○瀬谷英行君 政府全体の問題として
考えなければならないけれ
ども、今日のような例を見ないような
土地の暴騰という現実が存在をしている以上は、やはり
社会現象に政府も責任を持たなきゃいかぬと思うんですね。建前はどんなに立派であっても、実際には
土地価格が暴騰する、したがって住宅価格も暴騰する、庶民には手が届かない、こういう事象が現に存在しているんですね。しかし、こういう問題が存在している以上は、問題を根本的に解決するために政府自身も動かなきゃならぬというふうに私は思います。
貸しやすく借りやすい
借地・
借家関係、こういうふうに政府も宣伝をしております。そのとおりになれば何も言うことはない。しかし、そのとおりにならないとすればどうしたらいいかということも
考えなきゃいかぬだろう。特に、先ほどちょっと新聞の例を出しましたけれ
ども、
法案を先取りして、立ち退き、値上げ要求が出てくるなどということは、これは許しがたいとは思うけれ
ども、そういう許しがたい事象が出てくる。そういう事象が出てきて後を絶たないというんなら、
法案を出すのも
考え物だということになっちゃうんです。そんなことをやるんなら法の
改正をやらないぞ、こういうぐらいに開き直りをしないと、こういう問題はなかなか鎮静しないんじゃないか、こういうことを
心配します。
それから、
法律の内容なんですけれ
ども、この間からずっと
委員会の審議をお聞きしておりますと大変に難しいんですよ、この
法文が。さっき
種田委員からの質問にありましたが、弁護士をやっているんだけれ
どもわかりにくい、こう言われた。この
委員会は与野党を通じて弁護士さんがたくさんいらっしゃるんです。弁護士さんがわかりにくいというのを私
どもがわかるわけはないんです。それをしかも懇切丁寧に解説をされると、これはちょっと聞いている方は神主の祝詞を聞いているような、神主の祝詞ならまだいいけれ
ども、坊さんのお経ぐらいにわかりにくい。
だから、やはりもっと
法律をわかりやすくしてもらわなきゃいかぬと思うし、先ほ
どもちょっと聞いておりましたけれ
ども、例えば「のほかこというのはどういうことか、あるいは「並びに」「考慮してこ「等」「やむを得ない
事情」「適当な調停
条項」、たくさんの問題が出てきました。「正当の
事由」、正当な
事由といったって何が正当かというのをどうやって
判断するか、これは難しいですね。「やむを得ない
事情」、それは近所でもって雲仙の普賢岳みたいに爆発をして火砕流が
流れてきて住んでいられなくなった、こういうことがあればやむを得ない
事情というのはわかりますよ。しかし、そうじゃない、やむを得ない
事情というふうに抽象的に言われたら何がやむを得ない
事情なのか。やむを得ない
事情についてさっき質問がありましたら、具体的な
状況に即してという御返事がありましたが、これだってわからないですね。話はちっとも具体的ではないんです。だから、この
法律用語というものももう少し
考えてみる必要があるし、抽象論だけでもってやりとりをしておりますと、これは切りがないんです。
特に、日本の
法律というのは、昔、私は、
法律は日本語で勉強するよりも外国の
法律をやった方がわかりやすいと言われたことがあるんです。日本語だってわからないのにどうして外国語がわかるか。なるほど先生に翻訳をしてもらって外国の
法律を聞かせてもらうと、その方がわかりやすいんですよ。要するに、外国語を翻訳すると話し
言葉になってくるんですね。日本の
法律用語というのは、明治以来の伝統が残っておりまして、なるべくわかりにくくというふうに、そういうつもりじゃないのかもしれませんが、そのように
解釈されるような書き方をしているという例が多いんですね。だから私は、
法律というのはだれが聞いても、もう中学生ぐらいだったらわかるような
法律にしなきゃいけない。
解釈だって、「等」だとか「考慮してこだとか「適当な調停
条項」——適当なよりも適正な方がいいだろうというさっき質問がありましたよね。いや、やっぱり適当なの方がいいと言うんですよ。答弁も適当だなと思って聞いていました。こういうふうに
言葉のやりとりだけでもって済んでしまうとこれはよくないと思うんですね。
そこで私は、これは
委員長にもお願いしたいと思うんですけれ
ども、問題が
土地問題、住宅問題あるいは税制問題、みんな絡んでくるんですよ。大蔵省、国土庁、
建設省、
法務省、みんな絡んでくるでしょう。絡んできて、それぞれの
委員会では、自分の所管のことだけでもって
大臣も所管
大臣しか出てこないということになると、やっぱり関連した
法案の審議というのはやりにくくなってくる。
だからそういう
意味からすると、特に
借地借家法というのは
法案としては限られた問題のような気がしますけれ
ども、
貸し主と
借り主との間の個人対個人のトラブルといったことであっても、その背景にあるのが住宅問題であり、
土地問題であり、税制に関する問題であり、金融の問題であるということになってくると、やはり相互に各
大臣がみんな責任を持って答弁するように、政府自身が協力できるようにという
意味では、連合審査等もお
考えになっていただいた方がいいんではないか。公聴会を開いて公述人の
意見も聞きたいと思いますが、それらの公聴会の
意見をもさらに総合して、これは関係各省一緒になってこの問題については審議をするというというような方向が
法案の審議のあり方としてはいいんじゃないか、こういう気がいたしますので、この点は私の要望として申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問は終わります。
以上です。