○倉田
委員 昨年、我が党の
農業基本問題特別
委員会というのがあるわけでございますけれ
ども、その中で、いわゆる
部分自由化という提案をさせていただきました。午前中の議論を聞いておっても、なかなか、まだまだ大変だな、そういう思いをしながら実は聞いておったわけでございます。発表当初からもさまざまな御批判をいただきましたし、御意見をちょうだいをいたしました。私個人として申し上げれば、一粒たりと入れなくてもいいものであれば、その体制でできるものであればぜひともそうしていただきたい、こういう思いは変わらないわけでございますけれ
ども、一方では、やはり
日本の立場上
ウルグアイ・ラウンドというのは成功させていかなければいけないであろう、そういうぎりぎりの思いの中で
部分自由化ということを実は基本問題
委員会案として提案をさせていただいたわけでございます。
この
部分自由化論に関しては、実は私は誤解があるのではないのかというふうに思っているわけでございますけれ
ども、私
どもが
農業基本問題
委員会案として
部分自由化を提言いたしたときは、それは決して
関税化を念頭に置いたものではないということであります。冒頭申し上げましたように、とても私
自身も
関税化などということは受け入れられる
状況ではないし、また受け入れてはならないものだ、こういうふうに思うわけでございます。
実は
関税化と
部分自由化は本質的に違う制度である。先ほど
食管法の十一条を申し上げましたけれ
ども、
部分自由化というのはこの十一条の中でも十分対応できるものである。一方、先ほどの御
答弁ありましたけれ
ども、
関税化そのものは
食管法の枠組みそのものから見直さなければいけない議論である、そういうふうに思っておるわけでございます。今の時点で完全
自給と申しますか、
農水省の従来の
方針で対応できればそれでぜひとも頑張っていただきたいわけでございますけれ
ども、そればかり言っておって、かつての
牛肉・
オレンジのときみたいに一夜にして
方針が転換をしてしまえば、私、一番最初に申し上げましたように、
農家、
農民の
方々の
農政に対する信頼、これがますます損なわれてしまうわけではないのか、これを心配するわけでございます。だからきちんとしたことは言わなければいけないし、きちんとした議論はさせていただいた上で説明をしていかなければいけない、こういうふうに思っておるわけでございます。
そこで、次に
国会決議との関連についてお聞きをさせていただきたい、こう思うわけでございます。いわゆる我が党の基本問題
委員会案の
部分自由化ということに関しても、
国会決議に反するんではないか、この
国会決議をどのように思っておるのか、こういう御批判もいただきました。そこで私も、
国会決議というものがどういうものか、よく読み返しながら勉強をさせていただいたわけでございます。一つ、大前提としては、先ほど申し上げました
食管法の十一条は、これは基本的には
輸入はできるような枠組みになっている。この
輸入できるような枠組みになっているその
食管法十一条に対して、
国会決議で
輸入してはいけないよ、こういうことはそもそもできないわけであるから、恐らく
国会決議の趣旨はそういう趣旨ではないだろう、私論かもしれませんけれ
ども、私はこのように考えました。
そこで、この
国会決議に関する一つ一つの
決議を見てみたわけでございますけれ
ども、第九十一回
国会、これは
食糧自給力強化に関する
決議、こういう表題でございます。いわば、
国内でしっかりと
自給できるような体制をつくりなさい、こういう
決議であろうと思うのです。最近盛んに天候不順が言われております。天候不順というか、天候異変と申しますか、これから穀物が果たして
世界全般的にどのくらいできていくのか大きな不安がある。たしか九十一回
国会のときもそうだったと思うのですけれ
ども、
国内で
自給できなくて韓国から緊急
輸入をした、そういうことがあっては大変だから、しっかりと
国内で
自給できるような体制をつくらなければいけない。だからこの
決議というものは、米の問題がどのように解決されたとしても、
国内でしっかり、いざというときには
自給できるような体制を
維持していかなければいけない、そういう趣旨の
決議であろうかと思います。だから、それから先は少し議論があるかと思うのですけれ
ども、決して
輸入してはいかぬのだぞ、そういうふうな
決議ではないのではないのか。
それから、百一回の
国会決議、百十三回の
国会決議があります。百十三回の
国会決議、これは特に参議院の方、完全
自給という言葉がうたってあるわけでございますけれ
ども、百一回の、
国内で完全
自給はできるような体制をつくるべきである、そういう趣旨を受けて完全
自給という言葉を使ってあるんではなかろうか。それから、今伝えられる
アメリカ内の
我が国に対する
自由化の動きというものはとても認められない、こういう趣旨であるわけでございますけれ
ども、言葉の問題かもしれませんけれ
ども、私
どもが
農業基本問題
委員会案として提出をした
部分自由化論というのは、
関税化と異なって完全な
自由化をにらんだものではない。制限的な
食管法十一条の中におさまる。いわば一千万トンだとすれば九百五十万トンをきちっと守るための
最大限五十万トン、その間に
国内体制をしっかりした上での提言であった、このように私としては思っているわけでございます。
そういう
意味で、
大臣、午前中から
国会決議の趣旨、それから完全
自給、これはしっかりやっていかなければいけない、こういう
答弁ございましたけれ
ども、完全
自給ということはともかく、いかなる
状態があったとしても完全
自給できるような
国内体制をずっと
維持していかなければいけない、そのためにはそれ相応の負担がかかるわけでございましょうけれ
ども、私もそれはそのとおりだろうと思います。しかし、一方では
ガット・
ウルグアイ・ラウンドの成功というところもあるわけでございますから、ぎりぎりどこまでやれるのか。要求を入れることが、完全に一粒ともという議論が今あるかどうかわかりませんけれ
ども、そういうところで切り抜けられるのであればそれはそれで非常にいいことだろうと思うのですけれ
ども、それだけで突っ張っていていざそれができなかったときに、一生懸命やりましたけれ
どもだめでした、こういうことでは
農家、
農民の
方々に対する
農政不信の回復というのができるのかどうか、これは非常に重要な問題だろうと思います。この点
大臣どのようにお考えになっておられるのか、お聞きをしたいと思います。