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下村泰君 この間の八月二十七日の予算
委員会でも同じようなお答えをなさったですね。あのときはたしかテレビ中継がありました。そうしましたら、地元からこういうふうなものを送ってこられたんです。
厚生省は何もわかっていかい、
現地はこれこれこうである、我々はボランティア活動もしておる、ボランティア活動をしているけれ
ども全部
自分のお金、自費で賄っている、もうこれ以上もたないから帰りますというようなことも言ってきました。ですから、今あなたがおっしゃったように県の方でどういう体裁のいいお答えをしているか知りませんけれ
ども、現実は全然違う。
殊にこの中に、養護施設の太陽寮というのがあるんですが、入所人員が六十二名。小中学校が三十六名、高校生が二十一名、幼児が五名。この
人たちが今どこにおるかといったら、
災害直後は半数が寮長の自宅と
深江町のお寺住まい。その次が寮長宅と小さな南柏野公民館。今は何と料亭の空き家で宴会用の長机を並べて住んでいる。これが現状です。
そして、既にボランティア活動をしていた方
たちの中には、疲れ果てて今入院している方がいる。この太陽寮の養護施設の子供さん
たちは、南柏野公民館に住んでいるときは、近所の
方々に申しわけないと思い、小さな子供
たちがどぶ
掃除や道路
掃除、草むしり等の奉仕をした。そうすることによって近所の
方々と上手にコミュニケーションをとっていた。こういうことです。この施設というのは、大学に全員合格しておりますし、一流企業にも入社している子供
たちもいるという大変すばらしい施設たんです。
そしてもう一つ、これは特別養護老人ホームですが、眉山荘、ここの
方々も、特殊入浴設備が不足して入浴バスやリフトバスがない、そのために大変困っているというふうに、これも来ています。夏休みの間は
島原中央高校の福祉コースの高校生が数多く来て手伝ってくれたのはいいんですが、今ではさっぱりだめ。
ほかにもまだあります。時間がなくなりますからやめますけれ
ども、こういうふうな
状況になっているんです。
それから、東大新聞研究所の広井助教授という方がいらっしゃいますね。この方が
雲仙・
普賢岳噴火における住民の対応についてのアンケート
調査をしていますね。これを見ますと、
まず
火砕流が頻発して危険が高まっていた五
月下旬で「
火砕流という
言葉を知らなかった」
人が五四%。とても危険と思っていた人はわず
か九%で、研究班は
火山学者らの警告が住民に
的確に伝わっていなかったと指摘している。
火砕流でけが人が出た五月二十六日、気象庁
雲仙測候所は「
火山活動情報」を発表した。こ
れは
人的被害が予想されうる「警報」に当たる
もの。
火山情報にはもうひとつ「臨時
火山情
報」があり、
火山に異常が認められるときに出
す「注意報」で、緊急性は低い。
調査では「臨時」の方が緊急性が高いと思っ
ていた人が五三%で、正解は一七%と少なかっ
た。
六月三日の大
火砕流の発生直前に
火砕流が頻
発したが「大きな
火砕流が起き、
被害が出るか
もしれないと思った」のは二四%で、四人に一
人しか
被害まで危険をイメージできなかった。そして、
広井教授は「
火山情報の緊急性などについ
て、名称を含め検討する必要がある」としてい
る。
さあ、そうなりますと、先日の
厚生省の答弁で、視覚・聴覚障害者、知恵おくれのいわゆるコミュニケーション障害と言われる
方々への情報伝達に十分配慮するように指導いたしております、こう言われましたけれ
ども、具体的にどんな方法で指導したのか、これがえらい心配になってきます。
厚生省の方でもこの視覚・聴覚障害者、知恵おくれの
方々それぞれについて、当然こういう方
たちの状態を知った上での答弁であったとは思いますけれ
ども、もう一度ひとつお答えください。