○村田
誠醇君 そうなんですよね。私もこのハナがえという行為をあちらこちらに行って聞いてきました。どういうふうにやるのかも聞いてきました。答えは皆さんいずれも同じなんです。おととい来ていただいた証人の方も同じことを言っていた。昔はこういうことをやっていました。しかし、今はコンピューター
処理をしておりますので、こんな伝票をつけかえたり改ざんしたりするような行為はできないはずです。
大臣、ここからが大切なんですよ。でも、
業界の中では頻繁に行われていると聞いておりますと言うんですよ。ほとんどの人がみんな言うんです、うちはやっておりませんがという前提つきでね。そして、今
証券局長から
答弁があったように、伝票が後からどうやら改ざんされているために
検査に入ってもよくわからないと言うんですよね。ますますこれは犯罪行為じゃないですか。だれかがキャップになって、
担当者から集まってきた情報をもとに、どこの
企業をどの銘柄でいつやるかというのをかなり綿密に打ち合わせしないと恐らくできない行為ですよ、これは。
そうすると、補てんも何も要求していない
企業に、勝手に
証券会社がこんなことをばっとやるなんということは考えられないんです。利益保証を要求したのか、あるいは利益保証を約束していた
会社、もしくは
損失補てんを強く要求した
会社にしかこんな方法ではやらないはずなんです。これは痕跡は残らないんです。一番悪質なのは、
証券取引所に聞いても、反対売買というのは同一
証券会社からよく出てきますので、
証券取引所ではこの取引形態がハナがえなのか本当の意味での
自己売買なのかは判別できませんと言うんですよ。ということはどういうことかといいますと、まさに意図的にマーケットの値段がつくられているということになってしまうんですね。
今まで
問題になってきました補てんの手口は、ワラントでもそうでございますが、相対の取引なんですよ。お客さんの顔を見ながら、極端に言えば値段を幾らにするか売買
価格を決めて、その売買
価格の差だけお客に利益を補てんしたというのが圧倒的に多いケースですよ。
証券局長も言っていますよ。売買
価格差を利用した補てんが金額的に一番だと言っているのはそのことなんです。これは一番簡単なやり方なんですよ、お客さんの顔を見ながらやればいいんですから。しかし、この方式はそういうことをしないためにマーケットをつくって、そこでの売り買いを通してついた正式な、公式な値段が、それで売買していながらやはりこういう方法でやればできるということですと、マーケットの値段これ自体が、あるいはその決め方が異常なやり方ではなかったのかという疑問が出てくるんです。それは
証券会社が意図的にゆがめたんですよ、これは。それが
証券局の
検査でも
証券取引所の見ている人がいても、どっちだかわからないと言うんですね、
会社の内部で最後に伝票
操作しちゃいますから。だからこれは自主的に言ってきたからまあ間違いないんでしょう。こういうことですけれ
ども、では、隠されたものがもっともっとあったんじゃないかということになるんです。だから私は、この手口が非常に悪質だし、あるいはマーケットに対して非常に重要な影響を与えるんですよ、それで大変だと言っている。
そのときに私は
一つのことに気がついた。ここに、八月九日に「「損失補填」の概要」という
証券業協会が、これは自由民主党の中にある
証券問題の小
委員会というんですか、そういった財政の合同
委員会のときに配付した資料でございます。この資料によると、「損失補填の方法」の中には株券の
売買取引を利用した補てんという項目がないんですよ。抜いてあるんです。そして、その部分を「その他」という項目と合わせて、「その他」というわけのわからない項目の中に入れ込んである。私
どもがそのことに気がついて追及していったら、いやこの部分は非常に少ないからわざと「その他」という欄に入れたんですという説明だった。意図的に隠している。
それから、
損失補てんの手口についてもここにきちんとA、B、C、D、Eと書いてある。この部分についてはすべて
証券局長は説明していますよ、いろんなところの大蔵
委員会、予算
委員会、
証券特で。しかし、ここにも株券を使った手口というのは一切書いていない。先物を使ったものは書いていない。なぜか。書いたらえらいことになるからですよ、自分たちが内部伝票を
操作していたという。これがはっきり証拠がないと
証券局長は言っているんですね。そうだと思いますよ、私もそうだと思う。しかし、その方式をとらない限りは、こんなでかい、一日に三十億も四十億も利益が
特定のお客にマーケットを通して
特定の金額をぴたっと当てはめる方法は内部伝票をいじったハナがえしかないんです。これは
証券関係者に聞いても絶対これしかないと言っている。もう
一つあるのはクロス取引というやり方がありますと説明している。しかし、これは
証券局長がクロス取引は別だということをきちんと衆議院の予算
委員会で説明している。とすればこの行為しかない、だけれ
ども確証がない、これどうするのか、
再発防止には何の役にも立たない、こういう実態なんです。
だから、このことについて
再発防止、こういう手口が本当に行われていたんだとすればえらいことなんですから、
関係者を呼んできて聞かなきゃいけないです。
証券局長はわからないとはっきり言っている。事務
関係者にもう一度
国会へ来てもらわなければだめですよ。こんなことでは事態
解明はできないですね。こんなでかい手口が、一日でこれがお客の
注文でうまくぴったり当たりましたなんてだれも信用しないですよ、こんなでっかいやつ。これはマーケットの値段が逆に動いたらこの分だけお客が三十億も四十億も一遍に損する行為ですからね。こういうのは利益が確定してこそ初めてできる行為なんです。取引がないのに取引があったことをこの書類は明らかに物語っている。
証券局長にお聞きしたいんですが、こういう手口でもし行われているんだとしたら、
再発防止のためにはどんな方法をとればよろしいんでしょうか、簡単にちょっと言っていただけますか。