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三浦小
委員 我が党の
雲仙対策についての基本的な
考え方については、
前回、
藤田スミ委員が詳細に
説明いたしておりますので、私は、きょう御
説明がありました八月二十三日の
特別措置の
取りまとめ、これに限定して若干
意見また
質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず一番大きな問題は、何といっても三百億円の
基金の問題ですね。我々、この
基金の創設に反対するものではありません。これは一歩前進だと思っております。しかし、額が三百億円というもので今後予想されるすべての
事態に対処できるというふうに言えるのかどうかということが甚だ疑問だというふうに思っているわけですね。
私も
雲仙には三回行ってまいりました。一番近いのは、八月二十三、四日にも行ってきました。そこで、ちょうど行っているときにこれが発表になりまして、現地の
被害者の人とすぐ懇談をしたのですけれども、三百億円ではとても末端まで回らないのじゃないかという
心配が非常に強いのですね。少なくとも一千億から二千億円ぐらいの
基金が必要なんだということを言われておるわけです。
そして、それはどういう根拠があるかといいますと、例えば、この
災害は非常に長く続きます。私、そのときにも九大の
観測所の
太田所長にも会ってきましたけれども、
マグマの
提供が終わったらもう
火砕流の危険はないのかということを聞きましたら、とんでもないと言うのですね。あの一千万立方メートルにも及んでいる
ドームがありますね。あれの
先端部分でまだ三百度から四百度
表面温度があると言うのです。それじゃ、それが一年たったら冷えるのですかと言ったら、いえいえ一年くらいじゃとても冷えません、こういうことですから。そうすると、
マグマの供給がとまってもなかなかこの
警戒区域の解除ということにはならないようですね。それが二年たつか三年たつ
かわからない。それで、
マグマの
提供が終わった
段階では必ず
地震が起きると言うのです。
地震が起きると、その
地震によって
ドームがぐっと滑り落ちてくるとか、また眉山の崩壊とか、そういうような問題が
地震の箇所によっては起きてくる
可能性が出るという。ですから、相当な長期的な
展望を持ってこの
対策を立てなければならないということははっきりしていると思うのですね。
そうすると、現在三百億円で将来の問題に対応できると言われたのですが、
政府としては、今後予想される
損害額をあなた
たちは幾らくらいというふうに認定をされたのか。それからまた、この三百億円の
基金の使い方ですね。どういう方面で使おうとなさってこういう金額をお決めになったのか。その点をひとつ
お尋ねしたいと思うのです。
なぜかというと、三百億円は取り崩してどんどん何でも使っていいというわけじゃなくて、それを原資にして果実、いわゆる
利息ですね、これでやるわけでしょう。そうすると、三百億円ですと、六%仮に
利息が来たとしても一年間にわずか十八億円なんですよ。これで果たして現在の異常な
災害に対処できるのかどうか。もちろんこれだけでやられるということじゃなくて、今までの
政府の全般的な施策の一部としてというふうにおっしゃられるのでしょうけれども。しかし、今の
住民の要求とはけた外れに
規模が小さいということを私は思っているものですから、そういう御
質問をまず
最初にさせていただきたいと思います。
それからもう
一つは、この
中身なのですが、例えば
対策の一、二、三とありますが、その二の(1)、ここに「
収入が途絶えている
世帯に」、こうあります。私、
仮設住宅の人々ともお会いしたのですが、
皆さん黙って寝ているわけじゃないのですよね。やはりできる限り働こうというので、仕事を探して一日、二日出ていく、仕事があるときには日雇いに行く、五千円、八千円ぐらいの賃金で働いているわけです。ですから、そういう定職がなくて、そして拾い仕事といいますか、日雇いでたまに出稼ぎに行く、そういう人との区別をどうするのか。いわゆる
収入が途絶えているということは、少しでも働けばだめなんだというのか、定職についた
段階でというのか、やはりその辺の線引きをしておく必要があるのではないかというふうに思います。そうじゃないと、ちょっと不公平な面が出てくるのじゃないかという
心配ですね。その点、
お尋ねをいたしたいというふうに思います。
それから、(2)ですけれども、ここで「
生活安定再建助成資金の貸付を行う」ということになっておりますけれども、この場合に保証人が必要なのかどうか、それから所得制限があるのかどうかですね。私は、やはり今の状況では保証人になり手がない、ですからこういう制度をつくっても保証人を必要とすれば実際には運用が非常に困難になるのじゃないか、利用されにくいんじゃないかというふうに思います。そういう意味で、保証人なし、所得制限なし、こういう
方向でやるべきだと思っておりますけれども、その点についての御見解を承りたいというふうに思います。
それからまた、次の三番目ですね。これについてはこれから
災害貸し付けをする者についての適用みたいに見られるのですが、既に貸付金を受けている人がいますね、
災害以前から。この
人たちについては元本の
償還延期、猶予、こういう制度は
部分的に行われているようでございますけれども、やはり
利息の
支払いを年一回にするというふうになるのかどうかですね、既に
貸し付けられている者についてです。
もう
一つ、私は商工会議所にも行って
損害額についていろいろとお伺いしてきたわけなんです。そういたしますと、商工会議所の会頭さん、副会頭さん、専務理事さんがお出になっていろいろ資料をいただきました。すると、六月の被害、これは全部で二百十六億円あるのです。内訳は、例えば
警戒区域の中で家がやられたとか、そういう直接的な損害だけで約で言いますと九億六千万。それから
あと、例えば工場の施設を置いてきたとか製品を置いてきたとか原材料、そういうものをみんな放置して立ち退きになっているわけですわ、そういうものだけでも六十五億円ある。それから
避難、いわゆる仮の営業所をつくるというようなそういう費用だけで二十一億円。それから売り上げの減少額、これは六月だけですよ、減少額が百十九億円ある。これは商工会議所の会員の
皆さんの損害。合計すると二百十六億円ですね。
それで、具体的に言いますと、例えば深江町で土木建設をやっておられる方ですけれども、ちょっと長くなって済みません、もう終わります、たばこ運送の工場を建設しておった。それで八〇%完了したその時点で立入禁止になったというのですね。そのために三千五百万円の代金の
支払いを受けることができない、完成してませんから。しかし、下請からはどんどん
支払いの要求がくる。それで借金をしようと思っても、三%の資金というのは一千万円という
限度がありますよね。国金では貸付額を上げておるけれども、三%というのは特別な
被害者で、そして、かつ
限度額が一千万円という
限度がある。それじゃとてもやっていけないというのです。そして保証人が必要だ、こう言われるというのですね。そうすると、
事業もしていない人に何千万円もの保証人になる人はいたいというのです。また自分も頼みにくい。そういうことを言っておられますね。ですから、やはりこの
被災者の今の窮状を、例えば土石流にもやられていない、降灰でも被害を受けていない、ただ危険があるというだけで、都市部にある工場とかそういうものがぼっと
警戒区域に入れられて主き退きさせられている、何にも仕事ができない、そういう人がたくさんいらっしゃるのです。そういう人に対して、もっと低利な金融、そして保証人なし、無担保無保証、こういうような金融制度をつくってやらないと、実際の救済にはならないと思う。ですから、
皆さん方がお出しになった、
政府がお出しになった二十一分野八十三
項目のものがありますね、もうほとんど実績なしですよ。国土庁から私、聞きました、四、五日前に。実績たしというのが四十ぐらいあります。これじゃ仏つくって魂入れずですね。やはり全体、困っている人々が利用できるような制度を、私はつくってやるべきだというふうに思っております。
以上です。