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湯浅政府委員 廃棄物処理施設につきましては、本
年度は特に市町村からの要望が非常に多くて、国の
予算額を大幅に上回ったという事実がございまして、継続
事業につきましても
事業を先送りせざるを得ないような
状況にあったわけでございます。これに対しまして、多くの市町村から本
年度中に
事業を継続して行いたい、こういう要望がございまして、こういうことを受けまして、
自治省といたしましてどういう対応策が講じられるかということでいろいろ検討したわけでございます。
その結果、
平成二
年度以前、前
年度以前にも補助採択されていてそれで継続してきている分、これが補助金が少ないために補助がもらえなくなってしまったというようなものにつきましては、本
年度は
地方単独事業としてこれを
実施した場合には
財源措置をしようじゃないかということ、それから、
平成三
年度におきましては、新しい
事業について国庫補助の対象範囲を重点化しようということで、例えばごみの焼却場でございますと、焼却炉などの中枢施設だけに限定して国庫補助対象にする、それ以外のものにつきましては、例えば建屋でございますとか、あるいは門、さく、塀だとかというような
整備については、これは
地方の
単独事業として
地方債や
地方交付税を活用して
財源措置をしていこう、最終的には、それまで国庫補助が採択された場合と同じような
財源措置をこの際講じていったらどうだろうか、こういうことにしたわけでございます。
仰せのように、
廃棄物処理施設に係る補助金は国庫負担金か国庫補助金がという問題がございます。私
どもは、この処理施設の補助金は、いわゆる国庫負担金ではなしに奨励的な補助金だというふうに理解をしているわけでございます。
いわゆる国庫補助金という中には国庫負担金と奨励的な補助金があることは御
指摘のとおりでございまして、私
どもが国庫負担金という場合には、これは全国的に客観的な基準で画一的に
行政を行うという場合、あるいは国と
地方とがお互いに責任をとりながら
行政をしていこうというようなものについて、国と
地方とでそれぞれ
経費を分担し合いながら、負担し合いながら
事業を
実施するもの、それを国庫負担金というふうに私
どもは理解をいたしております。
それから奨励補助金というのは、これは国がいろんな
施策を
地方団体にやってもらうための誘導的な奨励的な補助でございますから、いわば
財政援助のものもございましょうし、あるいは政策誘導的なものもありましょうし、そういうような一種の、国が何か一定の意図を持って支出をするものだ、こういうふうに
考えることができるわけでございます。
国庫負担金というのは、これはあくまでも国と
地方とが
経費を負担し合って仕事をしていくということでございますから、この負担割合というものは非常に大変な重要なものだ、軽々にこれを変えるべきものではないというふうに
考えておりますが、奨励的補助金というのはあくまでも国のいろいろな意図に基づいた助成でございますから、その目的が達成された場合、あるいはもうそれがなくても
地方はその
行政を行うことができるというようなことになった場合には、これは廃止をして
地方の
一般財源にゆだねるということが本来の筋ではないかと思うわけでございまして、そういう意味で、そういう奨励的な補助金などというものは、できるだけ同化定着したものについてはそれを廃止して
地方一般財源に切りかえていく、こういう補助金の整理合理化というものを今後推進していく必要があるのではないかというふうに
考えているところでございます。
平成三
年度の
地方財政計画上の区分によりますと、国庫負担金の
総額は七兆五千四百四十二億円でございます。それから奨励的な補助金は三兆六百六十六億円、こういう形に現在なっております。
それから、今回の
措置でどのくらいの数の市町村が救われるのかということでございますが、
先ほど申し上げました
地方財政措置を講じてほしいということで要望のございました団体、そして特別
措置をするという対象になる市町村というのは、延べ五百二十市町村でございます。
それから、
先ほど申し上げましたとおり、
廃棄物の処理施設の
整備については、もともとごみ処理、し尿処理というのは市町村の固有事務であるということから
考えますと、この
整備に対する助成というのは奨励的な補助金であるということが言えるわけでございまして、今回の場合にはたまたま要求額が
予算額を大幅に上回ったということで
事業の先送りを余儀なくされたわけでございますが、そういうものを
一つの契機にいたしまして、この際ひとつ補助金の
一般財源化を進めていくということを行うべきではないかというふうに理解もいたしております。
もちろん、今回の
措置を講じたことによってことしの国庫補助金の
予算額が
減額されるものではございません。これはもともと不足しているわけでございますから
減額されるものではございませんが、足らないものについて
地方の
財政措置を講じたということでございまして、こういうことがきっかけになりまして、できれば補助金の
一般財源化に一歩進めていったらどうかというふうに
考えているわけでございます。なかなか国庫補助金の整理合理化ということは、言葉で総論ではいくわけですが、実際問題として、
一つ一つの
事業を取り上げてこれを
一般財源化するということは、いろいろな面で抵抗もございますし困難なものを伴うことでございますから、いろいろなきっかけをきっかけにして
一般財源化というものを進めていくことが、
地方財政にとりましても有益なのではないかというふうに
考えております。
そういう意味から申しまして、ごみ、し尿以外の
事業につきましても、その事務
事業の性格あるいは補助金の性格に即しまして、
関係省庁とよく相談しながら、こういう補助金の整理合理化というものを行ってまいりたいというふうに
考えているところでございます。
そういうことを行ってまいりますと、確かに、
一般財源化するわけですから
地方負担が多くたるわけでございますから、その
地方負担に伴う
財源措置は一体どうなるのかということが当然問題となって出てまいりましょう。これは、私
どもは
地方財政計画を毎
年度作成する過程におきまして、そういうものをのみ込んでも全体の
地方財政計画の収支が償うかどうかということをよく
判断した上で
一般財源化というものを進めていかなければならない。もし不足するようなことがあれば、それは他の
措置を講ずる必要があるわけでございますけれ
ども、いずれにいたしましても、
地方財政計画で収支が償うような、そういう
一般財源の確保というものを前提にいたしまして
一般財源化というものを行っていかなければならないというふうに
考えているわけでございます。
そしてまた、こういうことを行うことによりまして、
一般財源化することによりまして、
地方の自主性が果たして高まるのかどうかという問題がございましょう。おっしゃるとおり、国庫補助金をやめて単なるツケ回しだけであれはこれは困るわけでございまして、
一般財源化する以上は、その
地方の自主性というものが従来よりもより確保されるということで
一般財源化というものが進められるべきものだと思います。そういう意味で、今回の
措置は、そういう地域の実情に応じた
地方団体の独自のいろいろな発想が
一般財源化によって進められるということが
考えられましてこういう
措置を講ずることにしたわけでございまして、この自主性を高めるということは、
一般財源化する場合の非常に重要な目標になるのではないかと思っているわけでございます。