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1991-12-03 第122回国会 衆議院 国会等の移転に関する特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成三年十二月三日(火曜日) 午後二時五十六分
開議
出席委員
委員長
金丸
信君
委員長
村田敬次郎
君
理事
粕谷 茂君
理事
谷川
和穗
君
理事
二階
俊博
君
理事
西田
司君
理事
山口
敏夫君
理事
五十嵐広三
君
理事
山口
鶴男君
理事
鳥居 一雄君 塩谷 立君 杉浦 正健君
原田昇左右
君 木間 章君 和田 貞夫君 平田 米男君 金子 満広君 米沢 隆君
出席政府委員
内閣官房内閣
内
政審議室長
兼
内閣総理大臣
伊藤 博行君
官房内政審議室
長
国土庁長官官房
藤原 良一君 長
国土庁計画
・調 田中 章介君
整局長
国土庁大都市圏
西谷 剛君
整備局長
委員外
の
出席者
参 考 人 (
日本労働組合
山岸
章君 総
連合会会長
)
国会等
の
移転
に 関する
特別委員
杉本 康人君
会調査室長
――
―――――――――――
委員
の異動 十二月三日
金丸信
君
委員長辞任
につき、その
補欠
として村
田敬次郎
君が
委員長
に当選した。 同日
理事村田敬次郎
君同日
委員長就任
につき、その
補欠
として
西田司
君が
理事
に当選した。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
委員長
の
辞任
及び
互選
理事
の
補欠選任
国会等
の
移転
に関する件 ――――◇―――――
金丸信
1
○
金丸委員長
これより
会議
を開きます。
国会等
の
移転
に関する件について
調査
を進めます。
本件調査
のため、
参考人
から
意見
を聴取いたします。 本日御
出席
願っております
参考人
は、
日本労働組合
総
連合会会長山岸章
君であります。 この際、
参考人
に
一言
ご
あいさつ
を申し上げます。 ――
―――――――――――
本日は、御多用中のところ御
出席
をいただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御
意見
をお述べいただきたいと存じます。 〔
委員長退席
、
山口
(敏)
委員長代理着席
〕
山口敏夫
2
○
山口
(敏)
委員長代理
委員長
の指名によりまして、私が
委員長
の職務を行います。 お諮りいたします。 ただいま
委員長金丸信
君から、
委員長
を
辞任
したい旨の申し出があります。これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山口敏夫
3
○
山口
(敏)
委員長代理
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 これより、
委員長
の
互選
を行います。
二階俊博
4
○二階
委員
動議
を提出いたします。
委員長
の
互選
は、投票によらないで、
村田敬次郎
君を
委員長
に推薦いたします。
山口敏夫
5
○
山口
(敏)
委員長代理
ただいまの二階
俊博
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山口敏夫
6
○
山口
(敏)
委員長代理
御
異議
なしと認めます。よって、
村田敬次郎
君が
委員長
に御当選になりました。 〔
拍手
〕
委員長村田敬次郎
君に本席を譲ります。 〔
村田委員長
、
委員長席
に着く〕
村田敬次郎
7
○
村田委員長
この際、
一言
ご
あいさつ
を申し上げます。 ただいま
委員各位
の御推挙によりまして、私が
委員長
の重責を担うことになりました。
難問山積
のこの時期に
委員長
を引き継ぎ、その職員の重大さを痛感いたしております。 つきましては、
金丸
前
委員長
の意を体しまして、公正円満な
委員会運営
に努めてまいりたいと存じますので、
委員各位
の御
協力
を切にお願い申し上げます。 ――
―――――――――――
村田敬次郎
8
○
村田委員長
理事補欠選任
の件についてお諮りいたします。 私が
委員長
に当選いたしました結果、
理事
が一名欠員となっております。その
補欠選任
につきましては、先例により、
委員長
において指名するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
村田敬次郎
9
○
村田委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、
理事
に
西田司
君を指名いたします。 ――
―――――――――――
村田敬次郎
10
○
村田委員長
参考人
に対する
議事
を進めます。
議事
の順序でございますが、最初に三十分
程度
御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
からの
質疑
にお答え願いたいと存じます。 それでは、
山岸参考人
、お願いいたします。
山岸章
11
○
山岸参考人
連合会長
の
山岸
でございます。 日ごろ何かと
公私ども
に御指導いただきまして、大変ありがとうございます。 また、本日は、格段の御配慮により、
連合
の
代表
として
発言
する
機会
を与えていただきましたことについて厚く御礼を申し上げます・ 私は、この際、お
手元
にお配りをいたしましたレジュメに書いてございますように四つの
ポイント
、すなわち、第一は
国会等
の
移転
に関する
国会決議
の
評価
、第二は
新都建設
の
必要性
、第三は
新都建設構想
の
ポイント
、第四は今後の
タイムスケジュール
と
連合
の
取り組み
という区分けて、
連合
で今
考え
ております
考え方
について御説明いたしたいと思います。 まず、第一の
ポイント
の
国会等
の
移転
に関する
国会決議
の
評価
であります。この点に関して、私は四点のことを申し上げたいと存じます。 第一点は、昨年の十一月七日に行われました衆議院における
国会移転決議
について、私
たち連合
は、
勤労者
を
代表
する
立場
から積極的に
評価
をいたしたいという
考え
でございます。それから、第二点として申し上げたいのは、この
決議
は
東京
一極集中
問題の抜本的な
解決策
として、言うなれば初めて
国会
の場において具体的な
方向
が示されたということで、まことに歴史的な
意義
を持つものであるという受けとめ方をいたしております。それから第三点としまして、二十一
世紀
へ向け、新時代にふさわしい真の豊かさを実感し得る
国土
、
社会形成
にとって、この
国会移転決議
は極めて
意義
深いものと理解をいたします。第四点として申し上げたいのは、以上の
観点
から、
連合
は、先ほ
ども
申し上げましたように
国会移転決議
を高く
評価
するとともに、一日も早く
国会
においてその
具体的構想
が確立され、
実行
に移されるよう強く期待をいたしたい、こう
考え
るものであります。 以上が第一の
ポイント
でございます。 次に、第二の
ポイント
としまして、
新都建設
の
必要性
につきまして、私
たち
の
立場
から次の四点のことを申し上げたいと存じます。 第一点は、一都三県、すなわち
東京
、
埼玉
、
千葉
、
神奈川
のいわゆる
首都圏
の市街化区域というのは約三十三万ヘクタール、
日本
の
国土面積
の約一%を占めております。ここに三千万人が住むという、まことに世界にも類を見ない
過密状態
でございまして、多くの問題が発生をしております。例えば、
土地
、
住宅費
の高騰の問題、それから慢性的な
交通渋滞
、それから
長距離通勤
、さらには
水資源
、
電力需給
の逼迫、それからごみ、
産業廃棄物
の
大量排出
、それから
大気汚染
などの
環境悪化
、
中央
と
地方
の
格差拡大
、さらには、予想される大
規模地震対策
などの問題は、現状の
東京
一極集中
のもとでは到底
解決
できないという
問題意識
を強く持っておるわけでございます。 それから、第二点としまして申し上げたいのは、先般九一年度の
国民生活白書
が発表されました。この中で驚いたことには、四十七
都道府県別
の豊かさ
総合指数
におきまして、
首都圏
の各都県は最下位のランクで競い合っているという事実なのであります。すなわち、
埼玉
、
千葉
が四十六位、それから
神奈川
が四十四位、それから
東京
が三十八位というまことに惨たんたるありさまでございます。このことは、
白書
でも言われておりますように、
東京圏
への
一極集中
が豊かさの
実現
を阻害しているということは間違いないと
考え
るわけであります。これはまことに重大な問題だという
問題意識
を持っております。 それから、第三点として申し上げたいのは、
東京
一極集中
の
要因
は何かということなんであります。この点、私
たち
は、
東京
への
政治
・
行政機能
と
権限
が
集中
し過ぎるということ、それから
経済
の面においても、
文化
の面においても、
教育
の面においても、情報の面においても過度の
東京集中状態
がつくられているという、この点に根本的な原因があるんじゃないかと
考え
るわけであります。かつては
日本
の
近代工業化
にとって
中央集権体制
によるメリットというものもあったと思います。しかし、今後の
日本
は、二十一
世紀
を展望した多
極分散
型の
均衡
のとれた
国土
再
開発
を目指すべきでありまして、
東京
一極集中
の
要因
を積極的に取り除いていくことが国家的な緊急にして重要な課題になっているという
問題意識
を持っております。 そして、第四点として申し上げたいのは、結論的に
新都建設
の
必要性
を述べるならば、
東京
一極集中
を是正し
均衡
のとれた
国土
再
開発
を
実現
するためには、やはり
政治
・
行政機能
を体系的な形で
地方
に
移転
する
新都建設
、すなわち、現在の
東京
の
首都機能
をすべて
移転
するという皇室を含む
遷都
ではございませんで、先ほど申し上げましたように
政治
・
行政機能
を体系的な形で
地方
に
移転
するという、いわゆる新しい都をつくる、そういう
立場
に立った
対応
が現実的には最も効果的かつ実態的ではないか、こう
考え
るわけであります。 以上が第二の
ポイント
として
新都建設
の
必要性
ということで申し上げたい点でございます。 それから次は、第三の
ポイント
としまして、
新都建設構想
の
ポイント
について、私
たち連合
のサイドではどういう
イメージ
を持っているかということを三点に分けて申し上げたいと存じます。 まず第一点は、現在の
首都東京
に
集中
する
国会
並びに
政府
・
行政機関
及び
経済機能
、
文化機能
のすべてを
一括新都
に
移転
したのでは、またまた新たな
一極集中
を招くおそれがあると判断をいたします。したがって、私
たち
の
イメージ
としては、
国会
それから
政府
並びに
行政
の
中枢機関等
の
移転
に限定をした、そういう
青写真
で
新都建設
を
考え
ることが望ましいという認識でございます。 それから、第二点として申し上げたいのは、
移転
に際しては
国民生活重視
の
観点
に立った
行政改革
、それから
地方分権
を
推進
をし、
新都
には「しなやかで小さな
政府
」をつくっていくということ。具体的には、
新都
には
国会
及び各
省庁
の
政策部門
のみを配置をし、
指導窓口部門
は各
省庁
の
地方支局
あるいは
分局
あるいは
地方
自治体への大幅な
権限委譲
を行い、
地方分権化
をあわせて同時に徹底して進めなければいけない、そういう
考え
ております。 それから第三点としましては、もちろん
新都
は真の
意味
での国政の
中枢機能
を担う
政治都市
であり、そこには当然
各国大使館
や
国際機関等
が
設置
されることになると思います。したがって、
新都
は
日本
における新たな外交の場としても機能していくはずでございます。
社会経済国民会議
の
提言
では、この
新都
の
イメージ
につきまして、
面積
は約五千ヘクタール、それから
人口
は約二十万人、それから
建設費用
の総額は現在の
貨幣価値
で約九兆円という試算をいたしております。
連合
も、実は
堺屋太一
氏が小
委員長
をやられております
社会経済国民会議
の
新都建設
問題小
委員会
に
事務局長
を
代表
として送っておりました
関係
上、
社会経済国民会議
が社会的に
提言
をいたしました
新都建設構想
については、原則的にこれを支持するという
立場
をとっております。ですから、そういう
意味
では、
社会経済国民会議
が描いております
青写真
の
新都
の
イメージ
というものについて我々は原則的に賛成であります。 しかし、それ以外にも、もう少し
規模
を大きくしろとか、あるいはもう少しこういう点を手直ししたらどうかという大所高所からの
改革的見解
も
各界
から出されております。したがって、私
たち
としましては、原則的には
社会経済国民会議
の
青写真
を支持しますが、しかしそれは、大いに名案を持ち寄って
国会
においても論議をいただいて、そして最も常識的で現実的な形の結論を出していただければいいんじゃないか、こう
考え
ております。したがって、機械的に
社会経済国民会議
の
青写真
に固執するという
考え方
は持っておりません。 以上が第三の
ポイント
、
新都建設構想
に関する私
たち
の
考え
でございます。 次に、第四の
ポイント
としまして、今後の
対応
、つまり
タイムスケジュール
と
連合
の
取り組み
につきまして、三点に分けて
考え方
を申し上げたいと思います。 まず第一点は、今後の
タイムスケジュール
の問題でございます。 本日お配りをいたしました
参考資料
の一、これの五ページに「
タイムスケジュール
」というものを記載いたしております。これは大まかに言って、一番時間がかかった場合でもこれぐらいの
タイムスケジュール
でいくべきではないかという
考え
でございまして、できるならば、よりスピードアップを図ることが望ましいというような
考え
を持っておるわけであります。 この五ページの2で書いております「
タイムスケジュール
」の
考え方
としましては、
新都建設
のプロセスとして、一九九〇年十一月七日の
国会移転決議
を
出発点
として、第一
段階
は、
総理諮問委員会
の
有識者会議
での
新都建設基本大綱
の建議から
新都建設基本法
の
政府原案決定
まで。これを三年
程度
と
考え
ておるわけなんです。そして、第二
段階
は、
新都建設基本法
の
制定
から
新都建設法
の成立と
建設計画承認
まで。これを大体、
新都候補地
の公募を含めまして十年間ぐらい。そして、第三
段階
は
土地
の買収から
移転完了
までの期間ということで七、八年という
イメージ
を持っておるわけでございます。そして、そういう
タイムスケジュール
をベースにして
国会
における
審議
を掘り下げていただき、その中で
国民的合意形成
を図り、おおむね立ち上がりから
完了
まで二十年間
程度
。このころは私などは生きておりませんが三十年間
程度
の時間をかけて
実行
に移すのが最も無理がなくていいんじゃないか、こう
考え
ておるわけでございます。 実は、
国会移転
の
決議
がなされまして、かつ最近、
社会経済国民会議
における
議論
とかあるいは
国土庁
での
審議会
の
議論
、それから
総理諮問委員会
の
有識者会議
の
議論
が始まりますと、
公務員関係
の
組合
からも私のところへいろいろ
資料
を送ってきたり、あるいはたたき台だけれ
ども
ということで
意見
な
ども
寄せられるケースが結構ございます。見ておりますと、
新都
は
日本
の
中枢部
がいい、雪の降らないところがいい、
国際空港
があるところがいい、新幹線のターミナルが、
大関門
駅があるところがいい、皇居とは余り遠くない方がいい、こうやっていきますと、結局
東京
になるわけです。やはりそういう
意見
が出てくるというのは、
家族ぐるみ
の
公務員
の
移転
だとか、そうなりますと、子供さんの
教育
の
関係
から
生活設計
の
関係
にもすべて影響が及ぶものですから、これらに対する危惧の念というのは結構強いわけなんでございます。やはり、そういった心配だとかあるいは
問題点
を円満に
解決
をしませんと、
新都建設
というものもスムーズにいかないと思います。 そういう点では、現在、
国家公務員
の
労使関係
では
団体交渉権
というのはまだ認められておりませんが、私は、やはり
国家公務員
に対する
団体交渉権
もちゃんと認めていただいて、そして
労働条件
がどう変わるか、仕事のやり方がどう変わるか、
生活条件
はどう変わるかということについて時間をかけて
労使
間の話し合いをやり、
合意
を形成するということが非常に大事じゃないかな、こう思っておるわけでございます。 ただし、最近、私も
総理諮問委員会
の
有識者懇
のメンバーの一人でございますが、いろいろ
関係方面
の権威の方々においでいただいて御
意見
を聞いておるのですが、最近の傾向としまして、
新都基本法
は早く
制定
するべきだ、
国会
で昨年十一月に
国会移転決議
をやったのだから、
新都基本法
、基本的な
方向性
を明示した
基本法
というものをでき得れば
次期通常国会会期
中に
制定
してもらいたいという
意見
がかなり出ておるのです。これは
連合
としましても、それらの
意見
については積極的に耳を傾けるべきだというような
考え
でございました。ぜひ
国会
におきまして、
参議院選挙等
の
関係
もあってなかなか
審議
時間は十分ではないと思いますが、百二十三
通常国会会期
中に、可能であるならば
新都基本法
というものを
制定
していただければ非常にいいのじゃないかと思います。 特に最近は、
東京
、大阪を中心として
地価
の暴騰については一定の歯どめがかかったということは事実でございますが、しかし、まだ本格的な
鎮静化
への道は遠いという実態でございますのであればなおさらのこと
新都基本法
というものを早く
制定
していただくと、
アナウンス効果
というのは相当出てくる。
東京
の
地価
などを押し上げている
土地等
の仮需要というもの、これは相当低減をするということも
考え
ますので、ぜひ国の進むべき
方向
として
新都基本法
の
制定
というものを急いでいただきたいと
考え
るわけであります。 第二点としましては、
新都建設
とともに
東京圏
及び
地方
の再
開発
を
推進
するべきであると
考え
ます。そのために
連合
は、二十一
世紀
へ向けた
日本
の
国土
それから
土地
・
住宅政策
を一元的に
実行
、
推進
する
機関
として、
内閣直轄
の
国土
再
開発推進機構
、仮称でございますが、これを新たに
設置
をし、そのもとに
新都建設プロジェクト
それから
首都圏
再
開発プロジェクト
、さらには地域再
開発プロジェクト
という三つの
プロジェクト
を
設置
をして、
首都機能分散
と多
極分散
型の
国土形成
を目指す具体的な
取り組み
を
推進
するべきである、こう
考え
ております。
最後
に、第三点としまして、この
国土
再
開発機構
は、
各界
からの
有識者
の参加、それから
国土
の
均衡
ある発展を
実現
するための一元的な
実行
と監視、それから
中央
、
地方
の
一体的取り組み
などにより、各
省庁
の
縦割り行政
の弊害を是正し、総合的、有機的、効率的な
施策
の
実現
を目指すようにするべきではないか、こう
考え
ております。そして、この
推進機構
のもとに
設置
する
新都建設プロジェクト
を具体的な
新都建設
の
実行機関
に位置づけたらどうか、こう
考え
ております。また、このような
新都建設
と新しい
政治
、
行政
の
社会システム
の構築による
東京
一極集中
是正は、
日本国内
の
問題解決
に限らず、
首都
への
人口集中
が著しい
アジア諸国
を初めとする
開発途上国
の
国土政策
の
モデル的事例
として
国際貢献
にも役立つのではない交こう
考え
ておるわけでございます。 細部につきましては、お
手元
にお配りをいたしました
参考資料
一並びに
参考資料
二、これは
連合
の
土地
・
住宅政策
につきまして、「九一~九二年度
政策
・
制度要求
と
提言
」からこの部分だけを抜粋したものでございます。
最後
に、
連合
の
土地
・
住宅政策
との
関連
で申し上げますと、この
参考資料
二の
アラビア数字
1、「
土地
・
住宅
の
重点政策
」というのが書いてございます。(1)として「
土地基本法
の理念に沿った
関連法整備
と
総合的土地
・
住宅施策
の
推進
」という項目がございまして、この②として
地価引き下げ
の
目標
をここで明示しております。現在の異常な
地価
を昭和五十八年、五十九年、今から七、八年前の水準まで引き下げることを
政策目標
とすべきである、この
観点
で
土地融資
の
総量規制
というものも、後段に書いておりますが、さらに
継続強化
をしてもらいたい、そういったものを
推進
する中で、
大都市圏
で働く
勤労者
に
年収
の五倍以内で持ち家が持てるような
政策
、それから
年収
の一五%以内ぐらいの家賃で良質な
賃貸住宅
が借りられるという
住宅政策
の
実現
を図るべきではないか、こう
考え
ております。この点は、我々との
交渉相手
であります
日経連
、
日本経営者団体連盟
と私
たち
との間でも、それから
経団違
と
連合
との間でも原則的に
意見
の一致を見ておる事項でございます。 特に、
宮澤内閣
は「
生活大国
」の
建設
ということを強調しておられます。そういう
観点
からいきましても、こういった我々の
土地
、
住宅
に対する
要求
が一日も早く実りますよう、
新都建設
の問題と
密接不可分
の
関係
にございますので、この問題も含めて
国会
において前向きの御検討をいただくようお願い申し上げまして、ちょうど時間が参りましたので、以上で私の
発言
は終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(
拍手
)
村田敬次郎
12
○
村田委員長
ありがとうございました。 以上で
山岸参考人
からの
意見
の開陳は終わりました。 ――
―――――――――――
村田敬次郎
13
○
村田委員長
これより
参考人
に対する
質疑
に入ります。 この際、
委員各位
に
一言
申し上げます。
質疑
につきましては、時間が限られておりますので、
委員各位
の特段の御
協力
をお願いいたします。 なお、
委員長
の許可を得て御
発言
をお願いいたします。
五十嵐広三
14
○
五十嵐委員
国会等
の
移転
に関して、
連合
としての大変積極的な御
提言等
の御
意見
もいただきまして、非常に心強く存じた次第であります。やはり、これは
一つ
の
国民
の運動のようなものに広まっていかなければいかぬですから、そんな
意味
ではまことに我々はうれしく思った次第でございます。 殊に、
早期
に
基本法
の
制定
が必要だ、それは
東京
の
土地価格等
への
アナウンス効果
というものもあるではないかという
指摘
は、特に非常に適切な
指摘
としてお聞きいたしました。我々としても、
早期
に
基本法
を
制定
するように努力しなければならぬという感じを改めていたしている次第であります。この
機会
に、お話の中で御
指摘
になっておられて、私
ども
も全く同感であり、したがって、その点についての
実行機関等
に関してちょっと御
意見
をいただきたい、こう思うのであります。 それは、つまり
国会
や
政府機関
の
移転
というものが、御
提案
のようにその
実行機関
としては
内閣直轄
で
国土
再
開発推進機構
をもって進めていこうというのとあわせて、実はよく内なる
遷都
とか言われているように、実際にこういう
首都移転
というものの内面的な、いわば
ソフト面
での実効あらしめる
意味
では、それは
行政事務
の
地方分権
であろうというふうに思いますし、まさにそこも御
指摘
をいただいているところであったというふうに思うのであります。したがいまして、この
国土
再
開発推進機構
とあわせて、できれはこの
機会
こそ
行政分権推進機構
的なものをもって、そして法律的にも、先ほど御
提案
のあった
新都基本法
とあわせて
分権基本法
的なものを設けて、この
機会
こそ
我が国
の
行政事務
再配分を強力に進める、これが一体並行化しながら二十一
世紀
に向かって、さっきのまた
タイムスケジュール
とあわせて
実現
されていくということこそ
我が国
の本当の
意味
の
首都移転
といいますか、そういうものにつながるのではないかというふうに私は思いまして、そういう点につきましての御
意見
をいただければ幸い、こういうぐあいに思う次第であります。
山岸章
15
○
山岸参考人
ただいまの
五十嵐先生
の御
見解
で、
新都基本法
の
早期制定
についてやろうじゃないかという
意思表示
があったので、非常に私も心強く思っております。これはもう
連合
へ帰りまして、皆さんにも御報告申し上げて、
国会
で
早期
にそういう
基本法制定
ができますような
国民各層
に対するプロパ
ガン
ダ、そういう活動をやはり私
たち
も積極的に進めていきたいと思っております。 それから、今出ました
分権基本法
の
制定
、まことにそれは的を射た御提起だと思います。実は経団連と
連合
と
トップレベル
の、つまり
会長
、副
会長
、
事務総長レベル
の
定期会談
を持っております。それからまた、
日経連
と
連合
とも
トップレベル
の
定期会談
を持っています。これらで
意見
一致していることが二つあるのです。もう
我が国
の諸悪の根源は、
一つ
は各
省庁
の
中央集権化
、
許認可権
の
拡大
というのがやはりすべての、例えば
土地
問題、
住宅
問題その他あらゆる
制度
上の問題を
解決
する場合の大きな
ガン
になっている。これは何としても我々在野の人間としても乗り越えるためのアプローチをしていかなければいけない。もう
一つ
の問題は各
省庁
の
縦割り行政
、これがまた非常に大きな
ガン
になっておる。この二つのことでは完全に
意見
が一致しておるわけでございます。 したがって、私は、今
鈴木永二
前
日経連会長
が
会長
になっておられる
行革審
の
関係
もございますから、余り立ち入って今ここで、
行政分権推進機構
がよいとか悪いとか分限を越えたことを言いますと、まずそっちの方からおしかりを受けますので、あそこの
行革審
にも
労働側代表
で元
総評事務局長
と
友愛会議
の議長を出しておるものですから、それもどうでもいいという印象を与えるような言い方はできませんので、これ以上の
発言
を慎みますが、いずれにしても、あの
行革審
の位置づけを含めて、今先生がおっしゃるように
分権基本法
も同時に
制定
できるようなそういう掘り下げた現状に対する検討、それからやはり今後のあり方についての探求、これが行われることは非常に好ましいと思っております。それはぜひ
国会
の中で御検討いただいて結論を出していただければ、私
たち
はその結論を積極的に支持いたします。
五十嵐広三
16
○
五十嵐委員
あしたですか、第三次
行革審
で部会の方からの報告が公式にあるようですが、いろいろ漏れ承るところでは、当初は細川さん、部
会長
が、
地方分権
等については、我々が見ていても非常に夢の多い、今度はいくだろうというような感じのところが出ていたのだけれ
ども
、何だかどうも今度、いよいよあした報告ということになって大分後退をしているような感じで、しかしこれはやはり毎回そうなんですね。いよいよになると各
省庁
の抵抗が強くて実施できないということになっているので、やはりこういう、今の
国会等
の
移転
などの
機会
に本当の
意味
の中身の分権を
実現
していくということを強力に進めていく、ハードとソフトと両面で
実現
をしていかなければ
一極集中
というのは
解決
がつかないのですから、ぜひそういう面でひとつ御意向を中心にまたお進めいただきますようにお願い申し上げて、
発言
を終わりたいと思います。
和田貞夫
17
○和田(貞)
委員
私もそれに
関連
しますが、
縦割り行政
を解消するためには
行政
を分権化していくしか方法がないと私は思うのですが、それには、まずそこへ行く前にいわゆる
国家公務員
の人事、これは横断化できると思うんですよ。それを横断化しないで、多少高級官僚の配置がえというのは各省間にありますが、各省に人事が
集中
されて大蔵官僚、何々官僚となっているものだから、言うことはたやすいのだけれ
ども
実際はなかなかできないという
ガン
がそこにあるわけですよね。ですから、
五十嵐先生
の言われる
地方
分権基本法
以前に、言うなれば官僚の分散化のための人事基本権というかそのようなものをまず大なたを振るってやらぬ限りは、究極的にこの
委員会
が
設置
された目的に沿った
一極集中
是正というのはとても無理だ、こういうように私は思うのですが、そこから出発しなければならないという
考え方
についてはどうですか。
山岸章
18
○
山岸参考人
私は、和田先生がおっしゃることは賛成でございます。ですから、いわゆる
国土
再
開発推進機構
、これとあわせて
ソフト面
をどうするか。
五十嵐先生
からも御
指摘
のございました
行政
の分権の問題、それから人事の問題含めて、いかにして
縦割り行政
を打破して
中央
集権を改革して
地方分権
を
推進
するかという何か権威のある機構をつくらなければだめだ、それは各
省庁
横断したような機構が総理大臣直轄のもとにということが大切ではないかな、私はこう思っております。 今人事の問題も出ましたが、労働
組合
権の問題も真剣に
考え
てもらわないといけないと私は思うんですね。先ほどは
団体交渉権
を言いましたけれ
ども
、労働
組合
権というのは、団結権と
団体交渉権
と団体行動権、三つあるわけですね。今の
国家公務員
は団結権は認められております。しかし、
団体交渉権
は認められていない。ましてや団体行動権は認められないという状況ですから、これはちょっと変則的だと思います。ILOの国際労働基準からいけば、
国家公務員
といえ
ども
、もちろん
地方
公務員
の場合にもそうですが、そういった労働
組合
権は保障するというのが本来のあり方なんですから、そういうことを含めて、
国家公務員
の人事の問題、それから
労使関係
のルールの問題な
ども
大所高所から改めて見直すという必要があるのではないかと私は思います。これはもう和田先生のおっしゃるとおりだと思います。
鳥居一雄
19
○鳥居
委員
山岸
会長
の
連合
としての
考え方
、
取り組み
、大変よくわかる話でありますし、具体的に、極めて的が絞られてきておるな、こういうふうに実は今承ったわけです。 それで、
遷都
あるいは分都、さまざまな形の
一極集中
を是正しようということでこれまで動きがありましたけれ
ども
、
新都
の
建設
であるということで具体的な
タイムスケジュール
もただいま伺いまして、
新都基本法
の
制定
が目前に必要である、そしてその前提として
有識者会議
での基本大綱の確立が必要である、こういう手順で進んでいくというわけでありますけれ
ども
、
有識者会議
をどういうふうにごらんになっているのか。それからまた、
国会
に寄せられる期待として
新都基本法
という形で通常
国会
を展望されたわけですけれ
ども
、具体的にこのあたりをどう見ていらっしゃるのか伺いたいと思います。
山岸章
20
○
山岸参考人
まず、現在の
有識者懇
談会でございますが、私も
委員
になっておりますが、
金丸
先生も入っておられます。私を除くと政界の大物、それから司馬遼太郎先生など斯界の権威がずっとおられますが、今のところヒアリング専門でやっております。それで、たしか昨年の十二月にスタートしまして、もう一年たっているのです。ところが勉強を繰り返しているという
段階
でありまして、ちょっとテンポが遅いのじゃないかという
問題意識
があります。ですから、この
有識者会議
でも
参考人
の方々に来ていただいてヒアリングを受けているのですけれ
ども
、多くの
有識者
は、やはり百二十三
通常国会会期
末までには
新都基本法
を
制定
するべきだということを御
指摘
になっております。そうしますと、逆算していきますと、私も
有識者懇
で今度提起しようと思っておりますけれ
ども
、今のペースでは間に合いませんわ。何らかのまとめといいますか
提言
を、せっかくこれは総理の諮問
機関
としてつくって一年やってきたのですから、年明け早々くらいに出すべきじゃないか、私はそう思っております。つまりスピードアップしていよいよまとめに入る
段階
じゃないかな、こういう
問題意識
を持っております。 それからもう
一つ
の
新都基本法
ですが、
参考資料
1の四ページ、ここの下段の方に「1、(
国民
合意
を図る手続き)」といたしまして「③「基本大綱」に基ずきこ云々となっておりますが、この
新都
の理念、機能、基本的条件、選定方法、それから
建設
・
移転
のスケジュール、
土地
制度
、費用等を定める内容の
新都基本法
というのが私
たち
の
イメージ
でございます。 ただし、ここで「
新都建設
基本構想
審議会
」、こう書いておりますが、必ずこれを経なければだめだという発想には立っておりません。これは五ページに書いてございますように、
新都基本法
の案を
政府
決定するまでの期間は三年間だという前提で書いておりますから、これをスピードアップするということになれば、ここで書いております「
新都建設
基本構想
審議会
」というのは省略して、今の
有識者会議
の
提言
という形でよいのじゃないか、そう思っております。
木間章
21
○木間
委員
山岸
会長
から、
連合
の
土地
・
住宅政策
についてもいろいろレジュメをちょうだいいたしまして、先ほどのお話では、
土地
価格は五十八年ベースまでまず下げるべきだと。私
ども
もそのように感じ取っております。都市のサラリーマンの収入との
関係
では、五倍以内の
住宅
取得が適当であろう、これは経営団体とも合致をしておる、このようにお話がありました。 最近、内閣が交代されまして、それぞれ
建設
大臣でも
国土庁
長官でも、まあ総花的かもしれませんけれ
ども
、不動産に対する金融
関係
の融資の規制をもう緩めようか、そういうことが随分と聞こえてくるわけであります。そうなりますと、勢いまた、せっかく
鎮静化
、マイナスになっておるこの不動産の
土地
価格というのはまたまたはね上がるんじゃないだろうか。ですから、このレジュメでは、規制強化を引き続き行うべし、このようにまとめられておりまして、全く同感なんですけれ
ども
、今、新内閣がやろうとしておるそれらの規制を外すということについて、
会長
はどのようなお
考え
なんでしょうか。
山岸章
22
○
山岸参考人
私
たち
としては、先ほど申し上げましたように、
地価
の高騰に歯どめをかける、これを積極的に引き下げるための規制策は、強化することこそあれ、これを緩めるということはまことに危険である、賛成できない、そういうぐあいに
考え
ております。
木間章
23
○木間
委員
声を大にして、ひとつお願いします。
金子満広
24
○金子(満)
委員
端的に伺いたいのですが、
一極集中
の弊害というのはもう
各界
ひとしく
指摘
しておるとおりで、このままでいいというのはいないわけですね。もちろんこれは自然にこうなったんじゃなくて、自然災害で
一極集中
したわけじゃないわけですから、原因があるのですけれ
ども
、こういう中で、民間活力の導入とか四全総、それが具体的に進められた。記憶に新しい言葉では、国際都市
東京
という言葉を随分いろいろなところで、積極的ないい
意味
を持ったものとして使われたと思うんですね。そういう中で、気がついてみたらこうなってしまった。 今、
国会
及び
政府
機能の
地方
移転
という問題、二十年展望という話もありましたが、二十年先のことはさておいて、今この
一極集中
で最も露骨に進められているのが、きのう、きょうの新聞にもありますけれ
ども
、
東京
の中での
東京
湾臨海部の
開発
なんですね。都心三区といえば、千代田、
中央
、港になるわけですか、この都心三区の
土地
の六九・一%が法人なんですね。これは、ほかに例がないと思うんですよ。法人だけれ
ども
、中小企業法人でなくて大企業が買い占めているわけだし、特にこの十年間、最近の方がなお大きく動いたわけですけれ
ども
、大企業が都市に
集中
した。ここに仮に
住宅
といっても、マンションができていますよ。しかし、一カ月の家賃が八十万、九十万じゃ入れないですよ。どういう人が入るかといっても、想像すればわかるように、外国の商社の重役とか極端に収入の多い人でなければ入れないわけですが、こういう状態の中で、今進行中の
東京
湾の臨海部の
開発
、計画期間を二年延長したとか、一九九八年を二〇〇〇年にしたとか、あるいは新しくそこで就業をする
人口
をちょっと減らしたとか、
住宅
を若干ふやすとか、こういうようなこそくな手段でなくて、今抜本的に見直しを早急にしないと
集中
化はなお進む、弊害はなお広がる、水、交通、
住宅
、環境、あらゆる面からひどいことになるんだ。そういう点で、ひとつ
山岸
さんの方で、これは今抜本的な見直し、小手先じゃだめだというようにお
考え
になるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
山岸章
25
○
山岸参考人
私
たち連合
も、今金子先生が御
指摘
になったような
問題意識
を持っております、特に、
東京
都が今計画している臨海部の
開発
の問題、これはやはり
一極集中
打破という、それで
均衡
のとれた
国土
再
開発
計画の
推進
という
立場
から見ると、やはり逆行しているというように受けとめております。したがって、抜本的に見直すべきだという
考え
てあります。 おもしろいもので、私も
堺屋太一
さんなんかと一緒に、生産性本部だとかあるいは
社会経済国民会議
主催の
新都建設
問題のパネルディスカッションなんかにパネラーとして参加することがあります。そうしますと、
東京
隣接県の知事さんあたりと一緒にやりますと、
新都
論でなくて展都論なんですね。この三ページで言いますと、
遷都
、改都、展都、分都、重都と、こうありますが、展都論なんです。つまり、今の
東京
に
一極集中
している、これをさらに
首都圏
全体に広げるというだけの話でありまして、これは、私は何ぼ革新知事であっても賛成できないというので、いつもは反対しているのです。 車ほどさように、
東京
の場合も、
東京
をどう再生するかという発想が先行しちゃって、やはりフロント計画なんかもナショナルな次元で見れば、これは
一極集中
排除に逆行するというような
方向
へのり込んでいっている傾向があると思う。これを私は国家的視野に立って抜本的に見直すべきだと思います
金子満広
26
○金子(満)
委員
臨海部
開発
という点については、
一極集中
という点からすれば、これはもう逆行だから見直ししなくちゃいかぬ、そういう点は労働
組合
でも大きく、今しゃべらなければどんどん進行しちゃうわけですから。だからそういう点は非常に大事な問題だと思う。特に、鈴木都政になってからのマイタウン
東京
とか副都心計画というのがやたら進んだと思うんですよ。副都心だから、都心はこの
国会
、この辺が都心で、副都心といったら、新宿が副都しで、上野が副都心で、今度は臨海部、すぐそこが副都心で、こんなことをやったって全然これは
集中
を変えるものじゃないと思うのです。おおいと呼べば答えられるような、聞こえるようなところは都心と副都心なんという
関係
じゃないわけですから、私は、そういう点で今逆行しているという点はそのとおりだと思うのですね。 そこで、堺屋さんのときも私は質問したわけですけれ
ども
、戦後、この地域
開発
では確かに百を超える法律ができているんですね。その次なんですね。このいろいろの
審議会
、懇談会、それから識者の会、諮問
機関
、いっぱいできるわけです。そのいっぱいできる中で、結果として
一極集中
になったということだと思うんですね。ですから、研究会、
審議会
、懇談会、この見直しも必要だと思うんですね。やたらにそれをつくっては、悪く言ったらそっちに責任をなすりつけて、本体の方は無傷で済みたいな、そういう
考え
じゃなくて、抜本的にこういうものはメスを入れなきゃならない。 そういう点で
一つ
質問したいのですが、
一極集中
は
議論
するが、魅力ある
地方
開発
というのがなかなか
議論
にならない。現状は
指摘
するが対策はない。過疎です、疲弊しています、
人口
の流出だってひどいんです、それでと言うと、ないんですよ。頑張らなきゃならぬ。泣く泣く頑張れと言ったって頑張り切れないのですから。私は、そういう点で
一極集中
という問題を
議論
すると同時に、魅力ある地域
開発
、
地方
の
開発
というもので、青年、学生が魅力を持って行けるような、そういうものをやらない限り、幾らやってもだめだ。地域の魅力ある
開発
の問題が
一つ
。 それから、二十年後を展望して、
山岸
さんのあれでいきますと、
国会
と
政府
機能の部分だけは
移転
して、
経済
とか
文化
とか情報とかは残すというんですね。
人口
の面からいくと、そんなに減ったという移動でもないと思うんですね。その点も含めてお伺いしておきたいと思います。
山岸章
27
○
山岸参考人
私は、やはり
一極集中
の問題だけを分離して論ずるのは誤りだと思います。
一極集中
と
均衡
のとれた
国土
の再
開発
という問題はセットにして論議するべきだと思います。 それから、先生御
指摘
のように、
審議会
、懇談会、諮問
委員会
、いっぱいあります。私だって
政府
関係
審議会
、勘定すると、名刺に書きますと裏表になるぐらいやっておりまして、これは本当にまじめに全部出ておれば本業は放棄しなきゃいけないというぐらいたくさんやっています。結局中途半端になっちゃうのです。 そういうことを
考え
ますと、やはりもう少し国の進路というものをはっきりさせて、この進路へ向かってどう
国民各層
の英知を結集するかという
観点
で私は見直す必要がある、こう思っております。 それから、
有識者懇
でも
議論
になっているのですけれ
ども
、どの部分を
新都
に移すかというのはいろいろな
意見
がございますね。私らの方も専門家じゃございませんから確信を持って言っているわけじゃございませんが、しかし、
新都
ができた、だから
東京
がゴーストタウンになったのでは、これはだめなわけでありまして、やはり
東京
それ自体の再
開発
というものも
考え
なきゃいけない。そうしますと、結局バランスの問題がある。 特に
有識者懇
でも話題に上りましたのは、皇室の問題です。これは我々が論議の対象にしない方がいいだろう、現状でいいんじゃないか。それから、
国会
は移すということは
決議
されているから、
国会
は行く。そうすると、やはり各
省庁
の
中枢部
門は必然的に
新都
へ移らなきゃいけない。しかし、行く必要のない部分まで持っていくと、先ほ
ども
ちょっと触れましたように、またそこで新たなる
一極集中
が起こっちゃう。だから、どこでその境界を引くかということは、まさにこれは今後の
国会
なり、あるいは私
たち
が提唱している
新都建設プロジェクト
で、
関係
省庁
の責任者の方々、それから
国民
各階層の
有識者
を含めた
代表
の方々が英知を絞って、そこでいろいろ御検討いただいたらいいんじゃないか。 何はともあれ、我々はこういう基本的な
考え方
で、おおむねこういうような
タイムスケジュール
で
新都
を
建設
するんだぞという大号令を発するという
意味
において、今一番大事なのは、
新都基本法
というものを
国会
でできるだけ早く
制定
していただくことではないかな、こう思っております。
金子満広
28
○金子(満)
委員
大体、二十年後にどのくらいの
人口
移動を
考え
ていますか。
山岸章
29
○
山岸参考人
これは先ほど私が申し上げましたように、二十万人ぐらいということです。
金子満広
30
○金子(満)
委員
最後
に
一言
ですが、
国会
、
政府機関
機能中心、それはいいとして、そうすると具体的な問題ですけれ
ども
、例えば労働
組合
、
連合
とかいろいろな全国組織、大衆組織ですね、これは
移転
するというふうに
考え
ているのですか。
山岸章
31
○
山岸参考人
そこまではまだ検討しておりません。大体、二十年たったら私はやめておりますから。しかし私の方は、お恥ずかしい話だけれ
ども
、いまだに
連合
の会館もないくらいですからね、間借りしておりますから。それをどうするか、今一生懸命検討しておりますが、
連合
本体が行くか、あるいは
国会
対策に
関連
する部門を行かせるか、それはやはり
新都
にどの機能が
移転
するかによって
考え
ればいいと思っております。
米沢隆
32
○米沢
委員
新都
の
建設
についての
連合
の
考え方
、総論、各論ともに基本的には僕も賛成です。ただ、そういう構想を
推進
していく場合の
考え方
について、三点ほど聞いてみたいと思います。 御案内のとおり、
一極集中
という現象は、先ほ
ども
話がありましたように何も
日本
だけではない。世界の国々が悩んでいる現象でありますし、アジアでも大変大きな問題になっていますし、
日本
でも以前から同じ現象で悩んでいる。特にこのごろ
日本
全国を見ていますと、県庁所在地にまた
集中
し始めておりますから、
東京
に
集中
すると同時に、過疎県においても、いわゆる県庁所在地の方に
集中
するという、
集中
ばやりなんですね。 なぜ
集中
するかというのは、先ほどからいろいろと、情報機能や
国会
や
政治
や
行政
が
集中
しているからという話でございますが、もっとそれを細かく言うならば、やはり豊かさ及びチャンスが欲しいとか、あるいは豊かさをエンジョイしたいというために
一極集中
がまた
集中
を重ねている。大学生だって、何も
東京
に勉強しに来るのじゃなくて、
東京
に行って遊びたいというのが半分ぐらいを占めておるわけですね。そういう
意味
では大学の
集中
も、いわゆる
東京
を楽しみたいという
意味
でやってきておる。 そういう
意味
では、
集中
というのは、単に
一言
で言うけれ
ども
、やはり魅力ですね、
集中
された
土地
の魅力みたいなものが、実際、
集中
が
集中
を呼ぶ。場合によってはコストを払ってもそこの
集中
したところに行きたい、少々不便であったとしてもそこの方がおもしろい、楽しいという
意味
でございますから、僕は、
集中
をなくすためには魅力をなくする以外にない、逆に言うたら。逆療法でそんなことがあると思うんですね。だから、魅力をそのままにしながら幾ら
国会
を
移転
させても、
集中
はとまらないという気がするわけです。 したがって、これからはもう、コストを払ってもいいという人が、ここにおらざるを得なくて、ここにいないと飯が食えないという、皆さんおわかりの、不公平にひいひい言いながら飯を食わざるを得ない、しかし
集中
の魅力が存在する限り、その矛盾は
拡大
しても
集中
がまた排除されることはないだろう、という
意味
で、僕はやはり、世の中の今の我々の価値観が、繁栄だとか成長だとかあるいは拝金主義とかそういう価値観がある限り、少々移動したところで全然変わり得ないだろう。 そこで僕が
連合
に期待するのは、やはり労働運動でも
政治
活動でも、今生活者のためのというような
議論
がなされておりますが、やはり価値観を変えていくというバックグラウンドがないと、百年たっても二百年たっても別の
意味
でまた
集中
が起こるであろうという
意味
で、私は
連合
の皆さんに、特に労働運動における、安定成長の中であらゆる分野に公正を求めていくという、せめて人間にそういう意識革命がない限り、実際は、苦労の割には結果としては
集中
の排除はできないのではないかというのが
一つ
あります。 もう
一つ
は、
集中
を排除していくためにいろいろと今おっしゃったような
新都建設
あたりを行うにせよ、その間、
集中
したところには、御迷惑をかけるかもしれませんが少々コストを払ってもらいたいというようなものが本当に導入されないと、人はどんどん出ていく、居心地は逆によくなる、またそこに
集中
が起こるというイタチごっこをしているような傾向が結果として出てくるのではないか。だから、一時は僕も反対をしましたが、事務所税を取ろうとか、新規立地するところにはちょっと金を出してもらいたいとか、ある
程度
魅力を半減させるような
施策
を一方的にやっていかないと、税金でもいいですし規制でもいいのですが、やろうと立ち上がった
段階
で並行的に、あなた方来なさんなという部分も何かやっておかないと、苦労して出て行った、後また直ちにやってくるというこの繰り返しをさせないためにも誘導措置、これ以上過密にしないという誘導措置みたいなものについて、ある
程度
強制力があるものを持っておかないと実際は難しいのかなという感じが僕はするということが第二点。 第三点は、これは金子さんもおっしゃいましたが、共産党と同じようなことを言うのは余りめったにないのでございますけれ
ども
、結局、
地方
の繁栄あるいは
地方
の発展というものに向かなければだめだ。この問題は、
中央
集権と非常に密接に絡んでおる、したがって、
地方分権
というもの、あるいは
地方
の財源の再配分というもの、そして、もっと
均衡
ある中核都市をつくるという
意味
でなければならない。しかし、今
考え
てみますと、各市町村が三千幾つあって、おらが村、おらが村で、あんな小さな中でみんなそれなりに同じことをやっている。それでは全然魅力も
開発
されない。それより、もっと単位のあるもの、極端に言えば、
日本
は小さい国だけれ
ども
、連邦国家みたいになれば、
人口
の
集中
もそう
東京
に来ないだろうし、あるいは
集中
の弊害も今のような状況では起こらないと僕は思うのです。 だから、連邦国家はできないにせよ、道州制ですね。逆に、小さな市町村の単位を取り払って、県の単位も取り払って、せめて連邦国家的な州の中で
一つ
の
経済
合理性というか、
人口
の合理性というか、そういうのを図りながらやっていったら、
集中
というのは現状は非常に小さな
段階
でおさまるだろうと僕は思っております。そういう
意味
では、今の
地方
自治体の境界をそのままにして
地方
の繁栄と言ったところで、これは本当に無理のような気が僕はするのです。それで、
地方
もある
程度
経済
単位になるくらいの道州制、言葉はどうか知らぬが、道州制的なものをつくって
地方
の
均衡
ある発展の中核都市を本当に育てる。そのためには、ある小さな市町村を中心に
地方
の繁栄というのは無理があるので、やはり道州制的なものをやることが、背景としてはきちんと構想ができ上がるのと並行して、それよりちょっと先にそれが出てきたらかなりスムーズにこの
議論
も進んでいくのではないか、そんな感じが僕はするのです。 その三つの点について、
考え方
でございますが、
山岸
先生のお話を聞かせてもらいたいと思います。
山岸章
33
○
山岸参考人
米沢先生からの御
指摘
については、私は同感であります。 まず
一つ
目の、価値観を変えていかなければいけない、ゆとり、豊かさとは一体何なのかということについて既成の価値観を変えないと、結局それは少々改革しても時間がたてばもとのもくあみになるのじゃないかという御
指摘
については、私もそう思います。だから、
連合
といたしましては「ゆとり宣言」、これを今全国三千三百の
地方
議会でやってもらって、大体五〇%近くが
決議
しているのじゃないでしょうか。それから
国会
においても、衆参両院で
決議
していただいておりますが、今度は環境宣言だと思う。これも
地方
議会で
決議
してもらおう。逆に言いますと、魅力ある
地方
都市をつくり上げていかないと、人はそちらの方になかなか向いていきませんので、そういった点は、今は抽象論しか言えませんが、踏み込んだ魅力ある
地方
都市づくりへ向けてどうやるのか、それを支える意識、これを形成するための価値観転換の意識改革の
取り組み
というものをやらなければいけないと思います。 それから二つ目の、
東京
一極集中
をこれ以上加速させないための誘導措置といいますか、それは必要だと私は思います。だから
連合
は、今まで
地価
税だとかいうのでも、八百平米を超えるような休閑地については仮需要というのは相当ありますから高い
地価
税を課するべきだ、そういうような
政策
提言
を何度も行ってきましたが、米沢先生が今言われたようないろいろなアイデアがあると思いますけれ
ども
、何らかのコスト、それは
東京
で頑張るのだという
地方
出身の方々には、個人といい、あるいは法人といい、やはり負担してもらうということは当然
考え
るべきじゃないかと思っております。 それから三つ目の道州制の問題は、私もその主義者でありまして、先日、宇野関経連
会長
と大分
議論
いたしました。
意見
は一致しているのです。いきなり道州制というのは難しいだろうけれ
ども
、
日本
は
地方
自治体の枠をもっと広げていかなければいけない、だから一村一品運動もいけない、もう少し道州制を意識した
地方
ブロック
経済
会議
の形成ということを
考え
たらどうかということなどでは、関経連の宇野
会長
は
行革審
の
委員
でございますが、個人的には
意見
が一致しておるわけです。まさか、今言われた道州制並みの共和国家
連合
というわけにはいかぬでしょうが、道州制というようなものを志向するような形の
地方
経済
のブロック化などというものについて、あわせて
考え
ていく必要があるのじゃないか、そういう
問題意識
を私は持っております。
米沢隆
34
○米沢
委員
僕は、意識革命のところを、特に運動されておるところにとって、ぜひ
一つ
の大きな柱として運動の中に盛り込んでほしいと思っています。今まで我々は、豊かになることが幸せだと思って頑張ってきましたけれ
ども
、金の面でいえば、中国や北朝鮮なんかと比べたら我々は百倍、千倍ぐらい幸せでなければいかぬのに、全然逆でして、将来に向かって不安がある、いらいらする、欲求不満だ。だから、欲求の肥大化を追いながら結局自分で不幸せを選んでいるようなところが実際ありますね。 そういう
意味
では、豊かさというのか
経済
的な成長が、金をたくさんもらうことが幸せだと思ってやってきてここまで大きくなった、あとは結局金だけではないんですよというところが本当は大事なのであって、本当の
意味
で生活者のための
政治
とか、生活者のために闘う
連合
と言うならば、あらゆる運動方針の
一つ
の発想の中にぜひそれを取り入れていただいて、徐々ではあっても我々自身が、
行政
も
政治
も労働
組合
もみんな意識革命をしていかないと、実際は、この問題は半永久的に
解決
できない問題だという感じが強くしておりますので、ぜひ御検討を祈念いたします。
山岸章
35
○
山岸参考人
ただいまの御示唆については重く受けとめて、持ち帰りまして真剣に検討いたします。
粕谷茂
36
○粕谷
委員
今までお話を聞いていまして、私ももうほとんど同じような
考え
を持ちました。
東京
をどうしたらいいのか、こういうふうに
山岸
先生は悩んでおりますが、いろいろなお話の中で、ウォーターフロントのことに触れてお話がありましたけれ
ども
、私も、これは
一極集中
とはちょっと背中合わせのようなことをやっているのじゃないだろうかと思ってはいます。いますが、ただいま現在、それじゃごみだ、交通だ、
住宅
だ、
地価
対策だとかいろいろなことを放置していていいのだろうか。そして、インフラ整備をやるのに
土地
の買収をやるといったって、山の手だとか三多摩だといったところで買収するのに非常に時間がかかる、また金もかかる。そうすると臨海部に着想する。こういうようなことも今日の成り行きとして
考え
なければいかぬじゃないか。 それからもう
一つ
は、すべての道が
東京
に通ずるというような状態にあるんですね。こういう
東京
を一朝一夕にして、どこかへ同じ機能を持ったような都市がつくれるだろうか、これを
一つ
思うのです。そういったようなことから、結局この近隣の
首都圏
の知事さん
たち
は現実
政策
として展都論を打ち出してくる、こういうふうに思うのです。 しかし、展都論では今の
一極集中
にさしたる効果をなさないよというのが大方の方々の
見解
だろうと思うんですね。ではどうしたらいいんだ、こういうことになりますが、
首都圏
の自治体のそういう幹部の人と国の人
たち
が本当に一心同体になって話し合う、今もそういうものをやっていますけれ
ども
、もっと強化されたものをやるべきじゃないのか。 ちょっと私は、ひが目かもしれませんけれ
ども
、
中央
官庁の人
たち
は少しお上の意識がありはしないか。例えば、
東京
都の
建設
局とか
東京
都の都市計画局というのがあるんですよ。だけれ
ども
建設
省にもあるわけですよ、
山岸
先生。そうすると、同じ部長であり同じ局長であるけれ
ども
、位が一級上のような感じを持って話している場面を私はちょいちょい見ることがあるんですよ。この
考え方
を変えないと、この
東京
の
一極集中
の問題は事務的な
段階
で非常に問題があるのです。これを
一つ
思っています。 それから、米沢先生の言うことに私は同感ですね。ただ、ここに来れば就職の
機会
があるとか、何か金もうけができるとか、そんなことはかりではないと思います。活気があって、エネルギッシュで、それで繁栄があって、そういうようなところをやはり人間は求めるのではないか。空気が少しぐらい悪くたって新宿の歌舞伎町へ行こうやというような気分でみんな出かけていく。ああいう感じが、大衆、庶民の中には理屈で言いあらわせないところがあるのではないかと私は思っているのです。 そこで、今
山岸
先生にこういうことを言うことはとても失礼に当たるから申し上げませんけれ
ども
、私
たち
もこの問題では本当にとても悩んでいるのです。ただ、
日本
の国は権力体制の中にずっと成長してきました。大阪の商人は商人同士で商いをしてもうけている。ところが、
東京
の商人というのは要するに政商だ。ちょっとこのごろ景気がよくなってきたけれ
ども
、役所の出入りをしている御用商人だ、こういうことをよく言われますね。もしそれが当たっているとすれば、権力の中枢をどこかへ移すということになれば
たち
まちのうちに百万ぐらいはここから移るかもしれない、そんなことを思うのです。 何かお尋ねするというようなことでなくて、私が日ごろ疑問に思っていることをお尋ねの向きでちょっとお話ししたのですけれ
ども
、もし御感想があったら教えていただきたい。
山岸章
37
○
山岸参考人
私は、先ほど話題に上りました総理の諮問
委員会
の
有識者懇
で村田先生がおいでになったときにもお伺いしたことがあるのですが、今まで
国会
の有志議員による懇談会がございましたが、私が見るところ、かつては
東京
都選出の
国会
議員の方は、与野党とも非常に少なかったのですね。一体なぜ少ないのですか、
東京
都選出の
国会
議員の先生を横に置いてそれ以外の人
たち
ばかり集まってやったってそれは話がつかないのではないですか、
首都
建設
だとか
国会
の
移転
とかいうことになれば、やはり
東京
選出の
国会
議員の皆さん方とそれ以外の地域から出てきておる
国会
議員の皆さん方の間でよく話し合って、
一つ
の明確なコンセンサスができないと実効を期しがたいのではないですかと感想を述べたことがあります。 ですから、私は、そういう
意味
ではこの
特別委員
会に物すごく期待をしているわけです。各党の
代表
の先生方が全部参加しておられます。それから、粕谷先生を初めとして
東京
都選出の
国会
議員の先生方もおられる。ここでとことんガラス張りの
議論
をしていただいて、そして一日も早く
基本法制定
の一定のコンセンサスを形成していただくような、そういう御努力を期待したいと思っております。
粕谷茂
38
○粕谷
委員
そこで、今おっしゃるような
意味
で、
東京
の議員がどうしてこれにかつて参加しなかったか。これはいろいろな理由があると思いますが、私なりにちょっと知っていることを申し上げますと、
東京
ではやはり都というのに非常な愛着を持っているんですな。だから、
首都移転
というと、
東京
をどこかへ持っていってしまうのか、そういう感じが
一つ
ありますね。それから、
国会
を初めそういうような国家
機関
がどこかへ行ってしまうということになると
東京
の今日の繁栄が、恐らく火が消えてしまうのじゃないか、こういうようなことを思う人もいるんですね。そこで、これは首長も議員も、我々はみんな選挙があるんですな、それで
東京
が下火になるような話はなかなか打ち出せない、ざっくばらんな話を申し上げますと。そこでどうしても、何となしに、大局的に見れば、
一極集中
じゃなくて
国土
を平均にみんなで活用してこうやったらいいじゃないか、こういうことになるのですが、今度は現実論、具体論になってくると、そういうことになるんですよ。この辺をとにかくよく
教育
をしていただければ……。
山口鶴男
39
○
山口
(鶴)
委員
御苦労さまでした。 お話のなかった中で
一つ
だけお聞きしたいと思うのですが、雲仙の災害があれほど長期に続くなんということは、私
ども
やはり想像しなかった。
東京
及びこの辺の、伊豆半島の地域というのはまさに地震の巣が
集中
している地域ですね。ですからそういうことを
考え
ますと、大災害というものは、いつかはわからぬけれ
ども
、起こり得る可能性というのは、この
東京
周辺というのは十分あり得るわけでして、そこを
考え
ましたときにこの
国会
の
移転
、そして
行政
の中枢の
移転
ということは、やはりその面からも緊急の課題として
考え
る必要があるのではないかというふうに思っています。この
特別委員
会にもそういった専門家の方にもやがて来ていただきたいなと思っておりますが、それが
一つ
。 それからいま
一つ
は、
山岸
さんのお話を聞きますと、やはり西ドイツのボンあたりを想定したお話なのかなというふうに思います。結局ドイツの場合、ああいう形ができたのは、西ドイツが連邦
制度
であって、そういう
意味
では
日本
に比べて
地方分権
が徹底しているということがあるのじゃないかと思います一ですから我が党の五十嵐さんの、この
基本法制定
とあわせてこの際思い切った分権のこともあわせ
考え
て、その
方向
を出したらいいんじゃないかという先ほどの提起は、確かに的を射た
一つ
の主張ではないかなというふうに私は思います。そういう点からいきまして、そういったボンのようなものを想定してのお
考え
かなということについて、お
考え
があればお聞かせをいただきたいと思います。 それからいま
一つ
は、
東京
のお話があったのですが、私は、
東京
が副都心構想で非常に御苦労いただいていると思うのですね。しかし
東京
では、
国会
を動かすとか
行政機関
の中枢を動かすということはできるわけじゃないんですから、どうしても、
東京
の場合は新宿副都心とかあるいは江東の地域も、湾岸の副都心とかということを
考え
ざるを得ないというのは、私は当然だろうと思います。そういう
意味
では、まさに
東京
の御苦労を
解決
するためにも私
たち
国会
が、あるいは
政府
が、この問題についてはやはり
考え方
を出すべきではないのかなというふうに思います。 それから道州制のお話があったのですが、道州制の話というのはよく出てはいろいろ問題になるのですが、私は、国の
機関
としての道州というのはするべきでないと思うのです。道州を
考え
るとしたら都道府県
連合
、自治ということを中心に置いた構想であるべきではないか。そうでないと、先ほど申し上げたように
日本
ほど
中央
集権的な国はないわけですから、私は、それは大変まずいことになるのではないかなというふうに思っておりますが、それに対するお
考え
もあわせてお聞かせいただければありがたいと存じます。 以上です。
山岸章
40
○
山岸参考人
災害対策というのは、私も先ほど触れましたが、これは考慮に入れておかなければいけないんだろう。大地震か何か来ると、
一極集中
しておりますと壊滅的ダメージを受ける、これは国家的にも大変な損失であるというように
考え
ます。そういう
意味
では、危険分散ということは当然OA対策上も
考え
る必要がある、そういう
問題意識
を持っております。 それから、西独のボンあたりを
イメージ
に描いているのかということですが、ボンも一応の我々の検討の対象にはしております。それからブラジリアだとかキャンベラだとか幾つかございますね。そういう
関係
についても一応検討する場合に、その経験に学ぶという
意味
において対象にしたことは事実でございますが、ボン・イコール我々の具体的な
青写真
ということではございません。(
山口
(鶴)
委員
「
一つ
であるということですね」と呼ぶ)はい。 それから道州制の問題について、今直ちには国の
機関
としての道州制というのは無理でしょうけれ
ども
、都道府県
連合
といいますか、先ほ
ども
申しましたように、今の細切れの
地方
自治体の境界というものをもう少し
拡大
をしていって、そして少なくとも近畿だったら近畿ブロックという形の自治体
連合
をつくり、
経済
ブロックを形成するということの方が
国民
経済
的視野に立ってもいいのじゃないかなという
考え
てあります。
山口鶴男
41
○
山口
(鶴)
委員
有識者会議
は、一月ごろある
程度
答申の
方向
にいくかなというようなお話でしたが、大体どのようなテンポで、どのように結論を出していくだろうか、一応見通しがお答えできましたらお話をいただきたいと思います。
山岸章
42
○
山岸参考人
私の理解では、やはりまだ時間をかけてヒアリングと
意見
交換を続けようという展開になるのじゃないかと思っております。だから、先ほど御説明しました
タイムスケジュール
、三年間で
基本法
の
政府原案決定
まで持っていこうというのでしたら、タイミングは合うと思いますが、百二十三通常
国会
の会期中に
基本法
を
制定
しようじゃないかということになりますと、今のテンポではかみ合いません。非常におくれると思います。ですから、今まで問題提起もされているのですから、
有識者懇
談会としても、今度は逆説的に言うなら、
新都基本法
の
制定
の時期はどうあるべきかという
議論
をして逆算方式で、手順等についてはもっとスピードアップするようなことを
考え
たらどうかな、私はこう思っておりますけれ
ども
、これは来週またありますからね。
山口鶴男
43
○
山口
(鶴)
委員
せっかく
有識者会議
が一生懸命御
議論
いただいておるときに、こちらから余り先走るようなことを言っても困ると思いますので、一応お尋ねをした次第です。 どうもありがとうございました。
二階俊博
44
○二階
委員
きょうは
山岸
先生から大変積極的な御
意見
を伺ったわけですが、特に先ほどからお話しの、
新都基本法
の
制定
を急げ、次期通常
国会
という御
指摘
をいただいておるわけでございますが、これは私
ども
としては、これに対して真剣にまた勉強し、対処していかなくてはならないというふうに思うわけですが、何よりも
国会決議
を重く見るといいますか、大変高く
評価
する、そこからこの
新都
問題が出発するというお話もございますが、最近は、この
国会決議
だけでも
国民
的
合意
を得るためには、もう
一つ
党派を超えて、さらに
国民
の
各界
各層に及ぶ
有識者
に対して呼びかけて、
国民
的
議論
といいますか
国民
運動のようなものに盛り上げていかなくてはならないと思うわけであります。 そういう
意味
で、
山岸
会長
のお
立場
というのは大変重要な役割にあるわけでございますが、どうぞこれから、そういう
有識者懇
の御
意見
等も大変重要なことでありますが、
一極集中
の弊害にいらいらしている
国民
に対して共感を呼ぶようなアピールをしながら、政党、党派を超えて、また
労使
の
立場
を超えてこういうものに対処していく、それにつきまして
山岸
先生の御
意見
がございましたら、承っておきたいと思います。
山岸章
45
○
山岸参考人
新都
構想については、
連合
の中では
意見
の食い違いはありません。先ほど私が申し上げたのは、
連合
の全体の総意でございます。PKO
協力
法案に対してどう
考え
るかという
議論
もしたのですが、ああいうのはなかなか
意見
が一致しませんが、
新都
構想はずばっと決まっております。 それで、二階先生おっしゃるように、やはりこれは
国民各層
全体のものとして定着させていかなければ、
実行
はなかなか難しいと思いますから、私
たち
は私
たち
の
立場
で、先ほど申し上げましたような前向きの
青写真
をやはり前面に押し立てて
国民
の皆さん方には訴えていきたい、そう思っております。 それで、
連合
には八百万人
組合
員がおるのですから、配偶者一人としても一千六百万人ということになりますから、これは
日本
の
人口
の十何%いきます。一人がもう一人に働きかければ大変な数字になりますね。ですから、私
たち
も自分
たち
の置かれているそういった位置というものを自覚しまして、前向きに
国民
的コンセンサスが形成できるように、砂ぼこりを立てて地域で頑張りたい、そう思っております。
村田敬次郎
46
○
村田委員長
以上で
山岸参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。 この際、
山岸参考人
に
一言
お礼を申し上げます。
山岸参考人
には、貴重な御
意見
をお述べいただき、まことにありがとうございました。
委員会
を
代表
して厚くお礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会