186. 諫山博

    ○諫山博君 私が読み上げたとおりの決定が裁判所の判決で出ていますから、後で読んでおいてください。  もう一つ紹介します。岡山地方裁判所の平成二年二月十九日の決定。「混乱などを根拠に一旦なされた使用許可等を取消して会場使用を認めないときは、時には、違法な妨害行為を助長する結果につながる」、「混乱や影響は、基本的には適切な警察力の行使などによって防ぐべきものである」、こういう決定です。つまり、一たん会場の使用を認めていながら右翼が妨害するからといってその使用を取り消すというようなことをすれば、妨害行為を助長することになりかねない、こう言っているんですよ。  この問題についてどう思いますか。勝手に取り消せば右翼は増長するでしょう、妨害行為が助長されるでしょう。そのことを裁判所は指摘したんです。
  187. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 行政行為の取り消しについては慎重であらねばならないというのは、御指摘のとおりでございます。ただ、初めの処分を行った時点では予想されないような事態がその後具体的に生じたような場合には、そういう場合もあり得るのではないかと一般論としては考えます。  なお、ただいま御指摘の判決等は、混乱とか影響とかというものは基本的には警察力の行使等によって防ぐべきであって、それはそのことをもって使用許可を撤回すべき正当な事由には当たらない、こういうふうな例でお示しになったわけでございますけれども、中身は、それは警察の問題であるからというだけではなくて、具体的な混乱の生ずる蓋然性について検討をいたしまして、その蓋然性が乏しい、よってその取り消し処分は認められない、このような趣旨に出るものもございます。
  188. 諫山博

    ○諫山博君 また、警察の問題に戻りますけれども、労働組合とか民主団体が集会を開こうとする、右翼やその他の団体がこれを妨害する、そのために会場の使用ができなくなる、これは言論の自由にとってゆゆしい事態ですよ。そういう状態が起こらないようにするのが警察の仕事だと私は思います。この裁判でも、妨害行為に対しては、警察当局の適切な警備が行われるべきである、こう言われているわけですけれども、私は将来どういう問題が起ころうとも、一たん認めた使用許可を暴力団が怖いからといって取り消す、法治国にあるまじきことです。こういうことは警察として許さないというぐらいのことが言えませんか。
  189. 吉野準

    政府委員(吉野準君) 言うまでもないことでありますけれども、自由で民主的な社会の根幹的な価値というのは、結社の自由であり、集会の自由であり、言論の自由であるということは私ども重々承知しておりまして、そういう価値を守るために私どもは日夜努力しているつもりでございます。  そういう観点から、先ほど長官からも御答弁をいたしましたように、違法な行為は一切許さないという強い決意を持っておりまして、そのときどきの情勢にもよりますけれども、強い決意を持って取り締まりに当たっているということをひとつ御理解いただきたいと思います。
  190. 諫山博

    ○諫山博君 右翼の妄動を警察力で事前に抑止できますか。あるいは、抑止すると決意の表明をしてください。
  191. 吉野準

    政府委員(吉野準君) 妄動とおっしゃいましたが、その中身が問題でございまして、ここで私が言うのも口幅ったいのでございますが、日本は法治国家でございまして、法令に触れるものは、これはぴしぴし取り締まるということでございまして、法令にないものは取り締まれないということでございます。ここが私どもの非常に苦心の要るところでございまして、法令に違反するものはどんどん取り締まっていくということの決意を申し上げたいと思います。
  192. 諫山博

    ○諫山博君 長官に聞きますけれども、与えられた条件のもとで、今の右翼の違法なやり方を私は事前にチェックできなければならないと思います。その点はできるんじゃないですか、警察で。できませんか。ある場所で右翼の気に食わない集会が計画される。妨害しますよ。これを抑えつけるのは警察の仕事ではないか。そのくらいの力を警察は持っているのではないかということです。
  193. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 何遍も申し上げますけれども、やはり与えられた権限が十分でなければ、なかなか十分な対応ができないのも事実でございまして、私どもは与えられた機能のもとで努力をしておるわけでございます。右翼のいろいろな妨害行為、特にいろいろ騒音の問題が出るわけでございますけれども、騒音の問題というのは非常にやりにくい状況にあることも御承知おきをいただきたい。県によりましては御存じのとおり、なかなかうまくいかないということで暴騒音条例というようなものをこしらえて、それで対処しているというところもあるわけでございまして、条例のないところでは大変な苦労が伴う。しかし、苦労は伴いますけれども、できる範囲で私どもはしっかりやってまいりたい、かように考えております。
  194. 諫山博

    ○諫山博君 最後にもう一つだけ事件を紹介します。  大阪で部落問題に関しまして、矢田事件というのが起こりました。日本共産党大阪府委員会が会場使用の許可申請をして、それが認められました。ところが、部落解放同盟の妨害によってその使用許可は取り消されました。その問題で損害賠償請求の訴訟が起こされて、一審の裁判所は二十万円の賠償を命じる、高等裁判所も同じ、最高裁判所も同じ、こうしてこの判決は確定いたしました。これまでに私が紹介したのは、会場使用の取り消しをしたのは違法だから会場を使用させなさいという判決です。これは、会場使用を認めなかったことは損害賠償に値するというので、最高裁判所までいって損害賠償が払わされております。  この中で注目すべきは、大阪市の最高裁判所に提出した上告理由書です。最高裁判所に対して、次のような申し出をしています。本件集会は、部落解放同盟の解放運動の進め方や、大阪市の同和行政に対する批判を含むものである。市民の同和問題に対する理解と認識を誤らせ、同和行政の推進を著しく阻害するおそれがあったので、使用拒否をしたのは正当な理由に当たる。大阪市はこういう上告の理由を書きました。ところが、最高裁判所はこれを取り上げませんでした。  つまり、大阪市の言うのは、この集会というのは大阪市の同和行政の方針に反する、認めないのは正当だという言い方をしたはずですけれども、最高裁判所はこれを一蹴した。そういう判決が出ていることを行政局は御存じですか。
  195. 紀内隆宏

    政府委員(紀内隆宏君) 申しわけありません。私の手元にございますのは、同じ矢田事件をめぐりまして使用許可取り消し処分を違法とする事例のみでございます。
  196. 諫山博

    ○諫山博君 使用許可処分の取り消しも違法とされました。ただ、日本共産党大阪府委員会はそれだけで納得せずに、この違法行為は容認できないといって損害賠償の請求を起こしたわけです。そして大阪市が負けたんですよ。その中で、今私が言ったように、自分の気に食わない集会だからといって使用許可を取り消してはならないと言っている。  私は、これほど全国でさまざまな問題が発生して絶えず自治体側が批判されておりますから、もっと自治省で根本的にこの問題を研究して、こういう誤りが繰り返されないように指導することを要望いたします。  そこで、もう一遍警察庁長官。全日本教職員組合協議会、いわゆる全教が来年一月に和歌山市で教研集会を開きます。もう既に早くから右翼が車を走らせて教研集会粉砕を呼びかけております。この教研集会が妨害なしに実行されるかどうかというのは、私は日本の民主主義が試される試金石だと思います。もう右翼は集会粉砕を唱えておるわけです。これを事前に阻止するというのは、一つは自治体当局の毅然たる態度です。もう一つは警察力が自治体を支援するということです。日本のような法治国で公然と右翼が暴れ回っている、そのために教研集会が開けないということになれば、これは民主国家の名前に値しませんよ。これは日本の恥ですよ。  私は、自治大臣が、こういう問題に対して自治体は毅然として取り組んでいただきたいという決意を表明されると同時に、警察庁長官が、来年予定されている教研集会を右翼の妨害のために流会に終わらせるようなことはさせません、そのくらいの態度をこの場で表明してもらいたいと思います。どうでしょうか。
  197. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 警察は、いかなる場合におきましても、違法行為があれば厳正に対処していくということで臨みたい、こう思います。
  198. 諫山博

    ○諫山博君 違法行為があればというのは、現に違法行為が行われたばかりではなくて、やはり犯罪の予防、鎮圧の責任が警察にはあるでしょう。事後追及だけではなくて、違法行為が行われないように処理するのも警察の任務だと思いますから、その観点で対処していただきたいという希望です。
  199. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 未然防止につきましては、やはり権限上いろいろ問題がありますけれども、できる範囲で努力をいたします。
  200. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) お尋ねの件、いろいろ私もお聞きいたしましたが、いずれもこれは当該自治体のいわば判断にゆだねるということでございます。ただ、自治省としては、そういう施設を賃貸するのにひとつ公平な扱いをしろということと、それから賃貸するときには十分な事情をしんしゃくした上で決定して、余り御迷惑をかけないようにするというような契約の仕方、そういうようなものについて折に触れて指導するようにいたしたいと思います。
  201. 諫山博

    ○諫山博君 終わります。
  202. 星川保松

    ○星川保松君 私は、この育児休業法については賛成であります。いろいろ中身については不十分なところは多いと思いますけれども、まずこういう法律をつくって、それで施行した後でいろいろと不備な点はまた見直していくというふうにしていったらいい、こう思っておるところでございます。  そこで、自治大臣お尋ねをしたいのでありますが、今我が国にとって二十一世紀の日本がどういう日本になるか、その最も基本にあるのは、私は人口問題ではないかと思います。今、生まれて育った人が二十一世紀を背負っていくわけでありますから、今のうちに、二十一世紀という日本の社会が健全であるために、健全な人口構成をもってやっていけるような状態にしなければならないというのは、極めて大きな、大げさに言えば今世紀における我々政治をやる者にとって最大の課題である、こういうふうに思っておるわけでございます。  それで、今のような出生率でいきまして、だんだん生まれるお子さんが減っていくということになれば、まずさしあたりは、いわゆる高齢化というものがますますひどくなってまいりますし、高齢化によって社会が活力を失っていくということも言われております。それからまた、若い労働力がだんだんなくなっていくということにもなるわけでありまして、極めて重要な問題なわけでございます。そういうことを考えますと、いかにして子供さんを産みやすく、そして育てやすい環境を今つくるかということは、極めて重要な政治課題なわけでございます。私は、この育児休業法というものもそういう中の一つの施策としてとらえていかなければいけないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。  この育児休業法目的のところを見ますと、これは労働福祉政策の一つとして打ち出されておるようでありますけれども、日本の出生率を高めて二十一世紀に健全な日本社会をつくる施策というのは、これは雇用労働者のみならず、先ほどから大臣もおっしゃっているように、自営業の一般家庭の皆さんも同じなわけでありまして、一般家庭の自営業の皆さん、それから働く皆さん、その中に民間で働く皆さん、そして公務員として働く人々、こういうふうにありますけれども、総括して、これはやはり同じ大きな日本の次の世紀に向かっての社会政策の中でそういう分野があるんだ。その中の一つとして、私どもは地方公務員という分野における子供さんを産みやすい、育てやすい環境をつくるんだという、そういう大きな見地に立って今回の育児休業法というものも考えていかなければならない、こう思っておりますが、大臣はこれについてどのようにお考えでしょうか。
  203. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 私も、もう全く星川さんのおっしゃることと同じ考えでございまして、私も衆議院審議のときにも委員会でそのことを強く訴えました。現在、出生率は憂慮される状況でございまして、一・五七になっておったのがこれは平成二年度では一・五三に下がってしまったのでございます。今豊かな社会になったとはいえ、子供に対する認識というものは残念ながら若干変わってきているんじゃないかと思っておりますので、私は、そういう子供に対するいわば愛情と十分に自分らの生活も保障しながら育児ができるというためには、一つの方法としてこの育児休業というのは非常に大きい効果をもたらすと思っています。  ただ、この休暇の制度だけで育児政策というものが完結するものじゃございませんけれども、その一つの大きい踏み出しになったと思って期待をしておりまして、この法案の成立と同時に、夫婦が相ともに安心して子供を育てていけるように、そしてできるだけ出生率を高めていただくように私たちは大きい期待をこの法案にかけておるということを表明いたしたいと思います。
  204. 星川保松

    ○星川保松君 そういうお考え、私も全く同感でありますが、そういう見地からこの育児休業法を見た場合に、皆さんから指摘されておりますように、何といっても休業中の賃金がない、何の支払いもない、何の所得もないというところが一番やはり問題ではないか、こう思うわけです。  そういたしますと、いわゆるノーワーク・ノーペイという言葉がこの育児休業法をめぐって私はにわかに浮上してきたように感じておるのでありますけれども、ノーワーク・ノーペイという言葉は、全く資本主義の初期の段階の用語ではないかという気がしてならないわけですね。今までも、例えば有給休暇というのがあるわけです。これは、ノーワークでペイするわけですよ。それから、いわゆる休業給という言葉もずっと使われてきております。これもノーワークで、ノーペイじゃなくてペイがあるわけです。  ですから、そういうノーワーク・ノーペイという時代からもう既にはるかに遠ざかって、それで社会全体の政策として諸問題が考えられるということの中でこの育児休業法が出てきたのに、またずっともとに戻って、古い言葉のノーワーク・ノーペイという言葉が今盛んに使われているのは、私はこれはいかがかな、こう思うんですが、この点については大臣はどのようにお考えですか。
  205. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) それは、私が先ほども申しておりますように、でき得ればできるだけ早い時期に何らかの休業中の保障のようなものを設定すべきである、そういう方向に向かっていくべきだということは言っておるんです。今急にそれはなかなか、財政上の問題、あるいは民間方々に対する配慮をどうするかということ等もございますので、いましばらくはこのままで、ノーワーク・ノーペイという状況で進行させてもらいたい、こういうことなんです。  しかし、考えてみますと、育児休暇は保障されておるんですね。これは休業でございますから、育児休暇は保障されておるんです。そういうこともあって、育児に対して全くゼロの対策だとは私は思わない。だから、育児休業の日数をどうとっていくかということも今後の一つ検討課題になってくるんじゃなかろうかと思うたりもしますし、あるいはまた、休業中における保障制度というものを新たに財源的にどうするか、あるいは税制上どうするかと、いろんな面からも考えられると思うのでございまして、これはできるだけ早く結論を出すべきでありましょうけれども、いろんな諸条件を勘案して検討を続けていきたい、こういうことでございます。
  206. 星川保松

    ○星川保松君 そういうことで、この第四条二項の育児休業をしている期間給与支給しないというのがいわゆるノーワーク・ノーペイの原則だというふうにとらえるというのは余り賢明ではないのではないか、こう私は思います。  これは、いわゆる民間準拠で手直しをしていくということも考えられておるわけでありますから、この四条二項というのは当分の間というのが本当はこの前につくんだけれども、それが省略されておるんだというふうに考えてよろしいのではないかと思いますが、これは大臣いかがでしょうか。
  207. 秋本敏文

    政府委員秋本敏文君) 当分の間ノーワーク・ノーペイということで考えるべきではないかという御指摘でございますが、ノーワーク・ノーペイというのを御質問の通告をいただきまして私どもも改めて調べてみたんですけれども、かなり権威があるとされておる書物によりましても、賃金の請求権は労務の給付と対価関係にあるものであり、労務の給付労働者の意思によってなされない場合は反対給付たる賃金も支払われないのが当然の原則となる、これがいわゆるノーワーク・ノーペイの原則であって云々というようになっておる。このことはもう先生御承知のとおりでございますが、そういったようなことが民間実態としてはまだ相当にあるということのようでございまして、そういったようなことを踏まえながら、人事院の方の御意見というのは育児休業期間中は給与支給しない、こういうことを原則として掲げておるということだと思います。  したがいまして、私どもは、地方公務員育児休業法の実際に当たりましても、この人事院意見国家公務員制度、これを踏まえて考えてきているわけでございます。     —————————————
  208. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、後藤正夫君及び鈴木省吾君が委員辞任され、その補欠として藤田雄山君及び真島一男君が選任されました。     —————————————
  209. 星川保松

    ○星川保松君 これは、部長がそう答弁なされるのは当然かと思いますけれども、私が大臣に聞いたのはそういう意味ではなくて、今世紀に努力したものが本当にいわゆるペイされるのは二十一世紀の大きな課題だということなんです。二十一世紀にこれはペイしてもらわなくちゃならない、してくるんですよ、今この対策をきちんとやれば。そういう大きな立場に立って、その中の一つの施策として出していくんだ。だから、大臣としてはそういう考えでやっていただきたいという意味を含めて私は大臣に伺いたいと思います。
  210. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) おっしゃるとおり、星川さんの話は将来を予想した政治的な問題でございますし、部長の答弁法案の純粋な解釈から申し上げている、それはもう違うと思います。  したがって、出生率が少しふえてまいりまして二以上になってまいりますれば、その将来を予測いたしますと日本の社会も非常に安定をしてくると思いますし、現在のような出生率のまま日本の社会が育っていきました場合、ひし形社会になってしまって、これはもう非常にロスの多い社会になってくる。そういう点においてノーワーク・ノーペイの可能性を生み出してくるのはやっぱりつり鐘型の人口構成をした社会において初めてそういうことが実現してくる。今のようなひし形の極端なところでは、おっしゃるようにそういう社会は出てこない、私たちの認識はそう思っております。
  211. 星川保松

    ○星川保松君 では、次の問題に移ります。  次はいわゆる地方自治論でありますけれども、今中央の省庁から自治体に、これは受けている方では例えば天下り、こういうふうに呼んでいますが、これを出している方では何と呼んでいますか。教えてくれますか。
  212. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 私どもの方では通常、人事交流という言葉で呼んでおります。
  213. 星川保松

    ○星川保松君 大蔵省はどうですか。
  214. 武藤敏郎

    説明員(武藤敏郎君) 同様に人事交流というふうに呼んでおります。
  215. 星川保松

    ○星川保松君 これは、今かなりの人材が人事交流で自治体に行っているわけでありますが、大蔵省は副知事と総務部長と財政課長、それぞれ何名出ていますか。
  216. 武藤敏郎

    説明員(武藤敏郎君) 大蔵省から県の職員として現在在職している職員の数は十名でございます。そのうち副知事が三名、部長クラスが五名、課長クラスが二名というふうになってございます。
  217. 星川保松

    ○星川保松君 同じく自治省の方はどうでしょうか。
  218. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 私どもの方から地方団体の要請に基づきまして地方団体に参っております数が、これは十二月一日現在の数でございますが、副知事が十八名、総務部長が十九名、それからお示しの財政課長が三十名、以上でございます。そのほかにもおりますけれども、お示しの職におります者は以上のとおりでございます。
  219. 星川保松

    ○星川保松君 私は、ずっと地方自治の仕事をしてきたわけでありますけれども、どうも日本の地方自治というのは諸外国に比べましても非常に貧弱であるという気がしてならないわけでございます。  その大きな理由に、私は発足当時からそういう原因があったと思うのは、まずこの名称、いわゆる地方自治体という呼び方がまずかったんじゃないかと思うんですね。英語の辞書なんか引いてみますと、いわゆるローカルガバメントというわけですね。地方政府なわけですよ。だから、中央政府があって地方政府があるということになりますと、地方自治というのはかなり鮮明に出てくるわけでありますけれども、日本の場合は地方自治ということで国の自治行政地方自治とがどうもこんがらかってしまって、よく見ていますと国の地方行政は非常に鮮明に出ているんですけれども、本当に地方自治というものはあるのかということになりますと、私は大変嘆かわしい状態ではないか、こう思うわけです。もっとそこのところはきちんとしていきませんと日本の地方自治というものはいつまでたっても育たないのではないかと心配なわけです。  ですから、今も地方自治体に行きますと国からいかにして金を持ってくるか、どうすれば金をもらえるかということで、自分の自治体の足元を見ないでいつも上の方ばっかりきょろきょろしているような気がしてならないわけですよ。これではやはりいつまでたっても私は本当の地方自治という地方はついてこないんじゃないか、こう思うわけです。  そういう中でいわゆるローカルガバメントに対してセントラルガバメントの方からどういう目的でこういう大勢の人事交流をなさっておるのか、自治省と大蔵省からお願いいたします。
  220. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 私どもは、先ほど申しましたように、地方団体の方とはかなりの数の人事交流をいたしておりますが、そのすべてが地方団体側の要請に基づいて行っておるものでございます。  任命権者の判断といたしましては幾つかのいろんな判断要素があろうと思いますが、その一つ二つを御紹介申し上げますと、例えば国と地方が相互に理解を深める上で有益である、こういうふうにお考えの方もいらっしゃいますし、また私どもの職員地方団体の職員と交流をすることによりまして相互に切磋琢磨すると申しましょうかぺそういう可能性もあるということも挙げられておるようでございます。  一方、逆に私どもの方も、地方団体の方からかなりの数の職員を交流で受け取っておりまして、そういう地方団体側から私どもの方に参っております職員も、今申し上げましたようなことでお互いの理解が深まるとか切磋琢磨するとか、そういうメリットがある、こういうふうなことを考えておるわけでございます。
  221. 武藤敏郎

    説明員(武藤敏郎君) 大蔵省から地方公共団体に人事交流として出ているケースにつきましては、やはりすべて地方団体の側の要請に基づいて行われているものでございます。大蔵省には、その仕事の性質上、調整能力とかあるいは財政、金融、会計等に関する知識経験を有する者が比較的多くいるわけでございまして、このような職員地方公共団体行政に活用する、住民福祉の向上に役立てるというような任命権者の御判断によるものでございます。  私どもといたしましても、職員に他の行政分野での仕事を経験させまして切磋琢磨による職員の資質の向上を図るという面からも、地方公共団体への人事交流は非常に有意義なものというふうに考えております。
  222. 星川保松

    ○星川保松君 これは、あなた方の方から言わせれば、それは地方の要請があったからそれにこたえた、こうおっしゃいますけれども、それは地方の方ではそうではないとは言わないでしょう。しかし、これはあなた方の多分に思い過ごしかあるということを申し上げておきたいと思います。  それから、例えば地方からそういう要請があったとしても、地方自治法ができたのが二十二年ですから、それからもう四十数年たっているわけですよ。それまでたって、それでなおかつ地方が欲しいと言っても、本当に地方自治というものを育てたいという気持ちがあったら、むしろお断りをして、自力でおやりなさい、それでやれないところはお手伝いしますよというような態度でやってくださらなければ、はいはい、いいですよ、ということになれば、それは地方自治体としては極めて便利ですよ、便利だからそこに頼ってしまう、頼っておればいつまでも自立てきないということに私はつながるんじゃないかと思うんです。  ですから、自治体の実力をつけさせるためのものであるならば、いつまでもいつまでもこういうことを続けるのはいかがか、こう思うんですが、どう思いますか。まず自治省から。
  223. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 確かにお話のような面もあろうかと思いますが、ただいまのところ任命権者の方では、言うなれば即戦力になると申しますか、今すぐ働いてもらいたい、こういう希望が非常に強いようでございますので、私ども今委員おっしゃいましたようなことを十分踏まえながら、これから任命権者とそれぞれ御相談をしてまいりたい、かように考えております。
  224. 武藤敏郎

    説明員(武藤敏郎君) 大蔵省といたしましても、やはり国と地方公共団体が相互に理解を深めるという意味で、この人事交流というものは全体として見れば有益なのではないか。さらに、国の行政経験を積んだ者が地方行政の場で生かしていただけるということであれば、国と地方公共団体の双方にとりましてメリットがあるのではないかと考えているわけでございます。もちろん、その基本は地方公共団体からの要請ということが前提でございまして、そういう御要請があれば、厳選の上に適材を交流で送るということを考えているわけでございます。
  225. 星川保松

    ○星川保松君 国と地方が人事交流をするということ、そのことは私は大変な効果のあることだと思いますよ、それは。いわゆる地方実態をよく経験してきた人が、中央で地方を眺めながらやってくださるということは、これは非常に大事なことですよ。それからまた、中央の経験のある者が地方でやるということも、これは非常に大事なこと、その交流は私は結構だと思います。  ただ、問題は、副知事あたりはいいですよ、これは知事じゃないですから。ところが、総務部長というところにずらっと行っているんですね。これは、自治省が二十一、大蔵省が五、建設省が一、労働省が一ということですね。こんなに大勢の方が部長に行って座っているわけですよ。これは単なる経験交流とか人事交流というものでは理解できないと私は思うんですね、こういう役職に行っているというのは。ただ、例えば総務部長の次のポストぐらい、これなら私は人事交流として大いに結構だと思うんです。  それからもう一つは、今度は財政課長。財政課長に至っては、自治省が三十一、大蔵省が二、通産省が「こういう状況ですよ。財政課長ですからね、そこの県の財布持ちですよ。これは交流以上のものがそこに当然出てくると私は思うんですね。それは財政課長補佐ぐらいなら大いに私は結構だと思う。だけど、総務部長とか財政課長そのものがそこにすとんと入っていくというのは、単なる経験交流、人事交流で片づけられないものをだれしも感ずるのではないかと思いますが、これは大臣、どう思いますか。
  226. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 今お示しの数字、私どもの数字と若干違うようでございますが、おおむねそのとおりだろうと思います。  今お話しの中で、例えば総務部長なり財政課長に、先生の表現をかりればすとんとという言葉がございましたが、確かにそういうケースもございます。しかしながら、場合によりましては例えばほかの部長に行ったり、あるいは次長からほかの部長を経て総務部長になったり、こういうケースも多いわけでございます。財政課長にいたしましても、すとんと財政課長に入る場合もございますれば、他の課長から回ってくる、こういうケースもあるわけでございます。  いずれにいたしましても、そのときの任命権者の判断で、幾つかほかの職をやってから部長をやったらいい、こういう判断をされる任命権者はそういうふうな取り扱いをされるということでございまして、それぞれ任命権者の判断で、私どもそれを尊重してやっておるわけでございますが、今後とも任命権者の真意をよく聞いて人事交流をやらしていただきたい、こういうふうに考えております。
  227. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) 人事交流にいいところもあれば悪いところもあり、いろいろ功罪相半ばすると思いますがいこれは一方的に自治省あるいは大蔵省だけでやめんべえやといってやめるわけにもいかない。やっぱり相手のあることでございますし、相互にこれからこういうことを自覚しながら弊害の面が出ないように人事交流を進めて、所期の目的のとおり、お互いに情報交換、意思疎通、そして切磋琢磨するという、その趣旨を生かすような人事交流であってほしいと心得てこれからも実施するように指導いたしたいと思います。
  228. 星川保松

    ○星川保松君 私が主張したいことは、今日になってもまだこういう自治体と中央との関係でずるずる行きますと、やっぱりいつまでたっても自治能力というものが発揮されないのではないか。そのことは、この前の委員会の最後に、私はふるさと創生のことでもお話ししました。あの際は、一億円の金をやるから自分の頭で物を考えてやってみろということで、三千三百の自治体の企画担当者を奮い立たせた。そういうことをやることによって自治能力というものが養われていくわけですね。やっぱりそういうふうにやっていかないと、五十年たっても百年たっても日本の地方自治というものが本当には育たないのではないか。それにはやはり中央と地方の人事交流は結構ですから、本当の人事交流という効果が十分に出せて、それでいわゆる自治体の中央に頼るようなそういうことをだんだん減らしていって自立できるような、そういう人事交流にぜひとも手直しをしていっていただきたいということを要望いたしまして、大臣、一言決意をお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
  229. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) おっしゃる御趣旨はよく理解いたしますし、先ほども申しましたように、人事交流は双方のものでございますから、双方ともにそういう心構えを持つように今後とも指導していきたい、こういうことでございます。
  230. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について諌山君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。諫山博君。
  231. 諫山博

    ○諫山博君 私は、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  政府案では、育児休業給支給は、現行、女子教職員育児休業法が適用されている特定職種女子公務員のみに、当分の間の経過措置として適用されることになっています。せっかく導入される育児休業制度を実のあるものにするために、また、同じ地方公務員の中で、職種により、かつ男女によって差別的取り扱いを生じさせないために、政府案の是正を図ろうとするものであります。  委員各位の御発言の中にも、本修正案の趣旨に沿った御意見も多数あり、必ずや御賛同いただけるものと期待して、提案理由説明を終わります。
  232. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) ただいまの諌山君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。塩川自治大臣
  233. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) ただいまの地方公務員育児休業等に関する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。
  234. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) それでは、これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、諌山君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  235. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 少数と認めます。よって、諌山君提出の修正案は否決されました。  それでは次に、原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  236. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、野別君から発言を求められておりますので、これを許します。野別隆俊君。
  237. 野別隆俊

    野別隆俊君 私は、ただいま可決されました地方公務員育児休業等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院の各派共同提案による附帯決議案を提案いたします。  案文を朗読いたします。     地方公務員育児休業等に関する法律案     に対する附帯決議(案)   育児休業制度は、子を養育する職員がその身  分を失うことなく職業生活と家庭生活を充実し  て営むことができる極めて重要な制度であり、  その整備充実が社会的に求められていることに  かんがみ、政府は、本法の施行に当たり、この  制度が活用されるよう環境整備に十分配慮する  とともに、地方公務員の継続的な勤務を促進し、  福祉を増進するという法の目的に沿って、国家  公務員の取扱いに準じて適宜制度の見直し検討  を行い、特に育児休業期間中の経済的援助につ  いては、適切な措置を講ずべきである。   右決議する。  以上でございます。
  238. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) ただいま野別君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  239. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 全会一致と認めます。よって、野別提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、塩川自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩川自治大臣
  240. 塩川正十郎

    国務大臣塩川正十郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
  241. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  242. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  243. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) これより請願の審査を行います。  請願第六八号重度身体障害者が所有し居住する家屋などの固定資産税の減免に関する請願外三件を議題といたします。  まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員に報告いたさせます。竹村専門員。
  244. 竹村晟

    ○専門員(竹村晟君) ただいま議題となりました請願四件につきまして、お手元の資料に基づく理事会の協議の結果を御報告申し上げます。  理事会におきましては、資料三ページの第五六八号請願につきましては、「地方交付税率の引下げを行わないようにされたい。」の部分、及び第一〇五八号地方交付税安定確保に関する請願につきましては採択すべきものと決定いたしました。  その他の請願につきましては、保留すべきものと決定いたしました。  以上が理事会における協議結果であります。
  245. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第五六八号地方交付税率引下げを行わないことに関する請願外一件は採択すべきものにして内閣に送付を要するものとし、このうち第五六八号地方交付税率引下げを行わないことに関する請願につきましては、「地方交付税率の引下げを行わないようにされたい。」の部分以外を除く旨の意見書案を審査報告書に付することとし、第六八号重度身体障害者が所有し居住する家屋などの固定資産税の減免に関する請願外一件については保留といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  246. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。  なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  247. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  248. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  249. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
  250. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  251. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱い委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  252. 山口哲夫

    委員長山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十九分散会