○小森
委員 まあ
退職をされておって、役所としてこれに対して全面的な構えでいろいろコメントをするということは難しいということはわかりますが、先ほどのような前向きな
答弁をしていただきまして、ぜひひとつその前向きなことを進めていただくということをこの件については申し添えさしていただきたいと思います。
そこで、法務大臣も新しくなられたことですし、この前も私は可能な限り、我が国の人権
状況というものがどういうふうなことになっておるかということ、とりわけ、つまり
政府権力機構との
関係、中でも
法務省人権擁護局の
関係ということについて憂慮すべき
状況だということを私は立証かたがたこの前質問いたしました。自分で自分のことを宣伝するのもおかしいけれ
ども、私は「慟哭する
法務省人権擁護行政」という本を書いています。もう泣きじゃくっておる、むせび泣くというよりは慟哭しておるという
意味のことを書いて
関係方面に進呈をいたしておるのでありますが、そのことに
関係してもう一つだけ申しますと、この前の法務
委員会で、前の前の法務
委員会で申し上げましたけれ
ども、広島県で警察官が差別事件を起こした。それで、その差別事件はどういうものかというと、犯人を調べてみたら部落民であったというようなことを言っておるわけですね。それを県
会議員がもみ消しに来た。広島県会も、そんなことを言われて、だれがもみ消したと言うのかといって反論すればよいが、まあ差別事件の問題だし、どういう気持ちなのか、何にもよう反論しないのですね。それから、最近はその部落問題を隠すためにあちこち籍を移動させておるのが多い、本籍を変えておる者が多い、こんなことも言っておるわけですね。それで、大体部落問題、部落問題と騒ぎ過ぎる、騒がなきゃ差別はなくなるのに騒ぐから差別がなくならぬのだというようなことをPTAの会合で言ったから、それは教育、研修の場だから取り上げないというのを言い分なんですよ。その人権擁護局あたりの言い分なんですよ。しかし我々がいろいろ言うから多少やりかけるのですけれ
ども、パーンパーンとピンポンが鉄板に当たるようにはねつけられてようやらないわけなんですね。
そのことについて、県の警察本部のやることだからということで私は県公安
委員長に会見を申し入れたのであります。部落解放同盟広島県連合会
委員長、部落解放同盟中央本部書記長が我が部落差別の問題についてそういう会談を申し入れるのは当たり前のことであります。申し入れたのであります。会わないのであります。会う必要はありませんと言うのであります。それが県公安
委員長。その県公安
委員長たるや、実は元高松
高等裁判所長官、広島
高等裁判所長官なんであります。これもやめた人のことについて、しかもほかの職についておる人のことについてなかなかコメントは難しいでしょう。難しいけれ
ども、現実は
裁判官の認識はこの程度だということを
最高裁は考えておいていただきたいと思うのです。
それで、同和対策
審議会の答申は、
司法のところを末尾の辺にどう書いてあるかというと、
司法界といえ
ども部落問題に対する偏見や予断、知識が足りないということについては決して
国民の
一般的水準から比べて例外ではないと書いてあるのですよ。私は一度に何もかにも言ってもだめだから一度に言いませんけれ
ども、彼ほどまた機会を得て次第に証明をしたいと思いますけれ
ども、現実はこういうことなんであります。そして、お互い行政官同士ですから、それは今のようなことも総務庁とやりましたとかあるいは人権擁護局がどう言っているとかいうことも当然でしょう、当然ですけれ
ども、その総務庁とその法務省の人権擁護局とが一体どういう水準なのかということを問題としなきゃいかぬのであります。
私は、むしろそれは水準は
裁判所の方が高いと思いますよ。何の水準が高いかといったら、人権に対する水準が高いと思いますよ。行政の方は行政的都合というものがありますからね。そのときの都合がありますからね。政治的に判断する場合がありますからね。
裁判所だってそれは政治的に判断する場合があると思いますけれ
ども、しかしそれはやはり
司法の独立という民間の目の光ところがありますから多少私はびりっとしておると思いますが、その
裁判所において、
裁判所上がりのこういう高級の
裁判官でさえこの程度のことなんでありまして、それがまた法務省のだれやらに、だれやら講師に聞いたとかあるいは総務庁で会合を持ちましたとを言うたところで、だめですよ、そういうことは。
その総務庁が言うたりしたりしておることも、また機会がありますから逐次やりますけれ
ども、明治の終わりから大正の初年にかけて日本に融和主義運動があったでしょう。おまえらも天皇の赤子じゃ言って頭だけはなでて、そして差別してきたでしょう。天皇の御陵のちいと上の方に部落がある言って、御陵を見おろすというのはけしからぬいうことでそこをただから二番目で取り上げてよそへ移転させたという例もあるでしょう、奈良では。だれやらが皇族が来るけえ言って、ここへみすばらしい部落があっちゃいかぬいって焼き打ちをかけた事件もあったでしょう、九州の方で。それがつまり権力、行政機関の今までやってきたことなんであります。その行政機関がやった、政治的にそのときそのときによって差別的な政策が増幅したり増幅しなかったりするものに相談をされるというよりは、私はこれは
裁判所独自が勉強された方がいいと思いますよ。今までちゃんとしっかりした
法律的な勉強をしてこられておる方の集団ですからね。そんなものは何もよその省庁に頼る必要はないと思うのです。むしろ今は問題は、それらの省庁と民間運動団体とがどれだけ厳しく渡り合っておるか、こういう
状況にありますので、閣僚の一員の法務大臣もそれをよく聞いておいていただきたいと思いますよ。
そこで、ちょっと今度は総務庁にお尋ねします。
総務庁は総務庁なりの啓発の任務を持っております。
裁判所からいえばもう
退職なさった方ですけれ
ども、総務庁からいえばこれは
一般国民であります。
一般国民の間でそういう判例タイムスの中に出ておるような論調が広がっていくということについては、啓発を進める立場にある総務庁としてはどういうお考えでしょうか。