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国務大臣(
下条進一郎君)
国民の大事な
年金のいわば基本である資金をお預かりしている
年金福祉事業団の件についての
お尋ねでございますが、この問題は既に衆参の
予算委員会その他の場所でお答え申し上げまして、そこで大体概要は御理解いただいておると思いますけれども、長期的に貴重な資金を安定的に運用して、
年金を掛けていらっしゃる方々に御不安のないようにしなけりゃならないというのが
年金事業団の本来の目的でございます。
もちろん、その付随業務といたしまして融資
制度とかその他の業務もございますけれども、長い目で見れば何が大事かといって、やはりお預かりしているその
年金を大事にしていく、こういうことでございます。
その運用は、御承知のように自家運用、自主的に扱える分野でございまして、これが一兆二百三十億、この分については投資顧問会社のサゼスチョンを受けて自家運用をするということでございますので、しかも、それが公債その他のものに限定されておりますので、株の投資その他には活用できません、
制度上。したがって大きな損失を受けることはないわけでありますけれども、また同時に大きな利幅を稼ぐこともできない、こういうことで、非常に堅実な運用をしておったわけでございます。したがって穴をあけたことはほとんどないというのが現実でございます。
ただ、御承知のようにどうやって利幅を稼ぐかということになりますと、市場の動きに応じてこれを活用するということでございますので、活用できる資金が今申し上げたように
一般の投資家よりははるかに規模が大きいわけでありますので、その規模の大きい立場から少ない利幅をいかに有効に利用するかということであるならば、これは当然その相場相場の場所を敏感にキャッチいたしまして、それを活用して利幅を稼いていける取引ということに相なるわけでございます。これがいわば先ほど御
指摘がありましたような日ばかり取引と申しましょうか、そういうその日のうちの大口の取引ということになるわけでございまして、これが一時期に集中したということで、これは不正常ではないかということをもう一方の証券の方の立場から、あるいは税の立場から言われておるというのは事実でございますので、これは
年金事業団としては適切な処理をしておりましたけれども、そちらの通念がもそういう御
指摘があるならば、これはやはり誤解を受けることのないように今後そういう分野は自粛してはどうか、こういうことを私が申し上げたわけでございます。
今後も、大事な資金をお預かりしている立場でございますから誤解を受けることのないように、そして長期に安定的に
国民の大事な
年金資金をお預かりしている立場から確実な運用をしていくように相努めなければならない、そのように指導してまいりたいと思っております。
それからなお、自家運用というのは私は非常に大事だと思います。これがまだ始まって期間が短こうございますけれども、今後もこの分野は私は
国民のためにも
充実していく必要がある、このように考えております。
それからもう一つは、御
指摘の
国民年金の問題でございますけれども、その中の学生の
年金の問題についての加入率が十分に伸びていないじゃないかという御
指摘でございますが、これは
委員御承知のようにことしスタートしたばかりでございますので、まだPRも不足の部面もあろうかと思いますし、その他ことしのスタートの結果をもう少し様子を見た上でさらにこの
普及にこれからも取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。