○佐藤三吾君 今の北海道のJRの場合に、経営形態からいって大変だとか、九州の場合はどうだと、こういうことについては
それなりにわからぬでもないんです。
ただ私は、
大臣も御承知のとおりに、こういう分割・民営という
方法はだれがとったのかということです。分割しなくてもよかったわけですよ。分割の
方法だって六つにしなくても三つだってよかったわけです。
いろいろあると思いますよ。しかし、その一番大きな責任は何かといえば、私はここに運輸省いらっしゃいますけれ
ども、まあ政治がごり押ししたということもあるかもしれぬ。新幹線なり、それからローカル線なり、そういうのを採算を度外視して赤字でもってつくり上げていったという中から、しかも国鉄でありながら借入金でやっていった。そういう二重の結果、いわゆる赤字会社に転落したわけでしょう。それを今度は改革するのにそのまま改革するというか、本来ならこれは私に言わせれば運輸省の責任が大きいと思うんですよ、こんな
状態に放置したのは。杉浦さんが国鉄総裁をやっておったけれ
ども、彼なんて一番首をくくるぐらいの大きな問題だと思う。そういうことからこの問題は起こったという経緯を考えていただきたいということが
一つ。
もう
一つは、
地方労働委員会も
指摘しておるように、いわゆる再雇用の
方法の中での差別が、例えば労働組合所属を理由にした差別、それがあるということです。この二つの点から
地方労働委員会は不当労働行為として
救済命令を出したと私は思うんですね。ですから、その点を私は、
JR各社対労働組合の労使
関係というんじゃなくて
政府自身が重大な加害者である、このことを否定はできないと思うんですよ。ですから、あの改革法審議の国会の中で、中曽根総理も三塚さんも、それから杉浦さんの三者とも、一人といえ
ども路頭に迷わすことはしない、それは
政府の責任だと言っておる、議事録を見ると。このことは、私はやっぱり明確にしなきゃいかぬ。
そういう意味で、私は、
大臣就任早々に成田あり国鉄ありで大変だと思いますよ。しかし、私は、やっぱりこれを片づけるのは政治家じゃなきゃできないと思うんですよ、官僚では。ですから、そこはひとついろいろありましょうけれ
ども、
大臣にはひとつ、さっきの真情をいただきましたが、二度もそういう罪なき労働者が――何もこの赤字をつくったのは労働者の責任でもない、民間移行も労働者の責任じゃない。にもかかわらず、まじめに働いてきた労働者がなぜこういう目に遣わなきゃならぬのか。これは、私は同じ
日本人同士としても許すべからざることだと思うんですよ。しかも
地方労働委員会が、公益の
立場に立つ公益
委員の皆さんが
救済命令を出しておるんです。これ以上のものはないと思うんですよ。
したがって、私はいろいろあろうけれ
ども、ここは
政府がひとつ乗り出して
大臣として問題解決する、その決意を明らかにしながらひとつ対処していただくことが一番大事じゃないかと思うんです。中央労働
委員会も何とかして年内にひとつ解決のめどをつけたいとおっしゃっておる。しかし、私は地方労働
委員の
経験からいって、それには何よりも使用者が法に照らしてきちんとすることが前提だと思うんです。その使用者に対して絶対の権限を持っておるのが
政府なんですから、JRの場合には。ですから、ここはひとつ
大臣がきちっとしていただく、努力をしていただく、こういうことにならないと問題解決に向かっていかない、こういう気がしてならぬのですが、
大臣いかがでしょう。