○松尾官平君 ありがとうございました。
一応のといいますか、最終的と言ってもいいタイムリミットが設定されたというぐあいに聞きましたが、そうであればあるほど我が国のウルグアイ・ラウンド決着に向かう姿勢というものが大事になってこようかと思います。ぜひひとつ、
大臣におかれましては、慎重な上にも毅然とした態度で臨んでいただきたいと思うわけであります。
大臣はイングリッシュに堪能でありますから、通訳の訳せないような微妙なニュアンスもつかんできたと期待しておりますので、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。
次に、現在の世界
経済を概観しますと、先進国を中心に若干停滞
傾向があると言われているわけでありますが、我が国の
経済はそれに比較しますと良好な
状況を維持しておりまして、貿易収支、経常収支とも大幅な黒字を計上しているわけであります。かかる
状況の中で、これまで世界
経済の
成長の恩恵に浴してきた我が国は、今後各国との協力関係を一層深め、世界
経済の発展のために積極的な役割を果たしていくことが求められているわけであります。
特に日米両国は、極東地域のみならず世界の
経済面、安全保障面の安定を確保する上で極めて重要な関係を有しており、両国が自国本位の論理に陥ることなく、一致して世界の平和と繁栄の実現に寄与することは極めて重要であると
考えるわけであります。
かつて、
アメリカの
経済がくしゃみをすれば
日本の
経済が風邪を引くと言われていた時代もあるわけでありますが、米国の
財政赤字は今空前の赤字となっているわけであります。今年度、マスコミの報ずるところによりますと、四百二十六億ドルも
財政赤字がふえた、現
時点では二千六百九億ドルと発表されております。そしてまた、これが来年度は三千五百億ドルに達するであろうということも言われているわけであります。このことは、この
財政赤字の問題が必ず対日貿易赤字の問題とも絡んでくるのではないかということが憂慮されるわけであります。
ところで、我が国では関税、非関税障壁が撤廃されていわゆる自由貿易体制が確立されるならば、たとえ米国との貿易収支がプラスになろうが
マイナスになろうが、ルールさえ確立すれば問題はないんだとする論者もいるわけでありますが、果たしてそうであろうかと私は多少疑問に思うわけであります。御承知のゲッパート民主党院内総務らによりますと、どんなルールをつくっても、どんな約束をしても、結果として対日貿易赤字が減らなければそれは
意味がないんだということで盛んに強硬なアドバルーンを上げているようであります。
しかし、仮にも冷静に見ていただきたいわけでありまして、
昭和六十三年度五百二十四億ドルの対日貿易赤字が翌年には四百九十四億ドル、また
平成二年度には四百十八億ドルと漸減しているわけでありまして、こういうことを大いにひとつ強調して、この赤字も次第に解消の方向に向かっているんだということを声を大にして論じながら、また
一つの
考え方として、海外
経済援助ですか、ODA関係で物資調達する場合に
アメリカの製品を
日本で調達して開発途上国に援助するというようなことを少しルールを変えても私はやるべきではないだろうか。
かつて、私がIPUの
会議に出てトーゴというアフリカの共和国に参りました際に、ODAで輸送力増強援助ということで自動車が
日本から供与されておりました。御承知のとおり、トーゴという国は旧宗主国がフランスであり、
日本人はほとんどいない国であります。そこに日産のトラックやいすゞのバスが提供されているわけであります。聞いてみると、ルールは自由競争入札で調達したんだと、しかも
日本の商社がそれを落札して
日本の自動車を供与したんだと。
日本の宣伝にはなるわけでありますけれ
ども、果たしてああいう国にわざわざ
日本の車を持っていかなくても、例えばフランスの車なんかを調達して提供する方がいろんな
意味で効果があるんじゃないかというようなことも
考え合わせまして、きょうちょうだいしました
経済協力の
現状と
問題点という本、冊子を見ましても、一般商品の購入、供与なんというのもたくさんあります。こういうのをひとつ
アメリカ製品を
日本に輸入して、
日本の
中小企業者をいじめるだけではなくて、そういう方面にも積極的に方策を立てるべきじゃないか、こう思うわけでございます。
経済、
産業面において、
アメリカを初めとする世界各国との周で今後どのようなグローバルな協力関係を構築していく方がいいのか、私のような若干保護主義的な
考え方では通らぬのかどうか、関係の
局長からお
伺いしたいと思います。