○安田(修)
委員 それでは、株価操縦の方について少し
質問したいと
思います。
私は、背景には野村
証券そのものが非常に
思い上がった行き方というのが随分あると思うのです。それも私は、やはり今の
大臣や皆さん、とやかくと言うわけじゃなくして、野村
証券そのものの、歴代ずっとこの政府
関係とのいわゆるつながりといいましょうか、そういうものは非常に深いものがある。現に田渕節也氏にしましても、さきの中曽根総理時代、大変もう、例えば後援会の山王経済研究会メンバーで、特にそのうちの親しい
人たちだけでつくっていた山親クラブのメンバーでありますとか、あるいはまた竹下さんが総理
大臣になると、早速若手財界人でつくりました竹下登氏を囲む木鶏会の世話人でありますとか、その他いろいろたくさんあります。そういうような点で、大変まず政界の
関係とは密接なつながりがあった。
また、野村総研の初代所長の佐伯喜一さんですね、この方は元防衛庁の防衛研修所の所長さんでございますね。二代目の中川幸次さん、これがまた中曽根元総理の海軍主計将校時代の同期で、毎月会っていらっしゃると言われております。それほど親しい間柄、そして元日銀副総裁で中曽根総理のかつての経済
政策に関する研究会のメンバーであり、そしてまた
行政改革
審議会の民間活力推進方策研究会座長、規制緩和分科会主査、税制
調査会特別
委員、こうしたいろんな役職をこなしてこられまして、言うなれば野村
証券が株の売り出しで盛んに民活問題をやったときと軌を一にしておるわけでありますけれ
ども、いわゆる中曽根総理時代の民活推進の情報、施策立案の
方向性、こういうものに接触する一番大事なところに実はおられた
人たちがみんなこうなんですね。こうなりますと、私は、株の推奨、特定銘柄の推奨販売戦略、そうした中にこうしたことの情報源というのはふんだんに実は入っておるというところに私は、野村から出しておられるPR話その他を見ると一目瞭然にわかる。
そこで、私はここでNTT株の問題を実は聞きます。
はしょって申し上げます。実はNTT株を上場するときに東京電力の株が非常に上がってまいりました。それは、万年低位株、電力株というのは安定した株の銘柄としてほとんど変動がない。それが一九八六年――すなわち昭和六十年二千円台であったものが四千円、七千円と順次上がっていって、八六年、昭和六十一年ですね、八月二十一日、七千六百三十円になった。この後、ちょっと下がる。これはどの株でもそうだそうでありますけれ
ども、株屋さんが振り落としですか、とにかく一遍下げるんだそうでございますが、その後、今度はさらに急騰します。いわゆる十月一日、八千二百九十円。一進一退ありますけれ
ども、とにかくどんどん上がって、翌八七年、昭和六十二年四月二十二日、史上空前の九千四百二十円という最高値をつける。その後はぐっと一遍に反落してしまう。
で、NTTは御存じのように実はこの二月の九日に第一次百六十五万株ですが、百十九万円の売り出しでしたが、初値は百六十万円で実は売り出されました。この株の動き、いわゆるNTTと比べるのは
日本にないのです、このマンモス
会社。あの業種、しかも今までだれも参入したところがなかった。結局、電気へん、しかも世界最大の民間電力
会社、結局、東京電力の株、同種として上げていった。これは世間公然たる事実。問題は、それをどのように検証するかということですね。私はこれが
一つ。
二点目。NTT株第二次の放出、その昭和六十二年の十一月十二日に向かってでございますが、行われたわけでありますが、このときは今度は石川島播磨、これはウオーターフロント、いわゆる東京湾横断道路。それから新日鉄、これはまたいわゆる企業再構築とかなんとかという作戦を展開して、そして石川島の場合も、二百円のぼろ株がどんどん上がって七百八十円まで上がっていく。新日鉄も、百六十四円で低迷しておったのが四百五十四円に上がっていく。とにかく、前段の
措置、一年前から周到に上がっていっているところがあるのですね。
それは、なぜこう言うかというと、いわゆる野村
証券の出されているPR誌にそれが出ておるわけですね。だから私は、これはまさにこうしたことが野村
証券の力によって株が操縦されて上がっていった。その株の動きの一端が、先般東急電鉄の、各
委員から詳しく日々の動き、週間の動き、月間の動き、そのシェアまでいろいろ出されましたが、あれに明らかであります、東急の場合に。
そして私は、このことをもう
一つ考えるのは、
大蔵省、実は
証券会社に対して免許権を持っておって、そして報告、監督、
検査をやりながら、今度はNTTの株の売り出し側でしょう。JRもやるときなんです。だから、
大蔵省は四大
証券に借りがある。このために赤字財政にどんと入れてもらったのですから、借りがある。だから、これは世間で言われるように、
大蔵省と四大
証券が組んでやったんだ、こう言われるのはそこにあります。
そして、第二次の場合も、十月十九日のブラックマンデーを挟むのですね。にもかかわらず、NTT株は二百六十万台で買い支えられるのですよ。どうですか、放出終わった後はとんと下がるんじゃないですか。私はこれ、四大
証券の支えがなければブラックマンデーを乗り切ることはできなかったわけ。なぜ乗り切ってきたのか、四大
証券が買い支えたから。だから私は、これは
大蔵省としては大変四大
証券に借りがある。そのことが、前に、
補てんに戻ると、やはり
癒着の
原因はいろいろなところにあるのかな、こう言わざるを得ぬことになってしまうのですね。私は、そのためにも今度は厳正にいろいろなことをやってもらいたい、こう思うのです。
さて、今言った二点、どうせ皆さんは否定されるでありましょうが、局長、ひとつ答えてください。