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塩川国務大臣 率直に申し上げますと、
政治改革問題というのが、
国会議員、つまり政治家が
議論しておりますことと
国民の中で
政治改革の問題を見ておるのとちょっと段差があるような
感じがしてならぬのであります。したがいまして、私はまず、多くの
国民の
方々が
政治改革の何が
政治改革なのかということをもう少し正確に知っていただいて、そしてその中の一環としての
選挙制度の
改革というものを真剣に
考えていただきたいと思います。
私は、この
廃案になりましたのは非常に残念に思っておるのですけれ
ども、あの案を自民党は三年近くかかりまして真剣に
議論してまいりまして、社会党さん初め野党の
方々も、この二、三年の間懸命に
努力されてやはり案をまとめてきておられます。いずれも案を出しておられるのにかかわらず、これが
国会の中で十分に審議されないで全部が一斉に
廃案になってしまったということは、私は非常にもったいない、惜しい
感じがしてならぬのであります。
しかし一方、私、見ますと、それじゃ
国民の
皆さんは、この
国会へ出ておるこの
法案というもの、それと
国民が
考えておる
政治改革というものとぴしっと合っているかというと、合ってないような
感じがするのです。それはどこに合ってないかというと、なぜ
政治改革はやらなければならないのか、そしてその
政治改革をやる相互的な
中身というもの、お互いが関連しておりますが、この
中身というものが
国民の
皆さん十分に御承知ないままに
選挙制度の
議論だけが走ってしまった。ですからちょっとわかりにくいことになってきておると思うのであります。今、だから、各党間で協議をお始めになるということでございますので、ぜひ私はこの際に、
政治改革とは何なのかということをきちっとやはり与野党間で
合意していただきたい。
私は、かつて自民党で後藤田さんが
政治改革本部長をやっておりまして、私がこの会長代理をやっておったことがございます。そのときに、
政治改革は六つの要件があるということを私
たちは
考えたのであります。その六つのことがお互いが関連してきておるのです。
選挙制度だけ変えればいいというものじゃありません。それを変える、しかしその結果として起こってくるのは、政治倫理が求められてくるということもありましょうし、政治倫理を追求するためには
選挙制度を変えなければならぬということも起こってきておろうと私は思っております。そういうことの一連の
関係を明確にわかりやすくひとつ示していただきたい、こう思っておるのです。
それからもう一つ、今
政党間の同意を得るということが先決でございますから、我々
役所の側としては、私は政治家としては
意見を持っておりますけれ
ども、
役所としては
意見を言うべきではないと思っておりますが、しかし
役所は、
政治改革はどういうことでございましたということを、これを
国民の
皆さんにわかりやすく知っていただくような、そういう広報の
活動の
努力というものをこれからもっとしなければいかぬと思っておりまして、そちらの方のお手伝いは積極的にやっていきたいと思っております。
そして一方、私は政治家としての
意見も申し上げさしていただくと、各党間の
合意というものが、スタートラインが大事だと思うのです。どこから始めるかということが大事だと思うのです。その
意味におきまして、自由民主党の方は、とにかく
話し合いをするためには、何か過去に余りこだわらないで一度どっちもみんなが白紙になって一回やろうじゃないかということを、この前役員会でお話が出たということを聞いております。しかしながら自民党としては、やはりかつて三年かかって検討してまいりましたこの案というもの、これにやはり重点を置いておられるのではないかな、私はそんな
感じがしてならぬのです。しかしながら、社会党さんも案をお出しになりました。ですから、各党が話されるならば、社会党の案だってどんどんと検討していただいたらいいんじゃないか。
国民に、社会党の方はこうおっしゃっている、公明党の方はこうおっしゃっている、自民党はこうだということを出していかれたら、私は
議論が
国民の世論として起こってくるのではないかと思うのでございますが、その点、中沢さんなんかもひとつ御尽力していただいて、
話し合いを始めるように、トロッコで車が動くようにひとつ押していただくように
お願いしたいと思っております。