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1991-12-03 第122回国会 衆議院 国会等の移転に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年十二月三日(火曜日)     午後二時五十六分開議 出席委員   委員長 金丸  信君   委員長 村田敬次郎君    理事 粕谷  茂君 理事 谷川 和穗君    理事 二階 俊博君 理事 西田  司君    理事 山口 敏夫君 理事 五十嵐広三君    理事 山口 鶴男君 理事 鳥居 一雄君       塩谷  立君    杉浦 正健君       原田昇左右君    木間  章君       和田 貞夫君    平田 米男君       金子 満広君    米沢  隆君  出席政府委員         内閣官房内閣内         政審議室長         兼内閣総理大臣 伊藤 博行君         官房内政審議室         長         国土庁長官官房 藤原 良一君         長         国土庁計画・調 田中 章介君         整局長         国土庁大都市圏 西谷  剛君         整備局長  委員外出席者         参  考  人         (日本労働組合 山岸  章君         総連合会会長)         国会等移転に         関する特別委員 杉本 康人君         会調査室長     ――――――――――――― 委員の異動 十二月三日  金丸信委員長辞任につき、その補欠として村  田敬次郎君が委員長に当選した。 同日  理事村田敬次郎君同日委員長就任につき、その  補欠として西田司君が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  委員長辞任及び互選  理事補欠選任  国会等移転に関する件      ――――◇―――――
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより会議を開きます。  国会等移転に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、参考人から意見を聴取いたします。  本日御出席願っております参考人は、日本労働組合連合会会長山岸章君であります。  この際、参考人一言あいさつを申し上げます。     ―――――――――――――  本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。     〔委員長退席山口(敏)委員長代理着席
  3. 山口敏夫

    山口(敏)委員長代理 委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行います。  お諮りいたします。  ただいま委員長金丸信君から、委員長辞任したい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山口敏夫

    山口(敏)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  これより、委員長互選を行います。
  5. 二階俊博

    ○二階委員 動議を提出いたします。  委員長互選は、投票によらないで、村田敬次郎君を委員長に推薦いたします。
  6. 山口敏夫

    山口(敏)委員長代理 ただいまの二階俊博君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 山口敏夫

    山口(敏)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、村田敬次郎君が委員長に御当選になりました。     〔拍手委員長村田敬次郎君に本席を譲ります。     〔村田委員長委員長席に着く〕
  8. 村田敬次郎

    村田委員長 この際、一言あいさつを申し上げます。  ただいま委員各位の御推挙によりまして、私が委員長の重責を担うことになりました。難問山積のこの時期に委員長を引き継ぎ、その職員の重大さを痛感いたしております。  つきましては、金丸委員長の意を体しまして、公正円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じますので、委員各位の御協力を切にお願い申し上げます。     ―――――――――――――
  9. 村田敬次郎

    村田委員長 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  私が委員長に当選いたしました結果、理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 村田敬次郎

    村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事西田司君を指名いたします。     ―――――――――――――
  11. 村田敬次郎

    村田委員長 参考人に対する議事を進めます。  議事の順序でございますが、最初に三十分程度意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、山岸参考人、お願いいたします。
  12. 山岸章

    山岸参考人 連合会長山岸でございます。  日ごろ何かと公私どもに御指導いただきまして、大変ありがとうございます。  また、本日は、格段の御配慮により、連合代表として発言する機会を与えていただきましたことについて厚く御礼を申し上げます・  私は、この際、お手元にお配りをいたしましたレジュメに書いてございますように四つのポイント、すなわち、第一は国会等移転に関する国会決議評価、第二は新都建設必要性、第三は新都建設構想ポイント、第四は今後のタイムスケジュール連合取り組みという区分けて、連合で今考えております考え方について御説明いたしたいと思います。  まず、第一のポイント国会等移転に関する国会決議評価であります。この点に関して、私は四点のことを申し上げたいと存じます。  第一点は、昨年の十一月七日に行われました衆議院における国会移転決議について、私たち連合は、勤労者代表する立場から積極的に評価をいたしたいという考えでございます。それから、第二点として申し上げたいのは、この決議東京一極集中問題の抜本的な解決策として、言うなれば初めて国会の場において具体的な方向が示されたということで、まことに歴史的な意義を持つものであるという受けとめ方をいたしております。それから第三点としまして、二十一世紀へ向け、新時代にふさわしい真の豊かさを実感し得る国土社会形成にとって、この国会移転決議は極めて意義深いものと理解をいたします。第四点として申し上げたいのは、以上の観点から、連合は、先ほども申し上げましたように国会移転決議を高く評価するとともに、一日も早く国会においてその具体的構想が確立され、実行に移されるよう強く期待をいたしたい、こう考えるものであります。  以上が第一のポイントでございます。  次に、第二のポイントとしまして、新都建設必要性につきまして、私たち立場から次の四点のことを申し上げたいと存じます。  第一点は、一都三県、すなわち東京埼玉千葉神奈川のいわゆる首都圏の市街化区域というのは約三十三万ヘクタール、日本国土面積の約一%を占めております。ここに三千万人が住むという、まことに世界にも類を見ない過密状態でございまして、多くの問題が発生をしております。例えば、土地住宅費の高騰の問題、それから慢性的な交通渋滞、それから長距離通勤、さらには水資源電力需給の逼迫、それからごみ、産業廃棄物大量排出、それから大気汚染などの環境悪化中央地方格差拡大、さらには、予想される大規模地震対策などの問題は、現状の東京一極集中のもとでは到底解決できないという問題意識を強く持っておるわけでございます。  それから、第二点としまして申し上げたいのは、先般九一年度の国民生活白書が発表されました。この中で驚いたことには、四十七都道府県別の豊かさ総合指数におきまして、首都圏の各都県は最下位のランクで競い合っているという事実なのであります。すなわち、埼玉千葉が四十六位、それから神奈川が四十四位、それから東京が三十八位というまことに惨たんたるありさまでございます。このことは、白書でも言われておりますように、東京圏への一極集中が豊かさの実現を阻害しているということは間違いないと考えるわけであります。これはまことに重大な問題だという問題意識を持っております。  それから、第三点として申し上げたいのは、東京一極集中要因は何かということなんであります。この点、私たちは、東京への政治行政機能権限集中し過ぎるということ、それから経済の面においても、文化の面においても、教育の面においても、情報の面においても過度の東京集中状態がつくられているという、この点に根本的な原因があるんじゃないかと考えるわけであります。かつては日本近代工業化にとって中央集権体制によるメリットというものもあったと思います。しかし、今後の日本は、二十一世紀を展望した多極分散型の均衡のとれた国土開発を目指すべきでありまして、東京一極集中要因を積極的に取り除いていくことが国家的な緊急にして重要な課題になっているという問題意識を持っております。  そして、第四点として申し上げたいのは、結論的に新都建設必要性を述べるならば、東京一極集中を是正し均衡のとれた国土開発実現するためには、やはり政治行政機能を体系的な形で地方移転する新都建設、すなわち、現在の東京首都機能をすべて移転するという皇室を含む遷都ではございませんで、先ほど申し上げましたように政治行政機能を体系的な形で地方移転するという、いわゆる新しい都をつくる、そういう立場に立った対応が現実的には最も効果的かつ実態的ではないか、こう考えるわけであります。  以上が第二のポイントとして新都建設必要性ということで申し上げたい点でございます。  それから次は、第三のポイントとしまして、新都建設構想ポイントについて、私たち連合のサイドではどういうイメージを持っているかということを三点に分けて申し上げたいと存じます。  まず第一点は、現在の首都東京集中する国会並びに政府行政機関及び経済機能文化機能のすべてを一括新都移転したのでは、またまた新たな一極集中を招くおそれがあると判断をいたします。したがって、私たちイメージとしては、国会それから政府並びに行政中枢機関等移転に限定をした、そういう青写真新都建設考えることが望ましいという認識でございます。  それから、第二点として申し上げたいのは、移転に際しては国民生活重視観点に立った行政改革、それから地方分権推進をし、新都には「しなやかで小さな政府」をつくっていくということ。具体的には、新都には国会及び各省庁政策部門のみを配置をし、指導窓口部門は各省庁地方支局あるいは分局あるいは地方自治体への大幅な権限委譲を行い、地方分権化をあわせて同時に徹底して進めなければいけない、そういう考えております。  それから第三点としましては、もちろん新都は真の意味での国政の中枢機能を担う政治都市であり、そこには当然各国大使館国際機関等設置されることになると思います。したがって、新都日本における新たな外交の場としても機能していくはずでございます。  社会経済国民会議提言では、この新都イメージにつきまして、面積は約五千ヘクタール、それから人口は約二十万人、それから建設費用の総額は現在の貨幣価値で約九兆円という試算をいたしております。  連合も、実は堺屋太一氏が小委員長をやられております社会経済国民会議新都建設問題小委員会事務局長代表として送っておりました関係上、社会経済国民会議が社会的に提言をいたしました新都建設構想については、原則的にこれを支持するという立場をとっております。ですから、そういう意味では、社会経済国民会議が描いております青写真新都イメージというものについて我々は原則的に賛成であります。  しかし、それ以外にも、もう少し規模を大きくしろとか、あるいはもう少しこういう点を手直ししたらどうかという大所高所からの改革的見解各界から出されております。したがって、私たちとしましては、原則的には社会経済国民会議青写真を支持しますが、しかしそれは、大いに名案を持ち寄って国会においても論議をいただいて、そして最も常識的で現実的な形の結論を出していただければいいんじゃないか、こう考えております。したがって、機械的に社会経済国民会議青写真に固執するという考え方は持っておりません。  以上が第三のポイント新都建設構想に関する私たち考えでございます。  次に、第四のポイントとしまして、今後の対応、つまりタイムスケジュール連合取り組みにつきまして、三点に分けて考え方を申し上げたいと思います。  まず第一点は、今後のタイムスケジュールの問題でございます。  本日お配りをいたしました参考資料の一、これの五ページに「タイムスケジュール」というものを記載いたしております。これは大まかに言って、一番時間がかかった場合でもこれぐらいのタイムスケジュールでいくべきではないかという考えでございまして、できるならば、よりスピードアップを図ることが望ましいというような考えを持っておるわけであります。  この五ページの2で書いております「タイムスケジュール」の考え方としましては、新都建設のプロセスとして、一九九〇年十一月七日の国会移転決議出発点として、第一段階は、総理諮問委員会有識者会議での新都建設基本大綱の建議から新都建設基本法政府原案決定まで。これを三年程度考えておるわけなんです。そして、第二段階は、新都建設基本法制定から新都建設法の成立と建設計画承認まで。これを大体、新都候補地の公募を含めまして十年間ぐらい。そして、第三段階土地の買収から移転完了までの期間ということで七、八年というイメージを持っておるわけでございます。そして、そういうタイムスケジュールをベースにして国会における審議を掘り下げていただき、その中で国民的合意形成を図り、おおむね立ち上がりから完了まで二十年間程度。このころは私などは生きておりませんが三十年間程度の時間をかけて実行に移すのが最も無理がなくていいんじゃないか、こう考えておるわけでございます。  実は、国会移転決議がなされまして、かつ最近、社会経済国民会議における議論とかあるいは国土庁での審議会議論、それから総理諮問委員会有識者会議議論が始まりますと、公務員関係組合からも私のところへいろいろ資料を送ってきたり、あるいはたたき台だけれどもということで意見ども寄せられるケースが結構ございます。見ておりますと、新都日本中枢部がいい、雪の降らないところがいい、国際空港があるところがいい、新幹線のターミナルが、大関門駅があるところがいい、皇居とは余り遠くない方がいい、こうやっていきますと、結局東京になるわけです。やはりそういう意見が出てくるというのは、家族ぐるみ公務員移転だとか、そうなりますと、子供さんの教育関係から生活設計関係にもすべて影響が及ぶものですから、これらに対する危惧の念というのは結構強いわけなんでございます。やはり、そういった心配だとかあるいは問題点を円満に解決をしませんと、新都建設というものもスムーズにいかないと思います。  そういう点では、現在、国家公務員労使関係では団体交渉権というのはまだ認められておりませんが、私は、やはり国家公務員に対する団体交渉権もちゃんと認めていただいて、そして労働条件がどう変わるか、仕事のやり方がどう変わるか、生活条件はどう変わるかということについて時間をかけて労使間の話し合いをやり、合意を形成するということが非常に大事じゃないかな、こう思っておるわけでございます。  ただし、最近、私も総理諮問委員会有識者懇のメンバーの一人でございますが、いろいろ関係方面の権威の方々においでいただいて御意見を聞いておるのですが、最近の傾向としまして、新都基本法は早く制定するべきだ、国会で昨年十一月に国会移転決議をやったのだから、新都基本法、基本的な方向性を明示した基本法というものをでき得れば次期通常国会会期中に制定してもらいたいという意見がかなり出ておるのです。これは連合としましても、それらの意見については積極的に耳を傾けるべきだというような考えでございました。ぜひ国会におきまして、参議院選挙等関係もあってなかなか審議時間は十分ではないと思いますが、百二十三通常国会会期中に、可能であるならば新都基本法というものを制定していただければ非常にいいのじゃないかと思います。  特に最近は、東京、大阪を中心として地価の暴騰については一定の歯どめがかかったということは事実でございますが、しかし、まだ本格的な鎮静化への道は遠いという実態でございますのであればなおさらのこと新都基本法というものを早く制定していただくと、アナウンス効果というのは相当出てくる。東京地価などを押し上げている土地等の仮需要というもの、これは相当低減をするということも考えますので、ぜひ国の進むべき方向として新都基本法制定というものを急いでいただきたいと考えるわけであります。  第二点としましては、新都建設とともに東京圏及び地方の再開発推進するべきであると考えます。そのために連合は、二十一世紀へ向けた日本国土それから土地住宅政策を一元的に実行推進する機関として、内閣直轄国土開発推進機構、仮称でございますが、これを新たに設置をし、そのもとに新都建設プロジェクトそれから首都圏開発プロジェクト、さらには地域再開発プロジェクトという三つのプロジェクト設置をして、首都機能分散と多極分散型の国土形成を目指す具体的な取り組み推進するべきである、こう考えております。  最後に、第三点としまして、この国土開発機構は、各界からの有識者の参加、それから国土均衡ある発展を実現するための一元的な実行と監視、それから中央地方一体的取り組みなどにより、各省庁縦割り行政の弊害を是正し、総合的、有機的、効率的な施策実現を目指すようにするべきではないか、こう考えております。そして、この推進機構のもとに設置する新都建設プロジェクトを具体的な新都建設実行機関に位置づけたらどうか、こう考えております。また、このような新都建設と新しい政治行政社会システムの構築による東京一極集中是正は、日本国内問題解決に限らず、首都への人口集中が著しいアジア諸国を初めとする開発途上国国土政策モデル的事例として国際貢献にも役立つのではない交こう考えておるわけでございます。  細部につきましては、お手元にお配りをいたしました参考資料一並びに参考資料二、これは連合土地住宅政策につきまして、「九一~九二年度政策制度要求提言」からこの部分だけを抜粋したものでございます。  最後に、連合土地住宅政策との関連で申し上げますと、この参考資料二のアラビア数字1、「土地住宅重点政策」というのが書いてございます。(1)として「土地基本法の理念に沿った関連法整備総合的土地住宅施策推進」という項目がございまして、この②として地価引き下げ目標をここで明示しております。現在の異常な地価を昭和五十八年、五十九年、今から七、八年前の水準まで引き下げることを政策目標とすべきである、この観点土地融資総量規制というものも、後段に書いておりますが、さらに継続強化をしてもらいたい、そういったものを推進する中で、大都市圏で働く勤労者年収の五倍以内で持ち家が持てるような政策、それから年収の一五%以内ぐらいの家賃で良質な賃貸住宅が借りられるという住宅政策実現を図るべきではないか、こう考えております。この点は、我々との交渉相手であります日経連日本経営者団体連盟と私たちとの間でも、それから経団違連合との間でも原則的に意見の一致を見ておる事項でございます。  特に、宮澤内閣は「生活大国」の建設ということを強調しておられます。そういう観点からいきましても、こういった我々の土地住宅に対する要求が一日も早く実りますよう、新都建設の問題と密接不可分関係にございますので、この問題も含めて国会において前向きの御検討をいただくようお願い申し上げまして、ちょうど時間が参りましたので、以上で私の発言は終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手
  13. 村田敬次郎

    村田委員長 ありがとうございました。  以上で山岸参考人からの意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――
  14. 村田敬次郎

    村田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  この際、委員各位一言申し上げます。  質疑につきましては、時間が限られておりますので、委員各位の特段の御協力をお願いいたします。  なお、委員長の許可を得て御発言をお願いいたします。
  15. 五十嵐広三

    五十嵐委員 国会等移転に関して、連合としての大変積極的な御提言等の御意見もいただきまして、非常に心強く存じた次第であります。やはり、これは一つ国民の運動のようなものに広まっていかなければいかぬですから、そんな意味ではまことに我々はうれしく思った次第でございます。  殊に、早期基本法制定が必要だ、それは東京土地価格等へのアナウンス効果というものもあるではないかという指摘は、特に非常に適切な指摘としてお聞きいたしました。我々としても、早期基本法制定するように努力しなければならぬという感じを改めていたしている次第であります。この機会に、お話の中で御指摘になっておられて、私どもも全く同感であり、したがって、その点についての実行機関等に関してちょっと御意見をいただきたい、こう思うのであります。  それは、つまり国会政府機関移転というものが、御提案のようにその実行機関としては内閣直轄国土開発推進機構をもって進めていこうというのとあわせて、実はよく内なる遷都とか言われているように、実際にこういう首都移転というものの内面的な、いわばソフト面での実効あらしめる意味では、それは行政事務地方分権であろうというふうに思いますし、まさにそこも御指摘をいただいているところであったというふうに思うのであります。したがいまして、この国土開発推進機構とあわせて、できれはこの機会こそ行政分権推進機構的なものをもって、そして法律的にも、先ほど御提案のあった新都基本法とあわせて分権基本法的なものを設けて、この機会こそ我が国行政事務再配分を強力に進める、これが一体並行化しながら二十一世紀に向かって、さっきのまたタイムスケジュールとあわせて実現されていくということこそ我が国の本当の意味首都移転といいますか、そういうものにつながるのではないかというふうに私は思いまして、そういう点につきましての御意見をいただければ幸い、こういうぐあいに思う次第であります。
  16. 山岸章

    山岸参考人 ただいまの五十嵐先生の御見解で、新都基本法早期制定についてやろうじゃないかという意思表示があったので、非常に私も心強く思っております。これはもう連合へ帰りまして、皆さんにも御報告申し上げて、国会早期にそういう基本法制定ができますような国民各層に対するプロパガンダ、そういう活動をやはり私たちも積極的に進めていきたいと思っております。  それから、今出ました分権基本法制定、まことにそれは的を射た御提起だと思います。実は経団連と連合トップレベルの、つまり会長、副会長事務総長レベル定期会談を持っております。それからまた、日経連連合ともトップレベル定期会談を持っています。これらで意見一致していることが二つあるのです。もう我が国の諸悪の根源は、一つは各省庁中央集権化許認可権拡大というのがやはりすべての、例えば土地問題、住宅問題その他あらゆる制度上の問題を解決する場合の大きなガンになっている。これは何としても我々在野の人間としても乗り越えるためのアプローチをしていかなければいけない。もう一つの問題は各省庁縦割り行政、これがまた非常に大きなガンになっておる。この二つのことでは完全に意見が一致しておるわけでございます。  したがって、私は、今鈴木永二日経連会長会長になっておられる行革審関係もございますから、余り立ち入って今ここで、行政分権推進機構がよいとか悪いとか分限を越えたことを言いますと、まずそっちの方からおしかりを受けますので、あそこの行革審にも労働側代表で元総評事務局長友愛会議の議長を出しておるものですから、それもどうでもいいという印象を与えるような言い方はできませんので、これ以上の発言を慎みますが、いずれにしても、あの行革審の位置づけを含めて、今先生がおっしゃるように分権基本法も同時に制定できるようなそういう掘り下げた現状に対する検討、それからやはり今後のあり方についての探求、これが行われることは非常に好ましいと思っております。それはぜひ国会の中で御検討いただいて結論を出していただければ、私たちはその結論を積極的に支持いたします。
  17. 五十嵐広三

    五十嵐委員 あしたですか、第三次行革審で部会の方からの報告が公式にあるようですが、いろいろ漏れ承るところでは、当初は細川さん、部会長が、地方分権等については、我々が見ていても非常に夢の多い、今度はいくだろうというような感じのところが出ていたのだけれども、何だかどうも今度、いよいよあした報告ということになって大分後退をしているような感じで、しかしこれはやはり毎回そうなんですね。いよいよになると各省庁の抵抗が強くて実施できないということになっているので、やはりこういう、今の国会等移転などの機会に本当の意味の中身の分権を実現していくということを強力に進めていく、ハードとソフトと両面で実現をしていかなければ一極集中というのは解決がつかないのですから、ぜひそういう面でひとつ御意向を中心にまたお進めいただきますようにお願い申し上げて、発言を終わりたいと思います。
  18. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 私もそれに関連しますが、縦割り行政を解消するためには行政を分権化していくしか方法がないと私は思うのですが、それには、まずそこへ行く前にいわゆる国家公務員の人事、これは横断化できると思うんですよ。それを横断化しないで、多少高級官僚の配置がえというのは各省間にありますが、各省に人事が集中されて大蔵官僚、何々官僚となっているものだから、言うことはたやすいのだけれども実際はなかなかできないというガンがそこにあるわけですよね。ですから、五十嵐先生の言われる地方分権基本法以前に、言うなれば官僚の分散化のための人事基本権というかそのようなものをまず大なたを振るってやらぬ限りは、究極的にこの委員会設置された目的に沿った一極集中是正というのはとても無理だ、こういうように私は思うのですが、そこから出発しなければならないという考え方についてはどうですか。
  19. 山岸章

    山岸参考人 私は、和田先生がおっしゃることは賛成でございます。ですから、いわゆる国土開発推進機構、これとあわせてソフト面をどうするか。五十嵐先生からも御指摘のございました行政の分権の問題、それから人事の問題含めて、いかにして縦割り行政を打破して中央集権を改革して地方分権推進するかという何か権威のある機構をつくらなければだめだ、それは各省庁横断したような機構が総理大臣直轄のもとにということが大切ではないかな、私はこう思っております。  今人事の問題も出ましたが、労働組合権の問題も真剣に考えてもらわないといけないと私は思うんですね。先ほどは団体交渉権を言いましたけれども、労働組合権というのは、団結権と団体交渉権と団体行動権、三つあるわけですね。今の国家公務員は団結権は認められております。しかし、団体交渉権は認められていない。ましてや団体行動権は認められないという状況ですから、これはちょっと変則的だと思います。ILOの国際労働基準からいけば、国家公務員といえども、もちろん地方公務員の場合にもそうですが、そういった労働組合権は保障するというのが本来のあり方なんですから、そういうことを含めて、国家公務員の人事の問題、それから労使関係のルールの問題なども大所高所から改めて見直すという必要があるのではないかと私は思います。これはもう和田先生のおっしゃるとおりだと思います。
  20. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 山岸会長連合としての考え方取り組み、大変よくわかる話でありますし、具体的に、極めて的が絞られてきておるな、こういうふうに実は今承ったわけです。  それで、遷都あるいは分都、さまざまな形の一極集中を是正しようということでこれまで動きがありましたけれども新都建設であるということで具体的なタイムスケジュールもただいま伺いまして、新都基本法制定が目前に必要である、そしてその前提として有識者会議での基本大綱の確立が必要である、こういう手順で進んでいくというわけでありますけれども有識者会議をどういうふうにごらんになっているのか。それからまた、国会に寄せられる期待として新都基本法という形で通常国会を展望されたわけですけれども、具体的にこのあたりをどう見ていらっしゃるのか伺いたいと思います。
  21. 山岸章

    山岸参考人 まず、現在の有識者懇談会でございますが、私も委員になっておりますが、金丸先生も入っておられます。私を除くと政界の大物、それから司馬遼太郎先生など斯界の権威がずっとおられますが、今のところヒアリング専門でやっております。それで、たしか昨年の十二月にスタートしまして、もう一年たっているのです。ところが勉強を繰り返しているという段階でありまして、ちょっとテンポが遅いのじゃないかという問題意識があります。ですから、この有識者会議でも参考人の方々に来ていただいてヒアリングを受けているのですけれども、多くの有識者は、やはり百二十三通常国会会期末までには新都基本法制定するべきだということを御指摘になっております。そうしますと、逆算していきますと、私も有識者懇で今度提起しようと思っておりますけれども、今のペースでは間に合いませんわ。何らかのまとめといいますか提言を、せっかくこれは総理の諮問機関としてつくって一年やってきたのですから、年明け早々くらいに出すべきじゃないか、私はそう思っております。つまりスピードアップしていよいよまとめに入る段階じゃないかな、こういう問題意識を持っております。  それからもう一つ新都基本法ですが、参考資料1の四ページ、ここの下段の方に「1、(国民合意を図る手続き)」といたしまして「③「基本大綱」に基ずきこ云々となっておりますが、この新都の理念、機能、基本的条件、選定方法、それから建設移転のスケジュール、土地制度、費用等を定める内容の新都基本法というのが私たちイメージでございます。  ただし、ここで「新都建設基本構想審議会」、こう書いておりますが、必ずこれを経なければだめだという発想には立っておりません。これは五ページに書いてございますように、新都基本法の案を政府決定するまでの期間は三年間だという前提で書いておりますから、これをスピードアップするということになれば、ここで書いております「新都建設基本構想審議会」というのは省略して、今の有識者会議提言という形でよいのじゃないか、そう思っております。
  22. 木間章

    ○木間委員 山岸会長から、連合土地住宅政策についてもいろいろレジュメをちょうだいいたしまして、先ほどのお話では、土地価格は五十八年ベースまでまず下げるべきだと。私どももそのように感じ取っております。都市のサラリーマンの収入との関係では、五倍以内の住宅取得が適当であろう、これは経営団体とも合致をしておる、このようにお話がありました。  最近、内閣が交代されまして、それぞれ建設大臣でも国土庁長官でも、まあ総花的かもしれませんけれども、不動産に対する金融関係の融資の規制をもう緩めようか、そういうことが随分と聞こえてくるわけであります。そうなりますと、勢いまた、せっかく鎮静化、マイナスになっておるこの不動産の土地価格というのはまたまたはね上がるんじゃないだろうか。ですから、このレジュメでは、規制強化を引き続き行うべし、このようにまとめられておりまして、全く同感なんですけれども、今、新内閣がやろうとしておるそれらの規制を外すということについて、会長はどのようなお考えなんでしょうか。
  23. 山岸章

    山岸参考人 私たちとしては、先ほど申し上げましたように、地価の高騰に歯どめをかける、これを積極的に引き下げるための規制策は、強化することこそあれ、これを緩めるということはまことに危険である、賛成できない、そういうぐあいに考えております。
  24. 木間章

    ○木間委員 声を大にして、ひとつお願いします。
  25. 金子満広

    ○金子(満)委員 端的に伺いたいのですが、一極集中の弊害というのはもう各界ひとしく指摘しておるとおりで、このままでいいというのはいないわけですね。もちろんこれは自然にこうなったんじゃなくて、自然災害で一極集中したわけじゃないわけですから、原因があるのですけれども、こういう中で、民間活力の導入とか四全総、それが具体的に進められた。記憶に新しい言葉では、国際都市東京という言葉を随分いろいろなところで、積極的ないい意味を持ったものとして使われたと思うんですね。そういう中で、気がついてみたらこうなってしまった。  今、国会及び政府機能の地方移転という問題、二十年展望という話もありましたが、二十年先のことはさておいて、今この一極集中で最も露骨に進められているのが、きのう、きょうの新聞にもありますけれども東京の中での東京湾臨海部の開発なんですね。都心三区といえば、千代田、中央、港になるわけですか、この都心三区の土地の六九・一%が法人なんですね。これは、ほかに例がないと思うんですよ。法人だけれども、中小企業法人でなくて大企業が買い占めているわけだし、特にこの十年間、最近の方がなお大きく動いたわけですけれども、大企業が都市に集中した。ここに仮に住宅といっても、マンションができていますよ。しかし、一カ月の家賃が八十万、九十万じゃ入れないですよ。どういう人が入るかといっても、想像すればわかるように、外国の商社の重役とか極端に収入の多い人でなければ入れないわけですが、こういう状態の中で、今進行中の東京湾の臨海部の開発、計画期間を二年延長したとか、一九九八年を二〇〇〇年にしたとか、あるいは新しくそこで就業をする人口をちょっと減らしたとか、住宅を若干ふやすとか、こういうようなこそくな手段でなくて、今抜本的に見直しを早急にしないと集中化はなお進む、弊害はなお広がる、水、交通、住宅、環境、あらゆる面からひどいことになるんだ。そういう点で、ひとつ山岸さんの方で、これは今抜本的な見直し、小手先じゃだめだというようにお考えになるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
  26. 山岸章

    山岸参考人 私たち連合も、今金子先生が御指摘になったような問題意識を持っております、特に、東京都が今計画している臨海部の開発の問題、これはやはり一極集中打破という、それで均衡のとれた国土開発計画の推進という立場から見ると、やはり逆行しているというように受けとめております。したがって、抜本的に見直すべきだという考えてあります。  おもしろいもので、私も堺屋太一さんなんかと一緒に、生産性本部だとかあるいは社会経済国民会議主催の新都建設問題のパネルディスカッションなんかにパネラーとして参加することがあります。そうしますと、東京隣接県の知事さんあたりと一緒にやりますと、新都論でなくて展都論なんですね。この三ページで言いますと、遷都、改都、展都、分都、重都と、こうありますが、展都論なんです。つまり、今の東京一極集中している、これをさらに首都圏全体に広げるというだけの話でありまして、これは、私は何ぼ革新知事であっても賛成できないというので、いつもは反対しているのです。  車ほどさように、東京の場合も、東京をどう再生するかという発想が先行しちゃって、やはりフロント計画なんかもナショナルな次元で見れば、これは一極集中排除に逆行するというような方向へのり込んでいっている傾向があると思う。これを私は国家的視野に立って抜本的に見直すべきだと思います
  27. 金子満広

    ○金子(満)委員 臨海部開発という点については、一極集中という点からすれば、これはもう逆行だから見直ししなくちゃいかぬ、そういう点は労働組合でも大きく、今しゃべらなければどんどん進行しちゃうわけですから。だからそういう点は非常に大事な問題だと思う。特に、鈴木都政になってからのマイタウン東京とか副都心計画というのがやたら進んだと思うんですよ。副都心だから、都心はこの国会、この辺が都心で、副都心といったら、新宿が副都しで、上野が副都心で、今度は臨海部、すぐそこが副都心で、こんなことをやったって全然これは集中を変えるものじゃないと思うのです。おおいと呼べば答えられるような、聞こえるようなところは都心と副都心なんという関係じゃないわけですから、私は、そういう点で今逆行しているという点はそのとおりだと思うのですね。  そこで、堺屋さんのときも私は質問したわけですけれども、戦後、この地域開発では確かに百を超える法律ができているんですね。その次なんですね。このいろいろの審議会、懇談会、それから識者の会、諮問機関、いっぱいできるわけです。そのいっぱいできる中で、結果として一極集中になったということだと思うんですね。ですから、研究会、審議会、懇談会、この見直しも必要だと思うんですね。やたらにそれをつくっては、悪く言ったらそっちに責任をなすりつけて、本体の方は無傷で済みたいな、そういう考えじゃなくて、抜本的にこういうものはメスを入れなきゃならない。  そういう点で一つ質問したいのですが、一極集中議論するが、魅力ある地方開発というのがなかなか議論にならない。現状は指摘するが対策はない。過疎です、疲弊しています、人口の流出だってひどいんです、それでと言うと、ないんですよ。頑張らなきゃならぬ。泣く泣く頑張れと言ったって頑張り切れないのですから。私は、そういう点で一極集中という問題を議論すると同時に、魅力ある地域開発地方開発というもので、青年、学生が魅力を持って行けるような、そういうものをやらない限り、幾らやってもだめだ。地域の魅力ある開発の問題が一つ。  それから、二十年後を展望して、山岸さんのあれでいきますと、国会政府機能の部分だけは移転して、経済とか文化とか情報とかは残すというんですね。人口の面からいくと、そんなに減ったという移動でもないと思うんですね。その点も含めてお伺いしておきたいと思います。
  28. 山岸章

    山岸参考人 私は、やはり一極集中の問題だけを分離して論ずるのは誤りだと思います。一極集中均衡のとれた国土の再開発という問題はセットにして論議するべきだと思います。  それから、先生御指摘のように、審議会、懇談会、諮問委員会、いっぱいあります。私だって政府関係審議会、勘定すると、名刺に書きますと裏表になるぐらいやっておりまして、これは本当にまじめに全部出ておれば本業は放棄しなきゃいけないというぐらいたくさんやっています。結局中途半端になっちゃうのです。  そういうことを考えますと、やはりもう少し国の進路というものをはっきりさせて、この進路へ向かってどう国民各層の英知を結集するかという観点で私は見直す必要がある、こう思っております。  それから、有識者懇でも議論になっているのですけれども、どの部分を新都に移すかというのはいろいろな意見がございますね。私らの方も専門家じゃございませんから確信を持って言っているわけじゃございませんが、しかし、新都ができた、だから東京がゴーストタウンになったのでは、これはだめなわけでありまして、やはり東京それ自体の再開発というものも考えなきゃいけない。そうしますと、結局バランスの問題がある。  特に有識者懇でも話題に上りましたのは、皇室の問題です。これは我々が論議の対象にしない方がいいだろう、現状でいいんじゃないか。それから、国会は移すということは決議されているから、国会は行く。そうすると、やはり各省庁中枢部門は必然的に新都へ移らなきゃいけない。しかし、行く必要のない部分まで持っていくと、先ほどもちょっと触れましたように、またそこで新たなる一極集中が起こっちゃう。だから、どこでその境界を引くかということは、まさにこれは今後の国会なり、あるいは私たちが提唱している新都建設プロジェクトで、関係省庁の責任者の方々、それから国民各階層の有識者を含めた代表の方々が英知を絞って、そこでいろいろ御検討いただいたらいいんじゃないか。  何はともあれ、我々はこういう基本的な考え方で、おおむねこういうようなタイムスケジュール新都建設するんだぞという大号令を発するという意味において、今一番大事なのは、新都基本法というものを国会でできるだけ早く制定していただくことではないかな、こう思っております。
  29. 金子満広

    ○金子(満)委員 大体、二十年後にどのくらいの人口移動を考えていますか。
  30. 山岸章

    山岸参考人 これは先ほど私が申し上げましたように、二十万人ぐらいということです。
  31. 金子満広

    ○金子(満)委員 最後一言ですが、国会政府機関機能中心、それはいいとして、そうすると具体的な問題ですけれども、例えば労働組合連合とかいろいろな全国組織、大衆組織ですね、これは移転するというふうに考えているのですか。
  32. 山岸章

    山岸参考人 そこまではまだ検討しておりません。大体、二十年たったら私はやめておりますから。しかし私の方は、お恥ずかしい話だけれども、いまだに連合の会館もないくらいですからね、間借りしておりますから。それをどうするか、今一生懸命検討しておりますが、連合本体が行くか、あるいは国会対策に関連する部門を行かせるか、それはやはり新都にどの機能が移転するかによって考えればいいと思っております。
  33. 米沢隆

    ○米沢委員 新都建設についての連合考え方、総論、各論ともに基本的には僕も賛成です。ただ、そういう構想を推進していく場合の考え方について、三点ほど聞いてみたいと思います。  御案内のとおり、一極集中という現象は、先ほども話がありましたように何も日本だけではない。世界の国々が悩んでいる現象でありますし、アジアでも大変大きな問題になっていますし、日本でも以前から同じ現象で悩んでいる。特にこのごろ日本全国を見ていますと、県庁所在地にまた集中し始めておりますから、東京集中すると同時に、過疎県においても、いわゆる県庁所在地の方に集中するという、集中ばやりなんですね。  なぜ集中するかというのは、先ほどからいろいろと、情報機能や国会政治行政集中しているからという話でございますが、もっとそれを細かく言うならば、やはり豊かさ及びチャンスが欲しいとか、あるいは豊かさをエンジョイしたいというために一極集中がまた集中を重ねている。大学生だって、何も東京に勉強しに来るのじゃなくて、東京に行って遊びたいというのが半分ぐらいを占めておるわけですね。そういう意味では大学の集中も、いわゆる東京を楽しみたいという意味でやってきておる。  そういう意味では、集中というのは、単に一言で言うけれども、やはり魅力ですね、集中された土地の魅力みたいなものが、実際、集中集中を呼ぶ。場合によってはコストを払ってもそこの集中したところに行きたい、少々不便であったとしてもそこの方がおもしろい、楽しいという意味でございますから、僕は、集中をなくすためには魅力をなくする以外にない、逆に言うたら。逆療法でそんなことがあると思うんですね。だから、魅力をそのままにしながら幾ら国会移転させても、集中はとまらないという気がするわけです。  したがって、これからはもう、コストを払ってもいいという人が、ここにおらざるを得なくて、ここにいないと飯が食えないという、皆さんおわかりの、不公平にひいひい言いながら飯を食わざるを得ない、しかし集中の魅力が存在する限り、その矛盾は拡大しても集中がまた排除されることはないだろう、という意味で、僕はやはり、世の中の今の我々の価値観が、繁栄だとか成長だとかあるいは拝金主義とかそういう価値観がある限り、少々移動したところで全然変わり得ないだろう。  そこで僕が連合に期待するのは、やはり労働運動でも政治活動でも、今生活者のためのというような議論がなされておりますが、やはり価値観を変えていくというバックグラウンドがないと、百年たっても二百年たっても別の意味でまた集中が起こるであろうという意味で、私は連合の皆さんに、特に労働運動における、安定成長の中であらゆる分野に公正を求めていくという、せめて人間にそういう意識革命がない限り、実際は、苦労の割には結果としては集中の排除はできないのではないかというのが一つあります。  もう一つは、集中を排除していくためにいろいろと今おっしゃったような新都建設あたりを行うにせよ、その間、集中したところには、御迷惑をかけるかもしれませんが少々コストを払ってもらいたいというようなものが本当に導入されないと、人はどんどん出ていく、居心地は逆によくなる、またそこに集中が起こるというイタチごっこをしているような傾向が結果として出てくるのではないか。だから、一時は僕も反対をしましたが、事務所税を取ろうとか、新規立地するところにはちょっと金を出してもらいたいとか、ある程度魅力を半減させるような施策を一方的にやっていかないと、税金でもいいですし規制でもいいのですが、やろうと立ち上がった段階で並行的に、あなた方来なさんなという部分も何かやっておかないと、苦労して出て行った、後また直ちにやってくるというこの繰り返しをさせないためにも誘導措置、これ以上過密にしないという誘導措置みたいなものについて、ある程度強制力があるものを持っておかないと実際は難しいのかなという感じが僕はするということが第二点。  第三点は、これは金子さんもおっしゃいましたが、共産党と同じようなことを言うのは余りめったにないのでございますけれども、結局、地方の繁栄あるいは地方の発展というものに向かなければだめだ。この問題は、中央集権と非常に密接に絡んでおる、したがって、地方分権というもの、あるいは地方の財源の再配分というもの、そして、もっと均衡ある中核都市をつくるという意味でなければならない。しかし、今考えてみますと、各市町村が三千幾つあって、おらが村、おらが村で、あんな小さな中でみんなそれなりに同じことをやっている。それでは全然魅力も開発されない。それより、もっと単位のあるもの、極端に言えば、日本は小さい国だけれども、連邦国家みたいになれば、人口集中もそう東京に来ないだろうし、あるいは集中の弊害も今のような状況では起こらないと僕は思うのです。  だから、連邦国家はできないにせよ、道州制ですね。逆に、小さな市町村の単位を取り払って、県の単位も取り払って、せめて連邦国家的な州の中で一つ経済合理性というか、人口の合理性というか、そういうのを図りながらやっていったら、集中というのは現状は非常に小さな段階でおさまるだろうと僕は思っております。そういう意味では、今の地方自治体の境界をそのままにして地方の繁栄と言ったところで、これは本当に無理のような気が僕はするのです。それで、地方もある程度経済単位になるくらいの道州制、言葉はどうか知らぬが、道州制的なものをつくって地方均衡ある発展の中核都市を本当に育てる。そのためには、ある小さな市町村を中心に地方の繁栄というのは無理があるので、やはり道州制的なものをやることが、背景としてはきちんと構想ができ上がるのと並行して、それよりちょっと先にそれが出てきたらかなりスムーズにこの議論も進んでいくのではないか、そんな感じが僕はするのです。  その三つの点について、考え方でございますが、山岸先生のお話を聞かせてもらいたいと思います。
  34. 山岸章

    山岸参考人 米沢先生からの御指摘については、私は同感であります。  まず一つ目の、価値観を変えていかなければいけない、ゆとり、豊かさとは一体何なのかということについて既成の価値観を変えないと、結局それは少々改革しても時間がたてばもとのもくあみになるのじゃないかという御指摘については、私もそう思います。だから、連合といたしましては「ゆとり宣言」、これを今全国三千三百の地方議会でやってもらって、大体五〇%近くが決議しているのじゃないでしょうか。それから国会においても、衆参両院で決議していただいておりますが、今度は環境宣言だと思う。これも地方議会で決議してもらおう。逆に言いますと、魅力ある地方都市をつくり上げていかないと、人はそちらの方になかなか向いていきませんので、そういった点は、今は抽象論しか言えませんが、踏み込んだ魅力ある地方都市づくりへ向けてどうやるのか、それを支える意識、これを形成するための価値観転換の意識改革の取り組みというものをやらなければいけないと思います。  それから二つ目の、東京一極集中をこれ以上加速させないための誘導措置といいますか、それは必要だと私は思います。だから連合は、今まで地価税だとかいうのでも、八百平米を超えるような休閑地については仮需要というのは相当ありますから高い地価税を課するべきだ、そういうような政策提言を何度も行ってきましたが、米沢先生が今言われたようないろいろなアイデアがあると思いますけれども、何らかのコスト、それは東京で頑張るのだという地方出身の方々には、個人といい、あるいは法人といい、やはり負担してもらうということは当然考えるべきじゃないかと思っております。  それから三つ目の道州制の問題は、私もその主義者でありまして、先日、宇野関経連会長と大分議論いたしました。意見は一致しているのです。いきなり道州制というのは難しいだろうけれども日本地方自治体の枠をもっと広げていかなければいけない、だから一村一品運動もいけない、もう少し道州制を意識した地方ブロック経済会議の形成ということを考えたらどうかということなどでは、関経連の宇野会長行革審委員でございますが、個人的には意見が一致しておるわけです。まさか、今言われた道州制並みの共和国家連合というわけにはいかぬでしょうが、道州制というようなものを志向するような形の地方経済のブロック化などというものについて、あわせて考えていく必要があるのじゃないか、そういう問題意識を私は持っております。
  35. 米沢隆

    ○米沢委員 僕は、意識革命のところを、特に運動されておるところにとって、ぜひ一つの大きな柱として運動の中に盛り込んでほしいと思っています。今まで我々は、豊かになることが幸せだと思って頑張ってきましたけれども、金の面でいえば、中国や北朝鮮なんかと比べたら我々は百倍、千倍ぐらい幸せでなければいかぬのに、全然逆でして、将来に向かって不安がある、いらいらする、欲求不満だ。だから、欲求の肥大化を追いながら結局自分で不幸せを選んでいるようなところが実際ありますね。  そういう意味では、豊かさというのか経済的な成長が、金をたくさんもらうことが幸せだと思ってやってきてここまで大きくなった、あとは結局金だけではないんですよというところが本当は大事なのであって、本当の意味で生活者のための政治とか、生活者のために闘う連合と言うならば、あらゆる運動方針の一つの発想の中にぜひそれを取り入れていただいて、徐々ではあっても我々自身が、行政政治も労働組合もみんな意識革命をしていかないと、実際は、この問題は半永久的に解決できない問題だという感じが強くしておりますので、ぜひ御検討を祈念いたします。
  36. 山岸章

    山岸参考人 ただいまの御示唆については重く受けとめて、持ち帰りまして真剣に検討いたします。
  37. 粕谷茂

    ○粕谷委員 今までお話を聞いていまして、私ももうほとんど同じような考えを持ちました。  東京をどうしたらいいのか、こういうふうに山岸先生は悩んでおりますが、いろいろなお話の中で、ウォーターフロントのことに触れてお話がありましたけれども、私も、これは一極集中とはちょっと背中合わせのようなことをやっているのじゃないだろうかと思ってはいます。いますが、ただいま現在、それじゃごみだ、交通だ、住宅だ、地価対策だとかいろいろなことを放置していていいのだろうか。そして、インフラ整備をやるのに土地の買収をやるといったって、山の手だとか三多摩だといったところで買収するのに非常に時間がかかる、また金もかかる。そうすると臨海部に着想する。こういうようなことも今日の成り行きとして考えなければいかぬじゃないか。  それからもう一つは、すべての道が東京に通ずるというような状態にあるんですね。こういう東京を一朝一夕にして、どこかへ同じ機能を持ったような都市がつくれるだろうか、これを一つ思うのです。そういったようなことから、結局この近隣の首都圏の知事さんたちは現実政策として展都論を打ち出してくる、こういうふうに思うのです。  しかし、展都論では今の一極集中にさしたる効果をなさないよというのが大方の方々の見解だろうと思うんですね。ではどうしたらいいんだ、こういうことになりますが、首都圏の自治体のそういう幹部の人と国の人たちが本当に一心同体になって話し合う、今もそういうものをやっていますけれども、もっと強化されたものをやるべきじゃないのか。  ちょっと私は、ひが目かもしれませんけれども中央官庁の人たちは少しお上の意識がありはしないか。例えば、東京都の建設局とか東京都の都市計画局というのがあるんですよ。だけれども建設省にもあるわけですよ、山岸先生。そうすると、同じ部長であり同じ局長であるけれども、位が一級上のような感じを持って話している場面を私はちょいちょい見ることがあるんですよ。この考え方を変えないと、この東京一極集中の問題は事務的な段階で非常に問題があるのです。これを一つ思っています。  それから、米沢先生の言うことに私は同感ですね。ただ、ここに来れば就職の機会があるとか、何か金もうけができるとか、そんなことはかりではないと思います。活気があって、エネルギッシュで、それで繁栄があって、そういうようなところをやはり人間は求めるのではないか。空気が少しぐらい悪くたって新宿の歌舞伎町へ行こうやというような気分でみんな出かけていく。ああいう感じが、大衆、庶民の中には理屈で言いあらわせないところがあるのではないかと私は思っているのです。  そこで、今山岸先生にこういうことを言うことはとても失礼に当たるから申し上げませんけれども、私たちもこの問題では本当にとても悩んでいるのです。ただ、日本の国は権力体制の中にずっと成長してきました。大阪の商人は商人同士で商いをしてもうけている。ところが、東京の商人というのは要するに政商だ。ちょっとこのごろ景気がよくなってきたけれども、役所の出入りをしている御用商人だ、こういうことをよく言われますね。もしそれが当たっているとすれば、権力の中枢をどこかへ移すということになればたちまちのうちに百万ぐらいはここから移るかもしれない、そんなことを思うのです。  何かお尋ねするというようなことでなくて、私が日ごろ疑問に思っていることをお尋ねの向きでちょっとお話ししたのですけれども、もし御感想があったら教えていただきたい。
  38. 山岸章

    山岸参考人 私は、先ほど話題に上りました総理の諮問委員会有識者懇で村田先生がおいでになったときにもお伺いしたことがあるのですが、今まで国会の有志議員による懇談会がございましたが、私が見るところ、かつては東京都選出の国会議員の方は、与野党とも非常に少なかったのですね。一体なぜ少ないのですか、東京都選出の国会議員の先生を横に置いてそれ以外の人たちばかり集まってやったってそれは話がつかないのではないですか、首都建設だとか国会移転とかいうことになれば、やはり東京選出の国会議員の皆さん方とそれ以外の地域から出てきておる国会議員の皆さん方の間でよく話し合って、一つの明確なコンセンサスができないと実効を期しがたいのではないですかと感想を述べたことがあります。  ですから、私は、そういう意味ではこの特別委員会に物すごく期待をしているわけです。各党の代表の先生方が全部参加しておられます。それから、粕谷先生を初めとして東京都選出の国会議員の先生方もおられる。ここでとことんガラス張りの議論をしていただいて、そして一日も早く基本法制定の一定のコンセンサスを形成していただくような、そういう御努力を期待したいと思っております。
  39. 粕谷茂

    ○粕谷委員 そこで、今おっしゃるような意味で、東京の議員がどうしてこれにかつて参加しなかったか。これはいろいろな理由があると思いますが、私なりにちょっと知っていることを申し上げますと、東京ではやはり都というのに非常な愛着を持っているんですな。だから、首都移転というと、東京をどこかへ持っていってしまうのか、そういう感じが一つありますね。それから、国会を初めそういうような国家機関がどこかへ行ってしまうということになると東京の今日の繁栄が、恐らく火が消えてしまうのじゃないか、こういうようなことを思う人もいるんですね。そこで、これは首長も議員も、我々はみんな選挙があるんですな、それで東京が下火になるような話はなかなか打ち出せない、ざっくばらんな話を申し上げますと。そこでどうしても、何となしに、大局的に見れば、一極集中じゃなくて国土を平均にみんなで活用してこうやったらいいじゃないか、こういうことになるのですが、今度は現実論、具体論になってくると、そういうことになるんですよ。この辺をとにかくよく教育をしていただければ……。
  40. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 御苦労さまでした。  お話のなかった中で一つだけお聞きしたいと思うのですが、雲仙の災害があれほど長期に続くなんということは、私どもやはり想像しなかった。東京及びこの辺の、伊豆半島の地域というのはまさに地震の巣が集中している地域ですね。ですからそういうことを考えますと、大災害というものは、いつかはわからぬけれども、起こり得る可能性というのは、この東京周辺というのは十分あり得るわけでして、そこを考えましたときにこの国会移転、そして行政の中枢の移転ということは、やはりその面からも緊急の課題として考える必要があるのではないかというふうに思っています。この特別委員会にもそういった専門家の方にもやがて来ていただきたいなと思っておりますが、それが一つ。  それからいま一つは、山岸さんのお話を聞きますと、やはり西ドイツのボンあたりを想定したお話なのかなというふうに思います。結局ドイツの場合、ああいう形ができたのは、西ドイツが連邦制度であって、そういう意味では日本に比べて地方分権が徹底しているということがあるのじゃないかと思います一ですから我が党の五十嵐さんの、この基本法制定とあわせてこの際思い切った分権のこともあわせ考えて、その方向を出したらいいんじゃないかという先ほどの提起は、確かに的を射た一つの主張ではないかなというふうに私は思います。そういう点からいきまして、そういったボンのようなものを想定してのお考えかなということについて、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。  それからいま一つは、東京のお話があったのですが、私は、東京が副都心構想で非常に御苦労いただいていると思うのですね。しかし東京では、国会を動かすとか行政機関の中枢を動かすということはできるわけじゃないんですから、どうしても、東京の場合は新宿副都心とかあるいは江東の地域も、湾岸の副都心とかということを考えざるを得ないというのは、私は当然だろうと思います。そういう意味では、まさに東京の御苦労を解決するためにも私たち国会が、あるいは政府が、この問題についてはやはり考え方を出すべきではないのかなというふうに思います。  それから道州制のお話があったのですが、道州制の話というのはよく出てはいろいろ問題になるのですが、私は、国の機関としての道州というのはするべきでないと思うのです。道州を考えるとしたら都道府県連合、自治ということを中心に置いた構想であるべきではないか。そうでないと、先ほど申し上げたように日本ほど中央集権的な国はないわけですから、私は、それは大変まずいことになるのではないかなというふうに思っておりますが、それに対するお考えもあわせてお聞かせいただければありがたいと存じます。  以上です。
  41. 山岸章

    山岸参考人 災害対策というのは、私も先ほど触れましたが、これは考慮に入れておかなければいけないんだろう。大地震か何か来ると、一極集中しておりますと壊滅的ダメージを受ける、これは国家的にも大変な損失であるというように考えます。そういう意味では、危険分散ということは当然OA対策上も考える必要がある、そういう問題意識を持っております。  それから、西独のボンあたりをイメージに描いているのかということですが、ボンも一応の我々の検討の対象にはしております。それからブラジリアだとかキャンベラだとか幾つかございますね。そういう関係についても一応検討する場合に、その経験に学ぶという意味において対象にしたことは事実でございますが、ボン・イコール我々の具体的な青写真ということではございません。(山口(鶴)委員一つであるということですね」と呼ぶ)はい。  それから道州制の問題について、今直ちには国の機関としての道州制というのは無理でしょうけれども、都道府県連合といいますか、先ほども申しましたように、今の細切れの地方自治体の境界というものをもう少し拡大をしていって、そして少なくとも近畿だったら近畿ブロックという形の自治体連合をつくり、経済ブロックを形成するということの方が国民経済的視野に立ってもいいのじゃないかなという考えてあります。
  42. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 有識者会議は、一月ごろある程度答申の方向にいくかなというようなお話でしたが、大体どのようなテンポで、どのように結論を出していくだろうか、一応見通しがお答えできましたらお話をいただきたいと思います。
  43. 山岸章

    山岸参考人 私の理解では、やはりまだ時間をかけてヒアリングと意見交換を続けようという展開になるのじゃないかと思っております。だから、先ほど御説明しましたタイムスケジュール、三年間で基本法政府原案決定まで持っていこうというのでしたら、タイミングは合うと思いますが、百二十三通常国会の会期中に基本法制定しようじゃないかということになりますと、今のテンポではかみ合いません。非常におくれると思います。ですから、今まで問題提起もされているのですから、有識者懇談会としても、今度は逆説的に言うなら、新都基本法制定の時期はどうあるべきかという議論をして逆算方式で、手順等についてはもっとスピードアップするようなことを考えたらどうかな、私はこう思っておりますけれども、これは来週またありますからね。
  44. 山口鶴男

    山口(鶴)委員 せっかく有識者会議が一生懸命御議論いただいておるときに、こちらから余り先走るようなことを言っても困ると思いますので、一応お尋ねをした次第です。  どうもありがとうございました。
  45. 二階俊博

    ○二階委員 きょうは山岸先生から大変積極的な御意見を伺ったわけですが、特に先ほどからお話しの、新都基本法制定を急げ、次期通常国会という御指摘をいただいておるわけでございますが、これは私どもとしては、これに対して真剣にまた勉強し、対処していかなくてはならないというふうに思うわけですが、何よりも国会決議を重く見るといいますか、大変高く評価する、そこからこの新都問題が出発するというお話もございますが、最近は、この国会決議だけでも国民合意を得るためには、もう一つ党派を超えて、さらに国民各界各層に及ぶ有識者に対して呼びかけて、国民議論といいますか国民運動のようなものに盛り上げていかなくてはならないと思うわけであります。  そういう意味で、山岸会長のお立場というのは大変重要な役割にあるわけでございますが、どうぞこれから、そういう有識者懇の御意見等も大変重要なことでありますが、一極集中の弊害にいらいらしている国民に対して共感を呼ぶようなアピールをしながら、政党、党派を超えて、また労使立場を超えてこういうものに対処していく、それにつきまして山岸先生の御意見がございましたら、承っておきたいと思います。
  46. 山岸章

    山岸参考人 新都構想については、連合の中では意見の食い違いはありません。先ほど私が申し上げたのは、連合の全体の総意でございます。PKO協力法案に対してどう考えるかという議論もしたのですが、ああいうのはなかなか意見が一致しませんが、新都構想はずばっと決まっております。  それで、二階先生おっしゃるように、やはりこれは国民各層全体のものとして定着させていかなければ、実行はなかなか難しいと思いますから、私たちは私たち立場で、先ほど申し上げましたような前向きの青写真をやはり前面に押し立てて国民の皆さん方には訴えていきたい、そう思っております。  それで、連合には八百万人組合員がおるのですから、配偶者一人としても一千六百万人ということになりますから、これは日本人口の十何%いきます。一人がもう一人に働きかければ大変な数字になりますね。ですから、私たちも自分たちの置かれているそういった位置というものを自覚しまして、前向きに国民的コンセンサスが形成できるように、砂ぼこりを立てて地域で頑張りたい、そう思っております。
  47. 村田敬次郎

    村田委員長 以上で山岸参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、山岸参考人一言お礼を申し上げます。  山岸参考人には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会代表して厚くお礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十九分散会