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1991-09-13 第121回国会 衆議院 厚生委員会地方行政委員会商工委員会環境委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年九月十三日(金曜日)     午後零時三十分開議 出席委員  厚生委員会   委員長代理理事 野呂 昭彦君    理事 粟屋 敏信君 理事 加藤 卓二君    理事 丹羽 雄哉君 理事 網岡  雄君    理事 池端 清一君 理事 遠藤 和良君       岩屋  毅君    小沢 辰男君       岡田 克也君    鈴木 俊一君       住  博司君    戸井田三郎君       山口 俊一君    山下 徳夫君       伊東 秀子君    岡崎 宏美君       沖田 正人君    川俣健二郎君       小松 定男君    五島 正規君       外口 玉子君    土肥 隆一君       永井 孝信君    石田 祝稔君       大野由利子君    児玉 健次君       柳田  稔君    菅  直人君  地方行政委員会   委員長 森田  一君    理事 井奥 貞雄君 理事 福永 信彦君    理事 増田 敏男君 理事 小谷 輝二君       中山 利生君    遠藤  登君       北沢 清功君    小林  守君       須永  徹君    安田 修三君       草野  威君    山口那津男君  商工委員会   委員長 奥田 幹生君    理事 竹村 幸雄君 理事 和田 貞夫君    理事 森本 晃司君       加藤 卓二君    木村 義雄君       鈴木 俊一君    小澤 克介君       大畠 章宏君    小岩井 清君       鈴木  久君    水田  稔君       安田  範君    吉田 和子君       高木 義明君  環境委員会   委員長 小杉  隆君    理事 小澤  潔君 理事 斉藤 一雄君       青木 正久君    鈴木 恒夫君       岡崎トミ子君    時崎 雄司君       長谷百合子君    東  順治君       寺前  巖君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 下条進一郎君  出席政府委員         環境庁企画調整 八木橋惇夫君         局長         環境庁自然保護 伊藤 卓雄君         局長         環境庁水質保全 眞鍋 武紀君         局長         厚生省生活衛生 小林 康彦君         局水道環境部長         自治大臣官房審 遠藤 安彦君         議官  委員外出席者         大蔵省主計局主 渡辺 裕泰君         計官         建設大臣官房技 青山 俊樹君         術調査室長         地方行政委員会 渡辺  功君         調査室長         厚生委員会調査 高峯 一世君         室長         商工委員会調査 山下 弘文君         室長         環境委員会調査 西川 義昌君         室長     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  廃棄物処理及び清掃に関する法律及び廃棄物  処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出、第百二十回国会閣法第六八号)      ――――◇―――――
  2. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 これより厚生委員会地方行政委員会商工委員会環境委員会連合審査会を開会いたします。  先例により、厚生委員長委員長職務を行うところでありますが、委員長が出席できませんので、委員長の指定により、私が委員長職務を行います。  第百二十回国会内閣提出廃棄物処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付してあります資料により御了承願います。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林守君。
  3. 小林守

    小林(守)委員 本連合審査会地方行政委員会から参加をさせていただきました社会党の小林守でございます。  今般の廃掃法改正案につきまして、第一点は、生活環境審議会答申が昨年の十二月に出されたわけでありますけれども、この答申と今回出されました政府法案について、どのように答申の内容が生かされているのか、そういう観点から幾つかお聞きしたい、そのように思っているところでございます。  廃棄物排出量増大、そして質の多様化、さらには廃棄物における抜本的な対策として、何といっても減量化資源化及び再生利用徹底、さらには後を絶たない不法投棄等の不適正処理をいかに防止させていくか、さらには中間処理施設最終処分場の不足をどう解決していくか、こういう点で生活環境審議会答申は、まさに今日日本の社会が抱えている現状と問題点を浮き彫りにしたものというふうに考えますし、高く評価をしてきたところでございます。これらについて、今回の法改正案についてはおおむねそれらを踏まえた法改正になっていると言うことはできるわけでございますけれども幾つかの点で不十分な点や不明確な点があるという前提に立ちましてお聞きをしていきたい、そのように思うわけでございます。  幸い、きょうテーブルの上にこのような資料が出されておりまして、一番末尾のところに生活環境審議会答申全文資料として掲げられております。まず最初に、その十九ページにございますけれども、「具体的方策」の中で、まず「事業者役割」、これについてお聞きしたいと思います。  これについては、ここの「事業者役割」の中にもありますように、「製造者等は、使い捨て製品製造販売等をできる限り抑制し、再生利用可能な製品開発を行うほか、自らも再生品原材料等として使用するよう努めるなど、廃棄物減量化等を念頭に置いた事業活動を行うとともに、国や地方公共団体が実施する廃棄物減量化資源化再生利用のための施策協力する責務があることを、廃棄物処理法体系上明確にする必要がある。」こういうことであります。  これについては法案の中で、不十分でありますけれども、ほぼそのような法体系化が進められているというふうに認められるわけでございますが、実はその次の「また、工場住宅団地設置等の際には、そこから出てくる廃棄物適正処理が図られるよう、計画段階からこれが配慮されるような制度整備検討すべきである。」というような答申の中身になっておるのですが、「事業者役割」の中で、まず、工場住宅団地設置。等のときに、計画段階から廃棄物適正処理を配慮する、そういうような制度がどのように法案の中に組み込まれてきているのか、それをまずお聞きしたいと思います。
  4. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お尋ねの点につきましてお答えいたします。  工場住宅団地等設置につきまして、その建設等所管をいたします地方公共団体担当部局において、計画段階から廃棄物処理に配慮した上で行われるよう関係方面に働きかけることにより、廃棄物適正処理が確保されるよう対応することとしたところでございます。なお、廃棄物処理法改正案におきまして、工場住宅団地などにおける多量の廃棄物を排出する事業者に対する一般廃棄物減量計画産業廃棄物処理計画策定の指示などの規定も、この精神を受けて織り込んだところでございます。
  5. 小林守

    小林(守)委員 それでは、さまざまなプロジェクトや開発計画が、それぞれの自治体においてふるさとづくりとか地域活性化とかいうような観点の中で計画をされているわけでありますけれども、それらについてどのような形で、開発計画段階でどのようにきちっと廃棄物処理体系を確保する、実効性を確保する、そういう担保措置がとられようとしているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
  6. 小林康彦

    小林(康)政府委員 大規模な開発につきましては、地方公共団体みずから、あるいはそれが関与しての事業がほとんどでございますので、廃棄物部局所管をします部署からそうした開発側の方々に十分時間的余裕を持って要望を伝え、その計画につきまして廃棄物処理の配慮を行うよう、そういう形でお願いをすることで対処していきたいというふうに考えております。
  7. 小林守

    小林(守)委員 姿勢だけの話になっているのではないかと思うのですが、例えば必ず稟議を求めるとか決裁が必要とか、そのような仕組み行政制度の中で義務づけていくというようなことは考えられないでしょうか。
  8. 小林康彦

    小林(康)政府委員 今回一の改正法案では、そこまで、法律に基づく義務という形までは予定していないところでございます。
  9. 小林守

    小林(守)委員 工場住宅団地計画段階から廃棄物の問題をきちっと位置づけていかない限り、ごみの問題はますます増大化多様化する、そういう観点から、不十分ではありますけれども、しっかりとした指導を貫いていく、そういうことを今後期待していきたいと思っているところでございます。  それでは次に、やはり生活環境審議会答申の中で「地域家庭役割」、二十ページでございますけれども、そこに記されております。もちろん「廃棄物減量化資源化再生利用推進するためには、まず、地域家庭ごみ分別再生品使用などに主体的に取り組んでいく必要がある」そうして、それらを「廃棄物処理制度体系の中で明確にする必要がある。」これらについては今回の法改正の中でおおむね制度化されたというふうに私は評価をしているところでありますけれども、しかし、後半の部分幾つか疑問があります。  というのは、「またこの部分ですが、「市町村が、民間人の中から、たとえば廃棄物指導員のような行政住民をつなぐ地域のリーダーを積極的に養成することによって、不用品の交換、缶・ビン等回収過剰包装不法投棄モニターなど、廃棄物減量化資源化についての市民参加を促進するための制度づくり推進すべきである。」というふうになっております。  本案をこれに関連して見ますと、廃棄物減量等推進員制度推進員というものを設けるという形で明文化されたわけでありますが、これらについて、私は果たしてリサイクル資源再生利用分別収集分別排出、こういうものが住民協力のもとに徹底されるのかどうか。そういう点ではボランティアであるというような性格づけをお聞きしておりますけれども、この廃棄物減量等推進員制度について、ボランティアの養成というだけで十分なリサイクルシステムがつくれるのかどうか疑問に感じているわけであります。なぜボランティアなのか。  そして、例えば市町村が独自に、これはどうしてもボランティアでは不可能だ、無理だという観点に立ったならば、非常勤特別職とかそういう公的な身分を与えることができても差し支えないと思うのですけれども非常勤特別職としての位置づけを市町村自治体条例化をするとか、そういうことについて不都合があるのかどうか、この二点についてお聞きをしたいと思います。
  10. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物減量化につきましては、市町村策定をいたします。般廃棄物処理計画の中でその意識を持って計画を立て、分別収集等計画策定することにしております。  廃棄物減量等推進員は、一般廃棄物減量化対策推進するための市町村住民の間のパイプの役割を果たすことを期待しておりまして、具体的には、市町村が行います住民啓発活動への協力、あるいは地域的な取り組みで行われます集団回収世話等市町村の行います廃棄物減量施策への協力地域リサイクル活動推進などの活動を行うこととしております。このため推進員は、社会的に信望があり、かつ一般廃棄物の適正な処理に熱意と識見を有し、行政の枠にとらわれない幅広い活動を行うことができる者とするのが適当であると考えまして、現在の規定になっておるわけでございます。  もとより、廃棄物減量再生利用推進するためには市町村役割は極めて重要でありまして、そのための体制整備が図られるよう努めてまいりたいと思っておりますが、そうした市町村活動のみでは幅広い展開が難しいところもございますので、地域との連携をとりながらこうした制度をつくったところでございます。市町村によりましてその身分取り扱いお話しのような取り扱い市町村の御判断でされる分について、この規定が妨げるものではないというふうに考えております。
  11. 小林守

    小林(守)委員 政府のこの法案についての説明の中で、一つの目玉みたいな言い方をされている説明書が随分あるのですが、それにはわざわざ御丁寧に、これはボランティアですよというようなつけ書きがされているものがあるんですけれども、どちらかというと、これは民間ボランティアの皆さんに御協力をいただくものであって、経費的にはかからないんですよというようなニュアンスがどうも読み取れてならないのですけれども大都市部とか、それから特に勤労世帯の中で御協力がいただけないような実態も多々ある地域があるわけでありまして、そういう地域については非常勤特別職でも差し支えないというような説明も必要なのではないか川  むしろそういう形で行政が一定の責任を持って住民指導協力をお願いする、そういう権限というか身分上の責任というか、そういうものを与えてやるというようなものが必要なのではないか。大変難しくなってしまうと、ボランティアにそれ以上協力するのは無理だというような実態が間違いなく出てくるのではないか、そんなふうに思うわけでありまして、今の答弁では非常勤特別職でも差し支えないというようなお話でありますから、今後県や市町村に対する指導の中でそれについては明らかにしていっでいただきたい、そのように思います。  それから次に、廃棄物処理コスト負担の問題で、やはり審議会答申があります。資料では二十二ページになりますが、廃棄物の区分に応じた処理手数料について、取ることができるというような観点についてはおおむね理解をし、そういう方向減量化等、より積極的に経済負担コスト負担という観点から推進をしていく、これについては私ども考えを同じくしているというふうに言って差し支えないと思うのですけれども、実は産業廃棄物について、「処理業者への委託料金適正処理コストを下回るような実態を是正するため、委託契約において排出事業者に適正な処理コスト負担させるような制度が必要である。」こういうことも答申の中では出されてきたわけであります。  不法投棄、不適正処理につながる不適正な処理コスト負担、こういう実態がある中で、このような答申をされたことについては大きな意義があると思うのですけれども、これについて今回の法改正の中では触れられていないのではないか、そういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
  12. 小林康彦

    小林(康)政府委員 産業廃棄物処理に関しまして、排出事業者処理業者処理委託する場合の委託料金につきましては、ただいまのような答申をいただき、それに従って私ども検討したわけでございますが、これらの契約が私契約の自由というようなこともございまして、適正処理コスト負担にかかわる法律の中での規定導入には踏み切れなかったというのが実情でございます。しかしながら、廃棄物を適正に処理するためには適切な負担をするのが必須条件でございまして、委託料金が適正なものであること、これが必要であると考えておりますので、この点につきましての啓発に努めてまいりたいと思っております。
  13. 小林守

    小林(守)委員 今の私契約というのでしょうか、民間の、市場経済といってはおかしいのですけれども、私契約上の自由を束縛することになるというような観点から、法制度化については取り組めなかったというようなお話でございました。私は、不法投棄防止とか廃棄物の問題を考える上で、やはり私経済の自由という考え方を一歩抜け出さない限りこの問題は解決していかないのではないか、そういうふうに強く感じているところなんですが、大変不十分な法改正に当たっての対応ではなかったのか、そのように思います。もう一度それについてお考えをお聞きしたいと思います。
  14. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現在の民間排出事業者及びそれを受けます民間処理業者、この間の契約関係につきまして、料金の最低限を定めるというような法律規制契約の自由との兼ね合いの上で現時点では適切でないという強い御意見もございまして、政府として適正処理コスト負担に係る、規定を置くところまでいかなかったということでございます。しかし、その方針といい産しょうか、そういうことのそういう方向での必要性というのは私ども十分感じておりますので、啓発を通じまして、排出事業者が適切な処理コスト負担する必要性について広く啓発活動を続けていきたいと考えております。
  15. 小林守

    小林(守)委員 啓発活動がどこまで有効かどうか、極めて不安でございますけれども、今後の動向を少し見守ってみたい、そのように考えております。  それでは次に、この資料では二十六ページになりますけれども答申では「不法投棄等適正処理防止対策」というものの中に詳しく触れられているわけでありますけれども、「不法投棄をはじめとする不適正処理防止するために、無許可営業一般廃棄物も含めて不法投棄に係る罰則強化するとともに、特別な管理を要する廃棄物規制強化にあわせて、排出事業者に係る罰則強化処理基準違反に係る改善措置不法投棄された廃棄物原状回復のための行政措置強化排出事業者民事上の損害賠償責任強化などの検討が必要と考えられる。また、不法投棄防止という観点から、監視体制の充実が重要であり、環境衛生指導員の増強のほか、民間人不法投棄チェックモニターとするような制度検討も必要である。」この辺についてお聞きしたいと思います。  おおむね前半の部分については、法改正の中で罰則強化規制強化が図られたということになるわけでありますが、私がお聞きしたいのは、不法投棄された廃棄物原状回復のための行政措置強化、これはどう図られているのかについてもう一点は、排出事業者民事上の損害賠償責任強化、これについてどう検討され、法改正の中で導入されてきたのか、それらについてまずお聞きをしたいと思います。
  16. 小林康彦

    小林(康)政府委員 不法投棄等原状回復のための行政措置強化につきましては、不法投棄等により生活環境保全支障が生じ、または生ずるおそれがあると認められるときは、たとえそれが重大なものでなくても、都道府県知事等当該行為者に対して、期限を定めて、その支障の除去、または発生の防止のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができるとしたところでございます。知事等が動きやすい規定に直したところでございます。  次に、排出事業者民事上の損害賠償責任強化につきましては、特別管理廃棄物マニフェスト使用を義務づけるとともに、改正法の施行に合わせて委託基準強化いたしまして、排出事業者への責任を求めることを容易にすることとしております。行為者だけでなく、委託基準に反します場合に、排出事業者への責任追及が容易にできるようにしたところでございます。  最後の不法投棄者不明の場合の措置にかかわる基金の造成の部分でございますが、不法投棄が行われました場合の原状回復にかかわる費用は原因者にその負担を求めるべきだ、これが大原則でございまして、基金により回収を行うということは、原因者責任を不明確にし、不法投棄をかえって助長するおそれがあるとの意見もあったことから、当面基金制度については見送るということにしたわけでございます。しかしながら、県によりましては不法投棄廃棄物原状回復にかかわる基金を設けているところもございますし、今後厚生省としても、そのような方策について引き続き研究してまいりたいと考えております。
  17. 小林守

    小林(守)委員 再質問をしていきたいと思うのですが、措置命令関係法文現行法と照らしてみますと、「生活環境保全支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときはこというのが今度の改正法なのですね。ところが、現行法では「生活環境保全上重大な支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるとき」ということで、「重大な」ということが今回は削除されたというところに大きなみそがあるのだと思いますけれども、この「重大な」という言葉はどういうことを意味していたのか、いるのか、それをちょっと明らかにしていただければありがたいと思います。
  18. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現行法におきましては、その状態を放置いたしますと、人の健康あるいは生活環境に直ちに影響を及ぼす、そういう状況をまず代表的には想定しておったものでございます。それを今回「重大な」を外すことによりまして、将来的なおそれも含めて、知事権限発動が容易になるようにという形での改正を図ったところでございます。
  19. 小林守

    小林(守)委員 それからもう一点、民事上の賠償責任強化というような中で、マニフェストシステム特別管理廃棄物導入をしたということでありますけれども不法投棄の大方は、八割以上はマニフェストシステム導入されない建設廃材等による不法投棄が圧倒的に多いわけですね。そうしますと、これらについては、民事上の損害賠償責任強化といっても、適用除外だというふうに言わざるを得ないと思うのですけれどもマニフェストシステム導入したことが損害賠償責任強化するための、要は排出事業者を確かめるための、一判明させるための仕組みだとするならば、不法投棄防止するためという形でこの制度導入されているということになるならば、不法投棄の一番多い業種に対してこれをかけていくというのが筋ではないか、そのように思うのですが、もう一度お答え願います。
  20. 小林康彦

    小林(康)政府委員 損害賠償を求めるというような処理責任につきましては、マニフェストがかかっていてもいなくても、同等の責任追及ができるというふうに思っております。  先生御指摘のように、マニフェストによりまして廃棄物流れが適切に把握され、排出者がその流れを把握することができるということで管理徹底をし、万一不適正な処理がありました場合の追及がやりやすくなるという効用を持つわけでございます。そうした効用をとりあえず今回の法改正では、特別管理廃棄物限定をしておるわけでございますが、ここに限定をいたしましたのは、諸外国の実例を見ましても、有害廃棄物限定をしての例が多いということがございますので、実施上の事務的な手数等考えまして、建設廃棄物につきましては行政指導によるマニフェスト普及定着をまず図りたい、その普及定着状況を見ながら、次の段階としてマニフェスト適用が適切かどうか、検討を引き続きさせていただきたい、こういう段階を追ってということで提案をさせていただいておるところでございます。
  21. 小林守

    小林(守)委員 措置命令の今回の法改正では、さまざまな委託基準、これは政令や省令で定めるものについて、その規定に違反する委託により当該処分が行われたときは、当該処分委託した者も含むという形で、委託をしたもとの排出事業者までさかのぼるのだよというような措置命令規定になっているわけなのですけれども、要はこの措置命令法文が実際に働き出すためには、違反する委託かどうか、これが判明できなければ何にもならない、そのように考えるわけでありまして、だれが委託したのか、これを判明する手段として特別管理廃棄物だけでいいのかどうか。ほかは当分の間措置命令は出しませんよということになるのではないでしょうか。
  22. 小林康彦

    小林(康)政府委員 不法投棄が行われました場合のその不法投棄をした者の追及ということになりますと、その廃棄物の出どころがはっきりしている場合にはマニフェストでの追及が極めて有効でございますが、不法投棄されました現場からたどって排出者まで行くというときになりますと、マニフェストの有無にかかわらず、そこに残されております物、あるいはその処分が行われましたときの状況等から調査をしながらさかのぼるというのが通例でございまして、建設廃棄物等で不法投棄が万一生じました場合には、やはりその行われた場所から排出者を割り出し、その排出者責任追及する、こういう手順になろうと思っております。いわばマニフェス下はそうした不法投棄を予防的に防止をする、そういう手段として有効に働くという期待が大きいだろうというふうに考えております。
  23. 小林守

    小林(守)委員 段階的にマニフェスト導入しつつ進めてみるということになろうかと思いますが、不法投棄をどう防止していくのかという観点北立った場合に、極めて不十分な対応ではないのかというふうに私どもは思わざるを得ないわけであります。  さらにもう一点、いわゆる不法投棄者が明らかでない場合の原状回復措置について、そういうことを基金等での、または基金等で原状回復を第三者機関的なものが行っていくということは、不法投棄を助長するというようなことになりかねないというお考えが示されたわけですけれども、これについては全く論点が違うのではないか、そのように考えざるを得ないわけであります。  要は、環境保全という観点の中で、不法投棄されてしまったものをどう解決していくのか、それをどう撤去するのか、これはやはり真っ先に考えていかなければならない。そのために原因者追及する、そして排出事業者にいかに連帯責任のもとに負担してもらうか、そういう形で入っていかなければいけないのではないかと思うのです。まず最初に公的なものが、さらには第三者機関的なものが、例えば基金等を造成して原状回復をとりあえずやるということは、不法投棄を助長するというような観点については納得しかねるというふうに言わざるを得ないのですけれども、それについてはいかがでしょうか。
  24. 小林康彦

    小林(康)政府委員 原状回復につきましては、都道府県知事等が代執行等で行う道があるわけでございますが、その場合の財源、費用負担につきましては、先生御指摘のとおり、今後検討すべき課題が残されているというふうに私ども考えております。ただ、現在直ちに基金をつくり、あるいは先般来御議論のございますように、国が負担あるいは補助をしてという制度が妥当との判断には必ずしも至っていないということでございます。
  25. 小林守

    小林(守)委員 今、部長の方からお答えがあったものについて子として、なぜこういうことを私自身が強く訴えるかといいますと、実は不法投棄の問題については各地域において同じような問題が多発しているところであります。  栃木県の北東部のところに馬頭町という地域があるのですが、実はそこに昨年の八月以降、建設廃材が不法投棄されました。これらについて昨年の八月、その不法投棄が始まった時点で住民からの通報があって、保健所が二カ月にわたって指導や警告を行ってきたわけです。しかしながら、それを聞き入れずに不法投棄が続けられまして、ようやく二カ月後に警察が捜査を開始して、ことしの一月にその不法投棄者が逮捕されたというような事件がございました。  逮捕者に対しては実際に罰則適用されまして、罰金二十万円、そういう形でその犯罪は一応罰せられたわけでありますけれども、要は住民にとって犯人が罰せられることは第一義的な問題ではないわけですね。どうしたらば既に捨てられてしまった一万七千七百トン、二十トントラックにしまして八百八十五台分の産業廃棄物をどこへだれが撤去してくれるのか、これが明らかでないという問題なんです。こういう問題がやはり地域住民の一番の課題だろうと思います。  現状では、付近に沢水が流れておりまして、その沢水が青黒く濁り、それが下流の水田や河川に流れ込んでくる。そして、地下水汚染や農作物への影響を地域住民は心配しているわけでありますが、県当局もこれに対して一向に動き出せないというような現状にあります。実は、その原状回復するために約二億円かかるだろう、そんなふうにも言われておりますし、また、じゃ不法投棄の撤去したものをどこへ持っていくのだということになりますと、またその処分場がない、持っていき場所がないという問題なんですね。そういう袋小路に差しかかっている問題でありまして、こういう問題を解決するためにも、やはり原状回復のための代執行的な措置、さらにはその費用負担を第三者機関的なものが負担をしていく。もちろん第一義的に原因者負担というものが大事ですけれども、しかしながら、環境汚染をいかに防ぐか、これを真っ先に考えていくのが筋ではないかというふうに私は強く訴えたいと思う次第でございます。     〔野呂委員長代理退席、粟屋委員長代理     着席〕  それでは次に、最終処分場の確保と公共関与の問題についてお聞きしたいと思います。  今回の法改正に絡みまして第七次廃棄物処理施設整備五箇年計画策定をされ、平成三年度から取り組まれているわけでありますが、この第七次廃棄物整備五箇年計画について、主な施設整備の課題は何か、これらについてお聞きしたいと思います。
  26. 小林康彦

    小林(康)政府委員 第七次廃棄物処理施設整備計画は、ごみ排出量を抑制しました上で、平成三年度から七年度に至る五カ年間に総額二兆八千三百億円を投資いたしまして、ごみ焼却処理施設等の廃棄物処理施設を整備いたし、平成七年度におきましてごみの八四%を焼却、資源化等により減量処理すること及び生活排水の適正処理推進することなどを計画の目標とする考えでございます。なお、この計画は、現在の法改正の成立を受けまして具体的な計画策定し、閣議決定を行う、そういう手続を踏むことにしております。
  27. 小林守

    小林(守)委員 市町村や県等を私どもがいろいろヒアリングをしてまいりますと、廃棄物の関連施設、中間処理施設としての焼却場や、さらには一般廃棄物最終処分場の確保、それらに対して現在の政府の、厚生省の予算では十分に対応し切れていない、そのようなことを強く要望されているわけでありますが、この第七次整備計画におきましては、市町村等の廃棄物処理施設すべてのものというふうに言っていいと思うのですね。リサイクルプラザやセンターや、さらには最終処分場も含めたごみ廃棄物処理施設全般について市町村の要望に十分対応できる見通しになっているのかどうか。  その辺について、特に二十年前に今回改正される法案がつくられたという経過の中で、その時点で焼却場等の設置が各自治体において積極的に進められた。しかし、それが増改築をしなければならない、そういう時代にもなっているわけでありまして、それらを踏まえて考えますと、新しいものの需要と同時に、従来の増改築ということも含めて大変な財政需要が自治体を襲っている、そのように言ってもいいかと思うのですが、それらについて見通しがどう立てられているのか。  さらには、市町村の声によりますと、国からの補助金の単価が実勢と離れているのではないか、そういう声も強く言われておりますし、また住民の環境保全への強い関心、要望のもとに、超過負担的なプラスアルファのより厳しい環境基準というか、そういうものを目標にした施設設備を導入するということになりますと、やはり超過負担が大きくなってくる、そういうようなお話も強く受けておりました。これらについて厚生省としてこの計画の中でどう対応しようとしているのか、お聞きをしたいと思います。  それと同時に、関連いたしまして、自治省に対しましては、これらについて地方交付税の中で単位費用はどう積算されているのか、さらにはその単位費用の積算が正しく実態を反映しているものになっているのかどうか、それらについてもあわせてお聞きしたいと思います。もちろん、新しく設置され、ますます自治体において取り組まれるリサイクルプラザやリサイクルセンター等の新しい行政需要というか、施設整備についての財源措置も地方財源の確保の中でどう考えているのか、厚生省、自治省あわせてお聞きしたいと思います。
  28. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理施設は、快適で豊かな国民生活の基盤ともいうべき重要な施設でございまして、生活環境保全及び向上のため一層の整備促進を図っていく必要があると考えております。先生のお話にございましたように、昭和四十年代の更新需要に加えまして、ごみがふえているということもございまして、予算を上回る市町村の要望がございますので、必要な予算の枠を確保することが極めて重要である、こういうふうに認識をしております。  このため厚生省といたしましては、平成四年度の予算要求におきまして、新しく設けられました公共投資充実臨時特別措置枠及び本年度からの生活関連重点化枠を含め、枠いっぱいの額として、他省庁も含めまして前年度比一五・七%増の千十八億円の要求、要望を行っているところでございまして、これらの要求、要望の確保に向け全力を尽くし、さらに市町村の要望にこたえられる方策考えていきたいというふうに思っております。  補助単価につきましては、毎年増額を図っているところでございますが、今後とも、実勢を踏まえつつ一層の改善に努めてまいりたいと思います。
  29. 遠藤安彦

    遠藤政府委員 お答えを申し上げます。  廃棄物処理施設の建設に要する経費につきましては、原則として交付税と地方債で一〇〇%措置をするという仕組みになっております。  お尋ねの交付税の措置についてでありますが、これは廃棄物の施設の建設というのが特定の年度に一つの市町村で行われるわけでございますので、その市町村にとってはかなり多額なものとなるというようなことでありますので、単位費用に入れて少額で措置するというよりは、その年度に必要となる財源を措置する方が適当であると、いうような物の考え方から、交付税に算入する場合には、事業費補正という方式を用いまして事業をやる年度に交付税で措置をする、残りの部分については地方債で措置し、後年度にその地方債の元利償還金を交付税で措置していくという形になっております。したがって、補助金の裏負担となります部分については、今申し上げましたように交付税と地方債で当該年度に当該団体について措置をしていくという形になります。  それでは、単位費用は何を見ているのかということになるわけでございますが、単位費用につきましては、経常的な廃棄物処理施設の改修費用を見ているということになっているわけであります。  それから、リサイクルだとかそういう関係の新しい地方団体の廃棄物行政といいますか、そういったものに対する財源措置でございますが、これも非常に重要なことでございまして、そういった点についても地方債や交付税によって措置をしていくということについて積極的に研究し、検討をしていきたいというように思っております。
  30. 小林守

    小林(守)委員 今厚生省及び自治省から、これらの廃棄物処理施設の整備について、地方自治体状況を踏まえながら説明があったわけであります。要は、予算の措置というのは、最終的には大蔵省の理解がないと難しいということになろうかと思いますし、また、予算の範囲内で補助をするというようなことになるわけでありますから、最終的には大蔵省がどうこの問題について深刻に受けとめているのかというところにかかっているのではないかと思います。  大蔵省に一つお聞きしたいのは、一般廃棄物最終処分場に対する補助について、現行では予算補助という形で行われているというふうにお聞きをしております。それで、もう一つは、法令に基づいて補助をするというようなものも補助の制度の中にはあるようでありますが、予算補助と法令補助の相違点はどうなのか、実際の運用上の実態はどう取り扱われているのか、これらについてお聞きしたいと思います。
  31. 渡辺功

    渡辺説明員 お答え申し上げます。  補助金には、先生御承知のとおり、生活保護の補助金のような負担金的なもの、それから、問題になっております廃棄物処理施設の補助金のような奨励的な補助金があるわけでございます。この奨励的な補助金につきましては、法律補助、予算補助いずれの場合でございましても、財政の運用上の区別はございません。
  32. 小林守

    小林(守)委員 地方自治体等の立場から見ますと、法令に書いてあるんだからこれは間違いなくいただけるというか、そういうような感覚を持つのではないかと思いますし、今回一般廃棄物最終処分場についても、法令化の中で位置づけられなかったのかというような疑問を持ったわけでありますが、実態的に運用上全く変わりはないというようなことでありますから、自治体に対しては厚生省の方からその旨しっかりと伝えていただきたい、そのように思うところでございます。そして、時間がもうなくなりましたので一つだけ要望しておきたいのは、一般廃棄物の最終処分については、これは処理基準によりまして管理型で処分しなければならぬというのが本来だと思うのですけれども実態として、我が県の恥をさらすようで情けないわけでありますが、県内で排出される一般廃棄物の最終処分、残灰について、その四割が管理型以外のその他の処分場で処理されている、こういう実態がございます。これを調べていきますと、要は素掘りの穴に焼却灰を捨てる、埋めるというようなやり方でありまして、本来ならば処理基準に違反していると言わざるを得ない実態があるわけであります。しかしながら、管理型の最終処分場を見つけることが極めて困難な状況にあるというのもまた事実でありまして、要は、その管理型の最終処分場市町村がいかに確保していくか、この努力と同時に、やはり予算的、財政的な裏づけがしっかりとなされてないと、自治体にとっては極めて厳しいんだということもお含みおきをいただきたいと思います。  政府の定めた処理基準に違反している実態があるということ、しかも環境汚染につながるのではないかと言わざるを得ない焼却灰の混合された、非常に多様化した一般廃棄物の焼却灰がそのまま素掘りの穴に埋められているという、しかも四割がそのような処理をされているという実態、これを私は今回の問題の中で、我が県の恥をさらすような気持ちで提示をしたいと思います。  時間が参りましたので、以上で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
  33. 粟屋敏信

    ○粟屋委員長代理 鈴木久君。
  34. 鈴木久

    鈴木(久)委員 私は、特に産業廃棄物関係の問題を中心にただしてまいりたいと思っております。  今回の廃棄物二法は、抜本的改正というのを強くこれは求められていたと思っております。それは、廃棄物が極めて増大をしている、あるいはまた質の変化も含めて大きな問題になってきている、特に大都市部廃棄物処理というのはもう能力も限界に来ている、まさに危機的状況だというふうに言ってもいいと思います。特に最終処分場の不足状態というのはもうぎりぎりのところにある、そして不法投棄が相次いでいる。  私ども福島県ですけれども、どんどんごみが北上してまいりまして、不法投棄状況というのは、まことに県民からも物すごい怒りを買っている状況にあります。極端なことを言えば、一極集中のつけ回しを地方が受けているような、そんな状況さえあるわけでございまして、事ここに至りましてやっと法改正をやろうということになったのが、むしろ遅きに失したと私は思っているんですね。もっと早くこの問題に手をつけなければならなかったんじゃないか、そして抜本的改正が必要なんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、まず大臣、今度のこの法改正に臨む厚生省の姿勢、大臣の基本的考え方というものについて、確認をする意味でただしておきたいと思います。
  35. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 廃棄物の問題が非常に重要な社会問題となっておりまして、これに対しまして現在の廃棄物処理法では包み切れない、こういうことで改正をお願いしているわけでございます。  御承知のように、廃棄物につきましては、量が増大し、質も多様化する一方、廃棄物処理施設の不足、減量化再生利用の停滞等によりまして適正な処理が困難となっております。また、不法投棄等の不適正な処理が社会問題となっているなど、廃棄物問題の解決は喫緊の課題であると認識いたしております。このため、減量化再生利用適正処理推進処理施設の確保などを柱として廃棄物処理法改正することとしたところでありまして、廃棄物問題の解決のため、改正法に基づき、国民の理解と協力を得ながら積極的に施策を展開していきたいと考えております。
  36. 鈴木久

    鈴木(久)委員 それで、私は特に産業廃棄物の問題を中心にお尋ねするんですけれども、どうしてもそのポイントとして、極めて重要な問題として法改正の中にきちっと明文化してほしい、そういう問題について申し上げたいと思うんです。  それは、今も議論がありましたけれどもごみ不法投棄問題を含めてごみ流れが十分に掌握されていない。結局、排出者から運搬業者に渡り、中間処理業者に渡り、最終処分場に行く、こういうごみ流れがはっきりと掌握されていない。そのために、不法投棄が起きてもこれはどこのごみだかわからない、こういう現状がたくさんありました。したがって、今度の法改正の中ではそこをきちっと押さえる、こういうことが大事なんじゃないか。それがマニフェストシステムであり、排出事業者責任をちゃんと問える法体系を組むべきである、私はそう思うんです。不法投棄があった場合でも、そういうしっかりしたシステムができていれば排出者責任を問うことができる、こういうふうに思うんですね。これが第一点です。  第二点の問題は、余りにも行政が、最終処分場を建設することなどを例に挙げれば、届け出制であった、もうトラブルメーカーみたいなものだ。地方に来ると、特に管理型の廃棄物処分場をつくろう、こういうことになると、しょっちゅう住民との間にトラブルを起こす、こういうことが続いておりました。これを許可制にするということ、厳しくチェックをする、こういうことについては今度の法律ではそこまでは行きました。それをちゃんとしなきゃならない。同時に、権限を県や地方自治体にもっと移すべきである。不法投棄があっても、今の法律は市には何一つ権限がないんですね。監視する責任もなければ投棄されたものをどうすることもできない、こういう状況になっていますね。ですから、こういう権限移譲も含めてきちっと明確にすべきである。  それからもう一つは、特に産業廃棄物事業者責任といいましょうか、排出者責任ということがありますから、公的関与がほとんどなかったと言っていいでしょう。ですから、この不法投棄なんかが起きてもほとんど掌握できない、こういう現状にあったと思います。そういう意味で、しっかりと公的関与をこの際打ち立てるべきである、こういうふうに私は思っておるのですけれども、大臣、どうですか。今のような私が言った三つの問題だけでもいいです、今度の法律改正の中にしっかりと組み込まれたと思っていますか。そこを聞いておきたい。
  37. 小林康彦

    小林(康)政府委員 不法投棄に関しましては、不法投棄防止のための措置幾つか今回入れでございます。一つは、特別管理廃棄物につきましてマニフェスト制度導入をいたしましたこと、それから廃棄物処理業者に対する規制強化をいたしましたこと、それから事業者及び処理業者にかかわる委託基準強化を行い、罰則強化を図った、これらのことによりまして総合的な不法投棄防止対策を行う、こういうことにしてございます。  産業廃棄物処理施設に関しまして、届け出制から許可制にしたわけでございます。この権限は都道府県知事及び保健所設置市長に置いておるわけでございます。  ただいま、この権限市町村長に移譲したらいかがか、こういう御意見がございました。産業廃棄物処理につきまして市町村との連携は極めて重要なことでございますが、産業廃棄物が広域的に移動しているという現状を考えますと、都道府県のもとで権限を行使するのが妥当であるという判断をいたしまして、現行法でもそうでございますが、改正法におきましても都道府県の権限としているところでございます。しかし、実際問題として、地元の市町村長との協力連携というのは極めて重要でございますので、多くの都道府県におきまして市町村を含めた連絡体制をとりながら産業廃棄物行政を行っているというのが実情でございます。  最終処分場を初め産業廃棄物に関しても公的関与を強めてという点につきましては、今回、廃棄物処理センターという形で、産業廃棄物の公益的な部分で公共関与が必要な部分につきまして、施設整備、運営が行える制度を創設をする規定を入れたところでございます。
  38. 鈴木久

    鈴木(久)委員 今お答えありましたけれども、具体的なことを申し上げながらさらに質問を続けたいと思うのです。  私は、今申し上げたことが十分に今度の新しい法改正に含まれているというか、きちっと法律改正されたと思ってない。極めて不十分だと思っているのです。特に、不法投棄問題にかかわる問題では極めて不十分だし、今のマニフェストシステムの問題等は、特別廃棄物に絞ってしまったというところにも極めて問題がある、こういうふうに私は思っています。  そこで、具体的な例を挙げてお尋ねをいたしますけれども、いわゆる不法投棄では有名になりましたいわきに私は住んでおります。香川県の瀬戸内海の豊島の不法投棄と私どものところの廃坑跡を中心とする不法投棄というのは、大規模で、しかも計画的、悪質だという意味でもその代表格みたいなものでしょう。  私のところの例を少し申し上げますと、六十三年、一年ぐらいの間に炭鉱廃坑跡に大体三万七、八千本の、廃油、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、発がん性物質が入っているそういうドラム缶が四万本近く投棄をされた。同時に、その投棄をした業者は、直接やったのは中間処理業者。この中間処理業者は、自分の屋敷周りに野積みにしたものもその当時四万五千本ぐらいあった。同時に、山林、原野、牧野、ここに投棄されたのも全部足したら一万五千本ぐらいになる。十万本を超える不法投棄が中間処理業者、大谷総業というこの人々を中心にしてあの地域で行われた。ひどい話で、牧野に投棄をしたものを撤去している。昼間撤去して夜は今度廃坑にそのドラム缶を投げる。同じ人がやっている、こういうことが実は起こったわけですね。もう投棄されてから三年、発覚してからも二年半以上たちます。まだこの廃坑跡、自分の屋敷周りに野積みにしてあるのも三万五千本を超えている。廃坑跡は全然くみ上げていない、こういう実態です。  今、地域住民は何を行っているかといったら、物すごい怒りを持っている。いつまでたっても回収できないじゃないかという怒り。環境は汚染されている。特にトリクロロエチレン等の発がん物質、これは地下浸透することで有名でしょう。廃坑に埋めたんだからどんどん地下浸透していくのは当たり前。二年も放置しておいて、これは住民が怒らないのが不思議だ。豊島の問題もそうでしょう。数十万トンの不法投棄があって、これを回収すると十七、八億円かかると言われる。これも未回収のまま。どうして未回収になっているのですか。これは、まず投棄した人が回収する能力がない、財政的にもない。そして、こういう悪質な業者に委託をした排出事業者、これはわかっていてもこの人の責任を問えない、こういうところに問題があろうと思うのです。そうですね。  今度の法律で見たら、こういうものは回収も含めて十分にできますか。こういうことが教訓になって今度の法改正が行われたのだとすると、こういう事態は即刻なくなるようにしなければならない。これが法改正の中身じゃないですか。できますか。そこを答えてください。
  39. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話しの福島県いわき市の事件では、牧場、山林等の廃油は回収をしましたものの、炭鉱の廃坑内に投棄されました廃油は、技術的に対応が難しい面があって、いまだ回収されておりませんで、福島県におきまして学識経験者等から成る委員会を設けて、撤去方法、処分方法を検討しておるところでございます。  こうしたいわき市あるいは豊島の事例等に対しまして、今回の改正法におきましては、一つは廃棄物処理業者に対する規制強化いたしまして、処理業が的確に行われるよう、それから、事業者及び処理業者にかかわる委託基準強化いたしまして、今までは取り扱える資格のある人に委託をするという基準でございましたけれども、的確な能力を有するかどうかまで判断をしながら委託をするように、そうした能力的な面も基準に織り込むようなことを検討しております。そして罰則強化を図る。これらによりまして類似の事件の発生予防を図りたいというふうにしておるところでございます。
  40. 鈴木久

    鈴木(久)委員 一つは、いわきの回収の問題からもう一度お答えいただきたい。  技術的検討をしているというのはもう終わったのですよ。廃坑跡にボーリングをおろしてやれるということはとっくの昔に確認した、私はそう思っていますよ、もう既に六十本ぐらい試験的にくみ上げているのだから。それは技術的な問題ではない。それは業者に能力がないからだ。そして排出した責任を問えないからだ。ここのところをちゃんと確認してほしいのです。  そうだとすると、こういうものは今度は新しい法律でちゃんとマニフェストをつくって、排出者はだれだと特定できたら、この人に負担責任を負わせる。排出者にまで負わせなければだめだ、業者だけではだめなんだ。もっと言うと、なぜだめかといったら、こういう不法投棄をする連中というのは、大体廃棄物処理業者でもないのです。あなたたちは許可条件で厳しくしましたと言ったって、業者じゃないんだから、全然そんなのだめなんだよ。そんな話は通用しない。罰則を幾らしたって関係ないんです。業者じゃないんです。不法投棄する、直接やる人というのはそういう人が多いのです。問題は、その背後にある排出事業者はだれであるかということを明確にしなければ、それはだめなんですよ。そういうふうに今度はなりますか。そこを聞きたいわけです。  もう一つ、そこが確立てきれば代執行もできるのです。そうでしょう。これはだれが負担するという負担者がはっきりしていれば、代執行もできるのです。今は代執行できますか。私は代執行しなければならないと思っているのです。これはもう代執行をしなければ、三万本もあるようなドラム缶はあと何年だって放置しておくのです。永久に回収できないでしょう。今地元ではこういうことが起こっています。もうその地域全体が代執行を求めて請願をやろう、こういうことになっています。  厚生省、私は皆さん方にこの問題を質問しているのは三度目ですよ。前回も技術的検討ですよ。今回そんなことで了解できるわけがない。これはちゃんと代執行するように厚生省が県を指導してください。そのぐらいのことをやらなければこの問題は全然解決も見ないし、今後のことを考えても、そういうことをしっかりとこの法律の中でもシステム化をすべきだ。そうでなければ改正した意味がほとんどないじゃないですか。答えてください。
  41. 小林康彦

    小林(康)政府委員 許可を得ていない処理業者による不法投棄等に関しましては、排出事業者廃棄物処理責任を持って行うという意識の啓発活動がまず重要というふうに考えております。不適正処理あるいは不法投棄が行われました場合、県知事措置命令をかけることができますし、県知事の判断によりまして代執行も可能でございます。私どもといたしましては、県の調査、意向も十分聞きながら、私どもとしての適切な指導を心がけていきたいと思っております。
  42. 鈴木久

    鈴木(久)委員 それはあれですか、もう一回ここを確認をしておきますよ。もうぎりぎりですよね。地元の人々はこのままだったら行政不信だらけですよ、何やっているんだと。もうとにかく業者には能力ないというのは全部知っておるのですよ。豊島も同じでしょう。やはり代執行する、近々そのことをちゃんと指導していただきたい。その確認をもう一度求めておきたいと思います。
  43. 小林康彦

    小林(康)政府委員 豊島の場合につきましては、関係府県の間での協力をとりまして、排出事業者責任を含めて現在解決策をまとめておるところ、一部は物が撤去されておりますが、残っておりますものについての解決策をまとめておるところでございます。  福島のいわきも含めまして、実情に応じた方策につきまして県も含め十分検討し、指導していきたいというふうに思っております。
  44. 鈴木久

    鈴木(久)委員 大臣、ちょっと答えてください。
  45. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 本件につきましては、財な場所でもお尋ねがございましてお答えしたのですけれども不法投棄の後のトレースにつきまして、御指摘のようにそれぞれ関係者が努力をしてまいったわけでございます。また、知、事に直接の権限がございますから、そこから業者に対する追及もいたしております。ただ、その具体的な扱いにつきましては、先ほど部長からお話を申し上げましたように、学識経験者の意見などを聞いて、さらにこの具体的な処理の進め方を今検討しておるわけでありまして、その意味において県庁の今後の進め方を我々は早くいたすように協力をしていく、こういう立場でございます。  それから、そういう点について今手ぬるいというようなお話がいろいろございますので、そういう意味において、今度の改正法においてマニフェスト制度を設けるなり、あるいはまた直接廃棄物を扱った業者に対する追及ができる、さらにはまた罰則強化をするというようなことで対応することにいたしたわけでございまして、今後さらにこういうことの発生のないように鋭意努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  46. 鈴木久

    鈴木(久)委員 皆さんが代執行するとかしないとか、直接は言えないかもしれないけれども、今の話で適切な指導をする。その中には、とにかくこのまま放置しておけない、これは代執行も含めて強く要求があることは私も申し上げましたので、県に十分指導してください。  それで、今皆さんは、マニフェストシステムをつくったから今度はこういうことは起こらないとおっしゃっていましたね。そうじゃないのです。皆さんが今度おつくりになった法律特別管理廃棄物、いわゆる有害廃棄物、これに限ってでしょう。それじゃだめなんです、今の不法投棄が行われておるのは有害廃棄物じゃないんだから。ほとんどは建築廃材等の問題でしょう。不法投棄はなくならないのですよ。なくなりますか。だから、すべての廃棄物マニフェストシステム導入しないとだめだ、こういうことなんです。  皆さんがおやりにならない法改正する以前に、私どもの県ではもう既に県外のものは全部入り口でチェックしましょう、全部にマニフェスト適用しましょう、こういうふうに現になっているのです。ですから、手続が複雑だからできないとか、そんなのうそなんだ。もうやっているんです。そういうことをやろう、ちゃんと後で持っていってもいいですけれども。  なぜ地方はそうなっているか。県外のわけのわからないものがどんどん入ってくる、何を捨てられたんだかわからない、こういう処分場がいっぱい出てきている。それに対する不信感です。ですから、どうですか、もう一度、マニフェストは一部に限らないで全産業廃棄物適用する、そういう方向へこれは改正すべきなんだ、修正すべきなんだ。そのことをお答えいただきたいと思います。
  47. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 マニフェストの問題でございますけれども、世界的に見まして危険物を中心としたマニフェストの扱いが一般的でございます。今回新たにこの制度導入するわけでありますので、特別廃棄物限定してまず手始めにやってまいる、あわせて、その他必要なものについては、順次普及をするように並行的に試行錯誤を通じながら制度を進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  48. 鈴木久

    鈴木(久)委員 ここに、ある記事がありますけれども、後でお届けしましょう。  皆さんは特別廃棄物だけにマニフェスト限定した。地方でこういうことをどんどん進めていくということになると、国の法律よりも各県の要綱の方がはるかにそれを超えたものをやる。これは法律にかなわないからやめろなんというようなことは、まさか言わないでしょうね。いつも法律に従わないと、いろいろそれを超える要綱はだめだ、あるいは規則はだめだということを皆さんよくおっしゃいます。特別廃棄物をはるかに超えたものを入り口でも出口でもチェックをしようという要綱がある。こういうものに対する考え方も含めて、もう一度お答えいただきたい。
  49. 小林康彦

    小林(康)政府委員 マニフェストにつきましては、法律に基づくマニフェストといたしましては特別管理廃棄物適用することとしておりますが、その他のもの、特に建設系の廃棄物につきましては、指導を通じましてマニフェスト普及定着を図り、次の段階の課題としておるところでございます。そうした方向を見ながら、法律に抵触するような都道府県の指導でありますと困るわけでございますが、そうした方向での都道府県の指導措置につきましては、私ども積極的に支援あるいは援助を惜しまないつもりでございます。
  50. 鈴木久

    鈴木(久)委員 もう一度不法投棄の具体的な問題でお尋ねしたいのですけれども、八割くらいが建設廃材だと言われております。これはこの法律ではほとんど防ぎようがないというものであろうと思います。  それで、建設省もお見えですね。建築廃材の不法投棄はなぜ行われるかということを考えてみますと、今の公共事業などを見てもそのとおりですけれども、元請があり下請があり孫請があり、こういう状態ですね、今建設業というのは。それで、公共事業を例えば発注した場合、そこにどれだけの廃棄物処理の費用が入っているかという問題が一つ。それが元請では多少入っている。下請、孫請になったら消えてしまう。廃棄物などを捨てる仕事は大体孫請クラスが実際はやっている。どこを見てもそうです。そうすると、この人たちは自分たちでは処理場を持っていない。ついついぼんと投げることになるという実態が多いのです。金がかかるから不法投棄をした率が随分多いのです。ここをひとつ、建設業ではゼネコンが一番初めの受け皿でしょう。それからずっと下へ行く。この過程の中でどういうふうになっているか、現実も含めて建設省にそれはお答えいただきたい。  同時に、私はこれを解決するには、一つの県レベルなら県レベルで建設業協会あたり業界が中心になって廃棄物処理施設を、最終処分場をみずからつくるという努力をしないとだめなんです。これは業界そのものもそういう意識を持っているところがたくさんある。それがまた十分に具体化をしていない。これは特に元請、大きな業者を中心にそれをやらなければ。仕事だけ下に、孫にやらせて、この人たちに廃棄物処理をさせているというこの現実を改めない限り。なくならない。これは建設省、どうですか。そういういわゆる廃材をなくしていく、同時に不法投棄をなくしていく、そのための方策として、特に発注段階処理費の問題と、その処理場建設という問題に対してどういうレベルで物を考えているか、どういう対策考えているか、ちょっとお尋ねしておきたい。
  51. 青山俊樹

    ○青山説明員 まず、公共工事の発注単価に廃棄物処理にかかわる費用をどのように見込んでいるかという点についてお答えさせていただきたいと思います。  建設工事の施工に伴って発生する廃棄物につきましては、年々量的に増大しておりまして、廃棄物の適正な処理は工事の円滑な執行のためにも重要な課題であると認識しております。建設省におきましては、建設廃棄物が発生し、処理を必要とする場合につきましては、原則として処理場所、運搬距離等を特記仕様書等に指定することとしております。これを指定処分と呼んでおります。この場合、発注者の積算において、工事現場から処理場所までの運搬に要する費用、処理に必要となる費用等につきましては適正に計上することとしております。具体的には「平成三年度建設省所管事業の執行について」という事務次官通達が四月十二日に出ております。また、五月八日に「事業執行における積算等の留意事項について」というのが地方厚生課長と技術調査室長の連名通達で出ておりますが、これらの通達により徹底を図っているところでございます。今後とも、建設廃棄物処理に際しましては適正な費用の計上に努めてまいりたい、かように考えております。
  52. 鈴木久

    鈴木(久)委員 特に、これは業界も自主的努力も必要なんでしょうけれども、県に一つくらいはそういう処理施設を設ける。県に一つじゃ足りないのかもしらぬ、もっと小さな単位がいいんだと思うのですけれども、そういうことを推進するための援助や指導やそういうものをぜひやってほしい、こういうふうに思っています。これは今すぐお答えいただかなくても結構ですけれども、ぜひお願いしたい。そうでないと、この今の不法投棄問題は解消しないと私は思っています。厚生省のサイドからもそういう問題を強く、関係者と十分協議をしてやっていくべきなんだと私は思うのです。  もう一度マニフェストシステムと代執行の問題を体系的な問題として確認をしておきたい。  皆さんは有害廃棄物に絞った。そうすると、それから起きるであろう悪質な不法投棄に対して、これは十分に対応できないと私は申し上げました。この有害廃棄物以外の、以外のですね、マニフェストはなくて排出した責任というのは、皆さんどうやってこれは責任を問おうとしますか。これを問えないと代執行はできないのです。なかなかできない。代執行できるような状態というのは、やはり排出者、ここの責任を明確に問える、こういうシステムをつくらない限り、県だって税金をそんなにむやみやたらに代執行で使うわけにいかない。ですから、特別廃棄物以外のそういうチェック機能というのは何か別に方策ございますか。そこを確認しておきたいと思います。
  53. 小林康彦

    小林(康)政府委員 特別管理廃棄物以外につきましては、現在とっております手法と同じ手法になろうかと思っております。すなわち、そこに残されておりますものの中に排出者あるいは行為者を割り出すような、証拠になるようなものを見出して、物からさかのぼって捜すこと、及びその行為をした人、これを見出しまして、その行為をした人を通じてもとにたどっていく方法、こうした可能な限りの手段を尽くして排出者、排出企業を突きとめまして、今度は逆にその排出者の方から委託基準に反する行為がなかったかどうかという形で、全体の流れを明らかにして責任追及していく、こんな手法になろうかと思います。
  54. 鈴木久

    鈴木(久)委員 できるだけ早く全廃棄物マニフェストシステム導入をして、県でもう皆さんを超えるそういうことをやっているのだから、手続の問題が難しいからできないなんというようなことはないのです。やる気があるかないか、こういうふうに思いますので、ここは強く申し上げておきたいというふうに思います。  時間がありませんから、先ほども同僚議員からお話のありました、廃棄物処理法を提案をして社会的に問題になっているこういう状態を一日も早く克服しよう、こういう努力をされていることはわからないわけではないのですけれども、では、一番自治体が命要求している、先ほども話がありました焼却場を建設したいあるいは改築をしたい、こういう要望に対してちっともこたえていないじゃないですか。ことしどれだけ各自治体から要求があったか、それにどのぐらいこたえているか、これをしっかりお答えいただきたいと思います。これは各自治体とももう物すごい要求が起こっているのだよ。法案を提案したって、その実効を上げなければ何にもならないじゃないですか。これが一つ。  同時に、この焼却場は更新時期になっている。同時に、その焼却場の中に今新しく熱利用の問題、さらに廃棄物発電の問題というのが新たな問題として注目を集めております。私どもも今廃棄物発電の推進のためにいろいろな勉強会をやっているさなかなんですけれども、自治省は来ていませんから、厚生省、これらの推進に当たってどういう対策を今考えておられるか、これもあわせてお答えいただきたい。というのは、そういうものをやるにしても、とにかく施設を建てるお金を出さないというのは、これは話にならない。これは万全に対策ができるかどうかも確認をしておきたいので、ぜひ前向きの答弁をいただきたいと思います。
  55. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 今お話しの処理の施設の充実の問題でございますけれども、この問題は本年度の予算におきましても全体で八百六十二億円の施設の予算でございます。これに対しまして、各地方のいわゆる継続事業の要請、さらにはまた新規事業の新しい希望、これらが殺到いたしておりまして、十分に手当てできないのは委員御指摘のとおりでございます。  しかし、ごみ処理の問題については各般の施策が必要でありますけれども、中でも最終処理における施設の充実ということは肝要なことでありますので、来年度の予算に対しましては、この問題につきましては特に重点的に配慮するようにいたしておりまして、一般並びに産業投資会計の方では合計で八百七十一億円、さらにまた生活関連枠では百二十五億円、合計九百九十六億円、これは三年度に対して一一五・五%ということに相なっておりますし、またさらに先ほど来お話もありましたように、他省庁の分を含めますと合計いたしまして千十八億円の金額の要求をいたしておりまして、これによりまして事業に対する手当てをしてまいりたいと努力しているところでございます。     〔粟屋委員長代理退席、野呂委員長代理     着席〕
  56. 鈴木久

    鈴木(久)委員 もう少し、例えば要求されている団体の数、どのくらい要求されているか。それで、例えばことし要求が上がった、これにどれだけ予算措置ができたか。これはことしの例で結構ですよ。来年はどのぐらいそういうのがあるか。見込みは大体わかるでしょう、大体更新時期になっているんだから。これをもう少し具体的にお示しください。
  57. 小林康彦

    小林(康)政府委員 平成三年度におきます廃棄物処理施設整備の要望でございますが、新規の着工分が全国で二百五十五件、継続分が二百二十三件、合計四百八十八件でございます。
  58. 鈴木久

    鈴木(久)委員 これは要求でしょう。だから、これに対してどのくらい予算措置ができるのかということなんです。それは物すごいですよ、地方自治体の要求は。これは来年度もまたふえるのであります。厚生省はやりたくてもやれなくて、大蔵省が締めているのかもしらぬ。いずれにしても、これだけの法改正を皆さん国会に提出をしてやろうというときに、この辺から片づけなければ話にならないじゃないですか。この今の四百八十八件、どれぐらい要求にこたえられるのですか。
  59. 小林康彦

    小林(康)政府委員 継続分につきましては、二百二十三件の要望件数につきまして既に内示をしているところでございます。  新規の部分につきましては、金額的に御要望に十分達しないおそれはございますが、本年度着工しませんと廃棄物の円滑な処理支障を生じますようなケースにつきましては、採択をする方針で現在作業をしておるところでございます。
  60. 鈴木久

    鈴木(久)委員 そうすると、新規の分は二百五十五件あるけれども、全く容易でないということなんですか。もう少し実態を明らかにしたらいいと思うのですよ。それでなければ、予算要求で大蔵とやったら削られた。廃棄物法を議論しているのにどういうことか、これは国会だってみんな怒るでしょう。もう少し正直にお答えください。
  61. 小林康彦

    小林(康)政府委員 新規につきましては、必要なものについて採択をする方針で検討しております。要望に関しましては、現在予定をしております要望金額の半分程度であるかどうか、その分につきましては、平成四年度以降及び予算措置以外の措置事業量を確保できるかどうかにつきまして、現在検討しておるところでございます。
  62. 鈴木久

    鈴木(久)委員 いや、そういう状態ですから、新規は半分くらいだ。来年はもっと多くなるのでしょう。更新時期なんです。どんどんふえるのですよ。それで、一方ではごみ発電の問題などについても、いろいろと新しい施策を皆さんも講じられてきている。そういうものをやろうと思っても、本体がこのような状況というのはまことにゆゆしき事態なのですね。ですから、我々も今厚生省の報告でよくわかりました。地方自治体が物すごく強い要求になっているということだけをはっきり申し上げておきたい。あとは予算全体のレベルの中でどう克服するかという問題があろうと思いますけれども、これは自治体の要求に十分にこたえられるようにしていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。  時間がなくなりました。最終処分場の問題等で申し上げたかったことがあるのですけれども、これは質問でなくて一言だけ申し上げておきますけれども、特に産業廃棄物最終処分場の埋立跡地管理、水処理、こういう問題が放置をされていきますと環境問題を起こします。ですから、今度の法改正の中で事前に計画を出させるということになりました。しっかりした計画を出させてください。  今までの最終処分場の業者などというのは、資力も小さいし、どちらかというと、それが終わったらさっと逃げ出そうというのが多いのですよ。そういうことがあっては自治体やその地域の人々が大変困るわけです。そんなことが絶対起きないように、事前指導と後からの届け出をするということになりましたから、届け出をした後のチェックというものを厳しくやっていただきたい。そうでないと、これは後に残された住民がえらい迷惑をこうむる。今度の法律ではそこは多少前進をいたしておりますので、その運用をしっかりしていただきたいということを最後に要望して、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  63. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 斉藤一雄君。
  64. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 主として産業廃棄物に関連をして、また、私は環境委員をいたしておりますので、環境に及ぼす影響等々を中心に質問をいたしたいと思います。  最初に、安定型処分場の環境汚染についてでございます。  安定五品目の産業廃棄物処分する安定型処分場は、浸出水の水質、メタンガスの発生等で問題を起こすケースが多いわけであります。もとより地下水の汚染も懸念をされます。安定型処分場であっても管理型に準じた地下浸透の防止と浸出水の処理を行う型にすべきではないかというふうに私は考えているわけですが、これについてのお答えをいただきたいと思います。
  65. 小林康彦

    小林(康)政府委員 安定型の最終処分場には、建設廃材と安定した廃棄物限定して処分することとしておりまして、そうした安定した廃棄物の場合には、地下水の汚染等の懸念はないものと思っております。しかしながら、不適切な安定型に適さない廃棄物が入っております場合、そうした問題を惹起しておるということも私ども報告を受けておりますので、報告徴収あるいは立入検査等を徹底することによりまして、搬入される廃棄物のチェックをさらに強化して、環境に対する十分な配慮のもとに廃棄物処分が行われるように指導してまいりたいと思っております。
  66. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 今、実態については把握をされておるようでありますけれども、そうした実態に対して、調査をやったり立入検査をやったりチェックをしたり指導しているということなのですが、具体的にどのような成果を上げているのかということを一言言ってください。
  67. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、問題になります前に、適切に最終処分場管理が行われるこ」とが重要というふうに考えております。管理の行き届いておりますところで適正な管理が行われるよう、また、問題が生じましたときにはその問題の原因を極力早く除きまして、適切な管理に戻るよう各都道府県とも十分注意しながらの制度になりつつあるというふうに思っております。
  68. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 千葉県の小櫃川では、この安定処分場からの排水にシアン、砒素も検出されているわけですが、こういう問題に対してどのように対処されましたか。
  69. 小林康彦

    小林(康)政府委員 通常、県の対応の順序でございますが、周辺部の地下水等の調査をいたしまして、環境汚染が生じているかどうか、その程度がどうかという把握をいたします。次いで、それが環境汚染として放置ができない状態でございますと、そのための原因の除去、状況によりましては廃棄物の撤去あるいは周辺部の遮水工の補強等の措置を求める、こんな手順になっていこうかと思います。
  70. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 次に、管理処分場の環境汚染についてお伺いいたします。  管理処分場における遮水設備としてビニールシートなどを使う場合、シートの破損などに対処するために、構造基準を二重ライナー構造に変えるべきではないかと私は考えますが、どうお考えですか。
  71. 小林康彦

    小林(康)政府委員 管理処分場につきましては、埋立地と公共の水域あるいは地下水との間に十分な厚さの不透水層の地層等がある場合を除きまして、廃棄物の保有水等が埋立地から浸出する、これを防止することができる遮水工を設けることとしております。お話にございました二重ライナーにつきましては、不透水性の確保が困難な場合には望ましい工法の一つというふうに考えております。  改正法では、国が決めております構造基準や維持管理基準に加えまして、最終処分場設置について許可制度といたしまして、知事が個別ごとに、それぞれの地域特性を踏まえて生活環境上の条件を付すことができることになっておりますので、不透水性等の状況を見ながら、地下水の水質汚濁の防止策の強化が図られるものと考えております。
  72. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 八王子市営の処分場で、ゴムシートの破損で漏れた排水が河川に流れ込んで汚染をした例があったと思うのですけれども、そういう事態に対してどのような対応がなされたで一しようか。
  73. 小林康彦

    小林(康)政府委員 御指摘の最終処分場一般廃棄物最終処分場でございますが、原因の調査を行いながら、排水施設の増強を図る等の対応策を講じたと承知しております。
  74. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 管理処分場では、基準を超えない有害物質を含有している廃棄物処分を行うために、浸出廃液は有害物質を含むことが考えられるわけであります。当然のことながら、特定施設として規制すべきであるというふうに私は考えますが、この点いかがでしょうか。
  75. 小林康彦

    小林(康)政府委員 管理型の最終処分場から出てまいります浸出液の放流基準につきましては、最終処分場の構造基準及び維持管理基準を定めておりまして、この基準は水質汚濁防止法に基づきます排水基準を定める総理府令、これを適用して基準を決め、規制しておるところでございます。水質汚濁防止法は環境庁長官が所管をいたし、最終処分場の基準は厚生大臣と環境庁長官が共同で所管をしておるところでございますので、お話の趣旨の基準は、既にその趣旨で定めておるところでございまして、改正法におきましても同じ流れ、で処理をしていきたいというふうに考えております。
  76. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 現行は特定施設に指定されてないわけであります。私が申し上げたいのは、今もお話がありましたが、汚染物質に関する排出基準値を大防法とか水濁法とは別に設定すべきではないかという必要性を感じているわけです。そのことについてお考えをお聞きしたい。
  77. 小林康彦

    小林(康)政府委員 現在、水質汚濁防止法の特定施設に適用されております基準と同等の基準を設けております。制度から申し上げますと廃棄物処理法に基づきます共同命令でございますが、それによりまして独自の基準を設けることは可能でございます。それから、今回の廃棄物処理施設の許可に、都道府県知事地域の特性を考慮いたしまして生活環境保全上の条件というところでの配慮も可能でございます。現在のところは、水質汚濁防止法の特定施設と同じレベルの規制が妥当という判断で基準をつくっておるところでございます。
  78. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 現在行われている溶出試験法は、アルカリ性に微調整した中性溶液で行っているので、重金属が溶け出しにくい条件になっているわけであります。しかし、現実の処分場では酸性になっていることが多いわけでありまして、重金属が溶けやすい条件になっております。したがって、処分場でこれが出る可能性が極めて強い。東京のように酸性雨が非常に多いところでは一層そういう事態があろうかと思います。これについてどのような対応を考えているか、お伺いしたい。
  79. 小林康彦

    小林(康)政府委員 今回特別管理廃棄物という制度をつくったこともございまして、全般的に管理の基準につきまして整備をする必要がございます。その基準の整備の中におきまして、ただいまのような御意見も考慮に入れながらの検討作業にしたいというふうに思っております。
  80. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 鋼津が多く使われているわけですが、特に転炉鋼津、これは廃棄物処理場であるとか埋立地、内陸整地などに使われているわけです。これは私は有害であるというふうに断定しておりますが、この転炉鋼津についてどのようにお考えか、お伺いしたい。
  81. 小林康彦

    小林(康)政府委員 転炉鋼淳につきまして、廃棄物になりますものは廃棄物処理法規制を受けるものでございまして、その性状によりまして廃棄物処理法の基準がかかっていくものということで整理をして、実施しておるとこうでございます。
  82. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 それでは次に、処分場閉鎖後の管理についてお伺いをいたします。  埋め立てが完了した処分場の閉鎖についての規定を具体的に設定すべきではないかというふうに考えます。また、処分場の閉鎖についても、当然許可制の対象にすべきだというのが私の考えてあります。さらに、埋立地の土地利用についても何らかの規制を行うことが必要ではないかというふうに考えますが、お考えをお聞かせください。
  83. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 埋立地の跡地利用ということでありますが、埋め立ての物がどういうものを利用して埋め立てされたかということによりまして、その影響がいろいろ出てまいります。その意味におきまして、国民の生活環境保全を図る上で、廃棄物最終処分場の適正な維持管理を図ることは極めて重要な課題であると考えております。  このため、今度の改正法案におきましては、最終処分場についても届け出制から今御指摘のような許可制に改めまして、許可の際に設備の構造についても十分審査すること、また、埋立処分が終了したときの都道府県知事への届け出を受けて最終処分場の台帳を調製し、それからまた関係人への閲覧等の措置を講ずることで、どなたが来られても、どういうものを中に埋めたかということがわかるようにはっきりさせておるところでございます。これらの措置によりまして最終処分場の安全性、信頼性の確保を図り、適正な跡地管理に努めてまいりたいと存じております。
  84. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 御承知のように、廃棄物を埋め立てたところは処分場でなくなるわけですが、これは市街地土壌になってしまうわけでありまして、市街地土壌汚染の取り締まりの法律はないわけであります。したがって、しっかりとやっていただきたいと要望しておきます。特に私が申し上げたいのは、環境改善、復元処置を行うための規定をきちんと設けるべきではないかというように考えますが、いかがですか。
  85. 小林康彦

    小林(康)政府委員 ただいまのお話最終処分場の跡地に関してかと存じますが、最終処分場に関しましては閉鎖の前に、将来の環境の状況考えまして閉鎖に適する時期がどうか、その後の措置が十分講じられているかどうか、これらを確認した上で閉鎖をすることにしておりまして、さらに、台帳の保管をするという形で将来にわたる跡地利用に対する配慮、情報の保存を図る、こういうことにしておるところでございます。
  86. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 バーゼル条約では、汚染された土や砂は廃棄物として位置づけられていると思いますが、そのとおりですか。
  87. 小林康彦

    小林(康)政府委員 バーゼル条約につきましては、経路あるいは物質のリストが示されておりますが、その解釈、具体的内容につきましては今後国際間で協議をして固めていこうというところで、お話しのようなところまで明確に各国の合意というレベルに達していない。これからのお互いの協議事項というふうに承知をしております。
  88. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 バーゼル条約に対応する検討がなされているはずでありますけれども、当然廃掃法でもそうした規定を今後すべく努力をしてもらいたい、こう思いますが、その点もう一度御見解をお伺いしたいと思います。
  89. 小林康彦

    小林(康)政府委員 バーゼル条約を批准するに当たりまして、有害廃棄物の輸出入に関する規定、これが必要でございますし、輸入をしました場合あるいは輸出をします場合の相手国への通報等のための国内体制整備が必要でございます。現在御提案をしております廃棄物処理法ではまだそこまでの規定まで至っておりませんので、別途現在外務省等と協議をしておりまして、バーゼル条約に対応するための国内法制の整備については、改めてなるべく早い時期に成案を取りまとめたいというふうに予定をして努力しておるところでございます。
  90. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 次に、廃棄物処理施設の設置に関連してお尋ねをいたします。  廃棄物処理施設の設置については、今回届け出制から許可制になったわけでありますけれども産業廃棄物についても当然市町村長の同意など自治体の関与ができるようにすべきではないのかというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。
  91. 小林康彦

    小林(康)政府委員 産業廃棄物処理施設につきまして、現在まで社会的な問題になっているケースもございまして、お話しのような御要望、御意見が数多くあることは承知をしております。  住民の理解を得ながら必要な産業廃棄物処理施設の整備をしていきますためには、生活環境保全上十分配慮できる仕組みをつくること、そして、信頼性の高い施設の整備を促進していくことが重要。というふうに考えておりまして、このため、今回の改正法におきましても、届け出制から許可制、あるいは技術上の基準を十分審査できるようにしたほか、周辺地域の生活環・境の保全や増進に配慮することとし、また施設の許可の際に、必要に応じ生活環境保全上の条件をつけられることとして、最終処分場の信頼性を高め、さらに最終処分場について災害防止計画の作成を義務づけるなど措置を講じたところでございます。  こうした措置によりまして地元の住民あるいは市町村に信頼される廃棄物処理施設の整備推進に努めることといたしまして、法律上の同意要件まではいかずに(こうした内容での理解を得る努力というところで法案をまとめたところでございます。
  92. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 私は、せっかく許可制にしたわけでありますから、許可の申請の時点で少なくとも環境保全に関する計画書というものを添付させる、設置者にこれを義務づけるという積極性があってしかるべきではないかと思いますが、私の考え方に対してどうお考えでしょうか。
  93. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理施設の許可の申請に当たりましては、周辺地域生活環境への保全や増進にどのような配慮をしているか、これにつきまして検討しました結果をつけての上の申請書類というように持っていきたいと考えております。
  94. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 次に、焼却場でのダイオキシン対策についてお尋ねをいたします。  これは食品の包装などに使われるラップ類が主な用途であろうと思いますが、材質の転換も含め、塩化ビニール系のプラスチックがごみの中に入らないように、使用の抑制はもとより、分別徹底を図る措置を実施すべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  95. 小林康彦

    小林(康)政府委員 塩化ビニールを初めプラスチックに関しましては、廃棄物処理の上からいろいろな課題がございます。ただ、ダイオキシンの発生との関連で申し上げますと、ダイオキシンの生成と塩化ビニールとの間には相関性が低いということが専門家の報告でもなされておりまして、現時点で塩化ビニールのみダイオキシン対策という観点分別をし、別途の処理をする必要性、必然性が出てきていないというように理解をしております。したがいまして、ダイオキシン対策につきましては、焼却処理の過程での焼却管理及び排ガスの処理、こうした手段によりまして発生の抑制をすることが適当と考え、そのための施策指導を行っているところでございます。
  96. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 次に、福井県の敦賀市の民間廃棄物最終処分場に関連をしてお尋ねいたしたいと思います。  私も先般、地元の辻議員上一緒に現地を調査し、県並びに市、さらに業者の方とも十分お話し合いをしてきたわけでありますが、御承知のとおり、県と市の方から、一般廃棄物の持ち込みについて、少なくとも搬入自治体と受け入れ自治体の話し合いの規定改正法の中に明文化してほしいという強い要望が出されております。それに対して改正法では、「関係を有する他の市町村の一般廃棄物処理計画と調和を保つよう努めなければならない。」としております。これは私が申し上げました県や市の要望に沿ったものと解釈してよろしいのでしょうか、沿ったものではないのでしょうか、明確なお答えをいただきたい。
  97. 小林康彦

    小林(康)政府委員 従来から搬出側の市町村に対して受け入れ側の市町村と十分話し合うようにと指導してきたわけでございますが、ただいま先生の方からお話がございましたように、福井県などの御要望もございまして、その要望に沿う形でただいま御指摘の条項を入れたところでございます。
  98. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 我が党の辻議員の質問に対して厚生省は、この規定を適切に運営し、その趣旨を周知徹底することにより市町村間の調整について一層の指導を行っていく、こういうふうにお答えしておりますけれども、これは具体的には今の御答弁との関係でどういう内容になるんでしょうか。
  99. 小林康彦

    小林(康)政府委員 まず、排出する市町村におきまして、その受け入れる施設が一般廃棄物最終処分場として的確な構造、管理が行われているかどうか、さらに、その能力が出す量に見合った能力を有するかどうか、一こうした確認が必要でございます。次いで、受け入れ側の市町村との間で、廃棄物を持ち込んでその場所で最終処分に付することの理解、協力、これを十分な話し合いの上でまとめ、その話し合いがまとまりました上で廃棄物の搬入を始める、こうした流れを原則として、ただいまお読みいただきましたようなお答えをさしていただいたところでございます。
  100. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 そうしますと、話し合いがついたところで処理するように指導していくという意味は、裏を返しますと、話し合いがつかないところではこの受け入れについて拒否もできるし、受け入れもできる。言ってみれば、実質的な協議権が確立されているというふうに理解してよろしいんですね。
  101. 小林康彦

    小林(康)政府委員 十分な話し合いの上に相互の理解の上で事業に着手するようにということで、先生のお話しのとおりでございます。  ただ、その形で話が進みました後で事情が変更になりました場合、ここの部分は現在ただいまの問題としては、多少の幅といいましょうか、工夫、努力、さらにの努力の要る部分があろうかとは思っております。
  102. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 福井県では、事前審査の段階で隣接着及び付近住民、直接的には付近住民ですが、手続としては区長さんの同意を必要としているわけでありまして、私はこの面では県も市も非常によくやっているというふうに考えているわけでありますが、先ほどのお答えで見ますと、地元の市町村あるいは住民との関係は、法律事項として明記するには必ずしも適当ではないとか、今回の法改正でも、そのところはその地域地域での話し合い、協議というところに任せていると、非常に消極的といいますか、言葉は悪いんですが、無責任な態度に立たれているというふうに思うわけであります。少なくともこういう点も法律面ではっきり規定する必要があるのではないか。住民との関係、特にこれからの社会にとって、あるいは廃棄物処理について重要だと私は考えておりますのでそう申し上げたわけでありますが、どうしてそういうふうに消極的なのか、無責任なのか、そこのところをいま一度お答えいただきたい。
  103. 小林康彦

    小林(康)政府委員 最終処分場につきましては、その構造、管理及び周辺の生活環境保全等配慮しまして、信頼性の高い施設を整備すること、これに最重点を置いております。こうした施設になりますと、その最終処分場そのものが公害発生源というわけでもございませんので、地元住民に信頼される施設の整備という点を法律上は力点を置いて整備をしたところでございます。
  104. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 今も申し上げたように、そのところはその地域地域での話し合い、協議というところに任せていると先般お答えをいただいておるわけです。ですから、この福井県の、これは行政指導でやられていると思うのですけれども、こういう方向を前向きに指導していくという姿勢が必要ではないのかということを聞いているわけです。もう一度お答えいただきたい。
  105. 小林康彦

    小林(康)政府委員 施設を円滑に整備管理していきますためには、その周辺の住民あるいは当該市町村と十分協議をし、御理解を得た上で進めていくことは極めて重要な案件というふうに思っております。     〔野呂委員長代理退席、池端委員長代理     着席〕
  106. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 次に、環境庁にもお答えいただくことになるかと思うのですが、環境配慮についてお尋ねいたしたいと思います。  生活環境審議会答申では、「廃棄物処理施設の設置についての規制はこ「技術的な面のみならず、周辺環境の整備についての配慮、跡地利用の計画、地元市町村意見などを踏まえた総合的な判断を行うため、これを許可制に改めることを検討すべきである。」と指摘しているわけであります。この考え方を今回どのように生かされたのか、環境庁は別の立場からこの趣旨をどう環境配慮として施策に生かそうとしているのか、両者からお答えをいただきたい。
  107. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物処理の立場からは、その施設が信頼され、安定したものであるばかりでなく、その周辺への役に立つような配慮というものも重要でございますので、周辺対策に対する配慮も織り込み、かつ、知事等のその場所場所に応じましての環境保全に対する検討、配慮が施設に反映できますように届け出制から許可制に改め、許可に当たって条件を付すことができるという条項を入れたところでございます。
  108. 八木橋惇夫

    ○八木橋政府委員 環境庁でございます。  廃棄物処理施設の設置につきましては、今回の改正で許可制が導入されることになっているわけでございますけれども、その許可要件といたしまして、一定の技術上の基準に適合しているということがその要件になっておりますと同時に、許可に当たりまして「生活環境保全上必要な条件を付することができる。」ということになっているわけでございまして、都道府県知事が許可に当たって環境保全のために十分な措置が行われているかどうかということを審査いたし、必要な措置が行われるよう、厚生省におきまして適切な指導が行われるということが担保されているというぐあいに考えているわけでございます。  ただ、環境庁といたしましても、厚生省とともにこの廃棄物最終処分場につきましては、技術上の基準を定めることといたしておりますと同時に、特に規模が大きく、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると考えられます埋立面積が三十ヘクタール以上の最終処分場設置につきまして、閣議決定による環境アセスメントの対象として、その中で周辺の生活環境への影響を含め、環境汚染の未然防止を図るということにしているところでございます。  さらに、多くの地方公共団体、本年度現在で二十九の団体がそれぞれの地域の実情に応じまして独自の環境アセスメント制度を持っているところでございまして、環境庁といたしましては、この廃棄物処理施設の設置につきましても、環境保全が十分図られるよう、こういった諸制度が適切に行われていくということについての推進及び指導に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  109. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 それでは具体的にお尋ねしたいと思うのですが、この施設が環境に及ぼす影響について事前に予測、評価をするというお考えがございますか。
  110. 小林康彦

    小林(康)政府委員 最終処分場設置に関します許可申請の中におきまして、先生御指摘のような環境に対する影響、実質的にそういう中身を持ちました申請書を予定しておるところでございます。
  111. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 今後の行政のあり方についてお尋ねしたいと思うのです。  きょうは連合審査ということでありますけれども、この廃棄物の問題は各省に広範にまたがっている問題であります。広い見地から見れば、地球環境にも重大な影響がある行政上の問題があるというふうに思うわけであります。  かつて東京都では、清掃局と公害局と下水道局、三者で合同のプロジェクトチームをつくりまして、特に有害物質を含む産業廃棄物についての現地調査を真剣にやったことがございます。この実態調査の中では、単に清掃局の立場だけではなくて下水道局の観点から、あるいは、現在は環境保全局と言っておりますけれども、公害局の立場から、それぞれ知恵を出し合い、あるいは経験を踏まえて大きな成果を上げたことがございます。恐らく国の方はそういうことをなさった経験がないのではないか。  廃棄物の問題は厚生省というようなことで、法案をつくる段階で通産省に反対をされたり、あるいは環境庁が遠慮して物を言えなかったりというような中で法案もつくられたと思いますし、実態についても、私は厚生省の職員の皆さん大変優秀だと思いますけれども、しかし、管轄違いの問題もあるし、実態を正確に把握するにしても極めて不十分ではないか、こういうふうに思うわけです。  したがって、統一的な基準といいますか統一的な指針といいますか、そういうものをきちんとしていくためには、今私が申し上げたように、関係各局が合同プロジェクトをつくって実態を正確に科学的に把握していく、そして、その対応も統一した対応をしていく、基準についても統一的な基準を設けていく、こういう前向きな積極的な行政の姿勢がないと、この短い時間ですから余り申し上げられませんけれども、真の廃棄物処理対策はできないというふうに私は考えているわけです。今までやられていなかったことについてとやかく言ってもどうしようもないわけでありますが、私が申し上げたような行政のあり方として今後ぜひ前向きに取り組んでもらいたい、こう思うわけですけれども、それについてのお考えをお聞きしておきたいというふうに思います。
  112. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話のございました東京都とほぼ同じ時点であろうと思いますが、私ども政府におきましても関係省庁共同して、有害物質につきまして実態の把握、対策に努めてきております。廃棄物処理法に基づきます基準あるいはその執行につきましては、おおむねのところ厚生省の仕事でございますが、廃棄物は多くの分野に関係をするものでございますので、お話のございましたような環境庁、通産省あるいは建設省等関係の省庁とも十分連携をとりながら、お互いに協力をし、それぞれの分野で最善を尽くして廃棄物処理問題の解決に取り組むという点につきましては、各省とも意思を同じくしておりますので、私ども廃棄物処理法所管する立場で今後一層の努力をしてまいりたいと思っております。
  113. 斉藤一雄

    ○斉藤(一)委員 以上で私の質問を終わります。
  114. 池端清一

    ○池端委員長代理 東順治君。
  115. 東順治

    ○東(順)委員 私も短い時間でございますので、産廃物の最終処分場の問題について質問さしていただきたいと思います。  安定型あるいは管理型あるいは遮断型、こういう三つのタイプの順で構造基準が厳しく定められておりますこの最終処分場、例えば安定型処分場というものを見ましても、先ほど来もお話がございましたけれども、ゴムくずあるいは金属くず、ガラス・陶磁器くず、廃プラスチック、建設廃材と言われる安定五品目、こういう安定した廃棄物というものがこの処分の対象であるという。こういうことにもかかわらず、現実は汚泥臭やあるいは赤水が発生する、こういう問題が実際に数多く全国で起きているわけでございます。  まず最初に、なぜこういうふうになってしまうのか、その辺について伺いたいと思います。
  116. 小林康彦

    小林(康)政府委員 安定型処分場におきまして構造、管理が適正でございますと、お話しのような悪臭等が発生する事例はないと思いますが、現実に悪臭等が発生している事例が残念ながらあるようでございます。  その原因といたしましては、本来そこに埋められるべきでない汚泥等の廃棄物が投入された、あるいは混入して搬入されたのが原因であろうというふうに考えております。安定型処分場には限られた廃棄物だけ入れることにしておりますので、そうした不適正な廃棄物が搬入されないよう、都道府県におきまして報告の徴収あるいは立ち入り検査を徹底することで、そうしたトラブルを未然に防止するようチェックの機能を強化指導していきたいと考えております。
  117. 東順治

    ○東(順)委員 原因としまして、基本的にはそういうことだと思いますが、この産廃物の最終処分場に入れる前に、まず安定五品目かどうかという分別がきちっとなされていない、こういうことが一つあると思うのです。それからまた中間処理での分別も余りなされていない。あるいは安定五品目に付着をしてくる有機物あるいは腐敗をしていくもの、そういったひっついてきているものまで現実には事前に分別できないんだ、こういう解釈に厚生省なんかはお立ちになっていらっしゃるんじゃないんですか。その辺はどうですか。
  118. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話のございましたようないろいろなプロセスといいましょうか、段階に応じまして不適正なものが混入をし、安定型に入ってきている実態があろうかと思います。そうしたものが入ってまいりますと、本来の安定型が持っております信頼性が損なわれることにもなりますので、安定型には安定型向きの廃棄物に限って搬入されるよう、ただいまのように発生源から途中の中間処理あるいは分別のような、保管、積みかえのような場所を通しまして今後指導強化を図っていきたいと考えております。
  119. 東順治

    ○東(順)委員 例えばハム会社に大量にハムが返品されてきたとする。そうすると、ハムを包んでいる外側はプラスチックの包装。これはどこに入るかというと安定型に入っていくわけです。中身のハム、これはどこに入るかというと管理型へ入っていく。入れ物に応じて入れる物を分別しなければならない。ところが、外側の包装部分とハムを実際切り離して入れていくということが現実には行われてないということが、一つは端的な例ではないかと思うのです。  したがって、私が言いたいのは、これまで排出事業者が産廃物処理の許可を受けた処理業者委託してもよいことになっておりましたので、実際はほとんどがこの処理業者に中間処理あるいは最終処分までも委託する、こういう形をとってきておるようでございます。したがって、この排出事業者責任処理業者委託した段階で終わってしまう。あとはもうよろしくお願いしますということになって、すべて処理業者責任、こういう構図になってきておるわけです。したがって、人手の問題、あるいは再生に回すにも廃棄物をえり分ける面倒さ、あるいはまた排出者側のごみ処理にお金をかけるのは損だというコスト意識の低さ、あるいはまた短時間で効率よく処理を求めようとする業界自身の利益偏重の体質というのですか、そういったものが相まって、結果的に一部の処分業者の不法投棄あるいはまた不適正処理等を許す結果となって、それが最終的に住民の不信を増幅させていく、これが今全国で大きな問題になっている産廃物の問題の底流にあるのではなかろうか、このように思うわけでございます。  つまり、責任というものが処分業者というところに偏ってしまっている。しかし、現実には出す大もとにも大きな責任があるわけですから、排出事業者の方にも責任を持たせていかなければいけないということが今回の改正法の一つのポイントであろうというふうに私は理解しております。  そういう意味で、本改正案事業者処理業者に係る委託基準強化し云々、こうされております。これは具体的にどのような強化になるのか、そういった点を伺いたいと思います。
  120. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話にございましたとおり、排出事業者責任感、排出事業者責任を持って適正に処理をするというのが産業廃棄物につきましての基本のスタートであろうと思います。みずから処理をする場合を除きますと、他に委託をして処理をするということになりますので、その際の委託基準といたしまして、まず産業廃棄物処理業の許可を、今まで一本の許可でございましたものを、収集運搬業と処分業とに区分をした許可制度にすることにしております。これによりまして排出事業者がそれを適切に処理できる人に限って委託をするように、処理の能力のない人に委託をしないように、こうした適切な委託が担保されるようにというのが一点でございます。  二つ目が、特別管理産業廃棄物規定を設けたことでございまして、爆発性、毒性、感染性という、特に注意をして処理処分を行わなくてはならない産業廃棄物の区分を新たに設けまして、その処理委託をいたします場合には伝票制度マニフェスト使用を義務づけたところでございます。  三点目は、委託基準に違反をしました場合の罰則強化する、こうした規制面の強化を行うことによりまして、排出事業者責任感を持って廃棄物委託を行うように規定強化したところでございます。
  121. 東順治

    ○東(順)委員 同じく、知事は多量の廃棄物を排出する事業所に対し、処理に関する計画の作成を指示できるものとする、このようにありますけれども、これは具体的にどのような拘束力を持つのか、あるいはこれに違反した際の罰則はどうなっておるのか、こういった点はいかがでしょうか。
  122. 小林康彦

    小林(康)政府委員 都道府県知事が多量に産業廃棄物を排出いたします者に対して処理計画を指示できるということにしております。  その処理計画の内容といたしましては、排出量、排出の抑制、再生利用計画処理計画等、廃棄物全般の処理についてでございまして、そうした計画策定することによりまして、自己が排出する廃棄物について十分な把握と適正な処理方向づけを行うということをねらったものでございます。都道府県知事は、排出事業者に対しまして、立入検査あるいは報告徴収を行う権限を持っておりますので、それを通じて指導できますので、この処理計画の作成指示に従わない場合に罰則をかけるという規定は置いておりません。  廃棄物処理、やはりお互いに十分理解をし、納得をした上でというのが最も長続きをする。円滑な処理ということもございますし、ただいま申し上げましたような報告徴収、立入調査等の権限を持っておりますので、そうした中で事業者に対する指導徹底できるというふうに考えております。
  123. 東順治

    ○東(順)委員 事態は非常に深刻な状況になっておるというふうに認識をしております。やはり一発屋の処理業者とかいったのが、とにかく捨ててしまえばあとは勝手みたいなことで、一住民の反感だとか不信みたいなものを招いている状況がたくさんあるわけで、ここはせっかくここまでつくられたのだから、罰則というところまで踏み込まなければ本当の力というか拘束力は持たないのじゃないか、私はこのように思うわけでございます。  また、この法案の中で特にこれは欠落しているなど私は思うのですが、それは、この最終処分場をつくる地元の住民の皆さんに対して、事前の説明というものがどうして義務化されてないのだろうか、どうしてそれを明文化されてないのだろうか、そういうふうに思うわけでございます。  これまで各地の廃棄物最終処分場問題では、用地買収から環境問題について一手に処理業者が地元の住民と対応してきておる一わけですね。そういう中から業者側は、このままいくと捨てる場所がなくなってくる、どこかないかという危機感でその場所を探して設定してつくろうとするわけです、から、ともかくできるだけ速やかに、できるだけ余りトラブルが起こらないように現地につくろう、こういうふうにいく。ところが住民は、先入観というかそういうものがあるわけですから、安全性は大丈夫があるいはまた大変な環境破壊が起こり始めるのではないか、こういう不安感というものが最初にあるわけです。  したがって、そもそも問題意識が全然違うわけですから、当然出発点からかみ合わないわけですね。そういうところから出発するこの最終処分場建設という問題だけに、より具体的で懇切丁寧な事前の説明あるいは情報の提供、データの提供というものが地元住民になされなければ、結局最初のボタンのかけ違いというのが最後までかけ違って、最後はこじれてデッドロックに乗り上げてしまう。現実にこういうことになっておるわけですね。したがって、一番大事な事前の説明というものをこの法案の中にぜひ明文化すべきである、私はこのように思うわけですけれども、いかがでしょうか。
  124. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 それぞれの市町村がみずからの場所の中で最終処分場をつくりたいということでありますが、実際はそうはならないで、どうしてもそれ以外の地域に行くとかいろいろな問題が出てまいります。したがいまして、その最終処分場整備を確保するということは非常に重要でございますが、そのためには、その関連の地元の住民に信頼される安全性の高い施設を整備していくということがまず基本でございます。  このために、最終処分場設置を従来の届け出制から御承知のように許可制に改めまして、都道府県におきまして強化したところの許可基準による審査を十分行わせるとともに、周辺環境に配慮するものとしておるわけでございます。また、優良な産業廃棄物業者の育成にもあわせて努めてまいりたいと考えております。これらの措置によりまして、今お尋ねの地元住民に対しましては、当然よく理解される最終処分場設置に努めるということが基本でございまして、設置に当たっては地元住民の理解を得る努力をするように設置者に強力に指導をしてまいりたい、このように考えております。
  125. 東順治

    ○東(順)委員 大臣、私は福岡県なんですけれども、福岡県で埋立式の最終処分場が九十四カ所あるんです。福岡県というのは百万都市が二つございまして、福岡市を中心として、上は北九州市を中心として、こういうところから出てくる産業廃棄物というものがどこに流れてくるかということになると、例えば北九州市と福岡都市圏に挟まれた筑豊地域というところなんかに集中してくるのですね。この筑豊地域の一つの小さな町、筑穂町という町があるのですが、ここだけで九カ所あるのですね。つまり全県の最終処分場の一割がここにある。この町では満杯状態だからというので、すぐ近くの嘉穂町というところに今最終処分場をつくろうとしていて、これが実は大問題になっているのです。  おっしゃるように、いいものさえつくれば地元は安心するんだというような、そんな軽いものでは決してない。産廃業者が出てきて、ある日突然何かをつくり始めた。何だろうといったら最終処分場だったというので、もう大問題になって、にっちもさっちもいかなくなって、今裁判問題になっておるわけであります。結局どうしてこうなったんだろうかと、私も地元の嘉穂町の斉藤さんという町会議員さんと一緒に現地に行ってまいりまして、地元の人たちあるいは町長さんや、さまざまに反対運動を展開している人たち、そういう人たちにお話をじっくり聞いてまいりました。そして、現地も見させてもらいました。また、県にも行って役人の方たちにいろいろお話を聞いてきましたけれども、いろいろな過程で確かにかけ違いはあるけれども、一番大きなかけ違いは、結局は一番最初だったのですね。  一番最初に地元の住民の皆さんに、こういうものが建ちますよ、それで入れるものはこういうものですから心配ありませんよというような丁寧な、具体的な、かつ親切な事前説明、データ提供というものがきちっとなされておれば、決してここまではこじれなかった。なぜこじれちゃったか。結局、届け出制というシステムのもとに簡単な書類、ペーパーさえ一枚つくって県に出す、県がその書類を見て了解をする、はい行きなさいどいって業者がばっとつくり始める、それで地元住民は驚いて大騒ぎになっちゃうというようなことで、結果的には完全なデッドロック状態になってしまう、これが現実なんですよ。  したがって、安全な、いい入れ物さえつくれば安心するというのは、これは非常に甘い。それよりも、それは当然のことであって、その前に、地元の人たちは産廃物というものに対して、自分たちの生活が脅かされるんじゃないか、環境が破壊されるんじゃないかと、もう抜きがたい先入観を持っているのですから、したがって、事前にしっかりと説明していくということを新しい法の中にぜひ明文化すべきである。大変突っ込んだ前向きな法律ですから、私は評価しています。しかし、画竜点睛を欠いているのではなかろうか、そのように思えてなりません。その辺をもう一度ぜひ御検討いただきたいと私は切に思うわけでございます。この点、最後にもう一度伺いたいと思います。
  126. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 やはり地域住民の不安を起こすようなことでは相なりませんので、そのような住民に対する理解を得るためには、今御指摘のような許可の条件の中で、生活環境、周辺のいろいろな条件が整っているかどうかを判定した上で許可をおろすということになりますので、そのよう菅不安のないようにこれからも十分配慮してまいりたい、このように考えております。
  127. 東順治

    ○東(順)委員 そういう事前の説明というところをぜひ具体的に明文化していただいて、そしてこういう悲しい、厳しい現実が二度と起こらないように、今後のために対処していただきたい、このように思うわけでございます。  以上で終わります。
  128. 池端清一

    ○池端委員長代理 草野威君。
  129. 草野威

    ○草野委員 私は、不法投棄に関連した問題を一点お伺いしたいと思います。  最近、主として路上におきまして放置されている自動車また放棄されている自動車、これが何かと社会問題化されているわけでございます。その放置されている自動車を廃棄物として処理するに当たりまして厚生省はどのようなお考えを持っているか、こんな点につきましてお尋ねしたいと思っております。  御承知のように、現在我が国の車両の保有台数、これは一昨年の数字だそうでございますけれども五千五百万台、それから年間で廃車されている車両の台数が四百六十一万台、非常に膨大な数でございます。そういう中で、これは一部の不心得者のしわざであると思いますけれども、路上などに放置されている車が二万とか三万台ある。こういうことにつきまして、このままこれを放置しておきますと、都市の機能の問題だとか、また環境に及ぼす影響であるとか交通安全とか、こういう良好な都市環境を形成するに当たりまして非常に大きな問題が出てくるんじゃないか、早急な対策が必要であろう、このように考えているわけでございます。この問題につきましてはいろいろなことがありまして、この処理に当たって地方公共団体におきましても何かと頭を悩めている、こういうような事実もございます。  私は、まず初めにお尋ねしたいことは、問題の一つとして、だれが見てもこれはもう廃棄物ではないか、それにもかかわらず簡単に手をつけることができない、したがって、それを処分するまでに、廃棄物として処理するまでにかなりの時間がかかっている。この時間がかかっているという問題がございます。厚生省としても廃棄物として認定するに当たって何か困難が伴う、こういうお話も伺っておりますけれども、どういうことが廃棄物として認定するに当たって障害になっているのか、まずこの点からひとつお尋ねをしたいと思います。
  130. 小林康彦

    小林(康)政府委員 放置されました自動車が環境保全上問題を生じ、最近急激に大きな社会的問題になっておることも私ども承知をしておるところでございます。  放置自動車につきましては、まず、それを廃棄物として処理していいかどうかというところに一つの問題がございます。次は、それを処理するのに技術的にどうしたらいいかという課題がございまして、三点目にはその処理の費用、原因者が不明でございますので、その処理の費用をどう負担したらいいかというような問題で、今まで市町村も大変苦労してきたところでございます。  後ろの二点につきましては、業界の自主的な努力で、私たちの指導したという路線もございまして、ルールができまして、現在一番大きく残っておりますのは廃棄物としての認定の部分であろうと思っております。所有者等を十分に確認できない状態で廃棄物として処理をしました場合に、その後で所有者との間で賠償等の問題が生ずるおそれがございまして、この廃棄物の認定をどういう時点で、どういう条件でだれがするかというところが現在一番大きな課題であろうと認識しております。
  131. 草野威

    ○草野委員 確かに、厚生省と通産省でいろいろ調整を行いまして、この処理費用につきましては業界側が自主的に負担をする、こういうようなことで決着を見たことは一歩前進であろう、このように思うわけでございます。  今お話しございましたように、確かにこの認定をするに当たって所有者は一体だれなのか、また自動車としての機能は残っておるのかどうなのか、こういう問題について非常に難しい困難な問題がある、こういうようなお話でございましたけれども、こういう面については私はもう少し割り切って考えた方がいいのではないかと思うのです。路上に自動車がとまっている場合、通常の車であれば、これは警察が駐車違反ということでレッカー車で引っ張るか、かなり厳しい罰則、罰金ということで処分されるわけでございますけれども、一見して外観を見て、これは通常にとまっている車か放置されている車が、または放棄されている車がということはあらあら見当がつくのではないかと思うのです。例えばナンバーが外されている。ナンバーが外されているということは、これは通常の車ではありません。また、車台番号が削りとられている、これは全く自動車ではなくて一個の物件であります。物件が路上に放置されている場合、放棄されている場合、現在日本の法律ではそういうものを決着をつけるにはどういう法律がございますか。
  132. 小林康彦

    小林(康)政府委員 お話のような状態の自動車を、それが廃棄物であるかどうか端的に判断をする法律は、現在ないというふうに考えております。関連いたします法律といたしましては、道路交通法がございますし道路法がございます。それから廃棄物処理法におきましては、その所有者の有無あるいは放置されております。辺の状況、自動車としての機能の有無等、総合的に勘案して廃棄物かどうかということを判断するということになっておりますが、自動車に関してまだ具体的な判断基準に至っておりません。  一番問題なのは、いわゆる盗まれてかなり乗り回された結果放置をされておりますような自動車、これはお話のようなプレートが外されたり削られたりして放置をされます。そういう盗まれたような状態のものも、即刻廃棄物として処分していいのかどうかというような難しい問題もございまして、迅速に処理をしなければいけないという社会的要請があることも承知をしておりますが、その扱いの上では難しい問題も含んでおりますので、今後関係いたします省庁と相談をしながら、学識経験者の意見も聞くなどして、この放置自動車の廃棄物としての認定の時点、条件につきまして十分検討してまいりたいと考えております。
  133. 草野威

    ○草野委員 大臣、伺いますが、今お話しございましたように、非常に現在の法律では簡単に処理することが困難である、こういう趣旨のお話なんですね。そういうことで、この放置された車というのは、以前だったら河川敷だとか、それからどこか寂しいところだとか、そういうところへ放置されている例が多かったのですね。最近はそうではなくて、住宅街のど真ん中であっても今どんどん放置されている。これが増加傾向にあるわけですね。このまま放置していくと、これは本当に大変な問題になるかもしれません。  したがって、今の日本の法律では的確にすぐ当てはめることはできないというお話でございますけれども、やはりこれは工夫すれば私は可能ではないかと思うのです。例えば今道交法だとか道路法をお挙げになりました。道交法の場合、たしかこれは七十六条だと思いますけれども、物件放置ということでございますね。この物件放置という考え方からいけば、路上にそういう邪魔になる、通行を妨害する物件が置いてあれば、直ちにこれは除去することができますね。それから道路法の四十四条におきましても、違法物件に対する措置ということでございまして、これも道路管理者の立場において簡単に処理することができると思います。確かに三カ月保管というような話もございますけれども、少なくともスクラップに近いものであれば、低額な品物であるということで簡単にこれも処分することができるのではないか。また現在の、この今審議されております廃棄物処理法、この法律におきましても私は可能ではないかと思います。  例えば、これは一昨年の例でございますけれども、この廃掃法によりまして検挙された数字でございますけれども、全国で五十四台という数字が出ております。道路上で三十九台、河川敷で四台、山林で四台、空き地で四台、さらに海の中で三台、合計五十四台、これが廃棄物処理法によって違反ということで検挙されておる、こういう例もありますね。  だから、やりようによってはもっと積極的に、やりようによってはもっと簡単に処理することができるのではないか。今のところは警察また道路管理者また清掃という立場、いろいろな立場でお互いに手を出すのを遠慮し合っているような感じがしてならない。確かにこういう放置するということは、私は放置より放棄の方が適切ではないかと思っているぐらいなんですけれども、こういう不心得者に対してはもっと厳しい態度で臨むのがやはり正しいと思います。ひどいのは、陸運事務所の前に行って車を乗り捨てて、ナンバーを外して届けて、そのまま放置している、こういう例もあるなんという話も聞いたことがございますけれども、もってのほかでございます。したがって、確かに今挙げられた三つの法律、そのほかに遺失物法だとか古物法だとかいろいろあると思いますけれども、しかし、私は現在のこの三つの法律によっても、これは十分に処理することができるのではないか。  そこで、大臣に特に力を入れて取り組んでもらいたいと思いますけれども、余り遠慮をしないで、もっと速やかに、これは廃棄物なら廃棄物であると、そのように認定をして処理する、そういうことが大事ではないかと思いますが、これは大臣のお考えをひとつ伺いたいと思います。
  134. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 年一年と放置された自動車がふえておりまして、今おっしゃったように谷間とか森の中とかいうことだけでなくして、公衆の利用される道路やその他の場所で大変迷惑を生じておるということも事実でございます。  ただ、この自動車の問題につきましては、先ほど部長からも御説明いたしましたように関連の法律がたくさんありますし、その中でいわゆるそれが遺失物であるかどうかという認定もあろうかと思いますし、また自動車としての形態は、どこまでを自動車というかということもありましょうし、それから盗難の場合の関係で、本人がまだそれを捜している期間に相当するかもしれませんし、投棄その他の問題等々、関連の法律がたくさんありますので、それらを学識経験者の意見を聞きながらいかにしてこの問題を処理するか。しかも、今お話しのように、余り時間を長く放置したのでは現状の事態の対策にはマッチいたさないわけでありますので、そういうことを勘案しながら、これからもこの問題の取り組みについてさらに前向きに検討してまいりたい、このように考えております。
  135. 草野威

    ○草野委員 例えば警察サイドから見た場合ですけれども、道交法の第七十六条というのがございます。これはさっき申し上げました物件の放置ということなんです。これで昨年度十五台、多い少ないは別として十五台検挙しているのですね、物件放置ということで。これはどういう中身かといいますと、交通の妨害となるような方法で自動車の機能を失った車両を道路上に放置した場合、こうなるのです。これは自動車じゃないのです。だから、一つは交通を妨害している、もう一つは自動車としての機能を失っている、警察はこれは簡単に判断してしまうのです。そういうものについてはもう自動車とみなさない。ただ一個の物件とみなして物件放置違反、こういうことで検挙するのですね。早いのです、やろうと思えば。だから、私は清掃という廃棄物を扱う立場、それから警察という立場、道路管理者という立場、やはりこれらが一体となってこういうものの処理に当たることが大事だと思うのです。  一部の地方自治体においても、既にそういうようなことが大分進んでいるという話も聞いておりますけれども、何かそういう機関といいますか、そういうものをつくって、こういう問題に個々に対処をしていく、そういうマニュアル的なものを厚生省が音頭をとって全国の地方自治体に示す、こういうことでやったら、もう相当この解決にスピードが出てくるのじゃないかな、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
  136. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 委員御指摘の非常に参考になる御意見もございますので、それを頭に入れながら前向きに検討してまいりたいと思っております。
  137. 草野威

    ○草野委員 あと三分でございますので、じゃ最後に一つだけお尋ねしたいと思います。  今回のこの廃棄物処理法第六条の三、この中に「適正な処理が全国各地で困難となっていると認められるものを指定することができる。」というくだりがございます。この「指定する」というその内容ですね、これはもう既に決まっているのでしょうか。この「指定」の内容、この点について伺いたいと思います。
  138. 小林康彦

    小林(康)政府委員 「指定」の内容につきましては、これから法律が通りました後調査を行い、所要の手続を経て決めるものでございまして、現在のところ決まっているというものではございません。
  139. 草野威

    ○草野委員 全国都市清掃会議、ここから出されております適正な処理が困難な製品にかかわる要望、これは十五品目ほどございますけれども、通産省所管のものが十三品目ほど入っております。この中を見ますと、大体こういうようなものが中心になって指定されるのじゃないかと思いますけれども、例えばこの通産省所管の十三品目のうち、通産省の自動車課に所属するもので原動機付自転車とかオートバイとかタイヤ、こういうようなものが含まれているようでございますけれども、例えば、こうなってまいりますと、今申し上げましたような廃棄自動車、こういうような自動車はこの対象に大体含まれるのではないか、このように考えてよろしいですか。
  140. 小林康彦

    小林(康)政府委員 全国都市清掃会議から要望のございますものにつきましては、候補といたしまして調査の対象として検討したいというふうに思っております。  自動車につきましては、業界の自主的努力等によりまして、回収ルート、処理のルートが確立をし、市町村処理体系に入ってこないようなレベルになる、あるいはなる見通しがございますと、この適正処理困難物に指定をする要件がなくなりますので、その必要はないと思っております。十分な機能をしない場合、廃棄自動車が市町村責任、費用のもとで処理するような事態になりますとまた別でございますが、現在の廃棄自動車に対します。界を中心にした体制、かなり具体的で実効が期待できるものでございますので、それが十分機能をいたしますと適正処理困難物に指定するまでもない状況になるのではないか、現在のところそういう判断をしております。
  141. 草野威

    ○草野委員 次の、市町村長が事業者に対して「処理が適正に行われることを補完するために必要な協力を求めることができる。」こういう内容でございますけれども、この「協力」の内容ということはどの程度なんでしょうか。また「必要な――協力を求めることができる。」かなり何か緩い感じなんですけれども、これは義務づけとかそういうことはないのですか。
  142. 小林康彦

    小林(康)政府委員 「必要な協力」の内容につきましては、その製品あるいは地域によりましてさまざまのものが考えられるというふうに思っております。  民間企業によります回収システムの確立から、市町村回収しましたものを途中から引き取ること、あるいは市町村処理をします場合にその費用の一部を負担する等、種々の方策考えられますので、指定に当たりましてそうした協力の内容につきまして十分整理をし、どういう協力を求めることができるか、情報としても提供しながら、適正処理方向に進めるよう配慮していきたいというふうに考えております。
  143. 草野威

    ○草野委員 終わります。
  144. 池端清一

    ○池端委員長代理 寺前巖君。
  145. 寺前巖

    ○寺前委員 廃棄物処理及び清掃に関する法律などなど、法律は国民のみんなに役に立つようにその都度改善をしていくことは当然だし、また、できた法律が速やかに国民にとって役に立つように実行させるという点では、政府の姿勢もまた非常に重要になってくるというふうに思います。  そこで、私はきょうは生きた事実に基づいて、この法律が役に立つ方向に改善をされていくのかどうかということで、わずかな時間ですが、お聞きをしたいと思います。  というのは、ことしの六月に、香川県の有名な小豆島、その小豆島のすぐ近所に豊島と書いてテシマと読むらしいですね、そこへ行ってきました。行く気になったというのは、新聞にでかでかと載ったからです。何が載ったかといえば、兵庫県の警察に業者が挙げられたという記事が載っている。香川県なのに何で兵庫県にやられるのだろうということで読んでみたら、まあ大変なこと。そこには製紙会社から、十一府県三十社以上から集められた製紙かす等五万二千トン、シュレッダーダスト十九万八千トン、ニッケル含有汚泥が百六十二万トンなど、産業廃棄物がほかされているし、野焼きされているし、まあひどいことになっている。夏になったら海水浴でいいところだというのに。  小豆島は有名だから、私もいいところだろうなと思って見てきたんです。聞きしにまさるひどい悪臭の島に今やなってしまっている。何でこんなことになったんだろう。現地の人にもいろいろお話を聞きました。産業廃棄物処理業や金属回収業の許可をもらっている業者が、そこに長期間にわたってそういうことをしておったわけです。それに対して、香川県当局の方は知っていながら何の手も打たないままであって、警察が乗り出してしまった。現地の人は、何はともあれ、あれ全部撤収させるようにしてくれますかいな、どうですんや、今までもうさんざんほったらかしといて、後始末もできぬようなそんな政治だったら、政治がないのと一緒やないか、こう言いますねや。大臣「あれどんなふうにさせます。あれは業者がやることです、私は知りまへんねやということで済ませてしまうのかいな。そこははっきりしなかったら私はあかんと思うのやわ。
  146. 小林康彦

    小林(康)政府委員 香川県豊島におきまして産業廃棄物の収集運搬及び中間処理業並びに金属回収業を営んでおります豊島総合観光開発が、金属回収を行うためと称しましてシュレッダーダスト等を大量に持ち込み、その状態になっている件でございます。  この件につきましては、廃棄物処理法違反の面もございまして、県としては調査を実施するとともに、産業廃棄物の撤去並びに適正処理等の措置命令をかけたところでございます。廃棄物が広範囲から集められていることがございまして、関係します府県を集めまして関係する府県の間で協議をし、排出事業者と協議をする場所も設けまして、具体的な問題解決について検討することにしております。  かなりの部分は撤去処理が行われておりますが、シュレッダーダストを中心にいたしましてなお相当量が現地に残っておりますので、その処理を行いました企業及び排出企業の責任のもとで適切な対応ができるよう協議、指導を続けておる状況でございます。
  147. 寺前巖

    ○寺前委員 協議、指導で解決するんだったら大賛成です。やってくれますのやな。  それで、私ちょっとついでに聞きますけれども、ことしの通常国会、これと関連するようなリサイクル法のときに、私は福島県のいわきの問題を出しました。常磐炭鉱のごっついごっついやつが今は全部使われぬようになってしまった。穴がいっぱいある。幸いやというので東京、神奈川、まあこの辺、近郊から廃油をだあっと持っていって、それであそこで能力のない小さい業者に、夜中に改造したところのトラック、それは砂利トラかと思っておったら改造してあって廃油を積めるようにしていって、そしてだあっと注入してほうり込んでおる。雨が降ってきたら、それがだあっとしみてきて、百姓はたまったもんじゃない。  あの問題は事が起こってから二年半てっせ。この前、私、半年前でしたけれども、環境庁長官、それは何とかせなあかんと言っていました。何とかせなあかんと言ってから一体どうなった。いまだに何にもしてへん。口先ばっかりで進んでいくんであったら、政治なんて要らぬですよ、ほんまにやる気がなかったら。やるんだったらやるらしく、いつまでにこういうふうにやらせます、代執行をしてでもやりますのや、そういうかたい決意がなかったら、私、値打ちがないと思うのやけど、大臣、どうでっしゃろか。今の話にかたい決意でやらせますと言われるのかどうかですわ。
  148. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 豊島の件についてのお話でございますが、これはただいま部長からも申し上げましたように、関係の業者が多数おるわけでございます。したがいまして、それ一つ一つにまた市町村があるわけでありますので、香川県と関係市町村と協議をしながら、その関係の業者にそれぞれの措置をするように逐一命令をし、またその処置を監視しておるわけでございますが、御承知のように非常に多量であるということで、まだ十分に処理が進んでおらないのは現実でありますので、厚生省といたしましては、この問題が一刻も早く片づくように、さらに関係者に督促をするつもりでございます。
  149. 寺前巖

    ○寺前委員 それじゃ、まあよろしく頼みますわ。  そこで、私が気づいたのですけれども、兵庫県警が挙げたのはだれやったかといったら、その島で受け取っている側の業者の方がやられています。出した方は何の罪も問われていない。しかし、考えてみたら、あれは廃棄物として出しておるのに形は違う。取引の形にしておるのやわ。船で向こうへ持っていく。はい何ぼ船賃払いますさかい持っていっとくれやす、こういうことで、もらう方は、はい何ぼもらいましたから何ぼお金を払いますわと取引のような形にして、実際は姫路やその他のところで収集したところの、今言われたたくさんの業者は廃棄物処理、終末処理をやる人と結託してやっておるのですよ。だから、あの自動車を解体してああいうシュレッダーが出てきた、さあそれをどうするかということで、処分地べだあっと持っていっているわけでしょう、結局。だから、あれを処分したところの諸君たちが――排出者自身が罪に問われるんだ。どこへ処分をするのか、その処分はこういうふうにしなければあかんのやと、そこのところが責められるような法改正をせなんだら。この事件では責められてないんですよ。そこはどうしますのや、この法律でそこは改正されますのか。排出者が責めを受けるような法律にしなかったら、責任を持った対策はこれではできないと私は思うのですが、そこはどうなってますのや。
  150. 小林康彦

    小林(康)政府委員 排出者責任を持って処理をするというのは廃棄物処理法の基本でございまして、みずから適正処理ができない場合、委託をして処理をいたします場合に処理基準を設けております。その処理基準を今回強化することによりまして、豊島のような事件の再発を防ぐことにしております。  具体的には、まず処理業者を、今まで許可が一本でございましたものを収集運搬と処分に分けまして、客観的にもその処理業者の扱える範囲、能力が明確にわかるようにというのが一点でございます。  それから、排出事業者の方では、委託基準の中で処理業者が十分な能力を持っているかどうか、これを確認をしながら委託をするようにという基準の強化を図っております。  さらに、爆発性、毒性、感染性を有します廃棄物につきましては、特別管理産業廃棄物といたしまして特別の管理基準を設けるとともに、マニフェストといいます伝票制度によりましてその流れが的確に把握できるように、こうした規定を入れたところでございます。
  151. 寺前巖

    ○寺前委員 今度の件では処分されていないんだ、から、処分できないようになっておったのを今度の法律処分できるようになりますのやと胸を張って言えるんだったら言えるで、もう時間がないから私引き続きやりませんけれども、きちんと厚生委員会説明をしてください。  それから、せっかく見てきたついでだから、環境庁来てはりますか。あそこは国立公園やねんわ。第二種特別地域や普通地域産業廃棄物を持ち込んでいる。持ち込んでいるところを見に行ったら、何とあなた勝手に道路を広げたりしてやっておるのや。建築物ができてきておるのやわ。ようあんなもん国立公園でやらせておいて知らぬ顔してほったらかしておいたな。これは私正直に言っておりますのや。それであなた、高松、屋島の管理事務所へ行きました。行きますのや言うたら、迷惑そうな顔をされるのや。何でやろか、行ってみてわかりました。担当官が一人しかいらっしゃらないのやわ。私が行ったら、そのためにほかの仕事全部ストップになってしまうのやわ。それはどうにもならぬ。それで、どこを管轄していますのやと言うたら、徳島県から香川県から何やら三つほど言っておられました。それであなた、たくさんある瀬戸内海の島、国立公園に指定されておってもどうにもならぬと言うのやわな。それはそうやと思うわ。  それで国立公園、これからどうしますか。あなた、これから廃棄物、あそこは環境庁がレッテル張っておっても何もしよらへんと知っておるわけよ、これで。それやから島にどんどんほかしに行っておるわけでしょう。処分地には適当だと、だれも人おらへんわということになったら、これからもやられる可能性が非常に多いわけや。だから関係する知事さんや市長会が環境保全に関する要望書というのを出しておるのや。これは根本的に国立公園のやり方をちょっと考えないかぬと思うのやけれども、ともあれ原状回復をあそこはさせなかったら、私は環境庁の権威にかかわると思いますよ。何のために環境庁があるかわからぬようになってしまいますからね。それが一つ。  それから、瀬戸内法ができて二十年になるのだけれども、まだ埋め立ても相変わらずだし、赤潮の発生状況が年間百二十件からやはりずっと解決されていっていない。だから、ちょっと見直しもいろいろやる必要があるのじゃないだろうか。六海域、自然海浜の埋め立てなど原則としてやらせないとか、あるいは環境庁の審査や同意がなかったら港湾や公有水面の法律は執行することはできないとか、何か積極的な策を環境庁としても示す必要があるのじゃないだろうか。
  152. 伊藤卓雄

    ○伊藤(卓)政府委員 お答えいたします。  国立公園管理事務所の現場の苦労について御視察いただきまして、どうもありがとうございました。私ども全国で百十名余りの管理員、現場で大変苦労しておりまして、なかなか先生のおっしゃるように目の届かないところは申しわけないと存じます。実はこれも先生御案内だと思いますけれども、国立公園の管理といたしましてはすべて環境庁の職員でやるということではございませんで、物によりますけれども、都道府県知事に委任をして、その力をかりながらやっていくという構えになっておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。  本件の場合、不法投棄が行われている場所が普通地域内、それから関連する建築物あるいは道路を拡幅したとおっしゃいましたけれども、そういった場所は特別地域内というふうに分かれておりまして、それぞれ届け出あるいは許可が必要な部分でございます。それについて手続がなされておらないという点については確かに自然公園法違反でございますけれども、これは知事に委任されている部分でございますので、知事におきまして、香川県におきまして、風致の保護の観点から適切な措置を講ずるよう指導しているところでございます。  なお、本件の場合は、廃棄物全体をどうするかという扱いにつきまして、県が関係課こぞりまして、厚生省の御指導等も得ながらいろいろ鳩首協議をしておるというふうに伺っておりますし、特に廃棄物問題を当面の最重要課題として取り組んでおられるようでございますが、自然環境保全の点も忘れておるわけでございませんで、跡地の緑化あるいは修景等についても、今後必要な施策についても講じさせたいと考えているというふうに聞いております。
  153. 眞鍋武紀

    眞鍋政府委員 瀬戸内法の関係をお答え申し上げます。  瀬戸内海はその恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであるということにかんがみまして、瀬戸内海環境保全特別措置法、いわゆる瀬戸内法を制定されまして、埋め立てについて特別の配慮をするというふうなことなど、環境保全のための特別の措置を講じてきたわけでございます。その結果、瀬戸内海の状況を全般的に見てみますと、法律の施行後、水質の環境基準の達成率が向上をしております。それから赤潮の発生件数なども減少してきておるというふうなことで、長期的には水質の改善が図られているというふうに思っておるわけでございます。  また、瀬戸内海におきます埋め立てでございますが、厳に抑制すべきものであるというふうにされておりまして、やむを得ず認める場合には、埋め立ての基本方針に照らしまして、海域の環境の保全とかあるいは自然環境の保全でございますとか、水産資源保全観点から慎重な審査を行っておるわけでございます。瀬戸内法の施行後は埋立面積も減少傾向を示しておるわけでございます。  いずれにいたしましても、瀬戸内海の豊かな環境を保全するために、瀬戸内法及び埋め立ての基本方針に基づきまして、厳正に対処してまいりたいと思っておるわけでございます。
  154. 寺前巖

    ○寺前委員 時間が来たのでやめますけれども、そんなよくなっているなんて甘いことを言っておったらあかんわ。本当に見直しせにゃあかんで。申し上げて、終わります。
  155. 池端清一

    ○池端委員長代理 高木義明君。
  156. 高木義明

    ○高木委員 時間の範囲内でお尋ねをしてまいりますが、今回の法改正の趣旨の一つは、何と申しましても廃棄物減量化再生利用というのがございます。そのためにはどうしても大切なのは、何といっても国民の意識の高揚でありますし、また的確な行政指導と思うわけであります。同時に、具体的な廃棄物処理のための施設の整備も、これに伴って図られることが何よりも肝要だと思うわけであります。  多くの議論がございましたけれども、私はこの際、リサイクルセンター並びにストックヤードの設置につきまして取り上げてみたいと思います。  最近におきましては、住民とか諸団体、ボランティアを含めまして、リサイクルの機運が高まっております。しかし、現実問題といたしまして、空き缶とかあるいは古新聞にしましても、これらの廃品回収をしても、業者がその値段が引き合わないのでとりに来ない、こういう難色を示すケースが多々見られます。また、家庭の電化製品とかあるいは大きな家具、インテリア等々、中古製品などを再利用させたい、あるいはまた再利用したい、こういうことがありましてもその手段が閉ざされておる、そういうリサイクル運動、一連のシステム行政当局の中に今欠けておるのじゃないか、こういう認識であります。  こういう法案ができ、あるいはまた今後ともにリサイクルあるいは資源の再利用という運動が高まってくればくるほど、このような受け皿づくりというのが今求められておる、そういうことでございますが、そういう意味に立ちまして、今回の法案の中にはそれについての項目がないわけでありますけれどもリサイクルセンターあるいはストックヤード、こういったものを各地方公共団体設置するような規定を設ける時期に至っておるのではないか、私はそのように思いますけれども、当局の御見解をお尋ねをしておきたいと思います。
  157. 小林康彦

    小林(康)政府委員 廃棄物減量化、再生に関しましては、法律の中でその理念なり制度的な新しい手当てをしておるわけでございますが、あわせまして、その運動の推進のための経費あるいは施設整備を行っていくことが極めて重要なことは、先生お話しのとおりでございます。  このため、今回の法律には、目的に排出抑制や再生を明記いたしますとともに、市町村によります分別収集計画策定あるいは廃棄物減量推進審議会廃棄物減量等推進員設置あるいは知事によります優良な廃棄物再生事業の登録などの制度を設けたところでございます。  これらの制度とあわせまして、具体的に事業を展開をしていきますために、平成四年度の概算要求におきまして新たな予算要求をすることにしてございます。廃棄物処理総合対策事業と銘打ちまして、住民に対する啓発あるいは分別収集等推進する事業あるいはリサイクルセンター、お話のございましたストックヤード、不要品交換、これらの場所なり設備なりを整備をいたしますような事業に対して国として積極的に補助をし、促進をしていこうということで、地方公共団体に対する財政支援、予算要求として八十四億円を新たに計上しておるところでございます。これによりまして全国的にモデルになりますような再生、リサイクルのためのソフト及びハードの体制整備をしていきたいということで予定をしておるところでございます。
  158. 高木義明

    ○高木委員 私はこのリサイクルセンター、スドックヤードと並んで大切なのは、この法案の中にも明記されておりますが、有害廃棄物とかあるいはまた適正処理が困難な廃棄物、こういったものの処理をするための廃棄物処理センターの設置がうたわれておりますが、この設置につきましても早急に整備を図る必要がある、このように思っております。そういう意味で、この点につきましてはどのくらいの予算補助によって整備が図られていくのか、内容等につきましてお尋ねをしておきたいと思います。
  159. 小林康彦

    小林(康)政府委員 平成三年度の予算につきましては、その設立に対します助成としまして二億円を計上しておるところでございますが、平成四年度の予算要求におきましては、NTTのCタイプの活用を含め、財政的な支援措置を講じるための構想を、現在財政当局に予算要求の一環として行っているところでございます。
  160. 高木義明

    ○高木委員 大蔵省も来ていただいておりますので、この際お尋ねをしておきます。  確かにこの廃棄物処理の問題は、今日の重要な一つの行政課題であり、政治課題でございます。そういう意味では、ただいま厚生省からお述べになりました予算措置につきまして、私は自分の感じでは焼け石に水ではないかなという気持ちさえしないでもございません。したがって、この問題の解決を促進するために、いわゆる別枠においてこういうものの措置をすべきではないか。そうしなければ、厚生省予算のどこかにしわ寄せが出てくるということになりますと、これまた大変なことでございますので、その点につきまして大蔵省の予算措置についての考え方を求めておきたいと思います。
  161. 渡辺功

    渡辺説明員 お答えを申し上げます。  廃棄物処理施設整備費の三年度の予算につきましては、公共事業費の総額の伸び率が五・三%でございましたが、それを大幅に上回る一二・七%増の八百八十億円を確保して、廃棄物処理施設整備費予算の充実を図ったところでございます。  四年度予算につきましては、概算要求を受け取ったばかりでございます。これから、御要求いただきましたものを厚生省関係省庁とよく御相談しながら検討してまいりたいというふうに思っております。     〔池端委員長代理退席、野呂委員長代理     着席〕
  162. 高木義明

    ○高木委員 ぜひよろしくお願いをしておきたいと思います。  次に、自治省にお尋ねをしておきますけれども、何といってもごみ問題の受け皿は地方公共団体でございます。したがって、ただいま私が提起しましたリサイクルセンター並びにストックヤードの設置については、自治省としても指導されていくべきではないかと思いますが、御見解、どうでしょう。  同時に、その場合、自治体行政需要、やむを得ない行政需要の増大があったときに対しましても、権限、財源等を含めて十分な対応がとられる、そういう考慮が大切であろうと私は思っておりますが、その点を含めてお尋ねをしておきたいと思います。
  163. 遠藤安彦

    遠藤政府委員 お答えを申し上げます。  御指摘いただきましたように、資源リサイクルごみ減量化を含めまして、地方公共団体にとっても大変ゆるがせにできない大事な問題であるというように理解をいたしております。  そういった中で、一般の廃棄物処理施設につきましては、制度もきちっとできているところでございますので、地方交付税あるいは地方債ということによりまして所要の財源措置をいたしているわけでありますが、今御指摘をいただきましたリサイクルセンターとか人ドックヤード、これは新しい行政需要といいますか、そういった観点もあります。ただ、行政としてこれから取り組んでいかなければならない重要な問題でございますので、私どももそれらに対する地方負担についての財源措置のあり方について真剣に検討をして、地方公共団体が自主的にも取り組めるよう積極的に支援をしていきたいというように思っています。  なお、権限あるいは財源の観点からの御質問もございました。御指摘のような趣旨も十分に踏まえる必要があろうと思いますので、そういった点も遺漏のないようにこれから努力をしていかなきゃならないだろうというように思っております。
  164. 高木義明

    ○高木委員 そういう前向きの気持ちで取り組んでいただくことを要望しておきます。  次に、少し時間がありますので、先ほど来からもいわゆる不法投棄の問題がたくさん出てまいりました。例えば建設廃材にしましてもドラム缶等の廃棄物にしましても、これはもう大変なゆゆしき問題であります。しかし、今日までそういうものが容易に撤去できなかった状況が見られておりますけれども、これらは知事措置命令の発動要件が大変厳しくなっておるから、そういうものが機敏に対応できなかったのではないかという指摘もあるわけでございますが、今回の法改正におきましてはどのように措置をされておるのか、その点お聞きをしておきたいと思います。
  165. 小林康彦

    小林(康)政府委員 御指摘のような事情あるいは都道府県知事等からの御要望もございまして、今回の廃棄物処理法改正におきまして、委託基準あるいは措置命令等の条件につきまして、緩和といいましょうか、適用のしやすい形にしたところでございます。  具体的には、不法投棄をされました廃棄物により生活環境保全支障が生じ、または生ずるおそれがあると認められるときは、その廃棄物の撤去を早急に行うことが極めて重要でございますので、措置命令の発動の際に必要でございました生活環境保全上の支障の重大さの判断、これを行わなくても、「重大な支障」を「支障」に改めまして、重大な判断を行わなくても措置命令がかけられるようにとしたところが一点でございます。  二点目は、不法投棄を行いました場合の原因者責任追及でございまして、委託基準違反の排出事業者まで遡及して、法の趣旨を十分に生かせるよう排出事業者及び処理業者に係る委託基準強化をする、こうしたことで知事等措置命令等が迅速に行えるよう配慮したところでございます。
  166. 高木義明

    ○高木委員 終わります。
  167. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 以上で本連合審査会における質疑は終了することとし、これにて散会いたします。     午後四時一分散会      ――――◇―――――